出典 しゅってん : フリー百科 ひゃっか 事典 じてん 『ウィキペディア(Wikipedia)』
本 ほん 項 こう は函数 かんすう が 0 となる点 てん (x切片 せっぺん )についてのものであり、0 における函数 かんすう の値 ね (y切片 せっぺん )と混同 こんどう してはならない。
定義 ていぎ 域 いき
[
−
2
π ぱい
,
2
π ぱい
]
{\displaystyle \scriptstyle {[-2\pi ,2\pi ]}}
における
関数 かんすう cos
x のグラフ。
x 切片 せっぺん は
赤 あか で
示 しめ してある。
関数 かんすう は
x が
−
3
π ぱい
2
{\displaystyle \scriptstyle {\frac {-3\pi }{2}}}
,
−
π ぱい
2
{\displaystyle \scriptstyle {\frac {-\pi }{2}}}
,
π ぱい
2
{\displaystyle \scriptstyle {\frac {\pi }{2}}}
,
3
π ぱい
2
{\displaystyle \scriptstyle {\frac {3\pi }{2}}}
のところで
零 れい 点 てん をもつ。
関数 かんすう f の 零 れい 点 てん (れいてん、英 えい : zero , 根 ね (こん、root )と呼 よ ばれることもある)とは、f の定義 ていぎ 域 いき の元 もと x であって、
f
(
x
)
=
0
{\displaystyle f(x)=0}
を満 み たすようなもののことである。別 べつ のい方 いかた をすれば、関数 かんすう f の零 れい 点 てん (zero) とは、x を f で写 うつ した結果 けっか が 0 (zero) となるような値 ね x のことである。
f
(
x
)
{\displaystyle f(x)}
が x で消 き えている (vanish) と表現 ひょうげん することもできる[1] 。実 じつ 関数 かんすう 、複素 ふくそ 関数 かんすう 、あるいは一般 いっぱん に、環 たまき に値 ね を持 も つ関数 かんすう やベクトル値 ち 関数 かんすう に対 たい して用 もち いられる。
多項式 たこうしき の根 ね (root) とは、それを多項式 たこうしき 関数 かんすう として考 かんが えたときの零 れい 点 てん のことである。代数 だいすう 学 がく の基本 きほん 定理 ていり によると、0 でない任意 にんい の多項式 たこうしき は根 ね を高々 たかだか その次数 じすう 個 こ だけもち、根 ね の個数 こすう と次数 じすう は、複素数 ふくそすう の根 ね (あるいはより一般 いっぱん に代数 だいすう 的 てき に閉 と じている拡大 かくだい における根 ね )を重複 じゅうふく 度 ど を込 こ めて考 かんが えると等 ひと しい。例 たと えば、多項式 たこうしき
f
(
x
)
=
x
2
−
5
x
+
6
{\displaystyle f(x)=x^{2}-5x+6}
で定義 ていぎ される2次 じ 多項式 たこうしき f は、
f
(
2
)
=
2
2
−
5
⋅
2
+
6
=
0
{\displaystyle f(2)=2^{2}-5\cdot 2+6=0}
f
(
3
)
=
3
2
−
5
⋅
3
+
6
=
0
{\displaystyle f(3)=3^{2}-5\cdot 3+6=0}
となるから、2と3を根 ね にもつ。
関数 かんすう が実数 じっすう を実数 じっすう に写 うつ すならば、その零 れい 点 てん はグラフ が x 軸 じく と交 まじ わる点 てん の x 座標 ざひょう である。この意味 いみ でそのような点 てん (x , 0) を x 切片 せっぺん (x -intercept) とも呼 よ ぶ。
複素数 ふくそすう の概念 がいねん は(判別 はんべつ 式 しき が負 まけ の値 ね となる)二 に 次 じ 方程式 ほうていしき や三 さん 次 じ 方程式 ほうていしき の根 ね (負 まけ の数 かず の平方根 へいほうこん 等 とう が含 ふく まれる)を扱 あつか うために発展 はってん したものである。
最 もっと も重要 じゅうよう な未 み 解決 かいけつ 問題 もんだい の1つであるリーマン予想 よそう は、リーマンゼータ関数 かんすう の複素 ふくそ 根 ね の位置 いち に関 かん するものである。
奇数 きすう 次 つぎ (英語 えいご 版 ばん ) のすべての実 じつ 多項式 たこうしき は(重複 じゅうふく 度 ど を考慮 こうりょ に入 い れて)奇 き 数 すう 個 こ の実根 みね をもつ。同様 どうよう に、偶数 ぐうすう 次 じ の実 じつ 係数 けいすう 多項式 たこうしき は偶数 ぐうすう 個 こ の実根 みね をもたなければならない。したがって、奇数 きすう 次 じ の実 じつ 多項式 たこうしき は少 すく なくとも1つの実根 みね をもたなければならない(なぜなら1が最小 さいしょう の正 せい の奇数 きすう だから)が、一方 いっぽう 偶数 ぐうすう 次 じ の多項式 たこうしき は実根 みね をもたなくてもよい。この原理 げんり は中 ちゅう 間 あいだ 値 ち の定理 ていり を参照 さんしょう することによって証明 しょうめい できる。多項式 たこうしき 関数 かんすう は連続 れんぞく であるから、関数 かんすう は負 まけ から正 まさ にあるいは正 せい から負 まけ に変 か わる過程 かてい で0を横切 よこぎ らなければならない。
代数 だいすう 学 がく の基本 きほん 定理 ていり [ 編集 へんしゅう ]
代数 だいすう 学 がく の基本 きほん 定理 ていり は次 つぎ のことを述 の べている。すべての n 次 じ 多項式 たこうしき は重複 じゅうふく をこめて n 個 こ の複素数 ふくそすう 根 ね をもつ。実 じつ 係数 けいすう 多項式 たこうしき の虚 きょ 根 ね は共役 きょうやく のペアで現 あらわ れる[1] 。Vieta の公式 こうしき は多項式 たこうしき の係数 けいすう をその根 ね の和 わ と積 せき に関係 かんけい づける。
ある種 しゅ の関数 かんすう 、特 とく に多項式 たこうしき 関数 かんすう の根 ね を計算 けいさん するには、しばしばそれ専用 せんよう のあるいは近似 きんじ の手法 しゅほう (例 たと えばニュートン法 ほう )を使 つか うことが要求 ようきゅう される。
零 れい 点 てん 集合 しゅうごう [ 編集 へんしゅう ]
トポロジーや数学 すうがく の他 ほか の分野 ぶんや において、実 じつ 数値 すうち 関数 かんすう f : X → R (あるいはより一般 いっぱん に加法 かほう 群 ぐん に値 ね をとる関数 かんすう )の零 れい 点 てん 集合 しゅうごう (zero set) は X の部分 ぶぶん 集合 しゅうごう
f
−
1
(
0
)
{\displaystyle f^{-1}(0)}
({0} の逆 ぎゃく 像 ぞう )である。
零 れい 点 てん 集合 しゅうごう は数学 すうがく の多 おお くの分野 ぶんや で重要 じゅうよう である。特 とく に重要 じゅうよう な1つの分野 ぶんや は代数 だいすう 幾何 きか 学 がく であり、代数 だいすう 多様 たよう 体 たい の最初 さいしょ の定義 ていぎ は零 れい 点 てん 集合 しゅうごう によってなされる。例 たと えば、k [x 1 , ..., x n ] の多項式 たこうしき からなる各 かく 集合 しゅうごう S に対 たい して、zero-locus Z (S ) を S の関数 かんすう が同時 どうじ に消 き えるような A n の点 てん 全体 ぜんたい の集合 しゅうごう と定義 ていぎ する。つまり
Z
(
S
)
=
{
x
∈
A
n
∣
f
(
x
)
=
0
for all
f
∈
S
}
.
{\displaystyle Z(S)=\{x\in \mathbb {A} ^{n}\mid f(x)=0{\text{ for all }}f\in S\}.}
このとき A n の部分 ぶぶん 集合 しゅうごう V はある S に対 たい して V = Z (S ) であるときにアフィン代数 だいすう 的 てき 集合 しゅうごう (affine algebraic set) と呼 よ ばれる。これらのアフィン代数 だいすう 的 てき 集合 しゅうごう は代数 だいすう 幾何 きか 学 がく の基本 きほん 的 てき な構成 こうせい 要素 ようそ である。