唐櫃からと山さん古墳こふん

唐櫃からと山さん古墳こふん
	; 墳丘ふんきゅう
所属しょぞく	古市ふるいち古墳こふん群ぐん
所在地しょざいち	大阪おおさか府ふ藤井寺ふじいでら市し国府こくふ
形状けいじょう	帆立貝ほたてがい形がた古墳こふん
規模きぼ	墳丘ふんきゅう長ちょう53ｍ
埋葬まいそう施設しせつ	竪穴たてあな式しき石槨せっかく
出土しゅつど品ひん	甲冑かっちゅう・馬具ばぐ・ガラス玉だま
築造ちくぞう時期じき	5世紀せいき代だい
史跡しせき	国くにの史跡しせき「唐櫃からと山さん古墳こふん」; （史跡しせき「古市ふるいち古墳こふん群ぐん」のうち）
有形ゆうけい文化財ぶんかざい	石棺せっかん（藤井寺ふじいでら市し指定してい文化財ぶんかざい）
特記とっき事項じこう	墳丘ふんきゅうの大だい部分ぶぶんは非ひ現存げんそん
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唐櫃からと山さん古墳こふん（からとやまこふん）は、大阪おおさか府ふ藤井寺ふじいでら市し国府こくふにある古墳こふん。形状けいじょうは帆立貝ほたてがい形がた古墳こふん。古市ふるいち古墳こふん群ぐんを構成こうせいする古墳こふんの1つ。国くにの史跡しせきに指定していされ（史跡しせき「古市ふるいち古墳こふん群ぐん」のうち）、石棺せっかんは藤井寺ふじいでら市し指定してい有形ゆうけい文化財ぶんかざいに指定していされている。

市いちノ山さん古墳こふんの周しゅう濠ほり外がいに位置いちし、1955年ねん（昭和しょうわ30年ねん）に道路どうろ工事こうじにより墳丘ふんきゅうの過半かはんが消滅しょうめつした（墳丘ふんきゅうの北側きたがわの一部いちぶが個人こじんの居宅きょたくの庭園ていえんとして残存ざんそんしている）。緊急きんきゅうの発掘はっくつ調査ちょうさにより、石棺せっかんや遺物いぶつが出土しゅつどしている。

概要がいよう

墳丘ふんきゅう長ちょう53ｍ、後こう円えん部ぶ径みち38ｍ、前方ぜんぽう部ぶ幅はば21ｍを測はかる帆立貝ほたてがい形がた古墳こふんである。府ふ道どう堺さかい大和高田やまとたかだ線せんの敷設ふせつ工事こうじによって、後こう円えん部ぶを含ふくむ墳丘ふんきゅうの大半たいはんが破壊はかいされた。それに先立さきだち北野きたの耕平こうへいらが発掘はっくつ調査ちょうさを実施じっしした。後こう円えん部ぶに主軸しゅじくと平行へいこうした竪穴たてあな式しき石槨せっかくが造つくられており、内部ないぶに家いえ形がた石棺せっかんを内蔵ないぞうしていた。石棺せっかんはすぐ近ちかくにあった長持ながもち山さん古墳こふんの2つある石棺せっかんの1つと形態けいたいが酷似こくじしており、石材せきざいも阿蘇あそ溶結凝灰岩ぎょうかいがんで共通きょうつうするものであった。^[1]。

出土しゅつど遺物いぶつと時期じき

内部ないぶはすでに盗掘とうくつを受うけていたが、棺かん内ないからは多数たすうのガラス小玉こだまや丸まる玉だまが、棺かん外がいからは金銅かなどう製せい三さん輪りん玉だま、鹿角かつの刀がたな装具そうぐ、刀剣とうけん、鉄てつ鏃，2領りょうの3角かく板いた鋲びょう留とめ短たん甲かぶと、馬具ばぐなどが出土しゅつどした。道路どうろ拡幅かくふくに伴ともなう大阪おおさか府ふ教育きょういく委員いいん会かいによる1981年ねん、2000年ねんの発掘はっくつ調査ちょうさでは後こう円えん部ぶの裾すそ部ぶや周しゅう濠ほりの一部いちぶとともに、円筒えんとう埴輪はにわ、朝顔あさがお形がた埴輪はにわ、家いえ型がた埴輪はにわ、鶏にわとり形がた埴輪はにわが出土しゅつどしており市いちノ山さん古墳こふんと同どう時期じきの5世紀せいき中葉ちゅうようと考かんがえられている^[2]。また2009年ねんにも同どう教育きょういく委員いいん会かいにより発掘はっくつ調査ちょうさされており、笠形かさがた埴輪はにわと盾たて形がた埴輪はにわ、円筒えんとう埴輪はにわなどの破片はへんが出土しゅつどしている。埴輪はにわは土師はじ質ただしのものと須恵すえ質しつのものがあり須恵すえ質しつのものが目立めだつ。円筒えんとう埴輪はにわは市いちノ山さん古墳こふん外堤そとつつみのものと共通きょうつうする特徴とくちょうを持もち、共通きょうつうの埴輪はにわ窯かまから供給きょうきゅうされていた可能かのう性せいが指摘してきされている。周しゅう濠ほり部分ぶぶんから出土しゅつどした葺石はその石材せきざいから7割わりが付近ふきんを流ながれる石川いしかわの川原かわら、残のこりを大和やまと川がわと原川はらがわの川原かわらなどから採石さいせきされたと推定すいていされた^[3]。

文化財ぶんかざい

国くにの史跡しせき

唐櫃からと山さん古墳こふん（史跡しせき「古市ふるいち古墳こふん群ぐん」のうち） - 2015年ねん（平成へいせい27年ねん）3月がつ10日とおか、既すんで指定していの史跡しせき「古市ふるいち古墳こふん群ぐん」に追加ついか指定してい^[4]。

藤井寺ふじいでら市し指定してい文化財ぶんかざい

有形ゆうけい文化財ぶんかざい
- 唐櫃からと山さん古墳こふん石棺せっかん（考古こうこ資料しりょう） - 2022年ねん（令れい和わ4年ねん）3月がつ24日にち指定してい。

脚注きゃくちゅう

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

^ 天野あまの「基礎きそ的てき研究けんきゅう」(2008)p72
^ 一瀬いちのせ「基礎きそ的てき研究けんきゅう」(2008)p.196
^ 西川にしかわ「唐櫃からと山さん古墳こふん」(2011)pp.14-34
^ 平成へいせい27年ねん3月がつ10日とおか文部もんぶ科学かがく省しょう告示こくじ第だい43号ごう

参考さんこう文献ぶんけん

天野あまの末まつ喜き「唐櫃からと山さん古墳こふん」『近畿きんき地方ちほうにおける大型おおがた古墳こふん群ぐんの基礎きそ的てき研究けんきゅう』科学かがく研究けんきゅう「近畿きんき地方ちほうにおける大型おおがた古墳こふん群ぐんの基礎きそ的てき研究けんきゅう」（研究けんきゅう代表だいひょう　白石しらいし太一郎たいちろう）研究けんきゅうグループ発行はっこう所しょ株式会社かぶしきがいしゃ六ろく一いち書房しょぼう 2008年ねん 72頁ぺーじ
一瀬いちのせ和夫かずお「唐櫃からと山さん」同どう上書うわがき 196頁ぺーじ
西川にしかわ寿ひさし勝しょう『唐櫃からと山さん古墳こふん』大阪おおさか府ふ教育きょういく委員いいん会かい　2011年ねん

外部がいぶリンク

石棺せっかんと修羅しゅら - 藤井寺ふじいでら市し　（藤井寺ふじいでら市し教育きょういく委員いいん会かい文化財ぶんかざい保護ほご課か）

[1] 天野あまの「基礎きそ的てき研究けんきゅう」(2008)p72

[2] 一瀬いちのせ「基礎きそ的てき研究けんきゅう」(2008)p.196

[3] 西川にしかわ「唐櫃からと山さん古墳こふん」(2011)pp.14-34

[4] 平成へいせい27年ねん3月がつ10日とおか文部もんぶ科学かがく省しょう告示こくじ第だい43号ごう

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