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ラムシルマブ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
ラムシルマブ?
モノクローナル抗体こうたい
種類しゅるい 全長ぜんちょう抗体こうたい
原料げんりょう ヒト
抗原こうげん VEGFR2 (KDR)
臨床りんしょうデータ
販売はんばいめい サイラムザ, Cyramza
法的ほうてき規制きせい
投与とうよ経路けいろ 点滴てんてきせいちゅう
識別しきべつ
CAS番号ばんごう
947687-13-0 ×
ATCコード none
ChemSpider none チェック
UNII D99YVK4L0X チェック
化学かがくてきデータ
化学かがくしきC6374H9864N1692O1996S46
分子ぶんしりょう143.6 kDa
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ラムシルマブ(Ramucirumab、IMC-1121B)は分子ぶんし標的ひょうてき治療ちりょうやくのなかでも抗体こうたいやく一種いっしゅであり、こうVEGFR2(血管けっかん内皮ないひ増殖ぞうしょく因子いんし受容じゅようたい-2)完全かんぜんヒトモノクローナルIgG1抗体こうたいである。VEGF血管けっかん内皮ないひ増殖ぞうしょく因子いんし)がVEGFR2に結合けつごうして下流かりゅう血管けっかん新生しんせいシグナルをおくるのをふせぐことで腫瘍しゅよう増殖ぞうしょく抑制よくせいするはたらきをする。商品しょうひんめいサイラムザイーライ・リリー製造せいぞう販売はんばい

適応症てきおうしょう[編集へんしゅう]

開発かいはつじょうきょう[編集へんしゅう]

胃癌いがん[編集へんしゅう]

米国べいこくでは切除せつじょ不能ふのう胃癌いがんまたは再発さいはつ胃癌いがんたいして2014ねん4がつにFDAに承認しょうにんされた[1]日本にっぽんでも2015ねん3がつくすりしょくしん医薬品いやくひんだい部会ぶかい承認しょうにん了承りょうしょうされ[2]同月どうげつちゅう承認しょうにんされた[3]

大腸だいちょうがん[編集へんしゅう]

大腸だいちょうがんたいしては、治療ちりょうぜん生存せいぞん期間きかん延長えんちょうするという報告ほうこくが2015ねん1がつのASCO-GIで発表はっぴょうされた[4]日本にっぽんで2016ねん5がつ承認しょうにんされた[5]

しょう細胞さいぼう肺癌はいがん[編集へんしゅう]

しょう細胞さいぼう肺癌はいがん(NSCLC)については、国際こくさい共同きょうどうだいIIIしょう臨床りんしょう試験しけん(REVEL試験しけん)でぜん生存せいぞん期間きかん延長えんちょうしめことができた[6]日本にっぽんではREVEL試験しけん国内こくない臨床りんしょう試験しけん結果けっかから2016ねん6がつ承認しょうにんされた[7]

その悪性あくせい腫瘍しゅよう[編集へんしゅう]

一方いっぽう切除せつじょ不能ふのう乳癌にゅうがん[8]および肝臓かんぞうがん[9]たいしては有効ゆうこうせいしめすことができなかった。

副作用ふくさよう[編集へんしゅう]

添付てんぷ文書ぶんしょには警告けいこくらんもうけられており、じゅうあつし動脈血どうみゃくけつ栓塞せんそくせんしょう重度じゅうど消化しょうかかん出血しゅっけつ消化しょうかかん穿孔せんこう死亡しぼうれい発生はっせいしたことがあるむねしるされている。

治験ちけん有害ゆうがい事象じしょう発現はつげんりつは、通算つうさんで98.0%(94.5〜99.1%)とほぼ必発であり[10]単独たんどく投与とうよおも副作用ふくさようは、腹痛はらいた(28.8%)、高血圧こうけつあつ(16.1%)、下痢げり(14.4%)とうであった。

添付てんぷ文書ぶんしょ記載きさいされている重大じゅうだい副作用ふくさようは、

  • 動脈血どうみゃくけつ栓塞せんそくせんしょう心筋梗塞しんきんこうそく(0.4%)、のう血管けっかん障害しょうがい(0.8%)とう)(1.7%)、静脈じょうみゃく栓塞せんそくせんしょうはいふさがせんしょう(1.7%)とう)(3.8%)、出血しゅっけつ消化しょうかかん出血しゅっけつ(6.4%)、はい出血しゅっけつ(0.8%)とう)(12.7%)、こうちゅうだま減少げんしょうしょう(4.7%)、白血球はっけっきゅう減少げんしょうしょう(0.4%)、発熱はつねつせいこうちゅうだま減少げんしょうしょう(0.4%)、
  • 消化しょうかかん穿孔せんこう(0.8%)、鬱血うっけつせい心不全しんふぜん(0.4%)、ネフローゼ症候群しょうこうぐん蛋白たんぱく尿にょう(3.0%)、あいだしつせいはい疾患しっかん(0.4%)、
  • インフュージョンリアクション(0.4%)、創傷そうしょう治癒ちゆ障害しょうがい、瘻孔(0.4%)、可逆かぎゃくせいしろしつ脳症のうしょう症候群しょうこうぐん

である[11]

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ FDA.gov press release for ramucirumab approval, accessed April 22, 2014 http://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm394107.htm
  2. ^ くすりしょくしんだい部会ぶかい 新薬しんやくとう6製品せいひん審議しんぎ承認しょうにん了承りょうしょう”. ミクス (2015ねん3がつ6にち). 2015ねん3がつ8にち閲覧えつらん
  3. ^ 新薬しんやく18製品せいひん承認しょうにん 経口けいこうCがた肝炎かんえんやくソバルディ、しゅう1かいDPP-4阻害そがいやくザファテックなど”. ミクス (2015ねん3がつ27にち). 2015ねん3がつ28にち閲覧えつらん
  4. ^ Ramucirumab Improves Survival in Second-Line mCRC http://www.onclive.com/conference-coverage/gi-2015/Ramucirumab-Improves-Survival-in-Second-Line-mCRC
  5. ^ こう悪性あくせい腫瘍しゅようざい「サイラムザ点滴てんてきしずかちゅうえき100mg、どう点滴てんてきしずかちゅうえき500mg」治癒ちゆ切除せつじょ不能ふのう進行しんこう再発さいはつ結腸けっちょう直腸ちょくちょうがんたいする適応てきおう追加ついか承認しょうにん取得しゅとく” (PDF). イーライ・リリー (2016ねん5がつ23にち). 2016ねん7がつ6にち閲覧えつらん
  6. ^ Garon EB, Ciuleanu TE, Arrieta O, Prabhash K, Syrigos KN, Goksel T et al. (2014). “Ramucirumab plus docetaxel versus placebo plus docetaxel for second-line treatment of stage IV non-small-cell lung cancer after disease progression on platinum-based therapy (REVEL): a multicentre, double-blind, randomised phase 3 trial.”. Lancet 384 (9944): 665-73. doi:10.1016/S0140-6736(14)60845-X. PMID 24933332. http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(14)60845-X/abstract. 
  7. ^ こう悪性あくせい腫瘍しゅようざい「サイラムザ点滴てんてきしずかちゅうえき100mg、どう点滴てんてきしずかちゅうえき500mg」切除せつじょ不能ふのう進行しんこう再発さいはつしょう細胞さいぼう肺癌はいがんたいする適応てきおう追加ついか承認しょうにん取得しゅとく” (PDF). イーライ・リリー (2016ねん6がつ20日はつか). 2016ねん7がつ6にち閲覧えつらん
  8. ^ ClinicalTrials.gov NCT00703326 Phase III Study of Docetaxel + Ramucirumab or Placebo in Breast Cancer http://www.clinicaltrials.gov/show/NCT00703326
  9. ^ http://www.genengnews.com/gen-news-highlights/lilly-s-cyramza-fails-phase-iii-trial-in-liver-cancer/81249964/
  10. ^ サイラムザ点滴てんてきしずかちゅうえき100mg/サイラムザ点滴てんてきしずかちゅうえき500mg インタビューフォーム” (PDF) (2016ねん6がつ). 2016ねん7がつ6にち閲覧えつらん
  11. ^ サイラムザ点滴てんてきしずかちゅうえき100mg/サイラムザ点滴てんてきしずかちゅうえき500mg 添付てんぷ文書ぶんしょ” (2016ねん6がつ). 2016ねん7がつ6にち閲覧えつらん