大森おおもり英えい櫻さくら

大森おおもり 英えい櫻さくら（おおもり ひでお、1919年ねん(大正たいしょう8年ねん) - 2005年ねん(平成へいせい17年ねん)）は、マクロビオティック指導しどう者しゃ。静岡しずおか県けん熱海あたみ市し生うまれ。普及ふきゅう団体だんたいである宇宙うちゅう法則ほうそく研究けんきゅう会かいの初代しょだい会長かいちょう。マクロビオティック創始そうし者しゃである桜沢さくらざわ如一の門下生もんかせいのひとり。桜沢さくらざわの指導しどう哲学てつがくである無双むそう原理げんりを発展はってんさせ、動物どうぶつ性せい食品しょくひんを一切いっさい摂取せっしゅしない完全かんぜん穀こく菜食さいしょくを実践じっせん・提唱ていしょうした。夫人ふじんはマクロビオティック料理りょうり研究けんきゅう家かの大だい森一もりいち慧とし。工学院大学こうがくいんだいがく建築けんちく科か卒業そつぎょう。本名ほんみょう、大森おおもり英雄ひでお。

概要がいよう

第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん後ご、病弱びょうじゃくな体からだで悩なやんでいた大森おおもり英えい桜さくらは桜沢さくらざわのマクロビオティックの著書ちょしょと出会であい、体質たいしつを改善かいぜんした。 日本にっぽんMI（日本にっぽんCI協会きょうかいの前身ぜんしん）で学まなんだ後のち、無双むそう原理げんりの正ただしさを自みずから調しらべるべく、多おおくの病人びょうにんと交流こうりゅうし自みずからも実践じっせんするなかで、桜沢さくらざわの考かんがえを修正しゅうせいし、小しょう魚さかなすら口くちにしない完全かんぜん穀こく菜食さいしょくが理想りそう的てきな食事しょくじ法ほうであるという考かんがえに至いたった。大森おおもりの完全かんぜん穀こく菜食さいしょくは桜沢さくらざわ自身じしんからは認みとめられたものの、日本にっぽんMI（日本にっぽんCI協会きょうかいの前身ぜんしん）幹部かんぶのほとんどは否定ひてい的てきであった。 晩年ばんねんは支持しじ者しゃらとともにマクロビオティックの普及ふきゅう団体だんたいである宇宙うちゅう法則ほうそく研究けんきゅう会かいを結成けっせいした。

姓名せいめい研究けんきゅうへの没頭ぼっとう

大森おおもりは姓名せいめいと性格せいかく・体質たいしつ・運命うんめいの関係かんけいにも着目ちゃくもくし、桜沢さくらざわが提唱ていしょうした無双むそう原理げんりと、人間にんげんの姓名せいめいとの関連かんれん性せいについても研究けんきゅうを重かさねた。きっかけは、1人ひとりの元もと警察官けいさつかんである。彼かれは、独自どくじに姓名せいめい学がくを研究けんきゅうしていた。姓名せいめいに現あらわれる画数かくすうで人ひとの性格せいかく・運命うんめいの吉凶きっきょうが分わかるという姓名せいめい学がくは、おおむね７，８割わりはあたるという統計とうけいデータを得えていたが、なぜ、そのような結果けっかになるのか理論りろん的てき根拠こんきょづけを得えられないでいた。そこで、彼かれは、桜沢さくらざわの弟子でしの1人ひとりとして当時とうじ、伊豆いず地方ちほうで有名ゆうめいになっていた大森おおもり英えい櫻さくらを訪おとずれたのである。

大森おおもり英えい櫻さくらの食しょく思想しそう

大森おおもり自身じしんは、食事しょくじの摂とり方かたに関かんしては著作ちょさくを残のこさないことを信念しんねんとしていたが、例外れいがい的てきに唯一ゆいいつの自伝じでん書しょである『人間にんげん大森おおもり英えい櫻さくら』がある。大森おおもりが食事しょくじに関かんする本ほんを残のこさないことを信条しんじょうとしていたのは、書籍しょせき化かされた情報じょうほうは、本ほんが出版しゅっぱんされた直近ちょっきんの時代じだいには有効ゆうこうであるが、時代じだいの変化へんかとともに通用つうようしなくなるからである。時代じだいの変化へんかで、もはや通用つうようしなくなった方法ほうほう論ろんであるにもかかわらず、著者ちょしゃの名前なまえの大おおきさのため、無む批判ひはんに受うけ入いれられてしまうということがある。桜沢さくらざわが唱となえた無双むそう原理げんりは、そもそも、世よの中なかの万物ばんぶつは刻々こくこくと移うつり変かわっていくことを定理ていりとしている。そうであれば、どんな時代じだいにも、誰だれにでも例外れいがいなく有効ゆうこうな食事しょくじ法ほうというのは存在そんざいしえない。大森おおもりは師しである桜沢さくらざわの書籍しょせきの情報じょうほうの一部いちぶのみを断片だんぺん的てきにとらえた食事しょくじで体調たいちょうを崩くずす人ひとが続出ぞくしゅつしていたことを間近まぢかで見聞けんぶんしたため、特定とくていの食材しょくざい（例たとえば玄米げんまいなど）を絶対ぜったい的てきなものとせず、状況じょうきょうに応おうじて食事しょくじを変かえることを是ぜとした。

大森おおもり自身じしんの著作ちょさくではないが、大森おおもりの講義こうぎを編集へんしゅう・書籍しょせき化かした『無双むそう原理げんり講義こうぎ録ろく』で、その主張しゅちょう・理念りねんを知しることができる。