モーショボー
モー・ショボー[1](モンゴル
概要 [編集 ]
ロシアの
Pócs & Klaniczay (2006)『
「
邪 霊 と悪霊 の形態 学 」〔The Morphology of Evil and Demonic Spirits〕
邪 霊 の起源 としてあり得 たのは、より高 き世界 〔upper world〕から来 ることだった。または他 の方法 で、つまり人間 の魂 が変身 することで、邪 霊 は人間 世界 に出現 できるのだった。モンゴル系 および内陸 アジア系 の人々 における魂 の概念 によれば、一人 の人間 というものは二 つか三 つの魂 を持 っていて、魂 のうち一 つは霊 に変身 することができる。〔中略 〕ムー・シュウー〔muu shuwuu〕はハルハ
語 であり、「害鳥 」〔harmful bird毒 鳥 、毒 のある鳥 〕を意味 する。ムー・シュウーという霊 は、家族 、一族 、さらにより広 い共同 体 にとっても有害 である。こういった邪 霊 はとりわけ、孤独 な狩人 たちや旅人 たちにとって危険 である。ムー・シュウーが発生 するのは特別 な場合 であり、つまり人間 の魂 が悪霊 へと変 わることである。暴力 的 な死 は、女性 の魂 をムー・シュウーへと変 えることがあり得 た。また、そのような霊 が創造 されることもあった。とりわけ、死 んだ乙女 〔young girl若 い少女 、幼女 、童女 〕の父親 が、娘 の手 の中 に燧石 〔flint フリント、火打 ち石 〕を隠 すと、娘 の魂 はムー・シュウーへ転 じることになる。
両義 的 で邪悪 な霊 たちは、仏教 的 な転向 〔conversion改宗 〕を伴 いながらモンゴル的 信仰 体系 の中 に出現 していた。推定 されるところではその霊 たちの一部 は、本来 のモンゴル的 アニミズム系 宗教 の中 で似通 った顕 れ〔phenomea現象 、事件 、驚異 〕を見 せていたが、新 しいものによって変化 させられ、新 しい名前 と新 しい特徴 をも得 ていった。[3]
脚注 [編集 ]
注釈 [編集 ]
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二木 の紹介 の最初 の出版 年 について、二木 (2002) は増補 改訂 版 であり、より古 い版 (初版 かは不明 )として1982年 の版 (国立 国会図書館 書誌 ID:000001579244)が存在 する。 - ^
二木 (2002) では参考 文献 が章 ・執筆 者 ごとに分 けられておらず、巻末 pp.294-295 にまとめて記載 されている。その内 の一 冊 「ウノ・ハルヴァ著 /田中 克彦 訳 『シャマニズム―アルタイ系 諸 民族 の世界 観 』(三省堂 )」にモー・ショボーに関 する記述 がある可能 性 はある。 - ^
二木 (2002) の記述 のうち「愛 を知 らずに死 んだ」の部分 はハンガロフの報告 に見当 たらない。ロシア語 の宗教 百科 事典 『世界 諸 民族 の神話 (ru:Мифы народов мира) [8]』(1980年 刊行 )の「ブリヤート神話 」の記事 では、ハンガロフの報告 を参照 した上 で、「愛 を知 らなかった乙女 」という表現 が付 け加 えられている[9]ため、二木 (2002) の記述 は『世界 諸 民族 の神話 』を参照 した可能 性 がある。
出典 [編集 ]
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二木 2002, p. 153 の表記 。 - ^ ВЕСТНИК 2009, p. 270.
- ^ a b c d Pócs & Klaniczay 2006, p. 257.
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二木 2002, p. 153 の語釈 。 - ^ Ханга́лов 2004, vol.3, p.25.
脚注 1 "Му - худая; шубун - птица." - ^
二木 2002, pp. 153–154. - ^ Ханга́лов 2004, vol.1, pp.271-272; vol.2, pp.164-165; vol.3, pp.25-26. それぞれ Агапитов & Ханга́лов 1883, Ханга́лов 1896, Ханга́лов 1903 の
再 録 である。 - ^ 「
世界 諸 民族 の神話 」の表記 は以下 の文献 にみられる(三浦 清美 「中世 ロシアの異教 信仰 ロードとロジャニツァ:日本語 増補 改訂 版 (前編 資料 )」『電気通信大学 紀要 』第 17巻 第 1-2号 、電気通信大学 、2005年 1月 、73-96頁 、CRID 1050282677899799168、ISSN 0915-0935、NAID 110001059346。 p.77 より) - ^ Мифы 1980 "му-шубун — девиц, не знавших любви."
参照 文献 [編集 ]
二木 ,博史 「モンゴルの神話 伝説 」『世界 の神話 伝説 :総 解説 』(改訂 増補 版 )自由 国民 社 〈総 解説 シリーズ〉、2002年 、146-158頁 。ISBN 978-4426607111。
- Агапитов, Н. Н.; Ханга́лов, М. Н. (1883). “Материалы для изучения шаманства в Сибири. Шаманство у бурят Иркутской губернии.”. Известиях Восточно-Сибирского отдела Русского Географического общества 14 (1-2): 1-61 2022
年 1月 30日 閲覧 。.
- Ханга́лов, М. Н. (1896). “Духи-людоеды у бурят (к вопросу о человеческих жертвоприноше-ниях)”. Этнографическое обозрение 1: 129-137 2022
年 1月 30日 閲覧 。.
- Ханга́лов, М. Н. (1903). Г. Н. Потанина. ed. Балаганский сборник. Сказки, поверья и некоторые обряды у северных бурят.. Труды Восточно-Сибирского отдела Императорского Русского географического общества. 5. Томск: Паровая типо-лит. П.И. Макушина. NCID BB00242463 2022
年 1月 30日 閲覧 。 (リンク先 はトムスク大学 が電子 図書館 としてPDFファイルで公開 しているページ。)
- Ханга́лов, М. Н. (2004). Собрание сочинений. Республиканская типография. ISBN 5-7411-01-03-8 (『ハンガロフ
著作 集 』。全 3巻 。1958-1960年 に編纂 された同名 の全集 が2004年 に再版 されたもの。リンク先 はウスチオルディンスキー国立 芸術 民芸 センター (Усть-Ордынский Национальный центр художественных народных промыслов) が電子 データベースとしてPDFファイルで公開 しているページ。)
- н.л.Жуковская (1980). “БУРЯТСКАЯ МИФОЛОГИЯ”. Мифы народов мира .
- Pócs, Éva; Klaniczay, Gábor; Eszter Csonka-Takács (2006). Éva Pócs & Gábor Klaniczay. ed. Christian Demonology and Popular Mythology. Demons, Spirits, Witches. 2. Central European University Press. ISBN 978-963-7326-76-9
- “ВЕСТНИК БУРЯТСКОГО ГОСУДАРСТВЕННОГО УНИВЕРСИТЕТА”. ブリヤート
国立 大学 (2009年 10月 ). 2018年 10月 20日 閲覧 。 “Муу шубуун превращаются в разных птиц и принимают вид женщин, «только красивые губы, длинные как клюв птицы, не меняются. …Она старается обратиться в ту девушку или женщину, которую любит этот человек. Если му-шубуну удается обмануть человека, она бьет его по голове своим клювом и убивает, распарывает его брюхо и съедает его печень, почки и головной мозг» [6, с.25]. В приведенной легенде муу шубуун предстает в своей традиционной ипостаси – в виде красивой девушки, несущей смерть любому, кто не сможет обмануть ее.”