ティーズ川がわ

ハイフォース滝たき

ティーズ川がわ（ティーズかわ、英語えいご: River Tees）は、イングランド北東ほくとう部ぶを流ながれる河川かせん。河口かこうは北海ほっかいに面めんする。

概要がいよう

源流げんりゅうはペナイン山脈さんみゃく北部ほくぶ（北きたペナイン山脈さんみゃく南西なんせい部ぶ）のクロスフェル山さん。上流じょうりゅう部ぶは典型てんけい的てきなデール（U字じ谷だに）地形ちけいで、コールドロン・スナウトやイギリス最大さいだい規模きぼのハイフォース滝たきなどの滝たきがある。右岸うがん支流しりゅうのルーン川がわ、ボーダー川かわ、グレタ川がわと合流ごうりゅうした後のち、ダラム州しゅうのバーナードキャッスルを過すぎると肥沃ひよくな平野へいやを蛇行だこうする。ダラム州しゅうダーリントンの南方なんぽう、ストックトン＝オン＝ティーズを流ながれた後のち、ミドルズブラの下流かりゅうで三角みすみ江こうをなして北海ほっかいに注そそぐ。河口かこう部ぶには広大こうだいな干潟ひかたがある。

この川かわはダラムとヨークシャーの歴史れきし的てきカウンティの境界きょうかい線せんをなす。

生態せいたい系けい

上流じょうりゅう部ぶのアッパーティーズデール地域ちいきおよびカウグリーン貯水池ちょすいちは付近ふきんのカンブリア州しゅうにも跨またぐムーア地帯ちたいのムーアハウス・アンド・クロスフェル地域ちいきと共ともに「ムーアハウス＝アッパーティーズデール国立こくりつ自然しぜん保護ほご区く」をなしており、1976年ねんから2012年ねんまではユネスコの生物せいぶつ圏けん保護ほご区くにも指定していされていた。アッパーティーズデールには草地くさちと山地さんちの植生しょくせいが広ひろがっており、特とくに後こう氷こおり期き植生しょくせいの高山たかやま植物しょくぶつの植物しょくぶつ相しょうがある。ゲンチアナ・ウェルナ、チシマヒメカラマツ、エゾノチチコグサ、ムカゴトラノオなどの希少きしょう種しゅやタチキジムシロ、タイム、ガリウム・サクサタイル、ドッグバイオレット、ヒナギク、イトシャジン、ビオラ・ルテアなどが挙あげられる。動物どうぶつとしてはキノコバエ、コチョウゲンボウ、ハヤブサ、ヨーロッパノスリ、コミミズクが生息せいそくしている。

河口かこう部ぶと付近ふきんの海岸かいがんには砂地すなじ、干潟ひかた、岩礁がんしょう海岸かいがん、塩性えんせい湿地しっち、淡水たんすい湿地しっち、砂丘さきゅうなど多様たような地形ちけいがあり、様々さまざまな種類しゅるいの水鳥みずとりの生息せいそく地ちと越冬えっとう地ちとなっている。1995年ねんにラムサール条約じょうやくに登録とうろくされた。

産業さんぎょう

ティーズ川がわ流域りゅういきにはダラム炭田たんでんとクリーブランド鉄てつ鉱山こうざんが存在そんざいする。1825年ねんにストックトン・アンド・ダーリントン鉄道てつどうが開通かいつうしたことを契機けいきに、河口かこう付近ふきんのティーズサイドと呼よばれる地域ちいきに製鉄せいてつ業ぎょう、鉄鋼てっこう業ぎょうをはじめとした重工業じゅうこうぎょうと都市とし化かが発展はってんした。河口かこう部ぶにはイギリスで最もっとも忙いそがしい港湾こうわんの1つ、ティーズポートがある。

製鉄せいてつ業ぎょうは、2019年ねん現在げんざいもブリティッシュ・スチールの工場こうじょうとして存在そんざいしている。