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テタノスパスミン

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
テタノスパスミン
テタヌス毒素どくそのCじゅうくさり (PDB: 1a8d​)
識別子しきべつし
由来ゆらい生物せいぶつ Clostridium tetani
3文字もじ略号りゃくごう TeNT
UniProt英語えいごばん P04958
検索けんさく
構造こうぞう Swiss-model
ドメイン InterPro
テタノスパスミンの構造こうぞう
テタノスパスミンの作用さようじょ

テタノスパスミン (Tetanospasmin) は分子ぶんしりょうやく15まんタンパク質たんぱくしつで、破傷風はしょうふうきんによってさんされ、破傷風はしょうふう原因げんいんとなる蛋白たんぱく毒素どくそ神経しんけいどくである。テタヌストキシン (Tetanus-toxin) とうともばれる[1][2]

毒性どくせいきわめてつよいが、動物どうぶつしゅにより毒素どくそたいする感受性かんじゅせいことなる[3]。マウスの半数はんすう致死ちしりょう (LD50) は体重たいじゅう 1 kgあたり0.000002 mg (2 ng) であり[4]ボツリヌストキシンいで自然しぜんかい毒素どくそ最強さいきょうランクにるいされるもののひとつである。ホルマリン処理しょりにより容易よういしつかつする。この現象げんしょうもちいて破傷風はしょうふうトキソイド破傷風はしょうふうワクチン)がつくられている。

作用さようじょ

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毒性どくせい発現はつげんは、はや逆行ぎゃっこうせい輸送ゆそう(Fast retrograde transport (50-100 mm/にち))というじょしょうじる。神経しんけいでは通常つうじょう信号しんごう伝達でんたつ方向ほうこうしたぎょうせいしめすが、テタノスパスミンが神経しんけいまつはしからまれた場合ばあい神経しんけい繊維せんい内部ないぶ神経しんけいまつはしから細胞さいぼうたい方面ほうめんへの伝達でんたつうえこうせい)をしめす。これを逆行ぎゃっこうせいという。

テタノスパスミンの中毒ちゅうどくでは、

  1. 抑制よくせいせいシナプスにおける神経しんけい伝達でんたつ物質ぶっしつ分泌ぶんぴつアセチルコリン遊離ゆうり抑制よくせい
  2. αあるふぁけいγがんまけい運動うんどう神経しんけい興奮こうふん
  3. のう脊髄せきずい存在そんざいする中枢ちゅうすう運動うんどうニューロンの興奮こうふん亢進こうしん

などがしょうじ、これらにともない、三叉みつまた神経しんけい麻痺まひによる破傷風はしょうふう顔貌かおかたち強直きょうちょくせい痙攣けいれんゆみ反射はんしゃ最後さいご呼吸こきゅうすじ硬直こうちょく麻痺まひによる死亡しぼう、の経過けいかをたどる。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 松田まつだ守弘もりひろ、「テタヌストキシン」 『生体せいたい科学かがく』 35かん6ごう (1984ねん12がつ)p.443-445, doi:10.11477/mf.2425904631有料ゆうりょう閲覧えつらん
  2. ^ テタヌス毒素どくそ - のう科学かがく辞典じてん”. bsd.neuroinf.jp. 2021ねん5がつ6にち閲覧えつらん
  3. ^ 松田まつだ守弘もりひろ破傷風はしょうふう毒素どくそ 日本にっぽん細菌さいきんがく雑誌ざっし 1979ねん 34かん 4ごう p.631-665, doi:10.3412/jsb.34.631
  4. ^ 福岡大学ふくおかだいがく 寺田てらだ研究けんきゅうしつ講義こうぎ資料しりょうのページ「生物せいぶつどく

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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