ヒートショック現象げんしょう

ヒートショック現象げんしょう（ヒートショックげんしょう、英えい: heat shock response）とは、住環境じゅうかんきょうにおける急激きゅうげきな温度おんど変化へんかによって血圧けつあつが乱らん高だか下くだしたり脈拍みゃくはくが変動へんどうする現象げんしょう。

概説がいせつ

一般いっぱんで使つかわれている用語ようごとしては、ヒートショックとは急激きゅうげきな温度おんど変化へんかにより身体しんたいが受うける影響えいきょうのことである。比較的ひかくてき暖あたたかいリビングからまだ冷つめたい浴室よくしつ、脱衣だつい室しつ、トイレなど、温度おんど差さの大おおきいところへ移動いどうすると、身体しんたいが温度おんど変化へんかにさらされて血圧けつあつが急変きゅうへんするため、脳卒中のうそっちゅうや心筋梗塞しんきんこうそくなどを引ひき起おこすおそれがある。高血圧こうけつあつや動脈どうみゃく硬化こうかの傾向けいこうがある人ひとがその影響えいきょうを受うけやすい傾向けいこうがあり、なかでも高齢こうれい者しゃは注意ちゅういが必要ひつようとされる。

このようなヒートショックの要因よういんとなる住環境じゅうかんきょうのリスクは「暖だん差さリスク」とも呼よばれ、特とくに冬期とうきは住宅じゅうたく内ないの温度おんど差さが大おおきくなるため、注意ちゅういが必要ひつようである。

日本にっぽんの入浴にゅうよく中ちゅうの急きゅう死者ししゃ数すうは諸しょ外国がいこくに比くらべて高たかいとされ、その理由りゆうは浴室よくしつと脱衣だつい室しつの温度おんど差さであると考かんがえられている。日本にっぽんで年間ねんかん累計るいけい1万まん人にん以上いじょうがヒートショックが原因げんいんで死亡しぼうしているといわれ、室内しつないにおける高齢こうれい者しゃの死因しいんの4分ぶんの1を占しめる、ともされている。実際じっさいに、2011年ねんの1年間ねんかんで約やく17,000人にんもの人々ひとびとがヒートショックに関連かんれんした入浴にゅうよく中ちゅう急死きゅうしをしたと推計すいけいされ、その死亡しぼう者しゃ数すうは交通こうつう事故じこによる死亡しぼう者しゃ数すう（4611人にん）をはるかに上回うわまわる。そのうち14,000人にんほどが高齢こうれい者しゃだと考かんがえられている。東京とうきょう23区くでは2019年ねん、1,402人にんが浴室よくしつでヒートショックにより死亡しぼうした。月別つきべつで見みると1月がつが最もっとも多おおく（294人にん）、2、11、12月を合あわせた冬季とうきで839人にんに上のぼった。

ヒートショック対策たいさく方法ほうほう

住宅じゅうたく内ないを移動いどうした際さいの急激きゅうげきな温度おんど変化へんかによる影響えいきょうを防ふせぐためには、住宅じゅうたく内ないの温度おんど差さを小ちいさくすることが推奨すいしょうされる。

高こう断熱だんねつ・高こう気密きみつ住宅じゅうたく

家いえの構造こうぞう自体じたいを保温ほおん性せいの高たかいものにして、外そと気温きおんの影響えいきょうを受うけにくくする。

脱衣だつい所しょや浴室よくしつ、トイレへの暖房だんぼう器具きぐ設置せっちや断熱だんねつ改修かいしゅう

ただし、お湯ゆや水みずを大量たいりょうに使つかう場所ばしょであるので、感電かんでん事故じこにならないよう、浴室よくしつでの暖房だんぼう器具きぐは、浴室よくしつ専用せんようのものを使つかうことが望のぞましい。

シャワーによるお湯ゆはり

蛇口じゃぐちではなくシャワーを使つかうことでお湯ゆを拡散かくさんさせ、浴室よくしつ全体ぜんたいを温あたためる。

夕食ゆうしょく前まえ・日没にちぼつ前まえの入浴にゅうよく

外そと気温きおんが比較的ひかくてき高たかい日ひ中ちゅうに入浴にゅうよくし、浴室よくしつと脱衣だつい所しょの温度おんど差さを少すくなくする。

外部がいぶリンク

• STOP!ヒートショック