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うち

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

うち(ないそう、えい: interpolation)や補間ほかん(ほかん)とは、ある既知きち数値すうちデータれつもとにして、そのデータれつかく区間くかん範囲はんいないめる数値すうちもとめること、またはそのような関数かんすうあたえること。またその手法しゅほううち挿法えい: interpolation method)や補間ほかんほうという。対義語たいぎごそと補外ほがい

概要がいよう

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うちするためには、かく区間くかん範囲はんいないつと期待きたいされる関数かんすう境界きょうかいでの振舞ふるまい(境界きょうかい条件じょうけん)をめることが必要ひつようである。

もっと一般いっぱんてき容易ようい適用てきようできるものは、いち関数かんすう直線ちょくせん)によるうち挿(直線ちょくせんない挿)である。ゼロ関数かんすうステップ関数かんすう)によってデータれつめること(0補間ほかん)をうち挿とぶことはあまりないが、うち挿の一種いっしゅである。

うち挿とそと補外ほがい)とのアルゴリズムの類似るいじせいから、それぞれない挿補あいだそと挿補あいだあやまって呼称こしょうされることがある。本来ほんらい補間ほかんうち挿は同義どうぎであり、うち挿補あいだかさねて必要ひつようはない。

うち挿法の選択せんたく

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うち挿のもたらす結果けっかは、平滑へいかつ最小さいしょう自乗じじょう近似きんじているが、これらはまったちがったものである。うち挿は、ある区間くかんあいだ関数かんすうモデルや境界きょうかい条件じょうけん仮定かていし、その関数かんすうのパラメータのうちのいくつか(またはすべて)を決定けっていする。このため、入力にゅうりょく数値すうちデータれつには誤差ごさふくまれないか、無視むしできると仮定かていしている。一方いっぽう平滑へいかつ最小さいしょう自乗じじょう近似きんじ誤差ごさふくまれる数値すうちデータれつ関係かんけいをもっともらしく推定すいていする数列すうれつ関数かんすうモデルをあたえる。

物理ぶつり現象げんしょう測定そくていしたデータを入力にゅうりょくとするうち挿では、その物理ぶつり現象げんしょう適用てきようできるもっともらしいうち挿法を選択せんたくすることが必要ひつようである。しばしば、そうした測定そくていコンピュータアニメーションにおけるキャラクターの運動うんどうなどで線形せんけい補間ほかん多項式たこうしき補間ほかんこのまれて適用てきようされるのは、たんにアルゴリズムのソフトウェアへの実装じっそう容易ようい計算けいさん負荷ふかすくないというだけでなく、おおくの物理ぶつり現象げんしょうあらわ関数かんすうテイラー展開てんかい可能かのうであり、その高次こうじこう無視むしできるほどちいさいと仮定かていできるからである。

そうでない場合ばあいは、てきしたうち挿法を選択せんたくする必要ひつようがある。

代表だいひょうてき補間ほかんほう補間ほかん関数かんすう

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れいとして、このようなてんがデータとしてあたえられたとき、これらのてんあいだ補間ほかんすることをかんがえる。
多項式たこうしき補間ほかん

指定していしたぶんてんにおいて,関数かんすうだけでなくて微分びぶん一致いっちするような多項式たこうしきもちいる補間ほかんほう。さらに一般いっぱんされたものとして,より高次こうじ微分びぶん一致いっちするような多項式たこうしきによる補間ほかん

スプライン補間ほかん
  • 有理ゆうり関数かんすう補間ほかん

指定していされたぶんてんにおいて関数かんすう一致いっちする有理ゆうり関数かんすうによる補間ほかんほう。さらに一般いっぱんされたものとして,関数かんすうだけでなく微分びぶん(さらに高次こうじ微分びぶん)も一致いっちするような有理ゆうり関数かんすうによる補間ほかんほうかんがえることができる。

  • 重心じゅうしん形式けいしき補間ほかんほう(barycentric interpolation)

多項式たこうしき有理ゆうり関数かんすうなどによる関数かんすう補間ほかんおこなうさいに,重心じゅうしん形式けいしきばれる形式けいしきもちいて補間ほかんおこなう方法ほうほうである[1]

  • スプライン補間ほかん
    となてんはさまれたかく区間くかんたいし、個別こべつ多項式たこうしきもちいた補間ほかんほうかく区間くかんで、境界きょうかい条件じょうけんとしてしるべ関数かんすう連続れんぞくせい仮定かていする。CADきゃどグラフィックソフトウェアでは、なめらかな曲線きょくせん曲面きょくめんあたえる機能きのうとしてられる。
  • フーリエ級数きゅうすう補間ほかん

指定していされたぶんてんにおいて関数かんすう一致いっちする有限ゆうげんフーリエ級数きゅうすうによる補間ほかんほう関数かんすう周期しゅうきてきなものである場合ばあいにはとく有用ゆうよう

最近さいきんはた補間ほかん
  • 0補間ほかんさい近傍きんぼう補間ほかん最近さいきん傍点ぼうてん補間ほかん
線形せんけい補間ほかん
  • 線形せんけい補間ほかん直線ちょくせん補間ほかん、1補間ほかん
  • 放物線ほうぶつせん補間ほかん(2補間ほかん
  • キュービック補間ほかん(3補間ほかん
    2次元じげん信号しんごう補間ほかん場合ばあい、たとえば直交ちょっこう座標ざひょうでは直行ちょっこうするふたつのじく沿ったふたつの関数かんすう計算けいさんすることになる。このため、線形せんけい補間ほかんはバイリニア、3補間ほかんはバイキュービック(そうさん補間ほかんそうさん関数かんすう補間ほかん)とばれる。
  • キュービックコンボリューション
    字義じぎてきには3たたみという意味いみであるが、下記かき補間ほかん関数かんすうもちいる3補間ほかんすことがある。aは補間ほかん関数かんすう性質せいしつ制御せいぎょするための変数へんすう(-0.5~-2程度ていどもちいられる)
  • Sinc関数かんすう
  • Lanczos-n補間ほかん(ランツォシュ補間ほかん) 
    補間ほかん関数かんすう性質せいしつ制御せいぎょするための変数へんすう とした補間ほかん関数かんすうはLanczos-2、 とした補間ほかん関数かんすうはLanczos-3とばれる。
  • クリギング - 空間くうかんてきうち挿をおこな地球ちきゅう統計とうけいがく手法しゅほう

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ [https://people.maths.ox.ac.uk/trefethen/barycentric.pdf Jean-Paul Berrut and Lloyd N. Trefethen: "Barycentric Lagrange Interpolation", SIAM Review, Vol.46, No.3, pp.501-517 (2004)]

関連かんれん項目こうもく

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