(Translated by https://www.hiragana.jp/)
プロトマー - Wikipedia コンテンツにスキップ

プロトマー

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

構造こうぞう生物せいぶつがくでは、プロトマーえい: protomer)とは、オリゴマータンパクしつ構造こうぞう単位たんいである。これは、すくなくとも2つのことなるタンパク質たんぱくしつくさり構成こうせいされる最小さいしょうのユニットで、このユニットの2つ以上いじょうのコピーが結合けつごうしてよりおおきなヘテロオリゴマー形成けいせいする。

この用語ようごは、Na/K-ATPase酵素こうそ命名めいめいほう明確めいかくにするために、Chetverinによって導入どうにゅうされた[1]。この酵素こうそは、2つのサブユニット構成こうせいされている。おおきな触媒しょくばい作用さようαあるふぁサブユニットと、よりちいさなとうタンパク質たんぱくしつβべーたサブユニット(くわえてγがんまサブユニットとばれるプロテオリピド英語えいごばん)である。当時とうじは、それぞれがどれだけのかず一緒いっしょはたらいているのか不明ふめいであった。さらに、人々ひとびとりょうからだについてかたるとき、それがαあるふぁβべーたしているのか、(αあるふぁβべーた)2しているのか、はっきりしなかった。Chetverinは、αあるふぁβべーたをプロトマー、(αあるふぁβべーた)2をジプロトマーとぶことを提案ていあんした。

プロトマーは通常つうじょう周期しゅうき対称たいしょう配置はいちされ、じたてんぐん対称たいしょうせい形成けいせいする。

化学かがく分野ぶんやでは、プロトンの位置いちによって互変異性いせいしめ分子ぶんしを、いわゆるプロトマーんでいる[2][3]

れい[編集へんしゅう]

ヘモグロビンは、4つのサブユニット(2つのαあるふぁと2つのβべーた)からなるヘテロよんりょうからだである。ただし、構造こうぞうてきにも機能きのうてきにもヘモグロビンは(αあるふぁβべーた)2表現ひょうげんしたほう適切てきせつなので、2つのαあるふぁβべーたプロトマーのりょうたい、つまりジプロトマーと[4]

アスパラギンさんカルバモイルトランスフェラーゼは、αあるふぁ6βべーた6サブユニット構成こうせいっている。6つのαあるふぁβべーたプロトマーはD3対称たいしょう配置はいちされている。

ウイルスカプシドはしばしばプロトマーで構成こうせいされている。

化学かがくれいでは、チロシン4-アミノ安息香あんそくこうさんげられる。前者ぜんしゃだつプロトンされてカルボンさんアニオンおよびフェノキシドアニオンを形成けいせいしてもよく[5]後者こうしゃはアミノもとまたはカルボキシルもとでプロトンしてもよい[6]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ Chetverin, A.B. (1986). “Evidence for a diprotomeric structure of Na, K-ATPase: Accurate determination of protein concentration and quantitative end-group analysis”. FEBS Lett 196: 121–125. doi:10.1016/0014-5793(86)80225-3. PMID 3002859. 
  2. ^ P. M. Lalli, B. A. Iglesias, H. E. Toma, G. F. de Sa, R. J. Daroda, J. C. Silva Filho, J. E. Szulejko, K. Araki and M. N. Eberlin, J. Mass Spectrom., 2012, 47, 712–719.
  3. ^ C. Lapthorn, T. J. Dines, B. Z. Chowdhry, G. L. Perkins and F. S. Pullen, Rapid Commun. Mass Spectrom., 2013, 27, 2399–2410.
  4. ^ Buxbaum, E. (2007). Fundamentals of protein structure and function. New York: Springer. pp. 105–120. ISBN 978-0-387-26352-6 
  5. ^ J. Am. Chem. Soc., 2009, 131 (3), pp 1174–1181
  6. ^ J. Phys. Chem. A, 2011, 115 (26), pp 7625–7632