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マウント・オーバーン墓地ぼち

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マウント・オーバーン墓地ぼち
マウント・オーバーン墓地の位置（マサチューセッツ州内）
マウント・オーバーン墓地
マウント・オーバーン墓地の位置（アメリカ合衆国内）
マウント・オーバーン墓地
所在地しょざいちマサチューセッツ州しゅう、ケンブリッジおよびウォータータウン
座標ざひょう北緯ほくい42度ど22分ふん16秒びょう 西経せいけい71度ど08分ふん41秒びょう / 北緯ほくい42.37111度ど 西経せいけい71.14472度ど / 42.37111; -71.14472座標ざひょう: 北緯ほくい42度ど22分ふん16秒びょう 西経せいけい71度ど08分ふん41秒びょう / 北緯ほくい42.37111度ど 西経せいけい71.14472度ど / 42.37111; -71.14472
建設けんせつ1831年ねん
建築けんちく家かアレクサンダー・ワーズワース（英語えいご版ばん）
ジェーコブ・ビゲロー
建築けんちく様式ようしきゴシック・リヴァイヴァル建築けんちく他た
NRHP登録とうろく番号ばんごう75000254
指定してい・解除かいじょ日び
NRHP指定してい日び1975年ねん4月がつ21日にち
NHLD指定してい日び2003年ねん5月がつ27日にち

マウント・オーバーン墓地ぼち（マウント・オーバーンぼち、英えい: Mount Auburn Cemetery）は、マサチューセッツ州しゅうミドルセックス郡ぐん、ケンブリッジとウォータータウンの境界きょうかい線せん上じょう、ボストンから西にしに4マイル (6.4km) の位置いちに所在しょざいするアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく初はつの田園でんえん墓地ぼち（英語えいご版ばん）（庭園ていえん墓地ぼち）である。ここには多おおくの著名ちょめいなボストン・ブラーミン（英語えいご版ばん）[注ちゅう 1]が埋葬まいそうされている。

設立せつりつは1831年ねん、敷地しきち面積めんせきは175エーカー (0.71 km2)である[2]。起伏きふくをつけて造園ぞうえんされた土地とちに、古典こてん様式ようしきのモニュメントが配はいされた景観けいかんは[3]、植民しょくみん地ち時代じだいの埋葬まいそう地ちや、教会きょうかいに接せっした墓地ぼちといった慣習かんしゅうからの脱却だっきゃくをあらわにしている。こうした田園でんえん墓地ぼちの誕生たんじょうは、墓地ぼちを "graveyard" ではなく、ギリシア語ごの「眠ねむる場所ばしょ」に由来ゆらいする言葉ことばである "cemetery" と表現ひょうげんすることが好このまれるようになった時期じきと一致いっちしている。この言葉ことばと考かんがえ方かたの変化へんかは、従来じゅうらいの墓地ぼちや教会きょうかいの埋葬まいそう地ちが示しめしていた、死しや来世らいせに対たいする厳格げんかくな考かんがえを凌しのぐものとなった[4]。

マウント・オーバーン墓地ぼちは、19世紀せいきの田園でんえん墓地ぼちの発展はってんにおける先駆せんく的てき役割やくわりにより、2003年ねんに国定こくてい歴史れきし建造けんぞう物ぶつに指定していされた[2]。

歴史れきし

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所在地しょざいちは、元々もともとストーン・ファームという名前なまえの地域ちいきであり、ハーバード大学だいがくの学生がくせいに古ふるくから親したしまれてきた森もりが広ひろがっていた。「オーバーン」という名前なまえは、1770年ねんのオリヴァー・ゴールドスミスの詩集ししゅう『寒村かんそん行ぎょう（英語えいご版ばん）』に登場とうじょうする地名ちめいにちなみ、学生がくせいたちがこの地域ちいきを "Sweet Auburn" と呼よんだことに由来ゆらいする[5]。

マウント・オーバーン墓地ぼちは、ヘンリー・アレクサンダー・スキャンメル・ディアボーン（英語えいご版ばん）が中心ちゅうしんとなり、ジェーコブ・ビゲローと アレクサンダー・ワーズワース（英語えいご版ばん）の協力きょうりょくを得えて、パリのペール・ラシェーズ墓地ぼちにインスピレーションを受うけて設計せっけいされた[2]。また、マウント・オーバーン墓地ぼち自身じしんもブルックリン区くのグリーンウッド墓地ぼち、バージニア州しゅうリッチモンドのハリウッド墓地ぼち（英語えいご版ばん）や、ロンドンのアブニー・パーク墓地ぼち（英語えいご版ばん）など、後のちに建設けんせつされた田園でんえん墓地ぼちに影響えいきょうを与あたえている。

医師いしであったビゲローは、教会きょうかいに埋葬まいそうすることへの衛生えいせい面めんと、都市とし部ぶの用地ようち不足ふそくに懸念けねんを抱だいており[6]、1825年ねんには既すでにマウント・オーバーン墓地ぼちの構想こうそうを持もっていた[7]。構想こうそうから5年ねん後ご、マサチューセッツ州しゅう園芸えんげい協会きょうかい（英語えいご版ばん）の援助えんじょを受うけ、マサチューセッツ州しゅう議会ぎかいが、庭園ていえんまたは田園でんえん墓地ぼち用地ようちとして認可にんかした70エーカー (0.28 km2)の土地とちを6,000ドルで取得しゅとくし、マウント・オーバーン墓地ぼちを設立せつりつ、その後ご、用地ようちを170エーカー (0.69 km2)まで拡大かくだいした。正門せいもんはエジプト復活ふっかつ様式ようしき（英語えいご版ばん）で建設けんせつされ、US$10,000(2023年ねん時点じてんの$286,125と同等どうとう)の費用ひようを要ようした[8]。マウント・オーバーン協会きょうかいの初代しょだい会長かいちょうには、合衆国がっしゅうこく最高裁判所さいこうさいばんしょの陪席ばいせき判事はんじであるジョセフ・ストーリー（英語えいご版ばん）が就任しゅうにん、1831年ねんに開園かいえんした[6]。9月24日にちに行おこなわれた献けんじ堂どう式しきのストーリーの演説えんぜつは[9]、向むこう30年間ねんかんにわたり、数すう多おおくの演説えんぜつのモデルとされた[10]。ゲリー・ウィルズ（英語えいご版ばん）は、この演説えんぜつがリンカーン大統領だいとうりょうのゲティスバーグ演説えんぜつに影響えいきょうを与あたえた、重要じゅうような前例ぜんれいの一ひとつであると考かんがえている。

マウント・オーバーン墓地ぼちは、アメリカにおける田園でんえん墓地ぼちに対たいする関心かんしんが高たかまった時期じきに設立せつりつされた。また、設立せつりつ当初とうしょには、その静謐せいひつな空気くうきを守まもるため、墓地ぼちの使用しように対たいし厳格げんかくな制約せいやくが設もうけられた。管理かんり者しゃは不適切ふてきせつなモニュメントの撤去てっきょを行おこなう権利けんりを有ゆうしており、敷地しきち内ないの自動車じどうしゃ利用りようは「所有しょゆう者しゃ」（墓地ぼちの区画くかくの所有しょゆう者しゃ）に限かぎられ、日曜にちよう・祝日しゅくじつの入場にゅうじょうも所有しょゆう者しゃしか認みとめられなかった[11]。ただし、当時とうじのボストンにおける宗教しゅうきょう多元たげん主義しゅぎの高たかまりを反映はんえいし、宗教しゅうきょうによる墓地ぼちの使用しようの縛しばりは無なく、公衆こうしゅうへ広ひろかれていた[12]。

1840年代ねんだい当時とうじ、マウント・オーバーン墓地ぼちは、ナイアガラの滝たき、マウントバーノンと並ならぶ、人気にんき観光かんこう地ちの一ひとつとして見みられていた[13]。1846年ねん、当時とうじ16歳さいのエミリー・ディキンソンは、マウント・オーバーン墓地ぼちを訪おとずれた印象いんしょうを手紙てがみに記しるしている[13][14]。また、1848年ねんは、単たん年としで推定すいてい6万まん人にんもの人ひとが訪おとずれていた[13]。

建築けんちく物ぶつ

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「マウント・オーバーン墓地ぼちレセプションハウス（英語えいご版ばん）」も参照さんしょう

マウント・オーバーン墓地ぼちには注目ちゅうもくすべき3つの建物たてものが存在そんざいしている。ジョージ・ワシントンにちなんで名なづけられたワシントンタワーは、ビゲローが設計せっけいし、1852年ねんから1854年ねんにかけて建設けんせつされた。クインシーの花崗岩かこうがんで造つくられた62フィート(19m) の建物たてものからの眺望ちょうぼうは、マウント・オーバーン墓地ぼち周辺しゅうへん一帯いったいを一望いちぼうできる[15]。

Bigelow Chapel は、1840年代ねんだいに建設けんせつされ、1850年代ねんだいにタワーと同様どうように花崗岩かこうがんを使つかって再建さいけんされた。1899年ねんには建築けんちく家かウィラード・T・シアーズ（英語えいご版ばん）指揮しきのもと、火葬かそう場じょうを併設へいせつするために改修かいしゅうされた。1924年ねんにはアレンとコリンズにより内装ないそうの改修かいしゅうが行おこなわた。これらの改修かいしゅうの後のちも、スコットランドの企業きぎょうAllan & Ballantyneの制作せいさくしたステンドグラスの窓まどは、そのまま残のこされている[16]。

1870年ねん、追加ついかの祭場さいじょうが必要ひつようとなり、マウント・オーバーン・ストリートの向むかい側がわの土地とちを購入こうにゅうしレセプションハウスが建設けんせつされた。その後ご、1980年代ねんだいに、正門せいもんに隣接りんせつして建設けんせつされたStory ChapelおよびAdministration Buildingが、そのレセプションハウスを担になうようになったため、祭場さいじょうとして利用りようされなくなった[16]。ナサニエル・ジェレミア・ブラッドリー（英語えいご版ばん）が設計せっけいした初代しょだいのレセプションハウスは、墓地ぼちと同様どうようにアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく国家こっか歴史れきし登録とうろく財ざいに登録とうろくされた。

2代目だいめのレセプションハウスであるStory ChapelおよびAdministration Buildingは、ウィラード・シアーズにより設計せっけいされ「イングランドゴシック建築けんちくの垂直すいちょく様式ようしき（en:English Gothic architecture#Perpendicular Gothic）」と特徴とくちょうづけ、ポツダム砂岩さがん（英語えいご版ばん）を使つかい建設けんせつされた。Story Chapelは、1929年ねんにアレンとコリンズにより、ニューイングランドの芸術げいじゅつ家か、アール・E・サンボーン作さくのステンドグラスを使用しようして改修かいしゅうされた[16]。

著名ちょめい人じんの埋葬まいそう

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「:en:List of burials at Mount Auburn Cemetery」も参照さんしょう

2003年ねん時点じてんで9万まん3千せん人にんが墓地ぼちに埋葬まいそうされている[8]。また、設立せつりつ当初とうしょより多おおくの歴史れきし的てきに重要じゅうような人物じんぶつの埋葬まいそうに使つかわれており、特とくにハーバード大学だいがくに関連かんれんしたボストン・ブラーミンやボストン・エリートが、著名ちょめいなユニテリアンと同おなじ様さまに埋葬まいそうされている。

眺望ちょうぼう

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ワシントンタワーから望のぞむボストンのスカイライン

脚注きゃくちゅう

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[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]
ウィキメディア・コモンズには、マウント・オーバーン墓地ぼちに関連かんれんするカテゴリがあります。

注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ ボストンの上流じょうりゅう階級かいきゅうの人々ひとびとを指さす。ブラーミンは、インドのカーストにおけるバラモンのこと[1]。

出典しゅってん

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  1. ^ “レファレンス事例じれい詳細しょうさい(Detail of reference example)”. レファレンス共同きょうどうデータベース. 国立こくりつ国会こっかい図書館としょかん. 2022年ねん4月がつ28日にち閲覧えつらん。
  2. ^ a b c “Mount Auburn Cemetery”. National Park Service. December 22, 2020閲覧えつらん。
  3. ^ Bunting, Bainbridge; Robert H. Nylander (1973). Old Cambridge. Cambridge: Cambridge Historical Commission. p. 69. ISBN 0-262-53014-7 
  4. ^ McDannell, Colleen; Lang, Bernhard (2001). Heaven: A history (2nd ed.). New Haven, CN: Yale University Press. ISBN 978-0300091076. OCLC 783036782. https://books.google.com/books?id=XwBbQFlpmJwC 
  5. ^ Wilson, Susan (2000). Literary Trail of Greater Boston. Boston: Houghton Mifflin Company. p. 114. ISBN 0-618-05013-2. https://archive.org/details/literarytrailofg00wils/page/114 
  6. ^ a b Carrott, Richard G. (1978). The Egyptian Revival: Its Sources, Monuments, and Meaning, 1808–1858publisher=University of California Press. Berkeley. p. 86 
  7. ^ Reps, John W. (1992). The Making of Urban America: A History of City Planning in the United States'. Princeton: Princeton University Press. p. 326. ISBN 978-0-691-00618-5. https://archive.org/details/makingofurbaname0000reps_p7m2/page/326 
  8. ^ a b Rogak, Lisa (2004). Stones and Bones of New England: A Guide to Unusual, Historic, and Otherwise Notable Cemeteries. Globe Pequot. pp. 69, 71. ISBN 978-0-7627-3000-1 
  9. ^ Joseph Story, An Address Delivered on the Dedication of the Cemetery at Mount Auburn, September 24, 1831 (Boston, J.T. & Edward Buckingham 1831)
  10. ^ Alfred L. Brophy, "These Great and Beautiful Republics of the Dead": Public Constitutionalism and the Antebellum Cemetery
  11. ^ Douglas, Ann (1977). The Feminization of American Culture. New York: Alfred A. Knopf. pp. 210–211. ISBN 0-394-40532-3. https://archive.org/details/feminizationofam00doug/page/210 
  12. ^ Dupré, Judith (2007). Monuments: America's History in Art and Memory (1st ed.). New York: Random House. pp. 23. ISBN 978-1-4000-6582-0. OCLC 70046094. https://www.worldcat.org/oclc/70046094 
  13. ^ a b c “The Cemetery That Was a 19th Century Tourist Attraction”. 2016年ねん11月4日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2022年ねん5月がつ4日にち閲覧えつらん。
  14. ^ “Reading 3: A Place for the Living--Leisure, Learning, and Mourning”. ParkNet. 2016年ねん11月4日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2022年ねん5月がつ2日にち閲覧えつらん。
  15. ^ “Grant Award for Washington Tower Preservation Assessment”. MOUNT AUBURN CEMETERY. 2022年ねん5月がつ2日にち閲覧えつらん。
  16. ^ a b c “NHL nomination for Mount Auburn Cemetery”. National Park Service. 2014年ねん3月がつ21日にち閲覧えつらん。

外部がいぶリンク

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