ラゴスの海戦かいせん (1693年ねん)

ラゴスの海戦かいせん
ラゴスの海戦かいせん、テオドール・ギュダン作さく、19世紀せいきの作品さくひん。
戦争せんそう：大だい同盟どうめい戦争せんそう
年月日ねんがっぴ：1693年ねん6月27日にち
場所ばしょ：ポルトガル王国おうこく、ラゴス沖おき
結果けっか：フランスの勝利しょうり
交戦こうせん勢力せいりょく
フランス王国おうこく	イングランド王国おうこく ネーデルラント連邦れんぽう共和きょうわ国こく
指導しどう者しゃ・指揮しき官かん
アンヌ・イラリオン・ド・コタンタン	ジョージ・ルーク
戦力せんりょく
戦列せんれつ艦かん70隻せき ほか火ひ船せん、倉庫そうこ船せんなど30隻せき	イングランド戦列せんれつ艦かん8隻せき オランダ戦列せんれつ艦かん5隻せき ほか火ひ船せんなど軍艦ぐんかん3隻せき 商船しょうせん200隻せき以上いじょう
損害そんがい
船ふねの損失そんしつなし	商船しょうせん40隻せき拿捕だほ ほか商船しょうせん50隻せき損失そんしつ オランダ戦列せんれつ艦かん2隻せき拿捕だほ
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ラゴスの海戦かいせん（ラゴスのかいせん、英語えいご: Battle of Lagos）は大だい同盟どうめい戦争せんそう中なかの1693年ねん6月27日にち（グレゴリオ暦れき）、トゥールヴィル伯爵はくしゃくアンヌ・イラリオン・ド・コタンタン率ひきいるフランス艦隊かんたいがジョージ・ルーク率ひきいる英えい蘭らん連合れんごう艦隊かんたいに勝利しょうりした戦闘せんとう。ルークの艦隊かんたいは「スミルナ船隊せんたい」（Smyrna convoy）を保護ほごしていた。

背景はいけい

1693年ねん春はる、イングランドとオランダの商船しょうせんが大だい船隊せんたいを組織そしきしてスペインと地中海ちちゅうかいに向むかおうとした。しかし、フランス艦隊かんたいや私わたし掠かすめ船せんの脅威きょういがあったため遅々ちちとして出発しゅっぱつできなかった。

大だい船隊せんたいは船ふね200隻せき以上いじょうで構成こうせいされ、護衛ごえいとしてイングランドのジョージ・ルーク提督ていとく率ひきいる戦列せんれつ艦かん13隻せき（イングランド艦かん8隻せきとオランダ艦かん5隻せき）や火ひ船せん、偵察ていさつ艦かんなどから成なる戦隊せんたいがついた。ルークの護衛ごえい戦隊せんたいは地中海ちちゅうかいまで移動いどうしてそこで駐留ちゅうりゅうする予定よていだった。また、大だい船隊せんたいはブレスト港みなとのフランス艦隊かんたいによる攻撃こうげきを警戒けいかいして、同地どうちを通過つうかするまで、ルークの護衛ごえい戦隊せんたいに加くわえてより大だい規模きぼな英えい蘭らん連合れんごう艦隊かんたいによる護衛ごえいを受うけることになった。ただし、英えい蘭らん連合れんごう艦隊かんたいは同時どうじにイングランドを侵攻しんこうの脅威きょういから守まもるという任務にんむも負おっていたため、途中とちゅうで英仏海峡えいふつかいきょうに引ひき返かえさなければならなかった。

フランスは前年ぜんねんの損失そんしつからは回復かいふくしたものの、本土ほんど侵攻しんこうは諦あきらめて通商つうしょう破壊はかいしようとした。フランス王おうルイ14世せいは通商つうしょう破壊はかいの一環いっかんとして最良さいりょうの指揮しき官かんトゥールヴィル伯爵はくしゃくを派遣はけん、船隊せんたいがジブラルタル海峡かいきょうを通過つうかする前まえに奇襲きしゅうしようとした。トゥールヴィルは5月がつ末まつまでに戦列せんれつ艦かん70隻せきを集あつめ、これに火ひ船せん、倉庫そうこ船せんなども足たして船ふね約やく100隻せきを集あつめてポルトガル王国おうこくのラゴス湾わんに駐留ちゅうりゅうした。

5月がつ末まつ、英えい蘭らん連合れんごうの商船しょうせん隊たいは、フィリップス・ファン・アルモンデ率ひきいるオランダ軍艦ぐんかん24隻せきとヘンリー・キリグルー、サー・ラルフ・デラヴァル（Ralph Delaval）、クラウズリー・ショヴェルの3人にんが率ひきいるイングランド軍艦ぐんかん45隻せきで構成こうせいされた英えい蘭らん連合れんごう艦隊かんたいとともに出航しゅっこうした。

6月17日にち、船隊せんたいがウェサン島とうから約やく150マイル南西なんせいのところに着ついたところで、連合れんごう艦隊かんたいの大半たいはんが引ひき返かえし、船隊せんたいはルーク戦隊せんたいだけの護衛ごえいで南みなみへと進すすんだ。連合れんごう艦隊かんたいはフランス艦隊かんたいを全まったく探さがそうとせず、6月27日にちまでフランス艦隊かんたいの所在しょざいについての情報じょうほうも全まったく受うけ取とっていなかった。その6月27日にち朝あさに、ルーク戦隊せんたいと商船しょうせん隊たいはフランス艦隊かんたいに捕捉ほそくされて海戦かいせんとなった。

戦闘せんとう

ルークは戦闘せんとうを回避かいひできなかったが、風上かざかみという有利ゆうりな位置いちにいた。彼かれは商船しょうせんに散開さんかいするよう命めいじ、護衛ごえい戦隊せんたいには戦闘せんとうの陣形じんけいをとるよう命めいじた。戦闘せんとうは午後ごご8時じ頃ごろ、フランスのヴァン・ガバレ（van Gabaret）がルーク戦隊せんたいの後衛こうえいに追おいついた時ときから開始かいしした。オランダの64門もん艦かんゼーラント（Zeeland）とヴァペン・ファン・メデムブリーク（Wapen van Medemblik）は応戦おうせんして犠牲ぎせいとなったが、勇猛ゆうもうにたたかったことで他たの艦船かんせんが逃走とうそうする時とき間あいだを稼かせいだ。ゼーラントらがようやく降伏ごうぶくしたとき、トゥールヴィルは感服かんぷくして両りょう艦かんの艦長かんちょうに祝いわいの言葉ことばを述のべ、2人ふたりに「人間にんげんなのか、それとも悪魔あくまなのか」と聞きいた。ルークも両りょう艦かんの行動こうどうを賞賛しょうさんした。

翌日よくじつ、ルークは商船しょうせん54隻せきを連つれて西にしに向むかった。フランスの軍艦ぐんかん4隻せきが追撃ついげきしてきたが、それが接近せっきんするとルークの旗艦きかんロイヤル・オークが迎撃げいげき、短期間たんきかんの砲撃ほうげき戦せんの後のちフランス艦隊かんたいは追撃ついげきをあきらめて撤退てったいした。船隊せんたいはそのままマデイラ諸島しょとうに着つき、そこで60門もん艦かんモンク（Monk）、オランダ艦かん1隻せきと商船しょうせん40から50隻せきと合流ごうりゅうした。その後ご、船隊せんたいは引ひき返かえし、途中とちゅうでほかのはぐれ船せんと合流ごうりゅうしつつ7月がつ30日にちにアイルランドに帰着きちゃくした。

その後ご

商船しょうせん隊たいの半数はんすう以上いじょうが逃走とうそうに成功せいこうした。オランダ船せんを中心ちゅうしんに商船しょうせん約やく90隻せきが失うしなわれ、うち40隻せきはフランスに拿捕だほされた。英えい蘭らん連合れんごう軍ぐんにとって、商船しょうせんを地中海ちちゅうかいまで送おくり、地中海ちちゅうかいに護衛ごえい戦隊せんたいを駐留ちゅうりゅうさせるという2つの目的もくてきはどちらも失敗しっぱいした。一方いっぽう、フランスにとっては3千せん万まんリーブルの戦利せんり品ひんを獲得かくとくする大だい勝利しょうりとなり、シティ・オブ・ロンドンはこれを27年ねん前まえのロンドン大火たいか以降いこうで最大さいだいの財政ざいせい災難さいなんであるとしている。また、トゥールヴィル伯爵はくしゃくにとっては一いち年ねん前まえのバルフルール岬みさきとラ・オーグの海戦かいせんの復讐ふくしゅうとなった。

外部がいぶリンク

• Zeegevecht bij Lagos（オランダ語ご）