(Translated by https://www.hiragana.jp/)
ノックアウト方式 (モータースポーツ) - Wikipedia コンテンツにスキップ

ノックアウト方式ほうしき (モータースポーツ)

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

ノックアウト方式ほうしき(ノックアウトほうしき)とは、モータースポーツとく自動車じどうしゃ競技きょうぎオートバイ競技きょうぎにおける予選よせん方式ほうしきのひとつ。2006ねんのF1世界せかい選手権せんしゅけん導入どうにゅうされて以降いこう様々さまざま選手権せんしゅけん採用さいようされている。

概要がいよう[編集へんしゅう]

ノックアウト(knock out)には「敗退はいたいさせる」という意味いみがあり、名前なまえのとおり下位かい選手せんしゅ敗退はいたいさせてスターティンググリッド決定けっていしていく方式ほうしきである。

ルール[編集へんしゅう]

選手権せんしゅけんごとに相違そういはあるが(具体ぐたいれい下記かき)、おおむ以下いかたすルールで運用うんようされる。

  • 予選よせん複数ふくすう段階だんかい(セッション)にけておこなわれる。
  • セッションちゅう記録きろくされたタイムで順位じゅんいがつけられる。
  • 規定きてい順位じゅんい以上いじょう選手せんしゅつぎのセッションに進出しんしゅつする。規定きてい順位じゅんいよりした選手せんしゅは、その順位じゅんいでスターティンググリッドが決定けっていする。

れいとしてF1で採用さいようされる3段階だんかい方式ほうしき下表かひょうしめす。下記かきのように、予選よせんかくセッションは慣例かんれいてきに「Q+数字すうじ」でばれる。

ノックアウト方式ほうしきれい (2020ねんF1レギュレーションより)
順位じゅんい 1予選よせん(Q1) 2予選よせん(Q2) 3予選よせん(Q3)
1 Q2進出しんしゅつ Q3進出しんしゅつ ポールポジション
2 2ばんグリッド
3 3ばんグリッド
4 4ばんグリッド
5 5ばんグリッド
6 6ばんグリッド
7 7ばんグリッド
8 8ばんグリッド
9 9ばんグリッド
10 10ばんグリッド
11 11ばんグリッド
12 12ばんグリッド
13 13ばんグリッド
14 14ばんグリッド
15 15ばんグリッド
16 16ばんグリッド
17 17ばんグリッド
18 18ばんグリッド
19 19ばんグリッド
20 20ばんグリッド

追加ついかルールとして、F1では2023ねん一部いちぶのグランプリで「Alternative Tyre Allocation(ATA)」とばれるタイヤ配分はいぶん方式ほうしき採用さいようされている。ATA方式ほうしき採用さいようしたグランプリでは、予選よせんかくピリオドで使用しようできるタイヤコンパウンドが1種類しゅるい限定げんていされる(Q1: ハード、Q2: ミディアム、Q3: ソフト)[1]

利点りてん問題もんだいてん[編集へんしゅう]

利点りてん[編集へんしゅう]

  • 出走しゅっそう台数だいすうおな場合ばあい、1だいずつ出走しゅっそうするスーパーポール方式ほうしきくらべて所要しょよう時間じかんみじかくなる。
  • セッションちゅう出走しゅっそうする車両しゃりょうがほぼおなじコンディションで走行そうこうでき、気温きおん路面ろめん状況じょうきょう変化へんかによる有利ゆうり不利ふりまれにくい。

問題もんだいてん[編集へんしゅう]

  • 予選よせんのタイムを記録きろくするラップ(アタックラップ)ちゅうしゃのトラブルが原因げんいんでセッションが中断ちゅうだんされると、アタックラップが無効むこうとなる場合ばあいがある。そのままセッションが再開さいかいされない場合ばあいはタイムし、またはウォームアップおそいタイムが記録きろくとなり、選手せんしゅ能力のうりょくそくさない順位じゅんいになりうる。
  • アタックラップちゅう車両しゃりょう走行そうこうラインをふさがれたり、前方ぜんぽう車両しゃりょう発生はっせいさせる乱気流らんきりゅうけてダウンフォースうしなうといった不利益ふりえきこうむることがある。出走しゅっそう台数だいすうおお選手権せんしゅけんのQ1や、全長ぜんちょうみじかはばせまいコースでこの問題もんだいこりやすい。

ルールのバリエーション[編集へんしゅう]

ノックアウト方式ほうしき予選よせん実施じっし手順てじゅんには、かく選手権せんしゅけん特徴とくちょう考慮こうりょ様々さまざま独自どくじルールがまれている。存続そんぞく/廃止はいしわず一部いちぶれいしめす。

くみ[編集へんしゅう]

出走しゅっそう選手せんしゅまたは車両しゃりょう複数ふくすうくみけ、最終さいしゅうセッション以外いがい各組かくくみごとで予選よせん進行しんこうする。

合算がっさん/平均へいきんタイム[編集へんしゅう]

耐久たいきゅうレースのように1だい車両しゃりょう複数ふくすうじん選手せんしゅ共有きょうゆうするカテゴリーでは、2人ふたり以上いじょう記録きろくしたタイムの合計ごうけいまたは平均へいきんをもとに順位じゅんいめられる場合ばあいがある。

1予選よせん出走しゅっそう免除めんじょMotoGP[編集へんしゅう]

2013ねんからロードレース世界せかい選手権せんしゅけん実施じっしされているルール[2]。4練習れんしゅう走行そうこう(FP1~FP4)のうち、FP3までで上位じょうい10以内いないのタイムを記録きろくした選手せんしゅには、1予選よせん出走しゅっそう免除めんじょされる。

時限じげんノックアウト方式ほうしき2016ねんF1世界せかい選手権せんしゅけん[編集へんしゅう]

このとしのF1では(参加さんか台数だいすう22だい)では、開幕かいまくせんより以下いかのようなしん予選よせん方式ほうしき導入どうにゅうされた。しかし下位かいチームの順位じゅんいげる機会きかいくなる、観戦かんせんしゃからだれ脱落だつらく圏内けんないにいるかかりづらいといった問題もんだいてん露呈ろていしたことからわずか2せん廃止はいしされ、従来じゅうらい方式ほうしきもどされた[3]

だい1ラウンド(Q1)
セッション時間じかんは16ふん開始かいしから7ふん時点じてんでの最下位さいかい脱落だつらく以後いご1ふん30びょうごとにその時点じてんでの最下位さいかい脱落だつらくする。Q1ではけい7めい順位じゅんい確定かくていし、15めいがQ2進出しんしゅつ
だい2ラウンド(Q2)
セッション時間じかんは15ふん開始かいしから6ふん時点じてんでの最下位さいかい脱落だつらく以後いご1ふん30びょうごとにその時点じてんでの最下位さいかい脱落だつらくする。Q2ではけい7めい順位じゅんい確定かくていし、8めいがQ3進出しんしゅつ
だい3(最終さいしゅう)ラウンド(Q3)
セッション時間じかんは14ふん開始かいしから5ふん時点じてんでの最下位さいかい脱落だつらく以後いご1ふん30びょうごとにその時点じてんでの最下位さいかい脱落だつらくする。最後さいごの1ふん30びょうのこった2めいでポールポジションをあらそう。

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ ピレリ、F1ハンガリーGPであたらしいタイヤのて“ATA”を実施じっしへ。タイヤのかずは2セットすくない11セット - オートスポーツ・2023ねん7がつ18にち
  2. ^ 2013ねんからあらたに導入どうにゅうされる予選よせん方式ほうしき”. MotoGP. 2020ねん9がつ11にち閲覧えつらん
  3. ^ 【F1】だい混乱こんらんまねいた「しん予選よせんシステム」はいったいなにだったのか?”. Sportiva. 2021ねん7がつ7にち閲覧えつらん