内閣ないかく参議さんぎ

内閣ないかく参議さんぎ（ないかくさんぎ、旧きゅう字体じたい：內閣參議さんぎ）とは、1937年ねん（昭和しょうわ12年ねん）から1943年ねん（昭和しょうわ18年ねん）にかけて存在そんざいした日本にっぽんの内閣ないかくの諮問しもん機関きかん。

近衛このえ文麿ふみまろが1937年ねん（昭和しょうわ12年ねん）7月がつ7日にちの盧溝橋ろこうきょう事件じけんから始はじまった日にち中ちゅう戦争せんそうに関かんする政治せいじ方針ほうしんを諮はかる目的もくてきで設立せつりつした。根拠こんきょ法令ほうれいは勅みことのり令れい「臨時りんじ内ない閣かく参議さんぎ官制かんせい」で1937年ねん（昭和しょうわ12年ねん）10月がつ15日にちに公布こうふし即日そくじつ施行しこうされた。内閣ないかく参議さんぎは国務大臣こくむだいじん待遇たいぐうであり、設置せっちにあたり宇垣うがき一成いっせい、末次すえつぐ信正のぶまさ、町田まちだ忠治ただはる、池田いけだ成彬せいひん、荒木あらき貞夫さだお、安保あぼ清きよし種しゅ、郷ごう誠之助せいのすけ、秋田あきた清きよし、前田まえだ米蔵よねぞう、松岡まつおか洋右ようすけの10名めいが任にんじられた。

参議さんぎの選任せんにんは勅命ちょくめいであり、この内閣ないかく参議さんぎから近衛このえ内閣ないかくの閣僚かくりょうとなった者ものが多おおかった。そのため、補充ほじゅうが行おこなわれる事ことがあり、久原くはら房之助ふさのすけ、林はやし銑ずく十じゅう郎ろう、勝田かつた主計かずえ、安達あだち謙蔵けんぞう、中島なかじま知久平ちくへい、大谷おおや光瑞こうずい（鏡かがみ如）らが追加ついかされている。このように、近衛このえ文麿ふみまろの構想こうそうに基もとづく組織そしきであったため（ただし、途中とちゅうの平沼ひらぬま内閣ないかく・阿部あべ内閣ないかく・米べい内内うちうち閣かくにも内閣ないかく参議さんぎが置おかれている）、1941年ねん（昭和しょうわ16年ねん）7月がつ18日にちに第だい2次じ近衛このえ内ない閣かくが総そう辞職じしょくした際さいに全ぜん参議さんぎが辞任じにんしたものの近衛このえの辞表じひょう預あずかりという形かたちになった。その後ご東條とうじょう内閣ないかくが成立せいりつした直後ちょくごの10月がつ22日にちに正式せいしきに辞表じひょうが受理じゅりされた。以後いごは選任せんにん勅命ちょくめいもなく、事実じじつ上じょうの休眠きゅうみん組織そしきとなった。

1943年ねん（昭和しょうわ18年ねん）3月がつ18日にち公布こうふ・施行しこうの勅みことのり令れい「内閣ないかく顧問こもん臨時りんじ設置せっち制せい」によって形式けいしき的てきには内閣ないかく顧問こもんに衣替ころもがえし、内閣ないかく参議さんぎは廃止はいしされた。

法令ほうれい

• 臨時りんじ内ない閣かく参議さんぎ官制かんせい（昭和しょうわ12年ねん勅みことのり令れい第だい593号ごう）

第だい一いち条じょう　支ささえ那な事変じへんニ関せきスル重要じゅうよう国務こくむニ付づけ内閣ないかくノ籌画ニ参さんセシムル為ため臨時りんじ内ない閣かく参議さんぎ若干じゃっかん人じんヲ置おけク

2項こう　内閣ないかく参議さんぎハ之のヲ勅命ちょくめいス

第だい二に条じょう　内閣ないかく参議さんぎハ国務大臣こくむだいじんノ礼遇れいぐうヲ受ク

（附則ふそく）本ほん令れいハ公布こうふノ日にちヨリ之これヲ施行しこうス