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重力じゅうりょく加速度かそくど

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

重力じゅうりょく加速度かそくど(じゅうりょくかそくど、えい: gravitational acceleration)とは、重力じゅうりょくによりしょうじる加速度かそくどである。

概略がいりゃく

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はしてきにいえば、物体ぶったいとしたとき、その物体ぶったい速度そくど単位たんい時間じかんたりにどれだけはやくなるかしめしたりょうであるといえる。原則げんそくとして重力じゅうりょくのみが作用さようする物体ぶったい運動うんどう様子ようすは、等価とうか原理げんりにより物体ぶったい質量しつりょうによらない。つまりおも物体ぶったいでもかる物体ぶったいでもおな速度そくど落下らっかすることが証明しょうめいされているが、この落下らっかする速度そくどはだんだんがる性質せいしつがある[1]。このため重力じゅうりょく加速度かそくどによって表現ひょうげんすることが可能かのうとなる。

単位たんいには加速度かそくどおなじくメートル毎秒まいびょう毎秒まいびょう (記号きごう: m/s2)がもちいられる。ただし、質量しつりょうあたりにかかるちから (g = F/m)という解釈かいしゃくからニュートンまいキログラム (記号きごう: N/kg)のほうがより適当てきとうだとの主張しゅちょうもある。どちらの単位たんいもちいても数値すうちおなじである。重力じゅうりょく加速度かそくどは、重力じゅうりょく意味いみする英語えいご: gravity頭文字かしらもじって gあらわされる。万有引力ばんゆういんりょく定数ていすうG区別くべつするため、通常つうじょう小文字こもじかれる。

たま対称たいしょう天体てんたいかんがえ、自転じてん影響えいきょうかんがえない場合ばあいには、天体てんたい質量しつりょうM半径はんけいR とすると、地表ちひょう付近ふきんでの重力じゅうりょく加速度かそくどおおきさは、万有引力ばんゆういんりょく法則ほうそくから万有引力ばんゆういんりょく定数ていすうG として

あらわすことができる。半径はんけい方向ほうこう単位たんいベクトルer とすれば

あらわされる。自転じてんによる遠心えんしんりょく考慮こうりょすれば、自転じてん角速度かくそくどωおめが=ωおめがez として

となる。ここで φふぁい観測かんそくてん緯度いどである。重力じゅうりょく加速度かそくどおおきさは緯度いどによって変化へんかし、赤道せきどうもっとちいさく、きょくもっとおおきい。また、その方向ほうこうたま中心ちゅうしんからずれる。

地球ちきゅう重力じゅうりょく加速度かそくど

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地球ちきゅう地表ちひょう付近ふきんでは、どんな物体ぶったいでも地面じめん方向ほうこうへのちから重力じゅうりょく)をけており、そのおおきさはその物体ぶったい質量しつりょう比例ひれいする。この比例ひれい定数ていすう重力じゅうりょく加速度かそくどである。これはその物体ぶったい自由じゆう落下らっかする場合ばあい加速度かそくど一致いっちする。

標準ひょうじゅん重力じゅうりょく加速度かそくど

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標準ひょうじゅん重力じゅうりょく加速度かそくど
Standard gravity または standard acceleration due to free fall
記号きごう ,
9.80665±0 m/s2 [2]
相対そうたい標準ひょうじゅん不確ふたしかさ 定義ていぎ
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重力じゅうりょく加速度かそくど場所ばしょによってことなるため、標準ひょうじゅん重力じゅうりょく加速度かそくどさだめてその世界中せかいじゅう使つかうこととしている。当初とうしょ標準ひょうじゅん重力じゅうりょく加速度かそくど定義ていぎは「国際こくさい度量衡どりょうこうきょくパリ)における重力じゅうりょく加速度かそくど」というもので、数値すうち規定きていされていなかった。1880ねんに「北緯ほくい45海上かいじょう重力じゅうりょく加速度かそくど」として、その9.80619920 m/s2さだめた。1901ねん国際こくさい度量衡どりょうこう総会そうかいにおいて、標準ひょうじゅん重力じゅうりょく加速度かそくどを、正確せいかく9.80665 m/s2規定きていし、以来いらいそのもちいられている。

単位たんいとしての重力じゅうりょく加速度かそくど

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重力じゅうりょく加速度かそくど
記号きごう G
りょう 加速度かそくど
SI 9.80665 m/s2
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重力じゅうりょく加速度かそくど加速度かそくど単位たんいとしてももちいられる。この場合ばあい大文字おおもじで G とかれ、「ジー」とむ。重力じゅうりょく加速度かそくどおな加速度かそくど1.0 G のように表現ひょうげんする。G(ジー)はSI単位たんいにはふくまれず、日本にっぽん計量けいりょうほうではしょう取引とりひきなどでの使用しようみとめられていない。また、アメリカではG(ジー)はみとめられている。

  • 1.0 G = 9.80665 m/s2

地球ちきゅう以外いがい重力じゅうりょく加速度かそくど

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天体てんたいによって重力じゅうりょく加速度かそくどことなる。たとえばつきでは 1.622 m/s2地球ちきゅうやく6ぶんの1 (16.5 %)である。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 重力じゅうりょく加速度かそくど - 物理ぶつりがく解体かいたい新書しんしょ
  2. ^ CODATA Value: standard acceleration of gravity”. Fundamental Physical Constants. National Institute of Standards and Technology. 2013ねん1がつ25にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく

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