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チョロ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

チョロcholo)、チョラchola)とは、みなみアメリカボリビアチリペルーなどのくにで、インディオおよメスティーソ言葉ことばである(チョロは男性だんせい、チョラは女性じょせいたる)。メスティーソはスペインけん全般ぜんぱん混血こんけつあらわ言葉ことばとしてもちいられる言葉ことばだが、とく中南米ちゅうなんべいでは白人はくじんとインディオの混血こんけつす。一方いっぽう、チョロはケチュアなど先住民せんじゅうみんとして位置いちづけられているものをはじめ、インディオの特徴とくちょうつよ人物じんぶつ言葉ことばである。

概要がいよう

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チョロ伝統でんとうてきなドレス、クエンカナ

元々もともと18世紀せいきころ、スペインじん服装ふくそう言葉ことば生活せいかつ様式ようしきなどをれてらすようになった人々ひとびととくにスペイン女性じょせい恰好かっこう真似まね現地げんち女性じょせい)をして使つかわれはじめた(チョロの語源ごげんは、スペインで「着飾きかざったひと」「素敵すてきひと」という意味いみのチュロ (chulo)であるといわれるのはここに由来ゆらいしている)。このため、チョロを「都市とししたインディオ」と説明せつめいすることもある。この時代じだいにはチョロはインディオにたいする「上流じょうりゅう階級かいきゅう」として位置いちづけられていたものとおもわれる。

現代げんだいにおいては、このころ流行りゅうこう服装ふくそうつづけているひとたち(と、その家族かぞく)を言葉ことばとなった。この服装ふくそうをした男性だんせいはあまりいなくなったが、女性じょせい現代げんだいでもおおくおり、わか女性じょせいchola語尾ごび愛称あいしょうをしめす-itaをつけて「チョリータ」(cholita)とばれている。しかし近年きんねんでは一概いちがいにはそうとはえず、農村のうそん住民じゅうみんふるくからの風習ふうしゅうまもり、ケチュアなど先住民せんじゅうみんけい言語げんご日常にちじょうてき使用しようしている地域ちいきもあるが、都市とし住民じゅうみんはスペインのみしかほぐさず、生活せいかつ習慣しゅうかん先住民せんじゅうみんけい以外いがいもの大差たいさのないことがすくなくない。

先住民せんじゅうみんけい住民じゅうみん国民こくみん大半たいはんめ、そのおおくがくに産業さんぎょう労働ろうどうしゃとしてささえているペルーやボリビアでは白人はくじん中心ちゅうしんとした富裕ふゆうそうたいする「庶民しょみん」としての意味合いみあいもかたりで、先住民せんじゅうみんとしてのアイデンティティをしめかたりでもある。とく女性じょせいのチョロをす「チョラ」や若年じゃくねん女性じょせいす「チョリータ」は「女性じょせい」や「むすめ」とほぼおな意味いみもちいられており、歌謡かようきょくなどにも頻繁ひんぱん登場とうじょうするかたりである。恋人こいびと同士どうしなどが"Mi cholito", "Mi cholita"とうのはめずらしいことではない(意味合いみあてきには「わたしのチョリート(チョリータ)」よりもむしろ「あなた」や「きみ」などにちかい)。

ペルーやボリビアでは学校がっこう教育きょういく普及ふきゅうし、スペインほぐさない先住民せんじゅうみんけい住民じゅうみんはほとんど存在そんざいせず、高等こうとう教育きょういくけて政財界せいざいかい活躍かつやくする人物じんぶつめずらしくはなく、いわゆる「チョロ」のなかにはアレハンドロ・トレドエボ・モラレスのように大統領だいとうりょうしょくつとめる人物じんぶつ存在そんざいする。しかしながら、全般ぜんぱんてきには社会しゃかいてき地位ちいひく貧困ひんこんそうだい多数たすうめており、このことがかれらにたいする差別さべつ意識いしきにつながっている側面そくめんもある。

文化ぶんかてきにはきゅう宗主そうしゅこくであるスペインと先住民せんじゅうみん文化ぶんか融合ゆうごうさせた独自どくじ文化ぶんかになっている。いわゆる「フォルクローレ」として世界せかいてきられる音楽おんがくになでもあるが、近年きんねんではアヤクーチョ中心ちゅうしん現代げんだい音楽おんがくワイノなど古来こらい音楽おんがくとをマッチさせたあたらしい音楽おんがく発信はっしんされ、そのすぐれたになでもある。

差別さべつとしてのチョロ

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上記じょうきのように先住民せんじゅうみん人物じんぶつという意味いみもちいられるかたりであるが、長年ながねん白人はくじんくらべて差別さべつてき待遇たいぐうけたり、貧困ひんこん労働ろうどうしゃそう大半たいはんめたりする事情じじょうもあり、「チョロ」というは「田舎いなかしゃ」や「貧乏人びんぼうにん」という意味合いみあいで侮蔑ぶべつとしてもちいられることがある。

そのため、先住民せんじゅうみんけい以外いがいものもちいる場合ばあいは、侮蔑ぶべつてき意味合いみあいがしょうじるおそれがあるため、普段ふだん会話かいわもちいられることはあまりない。これらの言葉ことばわりに、褐色かっしょくまたは浅黒あさぐろはだをしたひとをさす言葉ことばである「モレーノ」(moreno)や「モレーナ」(morena)をもちいることがおおい。また、チョラの場合ばあい、その特徴とくちょうてき服装ふくそうから、「ポジェラ女性じょせい」 (señora de pollera)ともばれる。

チョロばれたアレハンドロ・トレドもとペルー大統領だいとうりょう

ペルーでアレハンドロ・トレドとアルベルト・フジモリ大統領だいとうりょうしょくあらそったさい、「チョロたいチノのたたかい」といういいかたがなされたことがある(「チノ(chino)」は英語えいごではChineseとなり、中南米ちゅうなんべい東洋とうようじん全般ぜんぱんさげすんで言葉ことばである)。

なお、北米ほくべいとくアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく)においては、「チョロ」はメキシコひと祖先そせん合衆国がっしゅうこくまれのひとはげしく侮蔑ぶべつする言葉ことばとされている。とくに、メキシコ出身しゅっしんしゃギャング隠語いんごとして1970年代ねんだいから1980年代ねんだいころによく使つかわれた。ステレオタイプてきチノ・パンツをはき、ノースリーブシャツて、しばしばずみをしている」ひとしめす。

関連かんれん項目こうもく

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