さんかけ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

さんかけ(さんてがかり)とは、江戸えど時代じだいおこなわれた目見まみ以上いじょう家格かかく武士ぶしおよびその妻子さいしらにたいする刑事けいじ裁判さいばんのこと。

老中ろうじゅう指図さしずのもとにおこなわれ、かけ奉行ぶぎょう担当たんとうしゃ)として町奉行まちぶぎょうにんじられ、大目おおめづけ目付めつけったためにこのがある。上級じょうきゅう身分みぶん武士ぶし事件じけんそのものが重大じゅうだいである場合ばあいには寺社じしゃ奉行ぶぎょう勘定かんじょう奉行ぶぎょうくわわったかけによっておこなわれた。

武士ぶし本人ほんにんやそのつま嫡子ちゃくし裁判さいばん評定ひょうじょうしょで、それ以外いがい奉行ぶぎょうしょにておこなわれ、冒頭ぼうとう大目おおめづけ老中ろうじゅう指図さしずけて裁判さいばんおこなうことをせんした。ただし、実際じっさい裁判さいばん町奉行まちぶぎょうおよ与力よりき御徒おかち目付めつけ立会たちあいけて吟味ぎんみおこなっており、伺書(調書ちょうしょ)に大目おおめづけ目付めつけ連署れんしょするものの、実際じっさい判決はんけつ部分ぶぶん相当そうとうする仕置しおきとがめ町奉行まちぶぎょう単独たんどくおこなわれ、大目おおめづけらは関与かんよできなかった。これは公事こうじかたじょうしょをはじめとする江戸えど幕府ばくふ刑事けいじ法規ほうき本来ほんらい裁判さいばん業務ぎょうむ部外ぶがいしゃであった大目おおめづけ目付めつけることがきんじられていたことによるという。落着らくちゃくすると、大目おおめづけがそのむねせんして町奉行まちぶぎょう判決はんけつをいいわたした。

なお、目見まみ以下いか陪臣ばいしん刑事けいじ裁判さいばん町奉行まちぶぎょうしょにて目付めつけ1めい立会たちあいのみにて町奉行まちぶぎょうおこなった。これを目付めつけ立会たちあい吟味ぎんみ(めつけたちあいぎんみ)という。

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]