占有せんゆう改定かいてい

占有せんゆう改定かいてい（せんゆうかいてい）とは、占有せんゆうの移転いてん方式ほうしきの一ひとつで、ある目的もくてき物ぶつの占有せんゆう者しゃがそれを手元てもとに置おいたまま占有せんゆうを他者たしゃに移うつす場合ばあいを言いう（民法みんぽう183条じょう）。自己じこ占有せんゆう（直接ちょくせつ占有せんゆう）はそのままに、代理だいり占有せんゆう（間接かんせつ占有せんゆう）が意思いし表示ひょうじのみによって移転いてんする。それまで目的もくてき物ぶつの占有せんゆう者しゃであった者ものは、占有せんゆう代理人だいりにんとなる。

• 民法みんぽう183条じょう（占有せんゆう改定かいてい）

  代理だいり人ひとが自己じこの占有せんゆう物ぶつを以後いご本人ほんにんのために占有せんゆうする意思いしを表示ひょうじしたときは、本人ほんにんは、これによって占有せんゆう権けんを取得しゅとくする。

占有せんゆう改定かいていが、民法みんぽう192条じょうの即時そくじ取得しゅとくの要件ようけんを満みたすかどうか問題もんだいになるが、判例はんれいはこれを否定ひていしている（最さい一いち小判こばん昭和しょうわ35年ねん2月がつ11日にち・民みん集しゅう14巻かん2号ごう168頁ぺーじ）。

動産どうさんに譲渡じょうと担保たんぽを設定せっていする場合ばあい、通常つうじょう、占有せんゆう改定かいていによって引渡ひきわたしがなされる。これにより譲渡じょうと担保たんぽ権けん者しゃはその所有しょゆう権けんの取得しゅとくを第三者だいさんしゃに対抗たいこうすることができる（最さい一いち小判こばん昭和しょうわ30年ねん6月がつ2日にち・民みん集しゅう9巻かん7号ごう855頁ぺーじ）。

質しつ権けんの設定せっていは、債権さいけん者しゃにその目的もくてき物ぶつを引ひき渡わたすことによって効力こうりょくが生しょうずるが（民法みんぽう344条じょう）、占有せんゆう改定かいていは同どう条じょうの引ひき渡わたしには含ふくまれない（民法みんぽう345条じょう）。

関連かんれん項目こうもく

• 占有せんゆう権けん

ほか民法みんぽうに規定きていされる移転いてん方式ほうしき

• 現実げんじつの引渡ひきわたし（民法みんぽう182条じょう1項こう）
• 簡易かんいの引渡ひきわたし（民法みんぽう182条じょう2項こう）
• 指図さしずによる占有せんゆう移転いてん（民法みんぽう184条じょう）
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