フェトヒ・オクヤル

アリ・フェトヒ・オクヤル Ali Fethi Okyar
トルコ共和きょうわ国こく 第だい2代だい 首相しゅしょう
任期にんき	1924年ねん11月22日にち – 1925年ねん3月2日にち
出生しゅっしょう	1880年ねん4月がつ29日にち オスマン帝国ていこく ピルレペ（現げんマケドニア共和国まけどにあきょうわこくのプリレプ）
死去しきょ	1943年ねん5月7日にち トルコ・イスタンブール
政党せいとう	共和きょうわ人民じんみん党とう

アリ・フェトヒ・オクヤル（Ali Fethi Okyar, 1934年ねんまではアリ・フェトヒ・ベイ Ali Fethi Bey, 1880年ねん4月がつ29日にち‐1943年ねん5月7日にち）は、トルコの軍人ぐんじん、政治せいじ家か、外交がいこう官かん。成立せいりつ間あいだもないトルコ共和きょうわ国こくの首相しゅしょうを務つとめた。

来歴らいれき

軍人ぐんじん・外交がいこう官かん

オスマン帝国ていこくのピルレペ（現げんマケドニア共和国まけどにあきょうわこくのプリレプ）生うまれ。1898年ねん、陸軍りくぐん士官しかん学校がっこうに入学にゅうがく。1904年ねん、サロニカの第だい3軍ぐんに参謀さんぼう将校しょうこうとして配属はいぞくされる。そこで「統一とういつと進歩しんぽ委員いいん会かい」に加盟かめい。1909年ねん、フランス大使館たいしかん付づけ武官ぶかん。1911年ねんの伊い土ど戦争せんそうに従軍じゅうぐん。1912年ねん、立憲りっけん議会ぎかい議員ぎいんに当選とうせん。1913年ねんにブルガリア公使こうしとなる。その当時とうじのブルガリア駐在ちゅうざい武官ぶかんがのちの大統領だいとうりょうムスタファ・ケマル・アタテュルクであり、知遇ちぐうを得えた。1917年ねんに立憲りっけん議会ぎかい議員ぎいんに当選とうせんしトルコに戻もどる。

第だい一いち次じ世界せかい大戦たいせん敗北はいぼくの混乱こんらんの中なか、暫定ざんてい内ない閣かくで内相ないしょうを務つとめたりケマルと共ともに新聞しんぶんを発行はっこうするなどしたが、1919年ねん1月がつに他たの高官こうかんたちと共ともに拘束こうそくされ、1921年ねんまでイギリス軍ぐんによりマルタに抑留よくりゅうされる。釈放しゃくほうされトルコに戻もどった後のちはトルコ大だい国民こくみん議会ぎかいに参加さんか。独立どくりつ戦争せんそう中なかの1922年ねんに内相ないしょうに就任しゅうにん。1923年ねん8月がつ14日にちから同年どうねん10月27日にちまで大だい国民こくみん議会ぎかい代表だいひょう（首相しゅしょうに相当そうとう）を務つとめる。同職どうしょく退任たいにん数すう日にち後ごにトルコ大だい国民こくみん議会ぎかい議長ぎちょうに選出せんしゅつされる。初代しょだい大統領だいとうりょうに就任しゅうにんしたケマルの後任こうにんであった。

首相しゅしょう

1924年ねん11月22日にちから1925年ねん3月2日にちまで、与党よとう共和きょうわ人民じんみん党とう（CHP）の政治せいじ家かとして二に度目どめの首相しゅしょう職しょく（国防こくぼう相しょう兼任けんにん）を務つとめる。穏健おんけん派はであるフェトヒを首相しゅしょうにすることにより、ケマルが推進すいしんする改革かいかくや前任ぜんにん者しゃイスメット・イノニュの強硬きょうこう路線ろせんの印象いんしょうを和やわらげる目的もくてきがあった。しかし政府せいふに対たいする批判ひはんは収おさまらず、また東部とうぶにおけるクルド人じんの反乱はんらんを鎮圧ちんあつ出来できたため、再ふたたびイノニュに首相しゅしょう職しょくを譲ゆずった。イノニュは唯一ゆいいつ存在そんざいした野党やとうを禁止きんしし、トルコはCHPの一いち党とう独裁どくさい体制たいせいとなった。1925年ねんから1930年ねんまで駐ちゅう仏ふつ大使たいしを務つとめる。

野党やとう結党けっとうを協議きょうぎするケマル（中央ちゅうおう）とオクヤル。左端ひだりはしはオクヤルの娘むすめ（1930年ねん8月がつ13日にち）

トルコに一いち党とう独裁どくさいではなく多党たとう制せいの議会ぎかい政治せいじを根付ねつかせたいという希望きぼうを持もっていた大統領だいとうりょうケマルは、信頼しんらいする腹心ふくしんのフェトヒに政党せいとうの結成けっせいを依頼いらい、フェトヒは1930年ねん8月がつに自由じゆう共和党きょうわとう（Serbest Cumhuriyet Fırkası、SCF）を結党けっとうした。しかしこの政党せいとうにはたちまち強硬きょうこうな反はんケマル派はが集あつまったため、危険きけんと判断はんだんしたフェトヒは数すうヵ月かげつ後ごにはこの党とうを自発じはつ的てきに解党かいとうしてCHPに復ふく党とう、多党たとう制せい定着ていちゃくの試こころみはうまくゆかなかった。次つぎの野党やとう結党けっとうは1946年ねんのジェラル・バヤルによる民主党みんしゅとう結党けっとうまで待またねばならなかった。

1934年ねん、議会ぎかいから「アタテュルク」という姓せいを奉たてまつられたケマルは、フェトヒに対たいし「オクヤル」をいう姓せいを与あたえた。1934年ねんから駐ちゅう英えい大使たいしを務つとめ、モントルー条約じょうやくの締結ていけつ交渉こうしょうに参画さんかくした。アタテュルク死後しごの1939年ねんに議会ぎかいに復帰ふっきし、1941年ねんまで第だい二に次じサイダム内閣ないかくで法相ほうしょうを務つとめる。1943年ねんにイスタンブールで死去しきょした。

註

先代せんだい ラウフ・オルバイ

トルコ大だい国民こくみん議会ぎかい代表だいひょう （暫定ざんてい首相しゅしょう） 1923年ねん

次代じだい イスメット・イノニュ （トルコ共和きょうわ国こく首相しゅしょう）

先代せんだい ムスタファ・ケマル

トルコ大だい国民こくみん議会ぎかい議長ぎちょう 1923年ねん - 1924年ねん

次代じだい キャーズム・オザルプ

先代せんだい キャーズム・オザルプ

トルコ共和きょうわ国こく国防こくぼう相しょう 1924年ねん - 1925年ねん

次代じだい レジェプ・ペケル

先代せんだい フィクレット・スライ

トルコ共和きょうわ国こく法相ほうしょう 1939年ねん - 1941年ねん

次代じだい ハサン・サフイェッティン・メネメンジオウル