反はんファシズム統一とういつ戦線せんせん

反はんファシズム統一とういつ戦線せんせん（はんファシズムとういつせんせん）とは、ナチス・ドイツの台頭たいとうに対抗たいこうして、社会しゃかい民主みんしゅ主義しゅぎ勢力せいりょくとの統一とういつ戦線せんせんにより、ファシズムを阻止そししようとした政治せいじ運動うんどう。1935年ねんのコミンテルン第だい7回かい大会たいかいのときに定式ていしき化かされた。フランス・スペインの人民戦線じんみんせんせん政府せいふの成立せいりつには、この方針ほうしんによる共産党きょうさんとうの戦術せんじゅつ転換てんかんが大おおきな役割やくわりを果はたした。しかし、1939年ねんの独どくソ不可侵ふかしん条約じょうやくの締結ていけつにより、ソ連それんの配下はいかの機関きかんと化かしたコミンテルンは、この方針ほうしんを放棄ほうきし、イギリス・フランス主ぬし敵てき論ろんに転換てんかんした。

日本にっぽんでは、この方針ほうしんは、当時とうじソ連それんに亡命ぼうめいしていた野坂のさか参さん三さんがひそかに渡米とべいして加藤かとう勘かん十じゅうに会あい、日本にっぽんでの実現じつげんを図はかったが、実行じっこうはできなかった。また、共産党きょうさんとうとは独立どくりつに、京都きょうとにおける真下ましも信一しんいちや久野くの収おさむの動うごきが、この思想しそうの体現たいげん化かとする意見いけんもある。