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デンドロビウム

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
ノビルけい交配こうはい品種ひんしゅ
代表だいひょうてきデンドロビウム
デンドロビウム・ファレノプシス

デンドロビウムデンドロビューム学名がくめい:Dendrobium)は、ランセッコクぞく学名がくめいカナみで、セッコクぞく分類ぶんるいされる植物しょくぶつ総称そうしょうである。日本にっぽんにおいては、セッコクなどすうしゅられているが、通常つうじょう、デンドロビウムとばれるものは、園芸えんげいしゅようランとして栽培さいばいされているものにかぎられる。ここではこれについてべる。

なお、セッコクも交配こうはいおやとして使つかわれたれいがある。セッコクそのものは伝統でんとうてき古典こてん園芸えんげい植物しょくぶつとしても利用りようされ、これについては長生ちょうせいらん参照さんしょうのこと。

概要がいよう[編集へんしゅう]

東南とうなんアジア中心ちゅうしん世界せかい各地かくちひろ分布ぶんぷしている多年草たねんそう原種げんしゅが1000以上いじょうあるとわれ、そのいろかたち特徴とくちょう多岐たきにわたる。そのため、鉢植はちうえでそだてる愛好あいこうおおい。デンドロビウムは、ギリシアの「デンドロ()」と「ビウム(しょうずる)」に由来ゆらいし、野生やせいではしゅとしてじょう着生ちゃくせいする。略号りゃくごうDen.である。

特徴とくちょうは、くき多肉たにく棒状ぼうじょうになることで、そこからふしごとにすうまいならべる。はなは、らんはなとして、比較的ひかくてき特徴とくちょうすくないかたちで、くちびるべんべんよりまるくておおきいだけで、とく目立めだった特徴とくちょうはない。はなくきふし葉腋ようえきから単独たんどくたばせいじょう、あるいは総状そうじょう花序かじょをなす。

おおくの改良かいりょう品種ひんしゅ交配こうはい品種ひんしゅがあり、観賞かんしょうようとして出回でまわっているもののおおくははなくきふしごとにみじかさき少数しょうすうずつつくノビルけいくき先端せんたんからなが穂状すいじょう花序かじょばすファレノプシスけい胡蝶こちょうらん・ファレノプシスの花序かじょている)で、この2つがもっともよくつくられる。しかし、それ以外いがいのもいくつかの系統けいとうがあり、さらに多様たよう原種げんしゅられる。

系統けいとう [編集へんしゅう]

デンドロビウムは、その原種げんしゅ形態けいたい多様たようせいたかさや品種ひんしゅすうおおさから、個々ここ種類しゅるいべつよりも系統けいとうべつかんがえられることが一般いっぱんてきである。

ノビルけい[編集へんしゅう]

デンドロビウム・ノビルD. nobile)と原種げんしゅと、それにちかいものとの交配こうはいしゅなどをこうぶ。棒状ぼうじょうくきばしてをつけ、としたくきからはなかせる。はなかくふしからせいぜい2-3だが、個々ここはな大輪たいりんで、くきうえはんいちめんかせる姿すがたうつくしい。かつてはデンドロビウムとえばこれをした。

デンファレけい[編集へんしゅう]

名前なまえはデンドロビウム・ファレノプシスけいりゃくで、デンドロビウム・ファレノプシス(D. phalaenopsis)という原種げんしゅと、それらのきんえんしゅとの交配こうはいしゅなどからなる一群いちぐんす。くきかたちはノビルけいとさほどわらないが、はなくき先端せんたん付近ふきんだけからしょうじ、なが花茎かけいななめにのばして、多数たすうはなのようにつけるのが特徴とくちょう個々ここはなはやや花弁はなびらひら気味ぎみくこともあり、そのはな様子ようすコチョウランえる。園芸えんげいしょなどでデンファレはデンドロビウムぞくとファレノプシスぞく交配こうはいによってまれたと紹介しょうかいされている場合ばあいがあるが、それはあやまりである。

キンギアナムけい[編集へんしゅう]

デンドロビウム・キンギアナムD. kingianum)を中心ちゅうしんとする一群いちぐん耐寒たいかんせいつよいが、石斛せっこくやノビルけいきんえんではない。ほそくき先端せんたんあつまる独特どくとく姿すがたをしており、はなくき先端せんたんからうえびる花茎かけい多数たすうをつける。はなしょうながらむらさきうつくしい。そだてやすい。

フォーミデブルけい[編集へんしゅう]

デンドロビウム・フォルモーサムおよびそのきんえんしゅからの改良かいりょう品種ひんしゅ。ごく大輪たいりんのカトレアのようなはなくき先端せんたん少数しょうすうつける。いろしろ系統けいとう。また、そのとしをつけたバルブに開花かいかする。ノビルけい・デンファレけいおくれて人気にんきがっている。

カリスタけい[編集へんしゅう]

はなぼうのようにいて、それ全体ぜんたいがるように下垂かすいせいのものがあり、それらをまとめてこうぶことがある。交配こうはい品種ひんしゅ系統けいとううよりはカリスタぶしぞく原種げんしゅをまとめてぶ。

その[編集へんしゅう]

それ以外いがいに、非常ひじょうおおくの原種げんしゅがあり、上記じょうきのような一般いっぱんられるデンドロビウムとは印象いんしょうがずいぶんことなるものも多数たすうにのぼる。それらのなかにも栽培さいばいされてひろしたしまれているものは数多かずおおい。それらについてはセッコクぞく参照さんしょうされたい。そのようなものをおや交配こうはい品種ひんしゅつくられており、それらは特殊とくしゅ交雑こうざつけいばれる。

代表だいひょうてきなものを以下いかげる。

こう[編集へんしゅう]

ようランの繁殖はんしょくは、普通ふつう株分かぶわけによるが、くき花茎かけいふしから新芽しんめがでることがあり、その場合ばあいはこれが成長せいちょうするのをってけ、あらたなかぶとすることが出来できる。これをこうという。

デンドロビウムにいては細長ほそながにせ球茎きゅうけい上部じょうぶふしからこのようなることがあり、これが成長せいちょうしてあらたなにせ球茎きゅうけい発達はったつし、がついてると、これをけて繁殖はんしょく利用りようできる。ただし、その場合ばあい、そのふしにあったこうになってしまったことで花芽かががそのふしから可能かのうせいくなる。したがってこうると繁殖はんしょくはさせられるもののはなられなくなる。

このるいでは株分かぶわけそのものは比較的ひかくてき簡単かんたんなので、こうることはむしろよろこばれず、こうさないことがよろこばれる。とくにノビルけいでは花芽かが形成けいせいあつかいをあやまると、花芽かがになるべきものがこうわり、鑑賞かんしょう価値かちいちじるしくがる。

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]