ユビュ王おう

『ユビュ王おう』の初版しょはん（1896年ねん）

『ユビュ王おう』（仏ふつ: Ubu Roi）は、アルフレッド・ジャリの1888年ねんの戯曲ぎきょく。

不条理ふじょうり演劇えんげきに重大じゅうだいな影響えいきょうを与あたえた。悪意あくいに満みちた卑劣ひれつなユビュ親爺おやじについての演劇えんげき。ユビュ親爺おやじが王位おういを簒奪さんだつしてやりたい放題ほうだいの限かぎりを尽つくすが追放ついほうされ、諸国しょこくを放浪ほうろうするという不条理ふじょうりに満みちた物語ものがたりである

初演しょえん

1896年ねん12月9日にち、パリで初演しょえんされた。

• 演出えんしゅつ：リュネ・ポー
• 舞台ぶたい装置そうち：ピエール・ボナール（ロートレックらも舞台ぶたい装置そうちに協力きょうりょくした）
• 音楽おんがく：クロード・テラス（ボナールの義弟ぎてい）

ユビュ王おうの第一声だいいっせい「くそったれ！(merdre !)」で始はじまり、辛辣しんらつで卑猥ひわいな台詞せりふが続つづく芝居しばいに客席きゃくせきは騒然そうぜんとなり、大だいスキャンダルを巻まき起おこした。この公演こうえんによってジャリの名声めいせいは高たかまり、ボナールが飼かい犬いぬに「ユビュ」、ステファヌ・マラルメが飼かい猫ねこに「ムッシュー・ルビュ」、「マダム・ルビュ」と名付なづけるなど、「ユビュ」は一種いっしゅの社会しゃかい現象げんしょうとなった。

関連かんれん作品さくひん

• マックス・エルンスト、ジョアン・ミロなどがユビュ王おうの名なを冠かんした絵画かいがを残のこしている。
• ベルント・アロイス・ツィンマーマン：管弦楽かんげんがく曲きょく「ユビュ王おうの晩餐ばんさんのための音楽おんがく」 - カールハインツ・シュトックハウゼンへの批判ひはんとして書かかれ、全曲ぜんきょくを通とおして過去かこの音楽おんがくおよびシュトックハウゼンが引用いんようされる。
• フランツ・フンメル、クシシュトフ・ペンデレツキが歌劇かげきを作曲さっきょくしている。