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ボグスワフ・シェッフェル

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ボグスワフ・シェッフェル
Bogusław Schäffer
基本きほん情報じょうほう
生誕せいたん (1929-06-06) 1929ねん6月6にち
ポーランドの旗 ポーランド・ルヴフ
げん ウクライナリヴィウ
死没しぼつ (2019-07-01) 2019ねん7がつ1にち(90さいぼつ
ジャンル 現代げんだい音楽おんがく
職業しょくぎょう 作曲さっきょく
演奏えんそう
げき作家さっか
画家がか
音楽おんがく学者がくしゃ

ボグスワフ・シェッフェルBogusław Schäffer/Schaeffer, 1929ねん6月6にち - 2019ねん7がつ1にち[1])は、ポーランド作曲さっきょく演奏えんそうげき作家さっか画家がか音楽おんがく学者がくしゃ教師きょうし[2]作曲さっきょく作品さくひんは600さく[3]、そのうちの300さく以上いじょう1990ねん以降いこう作曲さっきょく[4]、44さく以上いじょうおよかれ戯曲ぎきょく[5]は16かこく翻訳ほんやくされた多作たさくであった。かれより年長ねんちょうのポーランドの作曲さっきょくステファン・キシェレフスキ英語えいごばんから「ポーランド現代げんだい音楽おんがくちち」ととなえられた[6]

人物じんぶつ

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1929ねんに、ポーランドりょうであったルヴフ(げんウクライナリヴィウ)でまれる。アルトゥール・マラフスキポーランドばん作曲さっきょく師事しじズジスワフ・ヤヒメツキ英語えいごばん音楽おんがくがく師事しじ後年こうねんにはルイージ・ノーノにも短期間たんきかん師事しじ[7]している。

15さいから作曲さっきょくをはじめ、17さいから作品さくひんリストがはじまった。ヴィトルト・ルトスワフスキクシシュトフ・ペンデレツキグループ49ならポーランドらく[8][9]中心ちゅうしん人物じんぶつであった。クラクフ音楽おんがくアカデミーでおしえたのちオーストリア移住いじゅうし、モーツァルテウム作曲さっきょく教授きょうじゅ2000ねんまでつとめた。ベルント・リヒャルト・ドイチュ[10]ふくめ、作曲さっきょく弟子でし世界中せかいじゅう数多かずおおい。1999ねんから2002ねんには、アンジェイ・パヌフニク国際こくさい作曲さっきょくコンクール[11]審査しんさいんちょうつとめており、2014ねんまで世界中せかいじゅうげき作家さっかあるいは作曲さっきょくとしてめぐった。ポーランド音楽おんがく出版しゅっぱんしゃかん作曲さっきょく概論がいろん』は前衛ぜんえい時代じだいくまなく解説かいせつしたりょうちょとして著名ちょめいである[12]。1993ねんより2014ねんまで「アヴァンギャルド・チロル[13]開講かいこうし、世界中せかいじゅうからつどいろとりどりの若手わかて作曲さっきょくたちからの刺激しげきけたかれは「若手わかて作曲さっきょくしたノルマとおな条件じょうけんで、みずからも新作しんさく作曲さっきょくする」謙虚けんきょ姿勢しせい毎年まいとしのように[ちゅう 1][14]レイレイ・チャンふくおおくの新人しんじん作曲さっきょく巣立すだたせた。

老齢ろうれいになっても自作じさく自演じえん積極せっきょくてきで、2003ねん5月には、かつての同僚どうりょうであったサクソフォーン奏者そうしゃアンジェイ・ジムコフスキポーランドばん作曲さっきょくしゃ自身じしんピアノでデュオリサイタルをひらき、そのための作品さくひん全曲ぜんきょくあらたにろした[15]2006ねんにはワルシャワで、ボグスワフ・シェッフェル60ねん作家さっか人生じんせいたたえるコンサートがひらかれ、1間近まぢかくにもおよぶ「ピアノと電子でんしメディアのためのグランドソナタ」を自作じさく自演じえんしていた[16]2007ねんに、だい芸術げいじゅつ勲章くんしょうをザルツブルクより授与じゅよ[17]。2009ねんに80さい記念きねんのイヴェントが国内外こくないがいいわわれ、そのとしにも「弦楽げんがくよん重奏じゅうそうきょくだい17ばん (2006)」を発表はっぴょう[18]しており創作そうさく意欲いよくはこの時点じてんにおいても旺盛おうせいであった。2012ねんまで、新作しんさく作曲さっきょくしていたことがあきらかになっている[19]

作風さくふう

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不屈ふくつ永久えいきゅう革新かくしんせい」、「いまくされていない可能かのうせい」がかれ作曲さっきょく思想しそう源泉げんせんであり、「明日あしたかれる音楽おんがくは、今日きょうかなければならない」[20]という信念しんねんしたがって作曲さっきょくつづけた。創作そうさく初期しょきから協奏曲きょうそうきょくもっと得意とくいとしており、ピアノヴァイオリンサクソフォーン使つかったものがおおい。1979ねん以降いこうは「俳優はいゆう、パントマイムダンサー、バレリーナ、二人ふたりのピアニスト、ヴァイオリン、フルート、サクソフォンのための実験じっけん音楽おんがくげき TIS MW2 (1963)[21]」のような「音楽おんがくがいイヴェント」をやめ通常つうじょう編成へんせいのための音楽おんがくもどったが、「ペダルハープアイリッシュハープ独奏どくそうしゃ室内しつないオーケストラのためのハープ協奏曲きょうそうきょくだい1ばん (2001)[22]」や「ヴィブラフォンとちいさな打楽器だがっきぐんあやつ奏者そうしゃ室内しつないオーケストラのためのヴィブラフォン協奏曲きょうそうきょく (2001)[23]」、「DESEFヴァイオリンとGASABヴァイオリンとヴァイオリンを演奏えんそうする独奏どくそうヴァイオリン奏者そうしゃ室内しつないオーケストラのためのヴァイオリン協奏曲きょうそうきょくだい4ばん (2003)[24][25]」、「こえ、ピアノ、コントラバス、打楽器だがっきのためのVOPICOPE (2007)」、「ピアノと42にん編成へんせいのオーケストラのためのBluesだい7ばん (2004)」のように前衛ぜんえい世代せだいならではの図形ずけい楽譜がくふ[26]による書式しょしき引退いんたいまで手放てばなすことはなかった。その一方いっぽう確定かくてい楽譜がくふによる作品さくひんもある[27]

ぜん作品さくひんおよ著作ちょさくしゅうザルツブルクのCollsch Editionから自費じひ出版しゅっぱんされていた[28]本人ほんにん他国たこく自作じさく楽譜がくふ著書ちょしょ寄贈きぞうすることがよくあり、世界せかい各国かっこく図書館としょかん音楽おんがく資料しりょうしつかれ出版しゅっぱんしゃ「Collsch Edition」をかけることはめずらしくない[29]

バルバラ・ドブレツベルガーヤドヴィガ・ホドルルドミラ・スタヴォヴィ[30]ヨアンナ・ザヨンツひとしにより、研究けんきゅうしょ刊行かんこうされている。『作曲さっきょく概論がいろん』は中国語ちゅうごくごばん韓国かんこくばん存在そんざいするが、参照さんしょうされた楽譜がくふれいなかまゆずみ敏郎としお作品さくひんがあるにもかかわらず日本語にほんごばんはついに出版しゅっぱんされることはなかった[ちゅう 2]。ポーランド音楽おんがく出版しゅっぱんしゃのカタログからもこのほんは2000ねんには消滅しょうめつしている。

参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん文献ぶんけん

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脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ Kwartet na saksofon, flet, klarnet basowy i fortepian (2000), Concertino na wiolonczelę, obój (+ rożek angielski), puzon i fortepian (2006)など。
  2. ^ 部分ぶぶんてき日本語にほんご翻訳ほんやくには、嶋津しまづ武仁たけひとによるものが月刊げっかん音楽おんがく世界せかい』(日本にっぽん音楽おんがく舞踊ぶよう会議かいぎ)の1984ねん5がつごうp18-19とどう1985ねん4がつごうp16-19にボゴスワフ・シェフェル「作曲さっきょく序説じょせつ」として掲載けいさいされている。

出典しゅってん

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  1. ^ Bogusław Schaeffer nie żyje. Był kompozytorem i dramatopisarzem”. www.rmf24.pl (2019ねん7がつ1にち). 2019ねん9がつ26にち閲覧えつらん
  2. ^ boguslaw schaeffer”. culture.pl. 2019ねん2がつ9にち閲覧えつらん
  3. ^ Boguslaw Schaeffer”. www.cime-icem.net. 2019ねん10がつ10日とおか閲覧えつらん
  4. ^ boguslaw schaeffer”. db.musicaustria.at. 2019ねん2がつ9にち閲覧えつらん
  5. ^ Boguslaw Schaeffer”. tezeusz.pl. 2019ねん10がつ10日とおか閲覧えつらん
  6. ^ boguslaw schaeffer”. culture.pl. 2021ねん6がつ14にち閲覧えつらん
  7. ^ Bogusław Schaeffer”. www.ctm-festival.de. CTM Festival. 2020ねん5がつ17にち閲覧えつらん
  8. ^ Ruth Seehaber, Die "polnische Schule" in der Neuen Musik, Böhlau Verlag Köln, ISBN 978-3-41220-430-3, p.116
  9. ^ Lutosławski and Sonoristics (pp. 165-182)”. www.jstor.org (2019ねん10がつ12にち). 2019ねん10がつ12にち閲覧えつらん
  10. ^ AusbildnerIn von (Person)”. db.musicaustria.at. Musicaustria. 2020ねん5がつ17にち閲覧えつらん
  11. ^ Kee Yong CHONG - Composer - CompositionToday”. www.compositiontoday.com. 2019ねん2がつ10日とおか閲覧えつらん
  12. ^ Bogusław Schaeffer”. www.krakow.pl. 2019ねん2がつ9にち閲覧えつらん
  13. ^ 当初とうしょはアヴァンギャルド・シュヴァツであった。”. avantgarde-tirol.at (2018ねん8がつ15にち). 2019ねん2がつ11にち閲覧えつらん
  14. ^ boguslaw_schaeffer”. www.polmic.pl (2019ねん10がつ12にち). 2019ねん10がつ12にち閲覧えつらん
  15. ^ Bogusław Schaeffer (2003ねん5がつ15にち). “ARCYDZIEŁA MUZYKI KAMERALNEJ 2003”. www.galeria.pl. Fundacja Galeria na Prowincji. 2003ねん9がつ2にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2024ねん6がつ20日はつか閲覧えつらん
  16. ^ Bogusław Schaeffer, Wielka Sonata na Fortepian i Media Elektroniczne 2006”. pragapn.um.warszawa.pl. FESTIWAL MUZYCZNA PRAGA (2006ねん10がつ27にち). 2024ねん6がつ20日はつか時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2024ねん6がつ20日はつか閲覧えつらん
  17. ^ Großer Salzburger Kunstpreis für Boguslaw Schaeffer”. www.musicaustria.at (2007ねん11月22にち). 2019ねん2がつ10日とおか閲覧えつらん
  18. ^ Światowe prawykonanie Kwartetu smyczkowego nr 17 Bogusława Schaeffera odbędzie się w niedzielę, 19 lipca 2009 roku o godz.”. www.polmic.pl (2009ねん7がつ29にち). 2019ねん10がつ10日とおか閲覧えつらん
  19. ^ XVIII kwartet smyczkowy na kwartet smyczkowy”. www.boguslawschaeffer.pl. 2024ねん6がつ15にち閲覧えつらん
  20. ^ 作曲さっきょく概論がいろん序文じょぶん p.7
  21. ^ Bogusław Schaeffer”. pwm.com.pl (2019ねん9がつ26にち). 2019ねん9がつ26にち閲覧えつらん
  22. ^ DUX. “記載きさいされた(1986)はあやまりで正確せいかくには(2001).初演しょえんが(2002).”. en.dux.pl. en.dux.pl. 2023ねん12月27にち閲覧えつらん
  23. ^ Koncert na wibrafon i orkiestrę kameralną”. www.boguslawschaeffer.pl. www.boguslawschaeffer.pl. 2023ねん12月27にち閲覧えつらん
  24. ^ IV Koncert skrzypcowy”. archiwum.warsaw-autumn.art.pl. archiwum.warsaw-autumn.art.pl. 2021ねん6がつ14にち閲覧えつらん
  25. ^ wj2020_eng_ksiazka_indeks”. warszawska-jesien.art.pl. warszawska-jesien.art.pl. 2021ねん6がつ14にち閲覧えつらん
  26. ^ ポーランドの前衛ぜんえいボグスワフ・シェッフェル バルバラ・ドブレツベルガーちょ Peter Lang ISBN 978-3-63139-2-898, p.22
  27. ^ 50ねん創造そうぞう バーバラ・ブチェク序文じょぶん、ボグスワフ・シェッフェルちょ p.3
  28. ^ Piano Concerto Nº 6 for piano and small orchestra”. zpe.gov.pl. zpe.gov.pl. 2023ねん12月27にち閲覧えつらん
  29. ^ 144 Notices bibliographiques”. catalogue.bnf.fr. 2019ねん2がつ11にち閲覧えつらん
  30. ^ Leben, Werk, Bedeutung ルドミラ・スタヴォヴィちょ Helbling ISBN 978-3-90059-0-185 p.279
  31. ^ Ruth Seehaber, Die "polnische Schule" in der Neuen Musik, Böhlau Verlag Köln, p.295
  32. ^ Muzyka, teatr i filozofia Bogusława Schaeffera Joanna Zając”. tezeusz.pl. 2019ねん2がつ9にち閲覧えつらん
  33. ^ Filozofia kultury Bogusława Schaeffera”. libases.umcs.lublin.pl. 2019ねん2がつ9にち閲覧えつらん
  34. ^ GRAFIKI BOGUSŁAWA SCHAEFFERA”. www.piw.pl. 2019ねん2がつ9にち閲覧えつらん
  35. ^ Najnowsze utwory Bogusława Schaeffera”. www.ruchmuzyczny.pl. 2019ねん2がつ9にち閲覧えつらん
  36. ^ Bogusław Schaeffer, Aktor. Dramaty”. polskidramat.pl. 2019ねん2がつ9にち閲覧えつらん

外部がいぶリンク

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