ビル・クレム

ビル・クレム（William Joseph "Bill" Klem, 1874年ねん 2月がつ22日にち - 1951年ねん 9月1日にち）は、メジャーリーグベースボールの審判しんぱん。1953年ねんに、審判しんぱんの分野ぶんやでトム・コノリーとともに初はじめてアメリカ野球やきゅう殿堂でんどう入いりを果はたした。ニューヨーク州しゅうのロチェスター生うまれ。近代きんだい野球やきゅうにおける「アンパイアの父ちち」と呼よばれる。

経歴けいれき・功績こうせき

1905年ねんからナショナルリーグの審判しんぱんとなり、1908年ねんに初はじめてワールドシリーズを裁さばく。以降いこう審判しんぱんを務つとめたワールドシリーズは計けい18回かいに及およぶ(最多さいた記録きろく)。また1913年ねんには、全米ぜんべい選抜せんばつチームによる世界せかい各国かっこくへの遠征えんせいに帯同たいどうし、同年どうねん12月がつに来日らいにちを果はたしている。

1933年ねんに最初さいしょのオールスターゲームが開催かいさいされた際さい、審判しんぱん団だんの一員いちいんを務つとめた（一塁いちるい塁審るいしん）。以後いご1941年ねんまでリーグの審判しんぱん員いんを務つとめ、67歳さいで現役げんえきを引退いんたい、ナショナルリーグ審判しんぱん部長ぶちょうとなった。審判しんぱん歴れきは37年ねんに及および、また5000試合しあい以上いじょうに出場しゅつじょうした審判しんぱんは、2007年ねん現在げんざい彼かれとブルース・フローミングの2人ふたりだけである。1951年ねん、フロリダ州しゅうマイアミで死去しきょした。77歳さい。

クレムは審判しんぱん職しょくにおいても、正確せいかくな技術ぎじゅつに裏打うらうちされた「プロ意識いしき」が必要ひつようと唱となえていた。判定はんていに対たいしては絶対ぜったい的てきな自信じしんをもっていたこともあり、しばしばその態度たいどは排他はいた的てきであったという。また在職ざいしょく中ちゅうから、現在げんざい当あたり前まえに行おこなわれている、手てを使つかった判定はんていアクション（両手りょうてを水平すいへいに広ひろげ「セーフ」をコールするなど）を取とり入いれるなど、近代きんだい野球やきゅうの審判しんぱんのスタイルを確立かくりつした人物じんぶつでもある。

審判しんぱん歴れき

在籍ざいせき：ナショナルリーグ（1905年ねん - 1941年ねん）
出場しゅつじょう試合しあい数すう：
- レギュラーシーズン：5368試合しあい
- ワールドシリーズ：103試合しあい
- オールスターゲーム：2試合しあい（1933年ねん、1938年ねん）

エピソード

現在げんざい広ひろく普及ふきゅうしているインサイドプロテクターをいち早はやく採用さいようしていた。
一部いちぶ選手せんしゅがつけた「ナマズ」というあだ名なを忌いみ嫌きらっていた。ある試合しあいでは、地面じめんにナマズの絵えを書かいた選手せんしゅを退場たいじょうさせたという。
2007年ねん、メジャーリーグ機構きこうは、ブルース・フローミング審判しんぱん員いんがビル・クレムの記録きろくに並ならぶ37年ねん連続れんぞく出場しゅつじょうのメジャーリーグ記録きろくに達たっしたと発表はっぴょうした。
「私わたしがコールするまで、ストライクでもボールでもない」という審判しんぱん員いんの絶対ぜったい性せいを示しめす言葉ことばは有名ゆうめい。