ファイルめい

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ファイルめい(ファイルめい、えい: filename)は、コンピュータファイルシステムなか保存ほぞんされたファイル特定とくていするためにつける名前なまえあらわ文字もじれつのことである。コンピュータじょうでファイルを作成さくせい保存ほぞんするときは、ファイルめいをつけてから保存ほぞんする。設定せっていしたファイルめいなんでも改名かいめい可能かのうなのが一般いっぱんてきである。

オペレーティングシステム (OS) によってはファイルめいディレクトリ名前なまえ意味いみすることもある。また、ファイルめいながさや使用しよう可能かのう文字もじ制限せいげんはOSやファイルシステムによりことなる。

ファイルめいとして解釈かいしゃくされる文字もじれつ構成こうせいする文字もじも、OSやファイルシステムによりことなる。近年きんねんのWindowsでは一般いっぱんてきUnicodeであらわされる文字もじからなる文字もじれつをファイルめいもちいるが、UNIX/Linuxではオクテットれつもちいる。このため、システムによっては人間にんげん可読かどくではないファイルめいけることも可能かのうで、またシステムあいだでデータを移動いどうするさい適切てきせつ規則きそくでのファイルめい変換へんかん必要ひつようとなる。

ファイルめいふくまれる要素ようそ[編集へんしゅう]

ファイルめいには以下いかのような要素ようそふくまれる場合ばあいがある。

  • プロトコル(スキームとも)- アクセス方法ほうほう
    れい:http, ftp, file, smb など
  • ホスト (ネットワークIDの場合ばあいも) — ホストめい、IPアドレス, ドメインめい, LANネットワークめい
    れい: wikipedia.org, 207.142.131.206, \\MYCOMPUTER, SYS: など
  • デバイス(ノードとも)- ポート, ソケット, ドライブ, ルートマウントポイント, ディスク, ボリューム
    れい:C:, /, SYSLIB など
  • ディレクトリ(パスとも)- ディレクトリ・ツリー
    れい: /usr/bin, \TEMP, [USR.LIB.SRC] など
  • ファイル - ファイルの基底きていめいえい: basename
  • 種類しゅるい形式けいしき拡張子かくちょうし)- ファイルの内容ないよう種別しゅべつしめ
    れい:.txt, .exe, .dir など
  • バージョン - ファイルのはんあらわ番号ばんごう

使用しよう不可能ふかのう記号きごう[編集へんしゅう]

たとえ、コンピュータのなかにインストールされていた記号きごうでも、ファイルめいでは使用しよう不可能ふかのう記号きごうがある(半角はんかく記号きごう使用しよう不可能ふかのうだが、全角ぜんかく記号きごうなら使用しよう可能かのう場合ばあいもある)。ファイルシステムちがうと、おなじOSでも使用しよう不可能ふかのう記号きごうことなることがある。これは、ファイルシステムによって予約よやくされており、その記号きごうなんらかのファイル処理しょりすで利用りようされているためである。そのため、あるコンピュータでは使用しよう可能かのうでも、のコンピュータでは使用しよう不可能ふかのう場合ばあいもある。

ファイルめいとして使用しようできない記号きごうおよび、使用しよう不可能ふかのう理由りゆうについてを以下いかひょうしめす。

記号きごう 記号きごうめい 使用しよう不可能ふかのう理由りゆう
/ スラッシュ パスめいコンポーネント分離ぶんりとして、UNIXなどのOSやMS-DOSWindowsでは使用しよう不可能ふかのう
\ バックスラッシュ
えんマーク)[1]
パスめいコンポーネント分離ぶんりとして、MS-DOSとWindowsでは使用しよう不可能ふかのう
? クエスチョンマーク ワイルドカード特定とくていだとしめ記号きごう)として使つかわれるため、WindowsとAmigaOSでは使用しよう不可能ふかのう
* アスタリスク ワイルドカードとして使用しようされるため、MS-DOSとWindowsでは使用しよう不可能ふかのう
: コロン ドライブレター使用しようされる、またはパスめい分離ぶんりであるなどの理由りゆうから、Windows、AmigaOS、Mac OSでは使用しよう不可能ふかのう
| バーティカルバー
  • パイプ記号きごうなので、Windowsで使用しよう不可能ふかのう
  • MediaWikiでは、リンクのページめいことなる文字もじれつでリンク文字もじれつ表示ひょうじするさい、リンクさきページめい表示ひょうじ文字もじれつ区切くぎりにもちいているため、使用しよう不可能ふかのう
" 引用いんよう スペースふくむファイルめいはじまりとわりを指定していするのに使つかわれるため、Windowsで使用しよう不可能ふかのう全角ぜんかくの「”」は使用しよう可能かのう)。
< しょうなり記号きごう
  • MS-DOSとWindowsでは使用しよう不可ふか
  • HTMLでは、各種かくしゅタグのタグめい開始かいし記号きごうとしてもちいているため、HTML本文ほんぶんない使用しよう不可能ふかのうHTML本文ほんぶんないで「<」記号きごうもちいるためには、「<」記号きごうわりに、「&lt;」と記述きじゅつしなければならない。
  • この影響えいきょうにより、MediaWikiにおいても「<」記号きごう直接ちょくせつ記述きじゅつできず、HTML本文ほんぶんない同様どうように、「&lt;」と記述きじゅつしなければならない。MediaWikiでは通常つうじょう「<nowiki></nowiki>」タグをもちいるとマークアップを無効むこうすることができるが、HTML自体じたい影響えいきょうのためこれもできない。
> だいなり記号きごう
  • MS-DOSとWindowsでは使用しよう不可ふか
  • HTMLでは、各種かくしゅタグのタグめい終了しゅうりょう記号きごうとしてもちいているため、HTML本文ほんぶんない使用しよう不可能ふかのうHTML本文ほんぶんないで「>」記号きごうもちいるためには、「>」記号きごうわりに、「&gt;」と記述きじゅつしなければならない。
  • この影響えいきょうにより、MediaWikiにおいても「>」記号きごう直接ちょくせつ記述きじゅつできず、HTML本文ほんぶんない同様どうように、「&gt;」と記述きじゅつしなければならない。MediaWikiでは通常つうじょう「<nowiki></nowiki>」タグをもちいるとマークアップを無効むこうすることができるが、HTML自体じたい影響えいきょうのためこれもできない。
& アンパサンド
  • HTMLでは、前述ぜんじゅつの「<」、「>」ひとし特殊とくしゅ記号きごう本文ほんぶんない入力にゅうりょくに、特殊とくしゅ記号きごう識別子しきべつしとして利用りようするため、「&」はHTML本文ほんぶんない使用しよう不可能ふかのうHTML本文ほんぶんないで「&」記号きごうもちいるためには、「&」記号きごうわりに、「&amp;」と記述きじゅつしなければならない。
  • この影響えいきょうにより、MediaWikiにおいても「&」記号きごう直接ちょくせつ記述きじゅつできず、HTML本文ほんぶんない同様どうように、「&amp;」と記述きじゅつしなければならない。MediaWikiでは通常つうじょう「<nowiki></nowiki>」タグをもちいるとマークアップを無効むこうすることができるが、HTML自体じたい影響えいきょうのためこれもできない。
. 終止符しゅうしふ 8.3形式けいしきでは2つ以上いじょう終止符しゅうしふ使用しようできず、ファイルめい最初さいしょ最後さいご終止符しゅうしふ使つかうこともできない。
半角はんかくスペース末尾まつび 8.3形式けいしきあつかうデータ構造こうぞうじょう都合つごう[2]から、MS-DOS で使用しよう不可能ふかのう
a〜z えい小文字こもじ CD-ROMけファイルシステムのうち、ISO 9660 Level 1では使用しよう不可能ふかのう。MS-DOSでは不能ふのうにつき使用しよう不可能ふかのう

使用しよう不可能ふかのうなファイルめい[編集へんしゅう]

WindowsとMS-DOSでは、以下いか名前なまえもOSによって予約よやく[3]されており、使用しよう不可能ふかのうである。

CON, PRN, AUえーゆーX, CLOCK$, NUL
COM0, COM1, COM2, COM3, COM4, COM5, COM6, COM7, COM8, COM9
LPT0, LPT1, LPT2, LPT3, LPT4, LPT5, LPT6, LPT7, LPT8, LPT9

ここでげたのは不完全ふかんぜん一覧いちらんであり、ファイルシステムごとの正確せいかく名前なまえけの規則きそくについては外部がいぶリンクさき参照さんしょうされたい。

ファイルめい重複じゅうふく[編集へんしゅう]

前述ぜんじゅつしたとおり、あるデータやプログラムを作成さくせい保存ほぞんするさい、ファイルめい設定せっていするのが一般いっぱんてきである。そのさい作成さくせい保存ほぞんするコンピュータのなかに、設定せっていしようとしている同一どういつパスじょう同一どういつディレクトリ/フォルダうえ)にまったくおなじのファイルめいがある場合ばあいは、えるか、キャンセルするかを指定していしなければならない。

このように、1つのコンピュータに、どういちパスかつおな名前なまえのファイルがあることは、不可能ふかのうとなっている。

しかし、業務ぎょうむようメインフレーム汎用はんようとうでは、パス構造こうぞう採用さいようしておらず、おなじファイルめい存在そんざい許容きょようする場合ばあいがあるが、一般いっぱんには使用しようされていないため説明せつめい省略しょうりゃくする。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ バックスラッシュの日本語にほんごフォントじょう表現ひょうげんは¥(えんマーク)となる。
  2. ^ FAT 形式けいしきのファイルシステムでは、ディレクトリエントリ(ファイルめい属性ぞくせいじつデータ開始かいし位置いち一覧いちらん)におけるファイルめいデータの終端しゅうたん記号きごうがなく、ベースめい 8 バイトと拡張子かくちょうし 3 バイトについて、印字いんじ可能かのう文字もじ以外いがい個所かしょ半角はんかくスペース (0x20) でめられる。ファイルめい最後さいごにスペースをんだ場合ばあい、ファイルめい終端しゅうたん以降いこうなのか有効ゆうこう半角はんかくスペースなのか区別くべつができなってしまう。Windows ではあつかっているファイルが記録きろくされている実際じっさいのファイルシステム仕様しようにかかわらずこの仕様しよう前提ぜんていとなっており、たとえば(ファイルめい終端しゅうたん半角はんかくスペースを識別しきべつできる)NTFS 形式けいしきのパーティションに作成さくせいされているファイルにたいしても、ファイルめい末尾まつび半角はんかくスペースがあるとうまく操作そうさができない。
  3. ^ デバイスファイル」「やくデバイスめい」または「やくファイルめい」とばれており、プリンターキーボードなどのデバイスをファイルに見立みたててデータを入出力にゅうしゅつりょくするための仕組しくみがある(DOSコマンドでのれい: copy sample.txt prn)。

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]