リドレー

リドレー製せいのロードバイク

リドレー（Ridley）は、ベルギーの自転車じてんしゃメーカーである。

ヨーキム・アールツとリドレー設立せつりつ

ベルギー北部ほくぶのフランデレン地方ちほうに生うまれたヨーキム・アールツ (Jochim Aerts) は12歳さいより自転車じてんしゃでレースを始はじめた。ヨーキムには10歳さい年上としうえの兄あにステファン・アールツがおり、ヨーキムが4歳さいのときにステファンが自転車じてんしゃレースを始はじめた影響えいきょうが強つよかったとされる。一方いっぽう、ヨーキムの父親ちちおやジョシム・アールツは1990年ねんに塗装とそう会社かいしゃを創業そうぎょうしていた。ヨーキムはシクロクロスバイクやロードバイクレースで活躍かつやくし、ジュニアクラスで30回かい表彰台ひょうしょうだいに登のぼるなどした。しかし18歳さいになったヨーキムは自転車じてんしゃレースの成績せいせきに自分じぶんの限界げんかいを感かんじ引退いんたい。電気でんき工学こうがくを学まなんだ経験けいけんを生いかして、家族かぞくと共ともに自転車じてんしゃの制作せいさくに注力ちゅうりょくするようになる。これが自転車じてんしゃメーカーの「リドレー」の始はじまりである。メーカーの名なの「リドレー」は、ヨーキムが映画えいが監督かんとくのリドリー・スコットのファンだったことに由来ゆらいしている。またどこの言語げんごの人ひとでも発音はつおんしやすい名称めいしょうであることより採用さいようされた。1996年ねんに会社かいしゃとして設立せつりつされ、ヨーキムが社長しゃちょうに就任しゅうにんした。ヨーキムはベルギー屈指くっしの自転車じてんしゃメーカーを育そだてた功績こうせきが認みとめられ、2011年ねんにベルギーのリンブルフ州しゅうで若手わかて実業じつぎょう家かのマン・オブ・ザ・イヤーに選えらばれた。2人ふたりの息子むすこと1人ひとりの娘むすめがおり、子供こどもたちの名前なまえはリドレー社しゃの製品せいひんにも反映はんえいされている。2012年ねん6月がつで41歳さいとなる。

リドレーの躍進やくしん

設立せつりつ当初とうしょのリドレーの主おもな仕事しごとは、兄あにが働はたらいていたビオレーサーのフレーム塗装とそうと組立くみたての下請したうけであった。リドレーが設立せつりつされた当時とうじはスチールパイプを使用しようした競技きょうぎ用よう自転車じてんしゃが大半たいはんであり、軽量けいりょうな製品せいひんが求もとめられていた。リドレーは元もと前まえの塗装とそう技術ぎじゅつを生いかして、他社たしゃ製品せいひんの塗装とそう工程こうていを担にない、また新あらたに自社じしゃ開発かいはつの新しん製品せいひんを積極せっきょく的てきに投入とうにゅうした。プロレースにはまずシクロクロスバイクを投入とうにゅうし、その集大成しゅうたいせいとして2005年ねんに誕生たんじょうしたのがフルカーボン製せいフレームの「Xナイト」である。リドレーは10年間ねんかんのうちに、シクロクロスの世界せかい選手権せんしゅけんを7回かい制せいした。2007年ねんのツール・ド・フランスではリドレーに乗のるオーストラリア出身しゅっしんのカデル・エヴァンスが優勝ゆうしょう争あらそいで大だい接戦せっせんを演えんじた(結果けっかは2位いに終おわる)。さらにエバンスがその年としの世界せかいランキング1位いに君臨くんりんしたことで、リドレーはロードバイクの分野ぶんやにおいてもトップブランドの1つして認識にんしきされるようになった。2010年ねん本社ほんしゃはハッセルト郊外こうがいのパール・ベーリンゲンの12000平方へいほうメートルの敷地しきちに移転いてんした。2012年ねんには世界せかい40カ国かこくに輸出ゆしゅつされた。2013年ねんモデルでは女性じょせい専用せんように開発かいはつされたロードバイクや、超ちょう軽量けいりょうモデル(フレーム単体たんたいで750ｇ）、フォーク一いち体型たいけいブレーキ（F-Brake）、フレームに貼はられる微粒子びりゅうし状じょうサーファステープによる空気くうき抵抗ていこう低減ていげん技術ぎじゅつなどを独自どくじ開発かいはつして市場いちば投入とうにゅうしている。

製品せいひんの特徴とくちょう

ベルギーには荒あれた路面ろめんや砂地すなじが多おおい。そのような条件じょうけんでも故障こしょうせず、速はやく走はしれるように機能きのうが追及ついきゅうされており、個性こせい的てきなラインナップだとされている。1996年ねんの会社かいしゃ設立せつりつ以来いらい、短期間たんきかんで数すう多おおくの勝利しょうりを獲得かくとくした。ロードバイクの開発かいはつでは、アンドレ・グライペルやユルヘン・ファンデンブルックの意見いけんが大おおきく採用さいようされているが、シクロクロスバイクの開発かいはつにおいてもトップレーサーとの共同きょうどう開発かいはつが行おこなわれており、会社かいしゃとしてもシクロクロスの分野ぶんやを重要じゅうよう視ししている。高度こうどな塗装とそう技術ぎじゅつも特徴とくちょうの一ひとつで、複雑ふくざつなマスキングテープをコンピューター制御せいぎょで作成さくせいし、複雑ふくざつな手作業てさぎょうで塗装とそうが行おこなわれている。このためリドレーの生産せいさん台数だいすうは年間ねんかん3万まん台だいと大手おおてメーカーのような大だい規模きぼ生産せいさんに至いたっていない。