トニー・スカーム

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Tony Hilton Royle Skyrme
生誕せいたん (1922-12-05) 1922ねん12月5にち
イングランド、ロンドン、ルイシャム
死没しぼつ 1987ねん6月25にち(1987-06-25)(64さい
バーミンガム
居住きょじゅう イギリス
国籍こくせき イギリス
研究けんきゅう分野ぶんや 数学すうがく物理ぶつりがく
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トニー・ヒルトン・ロイル・スカーム(Tony Hilton Royle Skyrme、1922ねん12月5にち - 1987ねん6月25にち)はイギリス物理ぶつり学者がくしゃかくうちかくあいだ有効ゆうこう相互そうご作用さようをゼロレンジポテンシャルでモデルすることを提案ていあんした[1]。このアイディアは現在げんざいでもかく構造こうぞう中性子星ちゅうせいしせい状態じょうたい方程式ほうていしきひろ使つかわれている[2][3]。しかし、粒子りゅうしをモデルする最初さいしょトポロジカルソリトンスカーミオン定式ていしきしたことでもっと有名ゆうめい[4]もっと重要じゅうよう業績ぎょうせきのいくつかは論文ろんぶん選集せんしゅうつけることができる[5][6]。1985ねん王立おうりつ協会きょうかいよりヒューズ・メダル授与じゅよされた。

生涯しょうがい[編集へんしゅう]

ロンドンルイシャム銀行ぎんこういんいえまれた。ルイシャムの全寮ぜんりょうせい学校がっこうかよい、イートンパブリックスクールの奨学しょうがくきんた。数学すうがくすぐれ、学校がっこう科目かもくでいくつかのしょう受賞じゅしょうした。ケンブリッジトリニティ・カレッジったがそこでもひいで、1942ねん一等いっとうきゅう成績せいせきであるラングラー英語えいごばんとして数学すうがくのトライポス英語えいごばん優等ゆうとう卒業そつぎょう試験しけん)のだい1合格ごうかくし、1943ねんだい3だい1学位がくい合格ごうかくした。そのあいだにアルキメデアン数学すうがく協会きょうかい会長かいちょうであった[7][8][9]

卒業そつぎょうだい世界せかい大戦たいせんではとく原子げんし兵器へいき適用てきようされるような原子力げんしりょく理論りろんてき側面そくめんむチームをひきいていたルドルフ・パイエルスのもと、数学すうがくしゃとして戦争せんそうでの作業さぎょうまれた。1943ねんわりにパイエルスと原子げんし研究けんきゅうするイギリスの何人なんにんかの科学かがくしゃ核兵器かくへいきつくマンハッタン計画けいかく支援しえんするためにアメリカへ異動いどうになった。1944ねん下半期しもはんきには同位どういたい分離ぶんりのための拡散かくさんプラントにかんする問題もんだいんだ。IBMパンチカードタビュレーターもちいてプルトニウムばくだん爆発ばくはつさせるのに必要ひつようばくちぢみ計算けいさんした。戦争せんそう仕事しごとによりオックスフォードでのフェローた。しかし、パイエルスについてバーミンガム大学だいがく研究けんきゅういんとなった。1948–9 と 1949–50年度ねんどはそれぞれマサチュまさちゅセッツ工科大学せっつこうかだいがくプリンストン高等こうとう研究所けんきゅうじょごした。1949ねんにバーミンガム大学だいがく出会であった実験じっけんかく物理ぶつりがく講師こうしのDorothy Mildredと結婚けっこんした。子供こどもはいない。

イギリスにもどり、Dorothyとともに1950ねんから1962ねんまでHarwellのAtomic Energy Research Establishmentでのポストをた。1954ねんより、ジョン・ベル所属しょぞくしていた理論りろんかく物理ぶつりがくグループのちょうであった。ここで2つのかく物理ぶつりがくへの先駆せんくてき貢献こうけんおこなった。1つは、さんたい問題もんだい短距離たんきょりちからあつか方法ほうほうしめしたこと、もう1つは、のちに「スカームモデル」としてひろ使用しようされるかくりょくたいする強力きょうりょく近似きんじである。

1962ねんパウリの排他はいた原理げんりしたが中性子ちゅうせいし陽子ようしなどの粒子りゅうし中間子ちゅうかんしのような顕現けんげんとしてあらわれるという基本きほん粒子りゅうし数学すうがくてき処理しょり提案ていあんした。これらの全体ぜんたいの1982ねんスカーミオンとしてられるようになった。この業績ぎょうせきにより1985ねん王立おうりつ協会きょうかいよりヒューズ・メダル授与じゅよされたが、フェローシップ栄誉えいよさずかれることはなかった。

1958/59ねんくるまとランドローバーにより陸上りくじょう世界せかい一周いっしゅう旅行りょこうつまとともにった。 マレーシア青々あおあおとした熱帯ねったい庭園ていえんこいち、そこに定住ていじゅうすることにした。1962ねん2人ふたりはHarwellをのこし、 スカームはクアラルンプールマラヤ大学だいがくでのポストをにした。これにより講義こうぎ負担ふたんおもくなり、移住いじゅうしてかんじたことが研究けんきゅうよりも刺激しげきあたえるものではなかったため、1964ねんにはイギリスにもどバーミンガム大学だいがく数理すうり物理ぶつりがく教授きょうじゅとしてのポストになり、のこりのキャリアをつづけた。

趣味しゅみ家電かでんであり、1950年代ねんだいには自分じぶんテレビ受信じゅしんHi-Fiつくった。ガーデニングも趣味しゅみであり、Dorothyとともに自給自足じきゅうじそく早期そうきこころみていた。

1987ねん6がつ25にちにバーミンガムのSelly Oak病院びょういん平常へいじょう業務ぎょうむのちふさがせんくなった。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ Skyrme, T. . (1959). “The effective nuclear potential”. Nuclear Physics 9 (4): 615–634. Bibcode1959NucPh...9..615S. doi:10.1016/0029-5582(58)90345-6. 
  2. ^ Bender, M. .; Heenen, P. H. (2003). “Self-consistent mean-field models for nuclear structure”. Reviews of Modern Physics 75: 121. Bibcode2003RvMP...75..121B. doi:10.1103/RevModPhys.75.121. 
  3. ^ Haensel, P.; Potekhin, A. Y.; Yakovlev, D. G. (2007). Neutron Stars. Springer. ISBN 0-387-33543-9. https://books.google.com/books?id=iIrj9nfHnesC&printsec=frontcover#PPA12,M1 
  4. ^ Skyrme, T. . (1962). “A unified field theory of mesons and baryons”. Nuclear Physics 31: 556–569. Bibcode1962NucPh..31..556S. doi:10.1016/0029-5582(62)90775-7. 
  5. ^ Skyrme and Gerald E. Brown (1994). Selected Papers, with Commentary, of Tony Hilton Royle Skyrme. World Scientific. pp. vi. ISBN 9789812795922. https://books.google.com/?id=9gDwymeh0WIC 2016ねん2がつ1にち閲覧えつらん 
  6. ^ Brown, G. E. (ed.) (1994) Selected Papers, with Commentary, of Tony Hilton Royle Skyrme.
  7. ^ R. H. Dalitz, ‘An outline of the life and work of Tony Skyrme’, International Journal of Modern Physics, A, 3 (1988), 2719–44 · The Times (3 July 1987) · CGPLA Eng.
  8. ^ Rudolf Peierls, ‘Skyrme, Tony Hilton Royle (1922–1987)’, rev.
  9. ^ 50 Visions of Mathematics Ed by Dara O Briain, Chapter 10, page 38 by Alan Champneys, Tony Hilton Royle Skyrme, OUP Oxford, 2014, ISBN 9780191005336