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壊死性筋膜炎 - Wikipedia コンテンツにスキップ

壊死えしせいすじまくえん

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患部かんぶ写真しゃしん

壊死えしせいすじまくえん(えしせいきんまくえん)とは、皮下脂肪ひかしぼう組織そしき固有こゆうすじまくあいだにあるあさそうすじまく細菌さいきんせい炎症えんしょう組織そしき壊死えしこす嫌気いやけせいきん原因げんいん感染かんせんしょうひとつ。発症はっしょうゆるやかであるが急速きゅうそく進行しんこうちょうあつ状態じょうたいとなり致死ちしりつたかい。中高年ちゅうこうねん四肢しし陰部いんぶこうはっする[1]起因きいんきんひとつであるビブリオ・バルニフィカスは「ひといバクテリア」ともばれることがある[2]

解説かいせつ

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基礎きそ疾患しっかんくてもしょうじ、原因げんいんきん経口けいこう摂取せっしゅ[3]外傷がいしょう肛門こうもん周囲しゅうい膿瘍のうよう[4]しゅうえん親知おやしらず周囲しゅういえん抜歯ばっし感染かんせん咽頭いんとう周囲しゅういえんなど)からの細菌さいきん侵入しんにゅう原因げんいんとなる[5]、まれに口腔こうくうせい交渉こうしょう[6]。また、前駆ぜんく疾患しっかんとして耳下腺炎じかせんえんしもあご智歯ちし歯根しこんまくえん由来ゆらい歯槽しそう膿瘍のうようほお粘膜ねんまく咬傷こうしょうしもあごしょう臼歯きゅうしかん治療ちりょうしもあご智歯ちし抜歯ばっし口腔こうくうそこせんさま嚢胞のうほうがん切除せつじょじゅつしもあごエナメル上皮じょうひしゅしも顎骨がっこつ切除せつじょじゅつ原因げんいんとなったとする報告ほうこくがある[5]早期そうき診断しんだん重要じゅうよう急速きゅうそく悪化あっかするため播種はしゅせい血管けっかんない凝固ぎょうこ症候群しょうこうぐん臓器ぞうき不全ふぜん進展しんてん死亡しぼうするれいおおい。

原因げんいんきん

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つねざいきん原因げんいんとなることもあり黄色おうしょくブドウ球菌きゅうきん溶血ようけつせいレンサ球菌きゅうきん大腸菌だいちょうきん[4]芽胞がほう嫌気いやけせいきんなど様々さまざまであるが特定とくていされると、原因げんいんきんめいかんした名称めいしょうばれることもある。

症状しょうじょう

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真皮しんぴぜんそう浮腫ふしゅしるあかり紫斑しはん水疱すいほう疱、おちい凹性壊死えし潰瘍かいよう激痛げきつうともな浮腫ふしゅせい腫脹しゅちょう発赤はっせき腫脹しゅちょう発熱はつねつなどの全身ぜんしん症状しょうじょうていする。初期しょきには、はち窩織えん類似るいじした症状しょうじょうていし、鑑別かんべつ困難こんなんなことがある[9][1]

診断しんだん

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抗菌こうきんやく投与とうよまえ細菌さいきん検査けんさ白血球はっけっきゅうぞう炎症えんしょう反応はんのう上昇じょうしょう(CRP高値たかね)、きも機能きのう障害しょうがい凝固ぎょうこけい異常いじょうなど。MRI、CT画像がぞう検査けんさによるすじまく病変びょうへん、ガスぞう有無うむ

治療ちりょう

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  • 外科げかてきデブリードマン抗菌こうきんやく大量たいりょう投与とうよ対症療法たいしょうりょうほう、ショック症状しょうじょうへの対応たいおう

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b 壊死えしせいすじまくえん necrotizing fasciitis あたらしい皮膚ひふ科学かがく (PDF) 北海道大学ほっかいどうだいがく 大学院だいがくいん医学いがく研究けんきゅう皮膚ひふ科学かがく教室きょうしつ
  2. ^ 岡本おかもと正則まさのり松田まつださとし中村なかむらいさお ほか、げきしょうがたAぐん溶連菌ようれんきん感染かんせんしょうていした化膿かのうせいひざ関節かんせつえんの1れい 中部ちゅうぶ日本にっぽん整形せいけい外科げか災害さいがい外科げか学会がっかい雑誌ざっし Vol.52 (2009) No.6 P.1377-1378, doi:10.11359/chubu.2012.169
  3. ^ 古木ふるき春美はるみ水足みずあし久美子くみこ前川まえかわよしみよう ほか、経口けいこう感染かんせんかんがえられた,Aeromonas sobriaによる壊死えしせいすじまくえん死亡しぼうれい 日本にっぽん皮膚ひふ学会がっかい雑誌ざっし Vol.102 (1992) No.7 p.847-, doi:10.14924/dermatol.102.847
  4. ^ a b 角崎すみざき秀文ひでふみ岡村おかむらたかし鳥屋とりやじょうおとこ ほか、肛門こうもん周囲しゅうい膿瘍のうよう続発ぞくはつした壊死えしせいすじまくえんの1れい 日本にっぽん臨床りんしょう外科げか学会がっかい雑誌ざっし Vol.59 (1998) No.3 P.837-840, doi:10.3919/jjsa.59.837
  5. ^ a b 山岡やまおかみのる壊死えしせいすじまくえん 松本歯科大学まつもとしかだいがく学会がっかい 松本まつもと歯学しがく22(3), p.233-244, 1996-12-31
  6. ^ 中山なかやまあきらぶん,永江ながえ亜紀子あきこ,宇井ういたかししか ほか、「陰部いんぶからの感染かんせんうたがわれたげきしょうがた溶血ようけつせいレンサ球菌きゅうきん感染かんせんしょう日本にっぽん臨床りんしょう微生物びせいぶつがく雑誌ざっし 2014ねん Vol.24 No.1 p.41─46
  7. ^ たに 哲郎てつろう1), 行方なみかた 雅人まさと1), 岩名いわな 大樹だいき ほか、Aぐん溶連菌ようれんきんによる壊死えしせいすじまくえんの1れい 中部ちゅうぶ日本にっぽん整形せいけい外科げか災害さいがい外科げか学会がっかい雑誌ざっし Vol.58 (2015) No.3 p.527-528, doi:10.11359/chubu.2015.527
  8. ^ 川崎かわさき啓介けいすけ長野ながの博志ひろし大塚おおつか和俊かずとし ほか、水害すいがいにより発生はっせいしたVibrio vulnificusによる下腿かたい壊死えしせいすじまくえんの1れい 中部ちゅうぶ日本にっぽん整形せいけい外科げか災害さいがい外科げか学会がっかい雑誌ざっし Vol.48 (2005) No.5 P.827-828, doi:10.11359/chubu.2005.827
  9. ^ 永松ながまつただしだい綾部あやべしのぶ下肢かし壊死えしせいすじまくえん検討けんとうはち窩織えんとの鑑別かんべつむずかしい- 日本にっぽん下肢かし救済きゅうさいあしびょう学会がっかい Vol.7 (2015) No.1 p.69-76, doi:10.7792/jlspm.7.69

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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