分ぶん杭くい峠とうげ

分ぶん杭くい峠とうげ
分ぶん杭くい峠とうげ（2004年ねん8月がつ撮影さつえい）
所在地しょざいち	日本にっぽん 長野ながの県けん伊那いな市し・下伊那しもいな郡ぐん大鹿おおしか村むら
座標ざひょう	北緯ほくい35度ど41分ふん58秒びょう 東経とうけい138度ど04分ふん01秒びょう
標高ひょうこう	1,424 m
通過つうか路ろ	国道こくどう152号ごう
分ぶん杭くい峠とうげ 分ぶん杭くい峠とうげの位置いち
プロジェクト 地形ちけい

分ぶん杭くい峠とうげ（ぶんぐいとうげ）は、長野ながの県けん伊那いな市しと下伊那しもいな郡ぐん大鹿おおしか村むらとの境界きょうかいに位置いちする標高ひょうこう1,424 mの峠とうげである。

静岡しずおか県けん浜松はままつ市しの秋葉神社あきばじんじゃへ向むかう街道かいどうとして古ふるくから利用りようされた秋葉あきば街道かいどう（現在げんざいの国道こくどう152号ごう）の峠とうげの一ひとつである。秋葉あきば街道かいどうは西日本にしにほんの地質ちしつを内うち帯たいと外そと帯たいに二分にぶんする中央ちゅうおう構造こうぞう線せんの断層だんそう谷たにを利用りようした街道かいどうであり、分ぶん杭くい峠とうげは中央ちゅうおう構造こうぞう線せんの谷中たになか分水ぶんすい界かいにあたる。

名称めいしょうは高遠こうえん藩はんが他た領りょう（南方なんぽうは天領てんりょうであった）との境界きょうかいに杭くいを建たて目印めじるしとしたことに由来ゆらいするといわれ、峠とうげには「従したがえ是ぜ北きた高遠たかとお領りょう」の石碑せきひがある。

中央ちゅうおう構造こうぞう線せんの断層だんそう谷たにを利用りようした街道かいどうであるため地質ちしつ的てきに脆もろい。峠とうげ付近ふきんの道路どうろは舗装ほそう・整備せいびされているものの頻繁ひんぱんに（規模きぼの大小だいしょうはあれど）崩落ほうらくを繰くり返かえしており、峠とうげ区間くかんが丸まるごと通行止つうこうどめになることも多おおい。

ゼロ磁場じば（疑似ぎじ科学かがく）

日本にっぽん最大さいだい、最長さいちょうの巨大きょだい断層だんそう地帯ちたいである中央ちゅうおう構造こうぞう線せんの真上まうえにあり、2つの地層ちそうがぶつかり合あっているという理由りゆうから、エネルギーが凝縮ぎょうしゅくしているゼロ磁場じばのパワースポットと呼よばれている。

最初さいしょにパワースポットとされたのは林道りんどうの下したにある柱はしらの木き付近ふきんで、その後ご林道りんどうの奥おくの水みず場じょうにも人ひとが集あつまるようになった。2009年ねんにはテレビ・ラジオや雑誌ざっしで分ぶん杭くい峠とうげのゼロ磁場じばが大おおきく取とり上あげられ、分ぶん杭くい峠とうげに来くる観光かんこう客きゃくが急増きゅうぞうした。

当然とうぜんながら、こうした考かんがえは科学かがく的てきな根拠こんきょを欠かいており、疑似ぎじ科学かがくの一ひとつと見みなされている。中央ちゅうおう構造こうぞう線せん博物館はくぶつかんの学芸がくげい員いんを務つとめる河本かわもと和朗かずおは「地震じしんが発生はっせいしていないときの断層だんそうは、力学りきがく的てきには周囲しゅういの岩盤がんばんと同おなじ」と指摘してきし、「『断層だんそうで岩盤がんばんが押おし合あっている』という考かんがえは地球ちきゅう物理ぶつり的てきに誤あやまりである」としている。

アクセス

パワースポットとしての人気にんきの高たかまりにより峠とうげ付近ふきんの路上ろじょう駐車ちゅうしゃが多おおくなってきたことから、渋滞じゅうたい対策たいさくと環境かんきょう保護ほごのため、2010年ねんより峠とうげふもとの伊那いな市し長谷ながたに市し野瀬のせにある駐車ちゅうしゃ場じょうから峠とうげまでシャトルバスが運行うんこうされるようになっている。峠とうげにある駐車ちゅうしゃ場じょうはシャトルバスの転回てんかい用ようスペースとなっているため、一般いっぱん車両しゃりょうは駐車ちゅうしゃできない。また、峠とうげ周辺しゅうへん環境かんきょう整備せいびのための協力きょうりょく金きんとして、入場にゅうじょうの際さいに500円えんが求もとめられる。

関連かんれん項目こうもく

• 日本にっぽんの峠とうげ一覧いちらん
• 鈴木すずき光司こうじ - 自身じしんの小説しょうせつ『EDGE』で舞台ぶたいの一ひとつに取とり上あげている。

外部がいぶリンク

• 「パワースポット」分ぶん杭くい峠とうげのシャトルバス運行うんこう開始かいし （信濃毎日新聞しなのまいにちしんぶん）
• 分ぶん杭くい峠とうげゼロ磁場じば