ミンスクの戦たたかい

ミンスクの戦たたかい
1941年ねん７月がつのミンスク
戦争せんそう：第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん（独どくソ戦せん）
年月日ねんがっぴ：1941年ねん6月22日にち - 6月29日にち
場所ばしょ：ソビエト連邦れんぽう ベラルーシ
結果けっか：ドイツ軍ぐんの勝利しょうり
交戦こうせん勢力せいりょく
ドイツ国こく	ソビエト連邦れんぽう
指導しどう者しゃ・指揮しき官かん
フェードア・フォン・ボック(ドイツ中央ちゅうおう軍ぐん集団しゅうだん)	ドミトリー・パヴロフ(ソ連それん軍ぐん西方せいほう面めん軍ぐん)
戦力せんりょく
750,000	675,000
損害そんがい
航空機こうくうき 276機き	戦死せんし者しゃ 417,000（ソ連それんの推測すいそくによる） 捕虜ほりょ 287,704（ドイツ軍ぐんによる） 火砲かほう 1,500 戦車せんしゃ 2,500 航空機こうくうき 1,669
独どくソ戦せん バルバロッサ作戦さくせん ミンスク ウーマニ スモレンスクI キエフ I オデッサ 黒海こっかい レニングラード ハリコフ I クリミア I モスクワ ロストフ デミャンスク ハリコフ II ブラウ作戦さくせん スターリングラード フーベルトゥス作戦さくせん ウラヌス作戦さくせん 冬ふゆの嵐あらし作戦さくせん ルジェフ II イスクラ作戦さくせん ハリコフ III クルスク プロホロフカ スモレンスク II ドニエプル川がわ ナルヴァ コルスン カメネツ＝ポドリスキー バグラチオン作戦さくせん クールラント クリミア II ワルシャワ蜂起ほうき リヴォフ＝サンドミール バルト海ばるとかい ヤッシー・キシナウ ヴィスワ・オーデル ブダペスト オーバーシュレージエン 東ひがしプロイセン ケーニヒスベルク 春はるの目覚めざめ作戦さくせん ウィーン ベルリン プラハ

ミンスクの戦たたかい（英えい:Battle of Białystok–Minsk、ビアウィストク＝ミンスクの戦たたかい）は、独どくソ戦せんにおけるバルバロッサ作戦さくせん発動はつどう後ご、1941年ねん6月がつ22日にちから29日にちにかけてドイツ国防こくぼう軍ぐんのソ連それん国境こっきょう侵入しんにゅう時じにドイツ中央ちゅうおう軍ぐん集団しゅうだんによって行おこなわれた戦たたかいである。ドイツ軍ぐんはミンスクでソ連それん軍ぐんを包囲ほういした。

前夜ぜんや

ドイツ中央ちゅうおう軍ぐん集団しゅうだん（司令しれい官かんフェードア・フォン・ボック）は、ポーランドを越こえて、ビアウィストク－ミンスク－スモレンスク経由けいゆで、モスクワへの進撃しんげきをするよう命令めいれいされた。中央ちゅうおう軍ぐん集団しゅうだんには第だい3装甲そうこう集団しゅうだん（司令しれい官かんヘルマン・ホト）第だい2装甲そうこう集団しゅうだん（司令しれい官かんハインツ・グデーリアン）の2個こ装甲そうこう軍ぐんが所属しょぞくしており、9個こ装甲そうこう師団しだん、6個こ自動車じどうしゃ化か歩兵ほへい師団しだん及および騎兵きへい師団しだんが所属しょぞく、その他た、2個こ軍ぐんには33個こ歩兵ほへい師団しだんが所属しょぞくしていた。また、中央ちゅうおう軍ぐん集団しゅうだんは2個こ航空こうくう艦隊かんたいの支援しえんを受うけることができた。

それに対たいするソ連それん軍ぐん西方せいほう面めん軍ぐん（司令しれい官かんドミトリー・パヴロフ）は国境こっきょう線せんに第だい3、第だい4、第だい10軍ぐん、また、ソビエト赤軍せきぐん最高さいこう司令しれい部ぶ所属しょぞくとして将兵しょうへいを持もたない第だい13軍ぐんが司令しれい部ぶのみで存在そんざい、西方せいほう面めん軍ぐんには、全部ぜんぶで25個こ狙撃そげき兵へい師団しだん、騎兵きへい師団しだん、13個こ戦車せんしゃ師団しだん、7個こ自動車じどうしゃ化か歩兵ほへい師団しだんが所属しょぞくしていた。独どくソ国境こっきょう線せんに配置はいちされたソ連それん軍ぐんはドイツ軍ぐんを刺激しげきしないようにせよとのスターリンの命令めいれいを受うけていたため、ドイツ国境こっきょうの防衛ぼうえい線せんは手薄てうすであった。

ドイツ軍ぐんはソ連それん軍ぐん西方せいほう面めん軍ぐんを他たの方面ほうめん軍ぐんから切きり離はなし、包囲ほういするためにビアウィストク、ナヴァフルダク、ミンスクの西にしへと進撃しんげきした。

編成へんせい

ソ連それん軍ぐん

• 西方せいほう面めん軍ぐん（司令しれい官かんドミトリー・パヴロフ）
  • 第だい3軍ぐん（司令しれい官かん V.I.クズネツォフ）
    • 第だい4狙撃そげき軍団ぐんだん
    • 第だい11機械きかい化か軍団ぐんだん
  • 第だい4軍ぐん（司令しれい官かんA.コロブコフ）
    • 第だい28狙撃そげき軍団ぐんだん
    • 第だい14機械きかい化か軍団ぐんだん
  • 第だい10軍ぐん（司令しれい官かんK.D.ゴルベ）
    • 第だい1狙撃そげき軍団ぐんだん
    • 第だい5狙撃そげき軍団ぐんだん
    • 第だい6騎兵きへい軍団ぐんだん
    • 第だい6機械きかい化か軍団ぐんだん
    • 第だい13機械きかい化か軍団ぐんだん

• 後方こうほう
  • 第だい13軍ぐん（司令しれい官かんP.フィラトフ。6月24日にちに編成へんせい）
  • 第だい20機械きかい化か軍団ぐんだん
  • 第だい4空挺くうてい軍団ぐんだん

ドイツ軍ぐん

• 中央ちゅうおう軍ぐん集団しゅうだん（司令しれい官かんフェードア・フォン・ボック）
  • 第だい2軍ぐん（司令しれい官かんマクシミリアン・フォン・ヴァイクス）
  • 第だい4軍ぐん（司令しれい官かんルートヴィヒ・キューブラー）
    • 第だいVII軍団ぐんだん
    • 第だいIX軍団ぐんだん
    • 第だいXII軍団ぐんだん
    • 第だいXIII軍団ぐんだん
    • 第だいXXXV軍団ぐんだん
    • 第だいXXXXIII軍団ぐんだん（司令しれい官かんゴットハルト・ハインリツィ）
    • 第だいLIII軍団ぐんだん
    • 第だい286保安ほあん師団しだん
  • 第だい9軍ぐん（司令しれい官かんアドルフ・シュトラウス）
    • 第だいII軍団ぐんだん（司令しれい官かんヴァルター・フォン・ブロックドルフ=アルフレッド）
    • 第だいV軍団ぐんだん（司令しれい官かんリヒャルト・ルオッフ）
    • 第だいVI軍団ぐんだん（司令しれい官かんオットー=ヴェイルヘムル・フェルスター）
    • 第だいVIII軍団ぐんだん （司令しれい官かんヴァルター・ハイッツ）
  • 第だい2装甲そうこう集団しゅうだん（司令しれい官かんハインツ・グデーリアン）
    • 第だいXXIV軍団ぐんだん（自動車じどうしゃ化か）（司令しれい官かんレオ・ガイヤー・フォン・シュヴェッペンブルク）
    • 第だいXXXXVI軍団ぐんだん（自動車じどうしゃ化か） （司令しれい官かんハインリヒ・フォン・フィーティングホフ）
    • 第だいXXXXVII軍団ぐんだん（自動車じどうしゃ化か）
    • 第だい1騎兵きへい師団しだん（師団しだん長ちょうオットー・メンガー）
    • 第だい10歩兵ほへい師団しだん（自動車じどうしゃ化か）（師団しだん長ちょうフリードリッヒ・ヴェイルヘルム・フォン・レーパー）
  • 第だい3装甲そうこう集団しゅうだん（司令しれい官かんヘルマン・ホト）
    • 第だいXXXVIIII軍団ぐんだん（自動車じどうしゃ化か）（司令しれい官かんルドルフ・シュミット）
    • 第だいLVII軍団ぐんだん（自動車じどうしゃ化か）（司令しれい官かんアドルフ・クンツェン）

作戦さくせん

1941年ねん6月がつ22日にち-7月がつ9日にち

ドイツ軍ぐんは初期しょき段階だんかいとして、西方せいほう面めん軍ぐんの戦力せんりょくを大おおきく撃滅げきめつするために孤立こりつ化かさせ、飛行場ひこうじょうを占領せんりょうすることを目的もくてきとした。開戦かいせん前まえの6月がつ17日にち、第だい2装甲そうこう集団しゅうだん司令しれい官かんハインツ・グデーリアン上級じょうきゅう大将たいしょうは自みずからブク川かわへとむかい、対岸たいがんのソ連それん軍ぐんを偵察ていさつした。

西にし特別とくべつ軍ぐん管区かんく司令しれい官かんドミトリー・パブロフ上級じょうきゅう大将たいしょうは国境こっきょうに展開てんかいする各かく軍ぐん司令しれい部ぶの偵察ていさつ情報じょうほうを無視むしし6月がつ21日にちの夜よるにはミンスクで観劇かんげきを楽たのしんでいた。そのため国境こっきょうでの陣地じんち構築こうちくは一部いちぶの部隊ぶたいを除のぞいてまるで行おこなわれず、ソ連それん軍ぐんは非常ひじょうに無防備むぼうびな状態じょうたいだった。

6月22日にち午前ごぜん3時じ、ドイツ国防こくぼう軍ぐんは全ぜん戦線せんせんでの攻勢こうせいを開始かいしし中央ちゅうおう軍ぐん集団しゅうだんはソビエト西部せいぶ特別とくべつ軍ぐん管区かんくの各かく軍ぐんに襲おそいかかった。前線ぜんせん司令しれい部ぶ、通信つうしんセンター、国境こっきょう要塞ようさい、空港くうこうに砲ほう爆ばく撃げきが開始かいしされたが、予定よていしていたソ連それん軍ぐんの反撃はんげきはなかった。

十分じゅうぶんな砲ほう爆ばく撃げきの後のち、ドイツ軍ぐんの各かく部隊ぶたいが攻勢こうせいにでた。国境こっきょうを守備しゅびするNKVD職員しょくいんが必死ひっしに応戦おうせんしたが、小しょう火器かきのみの彼かれらがかなう相手あいてではなく国境こっきょう守備しゅび兵へいは次々つぎつぎと壊滅かいめつ。白はくロシア各地かくちの空港くうこうにドイツ空軍くうぐんの空爆くうばくが実施じっしされ、赤色あかいろ空軍くうぐんは飛とび立たつ前まえに地上ちじょうで撃破げきはされた。ドイツ軍ぐん特殊とくしゅ任務にんむ教導きょうどう連隊れんたい「ブランデンブルク」の破壊はかい工作こうさくによりミンスクの軍ぐん司令しれい部ぶと各かく軍ぐん司令しれい部ぶの通信つうしんが寸断すんだんされ、パブロフは状況じょうきょうを確たしかめるため副官ふっかんのボルディン中将ちゅうじょうをビャリストク突出とっしゅつ部ぶの第だい10軍ぐん司令しれい部ぶに派遣はけんした。

スターリンは西部せいぶ特別とくべつ軍ぐん管区かんくの各かく軍ぐんを西方せいほう面めん軍ぐんとし、ドイツ軍ぐんへの反撃はんげきを命めいじたがソ連それん軍ぐんは一方いっぽう的てきな奇襲きしゅうを受うけて混乱こんらん中ちゅうであり即時そくじの組織そしき的てき反撃はんげきは不可能ふかのうな状態じょうたいだった。ブレストとスヴァウキの突出とっしゅつ部ぶから出撃しゅつげきした第だい2装甲そうこう集団しゅうだんと第だい3装甲そうこう集団しゅうだんは東方とうほうへと進撃しんげきし6月がつ22日にち、第だい2装甲そうこう集団しゅうだんはソ連それん軍ぐん第だい4軍ぐんを突破とっぱした。第だい4軍ぐんのコルベ少将しょうしょうは第だい14機械きかい化か軍団ぐんだんに反撃はんげきを命めいじたが敗やぶれ多おおくの戦車せんしゃが撃破げきはされた。第だい3装甲そうこう集団しゅうだんはソ連それん軍ぐん第だい3軍ぐんを突破とっぱして第だい2装甲そうこう集団しゅうだんとの合流ごうりゅうをめざした。ビャリストク突出とっしゅつ部ぶのソ連それん軍ぐん第だい10軍ぐんはドイツ第だい2軍ぐんに分断ぶんだんされ包囲ほういされたため、パブロフは副官ふっかんのボルディン中将ちゅうじょうに第だい10軍ぐんの救出きゅうしゅつを命めいじた。

ボルディンは6月がつ23日にちに第だい10軍ぐんの第だい6機械きかい化か軍団ぐんだんと第だい6騎兵きへい軍団ぐんだん、第だい3軍ぐんの第だい11機械きかい化か軍団ぐんだんに攻撃こうげきを命めいじたが第だい6騎兵きへい軍団ぐんだんはドイツ空軍くうぐんの攻撃こうげきで壊滅かいめつし第だい6・第だい11機械きかい化か軍団ぐんだんも甚大じんだいな被害ひがいを受うけ敗走はいそうした。ボルディンは第だい10軍ぐんにビャリストクの放棄ほうきとミンスクへの撤退てったいを命めいじた。6月24日にちには第だい3装甲そうこう集団しゅうだんがヴィルニュスを攻略こうりゃくし陸軍りくぐん総そう司令しれい部ぶはミンスク以西いせいの西方せいほう面めん軍ぐんを包囲ほうい殲滅せんめつするため第だい3装甲そうこう集団しゅうだんに第だい2装甲そうこう集団しゅうだんとの合流ごうりゅうを命めいじた。6月25日にち、第だい2装甲そうこう集団しゅうだんはバラノヴィチを攻略こうりゃくし第だい47装甲そうこう軍団ぐんだんに南西なんせいからミンスクに迫せまらせ第だい24装甲そうこう軍団ぐんだんに東方とうほうのスルーツクへと進撃しんげきさせた。

パブロフはドイツ軍ぐんの包囲ほういを避さけるため第だい10軍ぐんと第だい3軍ぐんにスロニムからシュハラ河東かとう岸がんへの退却たいきゃくを命めいじたがドイツ空軍くうぐんの妨害ぼうがいにより車両しゃりょうを失うしない徒歩とほで撤退てったいした。戦況せんきょうに絶望ぜつぼうしたパブロフはモスクワの総そう司令しれい部ぶ（スタフカ）にミンスクの放棄ほうきと撤退てったいを求もとめ、6月26日にちに西方せいほう面めん軍ぐん司令しれい部ぶをミンスクから東方とうほうのボブルイスクに移転いてんさせた。司令しれい部ぶの移動いどうは各かく軍ぐん司令しれい部ぶとの連絡れんらくを途絶とぜつさせ指揮しき系統けいとうの寸断すんだんに拍車はくしゃをかけた。

ソ連それん軍ぐん第だい13軍ぐんを指揮しきするフィラトフ中将ちゅうじょうはスルーツクで第だい2装甲そうこう集団しゅうだんに反撃はんげきしたが第だい20機械きかい化か軍団ぐんだんと第だい4空挺くうてい軍団ぐんだんが壊滅かいめつし第だい13軍ぐんは敗走はいそうした。

フィラトフはパブロフに西方せいほう面めん軍ぐん全ぜん軍ぐんの撤退てったいを求もとめたが拒否きょひされ第だい6狙撃そげき軍団ぐんだんを率ひきいて独断どくだんで東方とうほうへと退却たいきゃくした。6月27日にち、第だい2装甲そうこう集団しゅうだんと第だい3装甲そうこう集団しゅうだんがミンスク近郊きんこうで合流ごうりゅうし、6月28日にちにはビャリストク東方とうほうで第だい4軍ぐんと第だい9軍ぐんが合流ごうりゅうしてビャリストクとミンスクで包囲ほういされたソ連それん軍ぐんを分断ぶんだんし6月がつ30日にちに第だい2装甲そうこう集団しゅうだんと第だい3装甲そうこう集団しゅうだんがミンスク西方せいほうを封鎖ふうさし包囲ほうい網もうを完成かんせいさせた。

西方せいほう面めん軍ぐん将兵しょうへい62万まん人にんが包囲ほういされ第だい10軍ぐんはビャリストクで第だい13軍ぐんと第だい3軍ぐんはナヴァフルダクで殲滅せんめつされた。ソ連それん軍ぐん西方せいほう面めん軍ぐんは625,000から420,000の将兵しょうへいを失うしないベラルーシーの首都しゅとミンスクは陥落かんらくした。第だい4軍ぐんの一部いちぶがベレジナ川かわを渡わたって東ひがしへ脱出だっしゅつすることができただけで、結局けっきょく、ドイツ軍ぐんに包囲ほういされるか撃破げきはされたソ連それん軍ぐんは第だい3、第だい10、第だい13軍ぐんと第だい4軍ぐんの一部いちぶで総計そうけい20個こ師団しだんにのぼり、29万まん人にんが捕虜ほりょとなった。

ドイツ空軍くうぐんの2個こ空中くうちゅう艦隊かんたいは空そらから進撃しんげき支援しえんを行おこない、ソ連それん軍ぐん航空機こうくうき約やく1､669機きを撃破げきはしたが、276機きが撃墜げきついされ、208機きが損傷そんしょうした。しかし1週間しゅうかん後ご、ドイツ空軍くうぐんは東部とうぶ戦線せんせんへ3個こ航空こうくう艦隊かんたいを派遣はけん、航空機こうくうき総数そうすう960機きとなった。

結果けっか

包囲ほうい網もうの中なかでドイツ軍ぐんが驚おどろくほどにソ連それん軍ぐんは激はげしく戦たたかい、そのためドイツ軍ぐんは多大ただいな犠牲ぎせいを払はらった。また、ドイツ軍ぐん歩兵ほへい部隊ぶたいの機動きどう力りょくが低ひくかったため、（ヒトラーが懸念けねんしていたが）包囲ほういを完成かんせいさせるのが遅おくれ、多おおくのソ連それん軍ぐん将兵しょうへいが包囲ほうい網もうから脱出だっしゅつしてしまうこととなった。結局けっきょく、ソ連それん軍ぐん将兵しょうへい290,000人にんが捕虜ほりょとなり、砲門ほうもん約やく1,500門もん、戦車せんしゃ2,500両りょうが破壊はかいされたが、250,000人にんが脱出だっしゅつすることができた。

ヒトラーはドイツ軍ぐんのビアウィストク、ミンスクでの勝利しょうりが限定げんてい的てきであったと非難ひなんし、両りょう装甲そうこう軍ぐん司令しれい官かんへ包囲ほうい網もうに隙間すきまが存在そんざいすることを、さらに非難ひなんした。そのため、両りょう装甲そうこう軍ぐんは隙間すきまを埋うめるための歩兵ほへい連隊れんたいが到着とうちゃくするまでの1週間しゅうかんを無為むいに過すごさねばならなかった。そのため、装甲そうこう軍ぐんの東ひがしへの進撃しんげきが止とめられ、ソ連それん軍ぐんにドニエプル川がわ－ダウガヴァ川がわ以東いとうの防衛ぼうえい強化きょうかを行おこなう時間じかんを与あたえてしまい、両りょう装甲そうこう軍ぐん司令しれい官かんはひどく悔くやしがった。

しかし、ここまでのドイツ軍ぐんの早はやい進撃しんげきはスモレンスクの攻略こうりゃくの可能かのう性せいを導みちびき出だしており、そこからモスクワへの攻撃こうげきが可能かのうとなると推測すいそくされた。そして、ドイツ軍ぐん内ないではこの戦たたかいの結果けっか、ソ連それんとの戦たたかいはすでに結果けっかが見みえているという雰囲気ふんいきが流ながれ始はじめていた。

ソ連それん軍ぐん西方せいほう面めん軍ぐん司令しれい官かんドミトリー・パヴロフとその参謀さんぼうたちはモスクワに呼よび戻もどされ、敗戦はいせんの責任せきにんを批判ひはんされ、銃殺じゅうさつ、その家族かぞくも（NKVD命令めいれい書しょNO.00486によれば祖国そこくに対たいする裏切うらぎり者ものとされている。）拘留こうりゅうされた。 スターリン批判ひはん後ごの1956年ねん、彼かれらの名誉めいよは回復かいふくされた。

参考さんこう文献ぶんけん

• Bergström, Christer (2007). Barbarossa - The Air Battle: July-December 1941. London: Chervron/Ian Allen. ISBN 978-1-85780-270-2.
• Ziemke, E.F. 'Moscow to Stalingrad'
• David M. Glantz, House, Jonathan When Titans Clashed (1995)
• David M. Glantz, Barbarossa: Hitler's Invasion of Russia 1941 (2001) ISBN 075241979X
• The initial period of war on the Eastern Front, 22 June-August 1941 : proceedings of the Fourth Art of War Symposium, Garmisch, FRG, October 1987 / edited by David M. Glantz ISBN 0714633755.
• Bryan I. Fugate and Lev Dvoretsky, Thunder on the Dnepr : Zhukov-Stalin and the defeat of Hitler's Blitzkrieg
• Geyer, H. Das IX. Armeekorps im Ostfeldzug