大日本帝国だいにっぽんていこく憲法けんぽう第だい73条じょう

1946年ねん（昭和しょうわ21年ねん）10月29日にち、「修正しゅうせい帝国ていこく憲法けんぽう改正かいせい案あん」を全会ぜんかい一致いっちで可決かけつした枢密院すうみついん本ほん会議かいぎの模様もよう。

大日本帝国だいにっぽんていこく憲法けんぽう第だい73条じょう（だいにほん/だいにっぽん ていこくけんぽう だい73じょう）は、大日本帝国だいにっぽんていこく憲法けんぽう第だい7章しょう補則ほそくにある。大日本帝国だいにっぽんていこく憲法けんぽうの改正かいせい手続てつづきにつき規定きていしたもの。

条文じょうぶん

1. 將來しょうらい此ノ憲けん󠄁法ほうノ條項じょうこうヲ改正かいせいスルノ必要ひつよう󠄁アルトキハ敕命ヲ以テ議案ぎあんヲ帝みかど󠄁國くに議會ぎかいノ議ぎニ付づけスヘシ
2. 此ノ場合ばあいニ於テ兩りょう議院ぎいんハ各かく〻其ノ總員そういん三さん分ふん󠄁ノ二に以上いじょう出席しゅっせきスルニ非ひサレハ議事ぎじヲ開ひらけクコトヲ得とくス出席しゅっせき議員ぎいん三さん分ふん󠄁ノ二に以上いじょうノ多數たすうヲ得えルニ非ひサレハ改正かいせいノ議決ぎけつヲ爲ためスコトヲ得とくス

現代げんだい風ふうの表記ひょうき

1. 将来しょうらいこの憲法けんぽうの条項じょうこうを改正かいせいする必要ひつようがあるときは、勅命ちょくめいにより、議案ぎあんを帝国ていこく議会ぎかいの決議けつぎに付ふさなければならない。
2. この場合ばあいにおいて、両りょう議院ぎいん（＝下院かいん議会ぎかい：衆議院しゅうぎいんと上院じょういん議会ぎかい：貴族きぞく院いん）は、各々おのおのその総員そういんの三さん分ぶんの二に以上いじょうが出席しゅっせきしなければ、議事ぎじを開ひらくことができない。出席しゅっせき議員ぎいんの三さん分ぶんの二に以上いじょうの多数たすうを得えられなければ、改正かいせいの議決ぎけつをすることができない。

制定せいてい主体しゅたいに関かんする議論ぎろん

日本国にっぽんこく憲法けんぽうの制定せいていは、大日本帝国だいにっぽんていこく憲法けんぽうを「改正かいせいする」形式けいしきで行おこなわれたため、この条文じょうぶんによって行おこなわれた。

詳細しょうさいは「日本国にっぽんこく憲法けんぽう#大日本帝国だいにっぽんていこく憲法けんぽうの改正かいせいの限界げんかい」および「八はち月がつ革命かくめい説せつ#大日本帝国だいにっぽんていこく憲法けんぽうの改正かいせいとしての日本国にっぽんこく憲法けんぽう」を参照さんしょう

日本国にっぽんこく憲法けんぽうは、上諭じょうゆで「朕ちんは、日本にっぽん國民こくみんの總意そういに基もとづいて、新日本建設しんにほんけんせつの礎いしずえが、定さだまるに至いたりつたことを、深ふかくよろこび、樞密すうみつ顧問こもんの諮詢しじゅん及および帝國ていこく憲法けんぽう第だい七なな十じゅう三さん條じょうによる帝國ていこく議會ぎかいの議決ぎけつを經へた帝國ていこく憲法けんぽうの改正かいせいを裁可さいかし、ここにこれを公布こうふせしめる」として欽定きんてい憲法けんぽうの体裁ていさいをとるのに対たいして、前文ぜんぶんでは「日本にっぽん國民こくみんは、…ここに主權しゅけんが國民こくみんに存そんすることを宣言せんげんし、この憲法けんぽうを確定かくていする」として民みん定てい憲法けんぽうの体裁ていさいをとる。ここに一見いっけん齟齬そごがあるため、憲法けんぽうの制定せいてい主体しゅたいに関かんして議論ぎろんがあった。

詳細しょうさいは「八はち月がつ革命かくめい説せつ#大日本帝国だいにっぽんていこく憲法けんぽうの改正かいせいと憲法けんぽう改正かいせい限界げんかい説せつ」および「憲法けんぽう改正かいせい論議ろんぎ#限界げんかい説せつ」を参照さんしょう

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