京きょう漬物つけもの

すぐき

千枚漬せんまいづけ

京きょう漬物つけもの（きょうつけもの）は、京都きょうと府ふ産さんの野菜やさいから京都きょうとでつくられた漬物つけものの総称そうしょう。

概要がいよう

京きょう漬物つけものは京きょう料理りょうりと並ならんで京都きょうとの食しょく文化ぶんかの象徴しょうちょうとされる。元々もともとは、旬しゅんの野菜やさいを料理りょうりの具ぐ材ざいとして使用しようするために塩蔵えんぞう保存ほぞんしたことに始はじまる。

すぐき（すぐき漬づけ）、しば漬づけ、千枚漬せんまいづけが代表だいひょう的てきな京きょう漬物つけものとされ、「三さん大だい漬物つけもの」とも称しょうされる。なかでも、すぐきは京都きょうとでしか作つくられていない。ただし、独特どくとくで癖くせのある酸味さんみは京都きょうとの人間にんげんでも好すき嫌きらいが別わかれる。

京都きょうと府ふ漬物つけもの協同きょうどう組合くみあいによって地域ちいき団体だんたい商標しょうひょう登録とうろくされており、「京きょう漬物つけもの」は第だい5009700号ごう、「京きょうつけもの」は第だい5009699号ごうである。

歴史れきし

塩漬しおづけ、粕漬かすづけ、味噌みそ漬づけなどが始はじまり、江戸えど時代じだいになって糠漬ぬかづけが登場とうじょうした。

冬ふゆの京都きょうと市しには「京きょうの底冷そこびえ」と呼よばれる気温きおんが低ひくく、湿度しつどが高たかいという特有とくゆうの気候きこうがある。この気候きこうは雑菌ざっきんの繁殖はんしょくは防ふせぎつつも、発酵はっこうは維持いじされるという漬物つけもの作づくりに理想りそう的てきな気候きこうでもある。

京野きょうの菜さいは、絶滅ぜつめつした2種しゅを含ふくむ37品種ひんしゅが認定にんていされているように種類しゅるいが豊富ほうふである。また、平安京へいあんきょうへの遷都せんと以来いらい、日本にっぽんの文化ぶんかの中心ちゅうしんでもあった京都きょうとには日本にっぽん全国ぜんこく各地かくちから人々ひとびとが集あつまることで交流こうりゅうが生うまれ、様々さまざまな食しょく文化ぶんかがもたらされることになった。当時とうじ、寺院じいんを中心ちゅうしんとした野菜やさい食しょく中心ちゅうしんの食しょく文化ぶんかと、保存ほぞん食しょくを工夫くふうする文化ぶんかとから漬物つけもの文化ぶんかが発達はったつすることになる。また、京都きょうとで海産物かいさんぶつの入手にゅうしゅが困難こんなんであることは、野菜やさい作づくりを盛さかんにすると共ともに、海産物かいさんぶつを輸送ゆそうしてくる際さいの保存ほぞん方法ほうほうとして発酵はっこうの技術ぎじゅつが発展はってんしたことも理由りゆうとして考かんがえられている。

文化ぶんか的てきな観点かんてんからでは、京都きょうとでは先祖せんぞ代々だいだい、質素しっそな生活せいかつが美徳びとくとされており、野菜やさいを塩しおで漬つけ込こんだ漬物つけものはその精神せいしんとも符合ふごうしていた。これと共ともに禅宗ぜんしゅうの普及ふきゅうによって精進しょうじん料理りょうりが親したしまれるようになったことも漬物つけもの文化ぶんかの発展はってんに関係かんけいしているとみられる。

参考さんこう文献ぶんけん

• 日本にっぽんいにしえ、伝統でんとう産業さんぎょう「京きょう漬物つけもの」

外部がいぶリンク

• 京都きょうと府ふ漬物つけもの協同きょうどう組合くみあい