伊木いぎ寿一ひさいち

伊木いぎ 壽一ひさいち（いぎ ひさいち、明治めいじ16年ねん（1883年ねん）3月3日にち - 1970年ねん11月28日にち）は、日本にっぽんの歴史れきし学者がくしゃ。専せん門もんは日本にっぽん古文書こもんじょ学がく。学位がくいは、文学ぶんがく博士はかせ。

経歴けいれき

山口やまぐち県けん大津おおつ郡ぐん三さん隈くま村むら（現在げんざいの山口やまぐち県けん長門ながと市し）に山口やまぐち県けん士族しぞく伊木いぎ尚義ひさよしの長男ちょうなんとして生うまれる。山口やまぐち中学校ちゅうがっこう・山口高等学校やまぐちこうとうがっこうを経へて、1906年ねんに東京とうきょう帝国ていこく大学だいがく文科ぶんか大学だいがく史し学科がっか卒業そつぎょう、同どう大学だいがく大学院だいがくいんに入学にゅうがくし古文書こもんじょ学がくを専攻せんこうした。1907年ねん、東京とうきょう帝国ていこく大学だいがく史料しりょう編纂へんさん掛かけ嘱託しょくたくとなり、『大だい日本にっぽん古文書こもんじょ』の伊達だて家か文書ぶんしょ・相良さがら家か文書ぶんしょ等ひとしの編纂へんさんに従事じゅうじし、1908年ねんから國學院大學こくがくいんだいがくにて、1911年ねんから慶應義塾大学けいおうぎじゅくだいがくにて講師こうしとして古文書こもんじょ学がくを講義こうぎした。1925年ねんに史料しりょう編纂へんさん官かんとなり、『大だい日本にっぽん史料しりょう』第だい9編へんの編纂へんさんを行おこない、1926年ねん東北とうほく帝国ていこく大学だいがく文学部ぶんがくぶ講師こうしを兼かねた。

1940年ねんに「日本にっぽん古文書こもんじょ学がくノ研究けんきゅう」により慶應義塾大学けいおうぎじゅくだいがくから文学ぶんがく博士はかせの学位がくいを授与じゅよされ、1943年ねん、東京とうきょう帝国ていこく大学だいがく史料しりょう編纂へんさん官かんを定年ていねん退官たいかんした。

1947年ねん、聖心女子学院せいしんじょしがくいん専門せんもん学校がっこうの講師こうしに、1949年ねん、立正大学りっしょうだいがく文学部ぶんがくぶ講師こうしを兼任けんにんし、以後いご歿年ぼつねんまで、その職しょくとは別べつに、慶應義塾大学けいおうぎじゅくだいがく・明治大学めいじだいがく・宇都宮大学うつのみやだいがく・東京都立大学とうきょうとりつだいがく (1949-2011)などに出で講こうした。また、1954年ねんから東京とうきょう都と文化財ぶんかざい委員いいん会かいの専門せんもん委員いいんになる。1966年ねん、日本にっぽん古文書こもんじょ学会がっかい創設そうせつに伴ともない、その初代しょだい会長かいちょうに就任しゅうにんした。

筆跡ひっせき鑑定かんていにも見識けんしきがあり、戦前せんぜんは大審院だいしんいん、控訴こうそ院いんから鑑定かんていを求もとめられ、戦後せんごも帝銀ていぎん事件じけんなどの事件じけんを担当たんとうした。

歿後ぼつご、勲くん三さん等とうが贈おくられた。

著書ちょしょ

• 『日本にっぽん古文書こもんじょ学がく』　雄山閣ゆうざんかく　1930年ねん
• 『書状しょじょうの変遷へんせん』　岩波書店いわなみしょてん　1932年ねん
• 『日本にっぽん書道しょどうの変遷へんせん』　岩波書店いわなみしょてん　1935年ねん
• 『古文書こもんじょ学がく』　慶應けいおう通信つうしん　1949年ねん

参考さんこう文献ぶんけん

• 高橋たかはし正彦まさひこ、河北かほく展てん生せい「伊木いぎ寿ことぶき一いち先生せんせいの訃ふ」『史学しがく』第だい43巻かん第だい4号ごう、慶応義塾大学けいおうぎじゅくだいがく、1971年ねん、649-654頁ぺーじ、NAID 110007410164。 
• 桃もも裕行ひろゆき「本会ほんかい元もと幹事かんじ伊木いぎ寿一ひさいち氏し逝ゆく」『歴史れきし地理ちり（日本にっぽん歴史れきし地理ちり学会がっかい編へん）』第だい92巻かん第だい2号ごう、1972年ねん、58-59頁ぺーじ。