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ディラン・トマス

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生家せいか
スウォンジーにあるディラン・トマスの彫像ちょうぞう

ディラン・マーレイス・トマス(Dylan Marlais Thomas, 1914ねん10月27にち - 1953ねん11月9にち)は、ウェールズ詩人しじんおよび作家さっか

生涯しょうがい[編集へんしゅう]

ディラン・トマスは海沿うみぞいのまちであるスウォンジーまれた。英語えいご学位がくい作家さっかであるちちデイヴィッドは、ディランを母語ぼごウェールズではなく英語えいご教育きょういくさせた。ミドルネームの「マーレイス」は、吟遊詩人ぎんゆうしじんユニテリアン牧師ぼくしであった叔父おじのギウィリム・マーレイス(Gwilym Marles, 本名ほんみょうはウィリアム・トマス)からったものであった。

トマスは男子校だんしこうのスウォンジー・グラマー・スクール(現在げんざいのビショップ・ゴア・スクール)に通学つうがくした。かれ父親ちちおや同校どうこうえい文学ぶんがくおしえた。ディランがはじめての作品さくひん発表はっぴょうしたのは同校どうこう学校がっこうであった。かれは1ねんはん通学つうがく、リポーターになるため16さい学校がっこうった。

トマスの幼年ようねん大半たいはんはスウォンジーでついやされ、なつになるとかれはカマーゼンにある母親ははおや実家じっか農場のうじょうごした。田舎いなかでの生活せいかつとスウォンジーのまちでの生活せいかつ対比たいひは、かれおおくの短編たんぺんやラジオ・エッセイ、代表だいひょうさくである「ファーン・ヒル」のなかからうかがえる。

トマスはそののおよそ半分はんぶんおおくの短編たんぺん小説しょうせつを、家族かぞくとともにらした5 Cwmdonkin Driveの生家せいか執筆しっぴつした。「And death shall have no dominion」はそこで執筆しっぴつされたもっと有名ゆうめい著作ちょさくうちひとつである。最初さいしょ詩集ししゅう18 Poems』は1934ねん11月に出版しゅっぱんされ、かれもっと刺激しげきてきわか英語えいご詩人しじん一人ひとりとなった。

1937ねんにトマスはケイトリン・マクナマラ(1913ねん - 1994ねん)と結婚けっこんし、かれらは3にん子供こどもをもうける。1939ねん1がつ最初さいしょ息子むすこ、リーウェリン(2000ねん死去しきょ)がまれる。1943ねん3がつにはむすめのアーロニィ、1949ねん7がつには息子むすこのコルム・ガランがまれている。ケイトリンとのハネムーンは、いの経営けいえいするホテルがあるコーンウォールマウゼルごした[1]

トマスはアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくでのプロモーション旅行りょこうちゅう1953ねん11月4にちニューヨークのホワイト・ホース・タバーンで過度かど飲酒いんしゅのちたおれ、5にち11月9にち、セント・ヴィンセント病院びょういんで39さいというわかさで死去しきょする。その死因しいん肺炎はいえんと、のうおよび脂肪しぼうきもたいする圧力あつりょく要因よういんであったと記録きろくされる。かれ直前ちょくぜんぼくは18はいのストレート・ウィスキーをんだんだ。これはすご記録きろくだとおもう」とい、愛人あいじんのリズ・ライテルにたいして「あいしてるよ。でもぼく孤独こどくなままだ」とかたった。死後しごかれ遺体いたいはウェールズにされ、かれもっとしあわせな時期じきごしたラーンのむら墓地ぼち埋葬まいそうされた。1994ねんにはつまのケイトリンが死去しきょし、かれとなり埋葬まいそうされた。

経歴けいれき影響えいきょう[編集へんしゅう]

ディラン・トマスは、英語えいご執筆しっぴつおこなもっと偉大いだいな20世紀せいき詩人しじんのうちの一人ひとりとしてなされる。かれ現在げんざいもアングロ・ウェールズ文学ぶんがく第一人者だいいちにんしゃである。かれ作品さくひんにおける鮮明せんめいかつ空想くうそうてきなイメージは、20世紀せいき詩文しぶん学界がっかいにおいては否定ひていされる傾向けいこうにあった。どう時代じだい作家さっかたち政治せいじてき社会しゃかいてき深刻しんこく問題もんだいげたが、トマスは感情かんじょう情熱じょうねつしたがい、その作品さくひんおおくの場合ばあいはげしく個人こじんてきで、猛烈もうれつ感傷かんしょうてきであった。トマスはあらゆるめんにおいてどう時代じだい詩人しじんくらべよりロマンチストであった。かれ短編たんぺん小説しょうせつ拡大かくだいしたもので、もっと有名ゆうめいなものは1940ねん発表はっぴょうされたはん自伝じでんてき作品さくひんPortrait of an Artist as a Young Dog』であった。 1960年代ねんだい活躍かつやくし、数々かずかずのアーティストに影響えいきょうあたえ、ノーベル文学ぶんがくしょう受賞じゅしょうしたボブ・ディランかれ名前なまえからられた。 のちに「カードマー・ボーイズ」としてられたトマスのサークルには、作曲さっきょく幼少ようしょうからの学友がくゆうであったダニエル・ジョーンズ詩人しじんヴァーノン・ワトキンス芸術げいじゅつアルフレッド・ジェーンマーヴィン・レヴィくわわっていた。かれらはしばしばコーヒー・ショップで会合かいごうおこなった。

トマスはイギリスのロマン詩人しじんであり『Sunday Referee編集へんしゅうじんつとめていたヴィクター・ベンジャミン・ニューバーグにとまり、ロンドンまねかれ有力ゆうりょく文芸ぶんげい評論ひょうろん紹介しょうかいされた。

かれはラジオげきの『Under Milk Wood』や、「Do not go gentle into that good night」といったによってられているが、それらはさいしたみずからの父親ちちおやへの嘆願たんがんと、短編たんぺん小説しょうせつの『A Child's Christmas in Wales』や『The Outing』の翻案ほんあんとして解釈かいしゃくされている。

また、C・W・ニコルが7~8さいのころ、ウェールズにいた母方ははかた祖父そふのジョージ・ライスのいで、学習がくしゅう障害しょうがいなやんだ少年しょうねんニコルをはげましたことがあった(『ちいさな反逆はんぎゃく』「トマスさん」より)。

記念きねんぶつ[編集へんしゅう]

トマスのもっと有名ゆうめいいちせつDo not go gentle into that good night」にちなんだ記念きねんぶつ数多かずおおつくられている。かれ故郷こきょうスウォンジーをおとずれた観光かんこうきゃくは、「ディラン・トマス劇場げきじょう」と「ディラン・トマス・センター」をおとずれることができる。後者こうしゃ以前いぜんまち催事さいじじょうであったもので、現在げんざい文学ぶんがく記念きねんかんとして展示てんじかい講演こうえんおこなわれたり、毎年まいとしディラン・トマス・フェスティバルが開催かいさいされる。またに、かれ幼年ようねんあそんだカムドンキン公園こうえんには記念きねんてられている。そのいしぶみにはかれもっとあいした作品さくひんひとつ「ファーン・ヒル」の一節いっせつOh I was young and easy in the mercy of his means/Time held me green and dying/Though I sang in my chains in the sea」がきざまれる。また、ラーンの自宅じたく「ボート・ハウス」も記念きねんぶつである。

スウォンジーのパブのいくつかは、かれとの関係かんけいしめしている。スウォンジーのもっとふるいパブのうちの1つ「No Sign Bar」はかれ小説しょうせつThe Followers』にちなんで「Wine Vaults」と改名かいめいしている。

おも著作ちょさく[編集へんしゅう]

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  • Collected Poems 1934 - 1953 (London: Phoenix, 2003)
  • Selected Poems (London: Phoenix, 2001)

散文さんぶん[編集へんしゅう]

  • Collected Letters
  • Collected Stories
  • Portrait of the Artist as a Young Dog
  • Under Milk Wood

日本語にほんごやく[編集へんしゅう]

1かん 詩集ししゅう、3かん 評論ひょうろん、4かん 戯曲ぎきょく別巻べっかん作品さくひん論集ろんしゅうだい2かん未刊みかん

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • Bold, Alan (1976). Cambridge Book of English Verse, 1939–1975. Cambridge University Press. ISBN 978-0-521-09840-3 
  • Ellis, Hannah (ed) (2014). Dylan Thomas: A Centenary Celebration, London: Bloomsbury
  • Ferris, Paul (1993). Caitlin, The life of Caitlin Thomas. London: Pimlico. ISBN 978-0-7126-6290-1. https://archive.org/details/caitlinlifeofcai00ferr 
  • Ferris, Paul (1989). Dylan Thomas, A Biography. New York: Paragon House. ISBN 978-1-55778-215-1 
  • Firmage, George J., ed (1963). A Garland for Dylan Thomas. New York: Clarke & Way 
  • FitzGibbon, Constantine (1965). The Life of Dylan Thomas. J.M. Dent & Sons ltd 
  • Goodby, John (2013). The Poetry of Dylan Thomas: Under the Spelling Wall. Oxford: Liverpool University Press. ISBN 978-1-78138-937-9 
  • Glyn Jones (1968). The Dragon has Two Tongues. London: J.M. Dent & Sons ltd 
  • Korg, Jacob (1965). Dylan Thomas. Twayne Publishers. ISBN 978-0-8057-1548-4 
  • Lycett, Andrew (2004). Dylan Thomas: A new life. Phoenix. ISBN 978-0-7538-1787-2 
  • Olson, Elder (1954). The Poetry of Dylan Thomas. Chicago: The University of Chicago Press. ISBN 978-0-226-62917-9 
  • Read, Bill (1964). The Days of Dylan Thomas. New York: McGraw-Hill Book Company 
  • Sinclair, Andrew (2003). Dylan the Bard: A Life of Dylan Thomas. London: Constable and Robinson. ISBN 978-1-84119-741-8 
  • Thomas, Caitlin (1957). Leftover Life to Kill. Putham 
  • Caitlin, Life with Dylan Thomas. London: Secker & Warburg. (1986). ISBN 978-0-436-51850-8 
  • Thomas, Caitlin (1997). My Life with Dylan Thomas, Double Drink Story. London: Viking. ISBN 978-0-670-87378-4. https://archive.org/details/doubledrinkstory00thom 
  • Thomas, David N. (2000). Dylan Thomas: A Farm, Two Mansions and a Bungalow. Bridgend. ISBN 978-1-85411-275-0 
  • Thomas, David N. (2008). Fatal Neglect: Who Killed Dylan Thomas?. Seren. ISBN 978-1-85411-480-8 
  • Tremlett, George (2014) Dylan Thomas: In the Mercy of His Means, London: St Martin’s Press
  • John Malcolm Brinnin (1956). Dylan Thomas in America: an intimate journal. Little, Brown and Cooper 
  • Cox, Charles B., ed (1966). Dylan Thomas: a Collection of Critical Essays. New Jersey: Englewood Cliffs 
  • Janes, Hilly (2014). The Three Lives of Dylan Thomas. London: The Robson Press. ISBN 978-1-84954-688-1 
  • Kershner, J. B. (1976). Dylan Thomas: The Poet and His Critics. Amer Library Assn. ISBN 978-0-8389-0226-4 
  • Thomas, David N., ed (2003). Dylan Remembered, Volume 1: 1913–1934. Seren. ISBN 978-1-85411-348-1 
  • Thomas, David N., ed (2004). Dylan Remembered, Volume 2: 1935–1953. Seren. ISBN 978-1-85411-363-4 

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ City and County of Swansea – The 1930s”. Dylanthomas.com (2010ねん10がつ25にち). 2007ねん9がつ28にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2013ねん10がつ15にち閲覧えつらん

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]