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中華民国総統選挙(ちゅうかみんこくそうとうせんきょ)は、中華民国(台湾)の国家元首である総統および副総統を選出するための選挙。正式名称は中華民国正副総統選挙。
元来は最高政権行使機関である国民大会が中華民国憲法に基づいて選出していた。
しかし、李登輝総統(任期:1988年 - 2000年)が進めた政治体制の民主化・台湾化の一環として、1994年の中華民国憲法増修条文により、中華民国自由地区(実効統治区域である台湾・澎湖・金門・馬祖)の国民全体により直接正副総統を選出する制度へと改められた。
総統民選は1996年より実施されている。総統任期を4年としたため、アメリカ合衆国大統領選挙と同じ年(子年・辰年・申年)に行われており、アメリカの東アジアの安全保障問題を政策課題に乗せやすくなっている。
2004年からは海外在住の中華民国自由地区国民に対しても選挙権が付与されている。ただし、日本のような在外選挙制度はなく、必ず中華民国に帰国し、投票日当日戸籍地にある投票所で投票する必要がある。
実施された選挙と当選者[編集]
- 1948年に「中華民国全土」より選挙で選ばれた国民大会代表は、その後「全土」からの代表選出が不可能になったため、1991年に国民大会の体質改善のための改革が行われるまで、無期限に任期の延長を受けていた(万年国会)。
傾向と選挙[編集]
他国と同様に、投票者の出自や地域性により、総統選挙および立法委員選挙において「泛藍」と「泛緑」両陣営の選好度には顕著な差がある。概ね外省人、本島北部(桃園市・新竹県・苗栗県)の客家、本島東部(花蓮県・台東県)と金門県・馬祖列島の住民および台湾原住民が「泛藍」を支持し、ホーロー人および本島南部(高雄市・屏東県)の客家が「泛緑」を支持する傾向が見られる[1]。
台湾では投票日の10日前からメディアによる世論調査が禁止されている。また各候補の選挙事務所には、字は違うが発音が同じ縁起物が持ち込まれる場合が多い。例としては大根菜頭(ツァイタウ)= "さい先が良い"や、鳳梨(パイナップル)は彩頭(オンライ) = 繁栄するの意。まんじゅう「包(バウ)」と「ちまき(粽)」は合わせて「包中(パウツォン)」= 必ず当たるといった具合である。
近年は、財団法人台湾設計研究院(繁体字中国語: 財團法人台灣設計研究院)との共同によって選挙広報、選挙方法に関する掲示、指標、ポスター、政見放送にて近代的なデザインを採用する様になった[2]。