ベンチュリ

ベンチュリ計けいの図ず。"1"での圧力あつりょくは"2"よりも高たかい。"2"での流速りゅうそくは"1"よりも高たかい。

ベンチュリ（英えい: Venturi effect）は、流体りゅうたいの流ながれを絞しぼることによって、流速りゅうそくを増加ぞうかさせて、低速ていそく部ぶにくらべて低ひくい圧力あつりょくを発生はっせいさせる機構きこうである。イタリアの物理ぶつり学者がくしゃジョヴァンニ・バッティスタ・ヴェントゥーリにちなむ。ベンチュリ効果こうかを応用おうようした管かんをベンチュリ管かん（Venturi tube）、計測けいそく器きをベンチュリ計けい（Venturi meter）という。

連続れんぞくの式しきから、流量りゅうりょうが一定いっていのとき流ながれの断だん面積めんせきを狭せまくすると流速りゅうそくは増加ぞうかする。流体りゅうたいが非ひ圧縮あっしゅく性せいであるとき、すなわち密度みつどが一定いっていであるとき、右みぎの図ずで

$v_{2}={\frac {A_{1}}{A_{2}}}v_{1}$

となる。

ベルヌーイの定理ていりから流速りゅうそくが高たかくなると圧力あつりょくは低ひくくなる。液体えきたいを扱あつかう場合ばあいとして、ガソリンを吸入きゅうにゅうするエンジンのキャブレター、霧吹きりふき、エアブラシ等ひとしに使つかわれている。

ベンチュリ計けいによる流量りゅうりょうの計測けいそく

ベンチュリ管かんは流量りゅうりょうの計測けいそくにも用もちいられる（ベンチュリ計けい）。流量りゅうりょうの計測けいそくでは絞しぼる前まえの部分ぶぶん（図ずの点てん"1"）と絞しぼり部ぶ（図ずの点てん"2"）の圧力あつりょくを測定そくていし、各かく断面だんめんの断だん面積めんせきが既知きちであるなら、連続れんぞくの式しきとベルヌーイの定理ていりから理論りろん的てきに流量りゅうりょうが求もとめられる。

ここで、流体りゅうたいは非ひ圧縮あっしゅく性せいで密度みつどは ρろー = 一定いっていとし、定常ていじょう流りゅうとする。絞しぼる前まえの管かんの断だん面積めんせき・流速りゅうそく・圧力あつりょく・水みず頭あたまをそれぞれ A₁ , v₁ , p₁ , z₁ 、絞しぼり部ぶの管かんの断だん面積めんせき・流速りゅうそく・圧力あつりょく・水みず頭あたまをそれぞれ A₂ , v₂ , p₂ , z₂ 、流量りゅうりょうをQ 、重力じゅうりょく加速度かそくどをg とすると、ベルヌーイの定理ていりより次つぎの式しきが成なり立たつ。

${\frac {p_{1}}{\rho }}+{\frac {{v_{1}}^{2}}{2}}+gz_{1}={\frac {p_{2}}{\rho }}+{\frac {{v_{2}}^{2}}{2}}+gz_{2}$

連続れんぞくの式しきより成なり立たつ

$Q=A_{1}v_{1}=A_{2}v_{2}\quad \Rightarrow \quad v_{1}={\frac {Q}{A_{1}}},v_{2}={\frac {Q}{A_{2}}}$

を代入だいにゅうし、また管かん路ろが水平すいへいとすればz₁ = z₂ であり、点てん1と点てん2での差さ圧あつを

$h={\frac {p_{1}-p_{2}}{\rho g}}$

と置おけば、理論りろん的てきな流量りゅうりょうQ は次つぎのようになる。

$Q={\frac {A_{2}}{\sqrt {1-(A_{2}/A_{1})^{2}}}}{\sqrt {2gh}}$

実用じつよう上じょうは、慣性かんせい力りょくや粘性ねんせいによるエネルギー損失そんしつが起おこるので、実用じつよう的てきな流量りゅうりょうを求もとめる式しきとして次つぎのようになる。

$Q=C{\frac {A_{2}}{\sqrt {1-(A_{2}/A_{1})^{2}}}}{\sqrt {2gh}}$

ここで、C は流量りゅうりょう係数けいすうと呼よばれ、一般いっぱん的てきには C = 0.96～0.99 となる。流量りゅうりょう係数けいすうには計算けいさんの便宜べんぎ上じょうから

$Q=K{\sqrt {h}}$　ただし　$K={\frac {A_{2}}{\sqrt {1-(A_{2}/A_{1})^{2}}}}{\sqrt {2g}}$

となるK も用もちいられることがある。

関連かんれん項目こうもく

• アスピレーター
• ベルヌーイの定理ていり
• オリフィス板ばん
• ブンゼンバーナー
• チョーク流ながれ
• ピトー管かん
• ノズル - ラバール・ノズル
• グラウンド・エフェクト・カー
• ヴェンチュリ