バタック人じん

バタック人じん（Batak）は、主おもにインドネシアのスマトラ島すまとらとう北部ほくぶの高地こうちに居住きょじゅうしている民族みんぞく集団しゅうだんである^[1]。メダンの西にしに位置いちするトバ湖こを故郷こきょうとしている。バタック人じんは、その言語げんごや習慣しゅうかんに関連かんれん性せいはあるが、いくつかの異ことなるグループに分わけられる。

バタック人じんの社会しゃかいは、Margaとして知しられる一族いちぞくに組織そしきされている家父かふ長ちょう社会しゃかいである。トバ・バタック人じんは、1人ひとりの祖先そせん「Si Raja Bata」を起源きげんとし、すべてのMargaは彼かれの子孫しそんであると伝統でんとう的てきに信しんじられている。バタック人じんの父ちちと息子むすこの関係かんけいを定義ていぎしている血統けっとう図ずは、taromboと呼よばれている。現代げんだいのインドネシアにおいて、バタック人じんは教育きょういく熱心ねっしんで、特とくに教師きょうし、技師ぎし、医師いし、法律ほうりつ家かなどの専門せんもん的てきな職業しょくぎょうを多おおく得えている。トバ・バタック人じんは、その織物おりもの、木彫きぼり、装飾そうしょくした墓石はかいしが伝統でんとう的てきに有名ゆうめいである。彼かれらの埋葬まいそうと結婚けっこんの伝統でんとうは、大変たいへん意味いみ深ふかく、複雑ふくざつである。埋葬まいそうの伝統でんとうで、先祖せんぞの遺骨いこつを死しの数すう年ねん後ごに再ふたたび埋葬まいそうする儀式ぎしきがある。この2回かい目めの埋葬まいそうは、トバ人じんの間あいだでは「mangongkal holl」として知しられている。