危急ききゅう種しゅ

国際こくさい自然しぜん保護ほご連合れんごう（IUCN）のレッドリストにおける 危急ききゅう種しゅ（ききゅうしゅ、Vulnerable species）とは、絶滅ぜつめつの危険きけん性せいが高たかいと判断はんだんされた種たねのことを指さす。IUCNでは、「野生やせい絶滅ぜつめつの高たかい危険きけん性せい」がある種しゅを危急ききゅう種しゅと定義ていぎしている。危急ききゅう種しゅは、環境かんきょうの悪化あっかなどちょっとした状況じょうきょうの変化へんかによって、容易よういに絶滅ぜつめつ危惧きぐ種しゅにカテゴライズされる恐おそれがある。

種たねの保全ほぜん状じょう況きょうが危急ききゅうになる主おもな理由りゆうは、生息せいそく地ちの破壊はかいや消失しょうしつなどである。生息せいそく状じょう況きょうをモニタリングされている危急ききゅう種しゅもおり、常つねに絶滅ぜつめつの危機ききに晒さらされている。

基準きじゅん

IUCNでは、ある種しゅが以下いかの5つの条件じょうけんの内うち1つでも満みたしていれば、危急ききゅう種しゅに分類ぶんるいする。

• 3世代せだい以内いない、あるいは10年ねん以内いないでの個体こたい数すう減少げんしょう率りつが30%以上いじょう。
• 生息せいそく域いき、分布ぶんぷ域いきが250km²以下いか、あるいは10000km²以下いか（種たねの特長とくちょうによって異ことなる）。
• 減へり続つづけた個体こたい数すうが10000個体こたい以下いか、あるいは10年ねん（または3世代せだい）で10%以上いじょう個体こたい数すうが減へり続つづけた。
• 個体こたい数すうが1000個体こたい以下いか。
• 100年ねん後ごに絶滅ぜつめつしている可能かのう性せいが10%。

日本にっぽんの環境省かんきょうしょうが定さだめたレッドデータブックには、IUCNの危急ききゅうに相当そうとうするカテゴリーとして、絶滅ぜつめつ危惧きぐII類るいが定さだめられている。ただし、種たねを絶滅ぜつめつ危惧きぐII類るいに選定せんていする基準きじゅんは、IUCNの危急ききゅうカテゴリと全まったく同おなじではない。また、絶滅ぜつめつ危惧きぐII類るいが採用さいようされる前まえの旧きゅう環境庁かんきょうちょう（当時とうじ）レッドデータブックでも「危急ききゅう種しゅ」というカテゴリーが採用さいようされていた。

参考さんこう文献ぶんけん

• 矢原やばら徹てっ一いち、川窪かわくぼ伸光のぶみつ（編へん）『保全ほぜんと復元ふくげんの生態せいたい学がく 野生やせい生物せいぶつを救すくう科学かがく的てき思考しこう』（2002年ねん、文ぶん一いち総合そうごう出版しゅっぱん）ISBN 978-4-8299-2170-8

関連かんれん項目こうもく

• 絶滅ぜつめつ危惧きぐ種しゅ