ヴィト・ヴォルテラ

Vito Volterra

ヴィト・ヴォルテラ（イタリア語ご: Vito Volterra, 1860年ねん5月3日にち - 1940年ねん10月11日にち) は、イタリアの数学すうがく者しゃ、物理ぶつり学者がくしゃである。数学すうがくの分野ぶんやでは解析かいせき学がくに多おおくの業績ぎょうせきを残のこし積分せきぶん方程式ほうていしきにヴォルテラ積分せきぶん方程式ほうていしきの名なが残のこっている他ほか、結晶けっしょうの転位てんいの概念がいねんを導入どうにゅうし、生態せいたい学がくに数学すうがくの手法しゅほうを用もちいて競争きょうそうのある環境かんきょうでの生物せいぶつの個体こたい数すうを解析かいせきするロトカ＝ヴォルテラの方程式ほうていしきなどに名前なまえを残のこしている。

生涯しょうがい

教皇きょうこう領りょうアンコーナの貧まずしい家いえに生うまれた。数学すうがくの才能さいのうを示しめし、ピサ大学だいがくにエンリコ・ベッチのもとで学まなび、1883年ねん力学りきがくの教授きょうじゅになった。積分せきぶん微分びぶん方程式ほうていしきを研究けんきゅうし、1930年ねんに"Theory of functionals and of Integral and Integro-Differential Equations"（英えい題だい）を著あらわした。

1892年ねんトリノ大学だいがくの力学りきがくの教授きょうじゅ、1900年ねんにローマ大学だいがくの数理すうり物理ぶつり学がくの教授きょうじゅになった。ヴォルテラはイタリア統一とういつ運動うんどう（リソルジメント）の完成かんせい時期じきに育そだち、ベッチとともに統一とういつ運動うんどうの協調きょうちょう者しゃとなった。教皇きょうこう領りょうがイタリア王国おうこくに併合へいごうされると、1905年ねんには王国おうこくの議員ぎいんに選えらばれた。同おなじ1905年ねん、結晶けっしょう中ちゅうの転位てんいの理論りろんを初はじめて発表はっぴょうした。第だい一いち次じ世界せかい大戦たいせんが始はじまると、50代だいになっていたにもかかわらずイタリア陸軍りくぐんに参加さんかし、ジュリオ・ドゥーエのもとで気球ききゅうの開発かいはつを行おこない、可燃かねん性せいの水素すいそではなく不ふ活性かっせいなヘリウムを使つかうアイデアを出だし、気球ききゅうの製作せいさくを指導しどうした。

戦後せんごは生物せいぶつ学がくに数学すうがく的てき手法しゅほうを用もちいる研究けんきゅうを始はじめた。非線形ひせんけい方程式ほうていしきをもちいて人口じんこう問題もんだいを解析かいせきしたピエール＝フランソワ・フェルフルストの仕事しごとに次つぐもので、最もっとも有名ゆうめいな成果せいかは競争きょうそうのある環境かんきょうでの生物せいぶつの個体こたい数すうを解析かいせきしたロトカ＝ヴォルテラの方程式ほうていしきである。

1922年ねんにムッソリーニに反対はんたいする党派とうはに属ぞくし、1931年ねんに大学だいがく教授きょうじゅの座ざを追おわれた。その後ご、主おもに海外かいがいで暮くらし、死しの直前ちょくぜんにローマに戻もどった。