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ヘッドロック

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
クリス・マスターズによるヘッドロック。

ヘッドロックHeadlock)は、プロレスわざ一種いっしゅである。日本にっぽんめい頭蓋骨ずがいこつかたヘッド・チャンスリーともばれる。たんにヘッドロックとしょうする場合ばあい相手あいてあたまわきかかえてげるサイド・ヘッドロックのことをすことがおおく、サイド・ヘッドロックはリバース・チャンスリーサイド・チャンスリーともばれている。

概要がいよう[編集へんしゅう]

以下いかはサイド・ヘッドロックについて説明せつめいする。

ロックアップ(カラー・アンド・エルボー)の体勢たいせいからすことができ、派生はせいわざ連絡れんらくわざかえわざ数多かずおお存在そんざいするため[1]、プロレスにおいては基本きほんわざひとつとされている。きわまった場合ばあいこめかみ、あるいは頚部けいぶ圧迫あっぱくされ激痛げきつうともな[1]

だい世界せかい大戦たいせんまえのプロレスではエド・ルイスらがフィニッシュ・ホールドとして使用しようしていた。ルイスの弟子でしであるルー・テーズがフィニッシュ・ホールドとして愛用あいようしていたバックドロップは、相手あいてにヘッドロックをかけさせた状態じょうたいから相手あいて背後はいごまわげるものであった。ヘッドロックを仕掛しかければ相手あいておなわざ応戦おうせんしたがるため、テーズ自身じしんもバックドロップの布石ふせきとしての、このわざ仕掛しかけを研究けんきゅうしていたという逸話いつわつたえられている。

しかし、1970年代ねんだい以降いこう試合しあい序盤じょばんでの基本きほんわざまたは、つなぎわざとして使つかわれることがおおくなり、フィニッシュ・ホールドとして使つかわれることはすくなくなっていった。時々ときどき全日本ぜんにほんプロレスで、小橋こはし健太けんたふち正信まさのぶをヘッドロック・ホールドで、そのままピンフォールをうばったり(1994ねん)、秋山あきやまじゅん志賀しが賢太郎けんたろうからヘッドロックでギブアップったこと(2000ねん)があった。

また、総合そうごう格闘技かくとうぎにおいても時折ときおり使用しようされる。せんきょくだいさんじんにおいて吉田よしだ秀彦ひでひこモーリス・スミスたい袈裟けさかたからのグラウンド・ヘッドロックでタップアウトうばった。吉田よしだ経営けいえいしている吉田よしだ道場どうじょう門下生もんかせいおなじく総合そうごう格闘かくとう中村なかむら和裕かずひろかたるところによれば、吉田よしだのヘッドロックはきわめる部位ぶい体重たいじゅう移動いどうなどにかれ独自どくじのコツがあり、無理むりこたえればそのままとされる可能かのうせいもあるという。

2019ねんには、ケンカでヘッドロックをかけた一般いっぱん男性だんせい相手あいて死亡しぼうさせる事件じけん発生はっせいした[2]

おも使用しようしゃ[編集へんしゅう]

種類しゅるい[編集へんしゅう]

サイドしき以外いがいのヘッドロックには以下いかのものがある。

グラウンド・ヘッドロック[編集へんしゅう]

グラウンドじょうよこたおれた体勢たいせいでサイド・ヘッドロックを仕掛しかけるもの。

フロント・ヘッドロック[編集へんしゅう]

がぶり状態じょうたいからヘッドロックを仕掛しかけるもの。った状態じょうたいでかけるときすわった状態じょうたいでかけるときがある。この体勢たいせいからネックブリーカー移行いこうするパターンもある。

類似るいじわざのどあるいは頸動みゃくめるフロント・チョーク(ギロチン・チョーク、フロント・チョーク・スリーパー、フロント・スリーパー)やくび関節かんせつ攻撃こうげきするフロント・ネックチャンスリー(フロント・ネックロック)がある。

ブルドッギング・ヘッドロック[編集へんしゅう]

クリス・ジェリコによるワンハンド・ブルドッグ。

たんブルドッグともいう。相手あいてあたまをヘッドロックしたまま対角線たいかくせんじょうにリングをはしり、そのままジャンプしてたおんで相手あいてを頸部や顔面がんめんからマットにたたきつける。

この場合ばあいブルドッグいぬしゅのことではなく、動詞どうしBulldogうし鹿しかかくつかみねじりたおす)から由来ゆらいしている。あやまった表記ひょうきではあるが日本にっぽんではブルドッングという名称めいしょう使つかわれることもある。

カウボーイうしとらえる動作どうさをプロレスに応用おうようしたわざとして、カウボーイ・ボブ・エリス考案こうあん[3]。エリス以降いこうテキサス・マッケンジーブラックジャック・ランザボビー・ダンカンスコット・ケーシーサム・ヒューストンジミー・ジャック・ファンクなど、カウボーイのギミックもちいたレスラーが得意とくいわざとした。アドリアン・アドニスひじ首筋くびすじててしつぶすような独特どくとくのスタイルをもちい、WWFではアドラブル・ドッグAdorable Dog)の名称めいしょう使用しようしていた。日本にっぽんではラッシャー木村きむら谷津たにつ嘉章よしあき越中えっちゅうろう中西なかにしまなぶきくタローなどがおも使用しようしゃである。

相手あいてをヘッドロックせずかみ後頭部こうとうぶつかんで顔面がんめんからたたきつけるとワンハンド・ブルドッグもしくは日本にっぽんではフェイス・クラッシャー顔面がんめんくだき)ともばれる。おも使用しようしゃには、クリス・ジェリコジョン・シナ武藤むとうたかしなどがいる。

連絡れんらくわざ[編集へんしゅう]

スタンディングで相手あいてをヘッドロックの体勢たいせいらたとしても、完全かんぜん相手あいて制圧せいあつした体勢たいせいではないため[1]フライング・メイヤーなどのわざ移行いこうする場合ばあいおお[1]初代しょだいタイガーマスク相手あいてをヘッドロックにらえた体勢たいせいからフックをいて自分じぶんからだ錐揉きりもじょう回転かいてんさせて後方こうほう移動いどうし、最後さいご相手あいてカニはさたおすタイガースピンというわざ得意とくいとしていた[4]

類似るいじわざ[編集へんしゅう]

ランディ・オートンによるチンロック。
スリーパー・ホールド
相手あいて背面はいめんからのくびめ。
フェイスロック
相手あいて背面はいめんから顔面がんめん輪郭りんかくおおようにロックする。
チンロック
チンとは「あご」のあごうえ頭部とうぶをフックしてくびねじる。

かえわざ[編集へんしゅう]

ヘッドロックには多様たようかえわざ存在そんざいする[1]以下いかいちれいをあげる。

  • バックドロップ
  • ラテラル - バックドロップをねら体勢たいせいからすわみながら相手あいてあしはらたおす。柔道じゅうどうだきぶん類似るいじわざ
  • 強引ごういんくびいてバックを
  • 強引ごういんくびきながら相手あいてをロープに
  • ワンハンド・バックブリーカー

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • Hackenschmidt, Georg (2006). The Complete Science of Wrestling. Paladin Press. ISBN 978-1581605303. http://gnarlmaster.tripod.com/gnarlmaster/Headchancery.htm 

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ a b c d e Hackenschmidt (2006)
  2. ^ けんか相手あいて死亡しぼう 歌舞伎町かぶきちょうのスナック 傷害しょうがい容疑ようぎおとこ逮捕たいほ”. 毎日新聞まいにちしんぶん (2019ねん9がつ22にち). 2019ねん9がつ22にち閲覧えつらん
  3. ^ “Cowboy” Bob Ellis”. The Art of Rob Schamberger. 2021ねん2がつ22にち閲覧えつらん
  4. ^ 詳細しょうさい速報そくほう <IGF 11・24名古屋なごや - ニッカンスポーツ、2008ねん11月25にち、2010ねん2がつ19にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]