(Translated by https://www.hiragana.jp/)
ファラリス - Wikipedia コンテンツにスキップ

ファラリス

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
ファラリス
Φάλαρις
アクラガス僭主せんしゅ
考案こうあんしゃのペリロスをファラリスのうしめているファラリス(おくすわっている人物じんぶつ
在位ざいい 紀元前きげんぜん570ねんごろ - 紀元前きげんぜん554ねんころ

出生しゅっしょう 紀元前きげんぜん7世紀せいき
死去しきょ 紀元前きげんぜん554ねんころ
テンプレートを表示ひょうじ

ファラリスギリシア: Φάλαρις紀元前きげんぜん7世紀せいき - 紀元前きげんぜん554ねんころ)は、シケリアアクラガス僭主せんしゅ在位ざいい紀元前きげんぜん570ねんごろ - 紀元前きげんぜん554ねんころ[1])。自身じしんかんされた処刑しょけい器具きぐファラリスのうし」でられる。

歴史れきし

[編集へんしゅう]

ファラリスは、アクロポリスゼウス・アタビュリウスの神殿しんでん建設けんせつゆだねられ、その地位ちい利用りようして専制せんせい君主くんしゅへとのぼめていった[2]かれ治世ちせいで、アクラガスはおおいに繁栄はんえいした。都市としにはみず供給きょうきゅうし、はなやかな建造けんぞうぶつかざけ、周囲しゅういには城壁じょうへきめぐらせて防衛ぼうえいにもちかられた。シケリア北岸ほくがんひろがる植民しょくみん都市としヒメラ人々ひとびとは、同地どうち出身しゅっしん抒情詩じょじょうしひとステシコロス警告けいこくしたにもかかわらず、ファラリスを絶大ぜつだい権力けんりょくをもつ将軍しょうぐん選出せんしゅつした[3]ひがしマ帝国まていこく編纂へんさんされた『スーダ辞典じてん』によれば、市民しみん支持しじおおけていたファラリスは、しま全域ぜんいき統治とうちしゃとして君臨くんりんすることに成功せいこうしたとされている。当初とうしょ市民しみんからの支持しじあつめていたが、次第しだい暴君ぼうくんしたファラリスは、テレマコス英語えいごばん(アクラガスの僭主せんしゅテロン祖先そせんひきいる蜂起ほうきぐんによって失脚しっきゃくした。かれらによって、ファラリスはみずからのがついたファラリスのうし処刑しょけいされたとつたえられている。

ファラリスは、アクラガスを繁栄はんえいさせた反面はんめん過度かど残虐ざんぎゃく行為こういでもそのられていた。かれ乳児にゅうじを「共食ともぐい」したともわれている[4]

かれ残虐ざんぎゃくせいしめすうえでもっと有名ゆうめいなのが、ファラリスのうしである。アテナイ真鍮しんちゅう鋳物師いもじペリロスが考案こうあんしたこの処刑しょけい器具きぐは、なかめられ、ころされていく犠牲ぎせいしゃさけごえが、あたかもうしごえこえるよう設計せっけいされていた。20世紀せいき初頭しょとう一部いちぶ学者がくしゃは、ファラリスのうしフェニキアカルトによるうしぞう(『旧約きゅうやく聖書せいしょ』のかねうし参照さんしょう)との関係かんけいせい提唱ていしょうし、このような人身御供ひとみごくう東方とうほう継続けいぞくされていたと仮定かていした。ただし、のちにそのせつ支持しじうしなっている。

ファラリスのうしめぐ伝説でんせつは、たんなるつくごととしてしりぞけることができない。詩人しじんピンダロスは、この処刑しょけい器具きぐとファラリスの明確めいかく関連かんれんさせている[5]

アクラガスにあったファラリスのうしのうち、カルタゴじんによって植民しょくみんカルタゴはこされたものが存在そんざいする。このゆううしはのちにだいスキピオによってカルタゴから奪還だっかんされ、紀元前きげんぜん200ねんころアクラガスへもどされた。しかしながら、紀元前きげんぜん146ねんだいさんポエニ戦争せんそうやぶれてカルタゴが滅亡めつぼうしたとき、しょうスキピオ芸術げいじゅつ作品さくひんなどとともにうしもシケリアのかく都市としもどしたともつたえられている。

ローマ時代じだいソフィストらによる評価ひょうかおおきくことなっており、情深なさけぶか教養きょうようゆたかな人物じんぶつとしている[1]

影響えいきょう

[編集へんしゅう]

ファラリスが処刑しょけいされてから4世紀せいきほどかれ文学ぶんがく哲学てつがくパトロンである人道的じんどうてき君主くんしゅとして再考さいこうされるようになった。このようなあたらしい見方みかたは、ルキアノスかえせられるファラリスのためじんたいする逆説ぎゃくせつてき弁護べんご[6]かれ書簡しょかんたい小説しょうせつ作家さっかであると推定すいていされたことによる[7]1699ねんリチャード・ベントレー英語えいごばんは、ファラリスの書簡しょかんかんする論文ろんぶん発表はっぴょうし、それが偽書ぎしょであることをあきらかにした[8]

脚注きゃくちゅう

[編集へんしゅう]
  1. ^ a b Britannica Japan Co., Ltd.『ブリタニカ国際こくさいだい百科ひゃっか事典じてん しょう項目こうもく事典じてん』「ファラリス」コトバンクばん、2019ねん8がつ27にち閲覧えつらん
  2. ^ Aristotle, Politics, v. 10
  3. ^ Aristotle, Rhetoric, ii. 20
  4. ^ Tatian. "Tatian's Address to the Greeks", Chapter XXXIV.
  5. ^ Pindar, Pythian 1
  6. ^ Lucian's original text at Perseus.
  7. ^ A digitised 1706 translation of the Epistles at archive.org.
  8. ^ Text at archive.org.

出典しゅってん

[編集へんしゅう]
  •  この記事きじにはアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくうち著作ちょさくけん消滅しょうめつしたつぎ百科ひゃっか事典じてん本文ほんぶんふくむ: Chisholm, Hugh, ed. (1911). "Phalaris". Encyclopædia Britannica (英語えいご). Vol. 21 (11th ed.). Cambridge University Press. p. 345.

外部がいぶリンク

[編集へんしゅう]