ディケード (単位たんい)

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3ディケードの視覚しかく表現ひょうげん: 1, 10, 100, 1000 (100, 101, 102, 103)
3ディケードの視覚しかく表現ひょうげん: 1000の 0.001s, 100の 0.01s, 10の 0.1s, 1個いっこの 1

ディケード(decade、記号きごう: dec[1])は、対数たいすうスケール周波数しゅうはすう英語えいごばん測定そくていするための単位たんいである。1ディケードは、2つの周波数しゅうはすう比率ひりつが10である(2つの周波数しゅうはすうけたが1けたちがう)ことをしめ[2][3]アンプフィルターなどの周波数しゅうはすう特性とくせい記述きじゅつするときに使つかわれる。

類似るいじした単位たんいオクターヴがある。1オクターヴは、2つの周波数しゅうはすう比率ひりつが2であることをしめす。

計算けいさん[編集へんしゅう]

ディケードによる周波数しゅうはすう比較ひかくは、うえしたのどちらの方向ほうこうでもい。すなわち、100ヘルツ(Hz)の1ディケードじょうは1000ヘルツであり、1ディケードは10ヘルツである。使用しようされる単位たんいなんでもく、31.4ラジアン毎秒まいびょう(rad/s)の1ディケードは3.14ラジアン毎秒まいびょうである。

2つの周波数しゅうはすう , あいだのディケードのは、つぎしきのように2つの周波数しゅうはすう常用じょうよう対数たいすう(10をそことする対数たいすう)でもとめられる。

  • ディケード[2][3]

自然しぜん対数たいすう使用しようするとつぎしきのようにもとめられる。

  • ディケード[4]
15 rad/s から 150,000 rad/s へのディケードの
dec
3.2 GHz から 4.7 MHz へのディケードの
dec

1オクターヴは周波数しゅうはすうが2であるので、1オクターヴは ディケードとなる。

ある周波数しゅうはすうたい特定とくていのディケードすうとなる周波数しゅうはすう調しらべるには、周波数しゅうはすうに10のディケードすうける。

220 Hzの3ディケード
Hz
10の1.5ディケードじょう

1ディケードを特定とくていのステップすうとう分割ぶんかつしたときの周波数しゅうはすう間隔かんかく調しらべるには、10をステップすう逆数ぎゃくすうべきじょうにする。

1ディケードを30ステップに分割ぶんかつしたとき周波数しゅうはすう間隔かんかく
– これは、それぞれのステップの周波数しゅうはすうが、そのまえのステップの7.9775%ぞうであることを意味いみする。

グラフ表現ひょうげん分析ぶんせき[編集へんしゅう]

ボードせんよこじく対数たいすうスケールの周波数しゅうはすうであり、ディケード単位たんいにすると-3から+3のになる。

電子でんし回路かいろ周波数しゅうはすう特性とくせいボードせんなどのグラフ形式けいしきあらわ場合ばあいおおきな周波数しゅうはすう範囲はんいあらわすために、線形せんけいスケールではなく対数たいすうスケールが一般いっぱんてき使用しようされる。おおくの場合ばあい線形せんけいスケールでは実用じつようてきではない。たとえば、アンプの周波数しゅうはすう帯域たいいき通常つうじょう20 Hzから20 kHzであり、ディケードを単位たんいとする対数たいすうスケールを使用しようすると、帯域たいいき全体ぜんたいあらわすに便利べんりである。一般いっぱんてきに、このような表現ひょうげんのグラフは、対数たいすうスケールで1 Hzへるつ(100)から100 kHzきろへるつ(105)までとすると、標準ひょうじゅんサイズのグラフ用紙ようし音声おんせい帯域たいいきおさめることができる。線形せんけいスケールでは、おなじグラフ用紙ようしで0から50までしかおさめられない。

一般いっぱんに、周波数しゅうはすう特性とくせいは「まいディケード」の観点かんてん説明せつめいされる。みぎのボードせんれいでは、阻止そし帯域たいいき(stopband)で-20 dBでしべる/decの勾配こうばいしめしている。すなわち、周波数しゅうはすうが10ばいになるたびに(では10 rad/sから100 rad/sにかって)、ゲインが20 dBでしべるずつ減少げんしょうする。

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ ISO 80000-3:2006 Quantities and Units – Space and time
  2. ^ a b Levine, William S. (2010). The Control Handbook: Control System Fundamentals, p. 9-29. ISBN 9781420073621.
  3. ^ a b Perdikaris, G. (1991). Computer Controlled Systems: Theory and Applications, p.117. ISBN 9780792314226.
  4. ^ Davis, Don and Patronis, Eugene (2012). Sound System Engineering, p.13. ISBN 9780240808307.