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フェントラミン

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フェントラミン
IUPAC命名めいめい法ほうによる物質ぶっしつ名めい
臨床りんしょうデータ
販売はんばい名めい Regitine
Drugs.com Micromedex Detailed Consumer Information
胎児たいじ危険きけん度ど分類ぶんるい
投与とうよ経路けいろ 静しずか注ちゅう・筋すじ注ちゅう
薬物やくぶつ動態どうたいデータ
代謝たいしゃ肝きも
半減はんげん期き19 min.
識別しきべつ
CAS番号ばんごう
 50-60-2 チェック
ATCコード C04AB01 (WHO) V03AB36 (WHO)
PubChem CID: 5775
IUPHAR/BPS 502
DrugBank DB00692 チェック
ChemSpider 5571 チェック
UNII Z468598HBV チェック
KEGG D08362  チェック
ChEBI CHEBI:8081 ×
ChEMBL CHEMBL597 チェック
化学かがく的てきデータ
化学かがく式しきC17H19N3O
分子ぶんし量りょう281.352 g/mol
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フェントラミン(Phentolamine、レジチン(Regitine))は可逆かぎゃく的てき[1]αあるふぁ1･2受容じゅよう体たい非ひ選択せんたく的てき遮断しゃだん薬やくである[2]。

作用さよう機き序じょ[編集へんしゅう]

主おもにαあるふぁ1受容じゅよう体たい遮断しゃだんによる血管けっかん拡張かくちょう薬やくとして機能きのうする[3]。

低てい血圧けつあつとαあるふぁ2受容じゅよう体たい遮断しゃだんにより交感神経こうかんしんけいを緊張きんちょうさせ、反射はんしゃ性せい頻しき脈みゃくを起おこすこともある[4]。

用途ようと[編集へんしゅう]

主おもに高血圧こうけつあつ性せい緊急きんきゅう症しょうの制御せいぎょ、特とくに褐色かっしょく細胞腫さいぼうしゅによるものに用もちいられる[5]。

冠動脈かんどうみゃく攣縮を招まねき心筋しんきん虚きょ血ちや高血圧こうけつあつを悪化あっかさせるとの考かんがえから、一般いっぱん的てきに、コカインに誘発ゆうはつされた心こころ血管けっかん合併症がっぺいしょうの治療ちりょうにはβべーた遮断しゃだん薬やくは避さけられており、フェントラミンなどのαあるふぁ遮断しゃだん薬やくが有用ゆうようである。だがこの用途ようとではフェントラミンは第だい一いち選択せんたく薬やくではなく、ベンゾジアゼピン・ニトログリセリン・カルシウム拮抗きっこう剤ざいが十分じゅうぶんに奏効そうこうしない場合ばあいに限かぎるべきである[6][7]。

血管けっかんを拡張かくちょうして血ち流りゅうを増ふやす作用さようがあるため、海綿かいめん体内たいないに注入ちゅうにゅうすることで勃起ぼっき不全ふぜんの治療ちりょうにも用もちいられる[8]。

ノルアドレナリンに代表だいひょうされる昇圧しょうあつ剤ざいの溢出が末梢まっしょうの血管けっかん収縮しゅうしゅくを招まねいた場合ばあいの対抗たいこう策さくとして、救急きゅうきゅうカートでこれらの薬剤やくざいの側がわに置おかれることがある。アドレナリンはノルアドレナリンよりもβべーた受容じゅよう体たいへの作用さようが強つよいため血管けっかん拡張かくちょう作用さようが弱よわいが、やはりその作用さようは用量ようりょう依存いぞん的てきである。

複ふく合性あいしょう局所きょくしょ疼痛とうつう症候群しょうこうぐんへの治療ちりょう効果こうかもある[9]。

近年きんねん、歯科しか分野ぶんやにおいて、フェントラミンが局所きょくしょ麻酔ますい反転はんてん剤ざいとして導入どうにゅうされている。多おおくの局所きょくしょ麻酔ますい剤ざいは局所きょくしょ的てきに血管けっかんを収縮しゅうしゅくさせることでその作用さようを持続じぞくさせているが、フェントラミンはその作用さようを逆転ぎゃくてんさせることで麻酔ますいを解除かいじょする。製品せいひんの一ひとつである OraVerse はメシル酸さんフェントラミンの注射ちゅうしゃ剤ざいで[10]、広ひろく用もちいられている麻酔ますい剤ざいと血管けっかん収縮しゅうしゅく剤ざいの組くみ合あわせに対たいして、軟組織そしきに残のこる痺しびれを取とり去さる作用さようが確認かくにんされている[11]。

合成ごうせい[編集へんしゅう]

m-(p-トルイジノ)フェノールを2-クロロメチルイミダゾリンでアルキル化かすることで合成ごうせいされる[12][13]。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ Jewell, John R.; Longworth, David L.; Stoller, James K.; Casey, David (2003). The Cleveland Clinic internal medicine case reviews. Hagerstown, MD: Lippincott Williams & Wilkins. p. 32. ISBN 0-7817-4266-8 
  2. ^ Phentolamine - MeSH・アメリカ国立こくりつ医学いがく図書館としょかん・生命せいめい科学かがく用語ようごシソーラス（英語えいご）
  3. ^ Brock G. Oral phentolamine (Vasomax). Drugs Today (Barcelona). 2000 Feb-Mar;36(2-3):121-4.
  4. ^ Shen, Howard (2008). Illustrated Pharmacology Memory Cards: PharMnemonics. Minireview. p. 14. ISBN 1-59541-101-1 
  5. ^ Tuncel M, Ram VC. Hypertensive emergencies. Etiology and management. American Journal of Cardiovascular Drugs. 2003;3(1):21-31.
  6. ^ Hollander JE, Henry TD. Evaluation and management of the patient who has cocaine-associated chest pain. Cardiology Clinics. 2006 Feb;24(1):103-14.
  7. ^ Chan GM, Sharma R, Price D, Hoffman RS, Nelson LS. Phentolamine Therapy for Cocaine-Association Acute Coronary Syndrome (CAACS). Journal of Medical Toxicology. 2006 Sep;2(3):108-11.
  8. ^ Bella AJ, Brock GB. Intracavernous pharmacotherapy for erectile dysfunction. Endocrine. 2004 Mar-Apr;23(2-3):149-55.
  9. ^ Rowbotham MC. Pharmacologic management of complex regional pain syndrome. Clinical Journal of Pain. 2006 Jun;22(5):425-9.
  10. ^ http://www.novalar.com/oraverse-dental-specialty-pharmaceutical
  11. ^ Malamed S. What's new in local anaesthesia? Society For The Advancement Of Anaesthesia In Dentistry Digest. 2009 Jan;25:4-14.
  12. ^ K. Miescher, A. Marxer, E. Urech, アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく特許とっきょ第だい 2,503,059号ごう (1950)
  13. ^ E. Urech, A. Marxer, K. Miescher, Helv. Chim. Acta, 33, 1386 (1950)
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