マクロビオティック (macrobiotics) は、従来 じゅうらい の食 しょく 養 やしなえ に、桜沢 さくらざわ 如一 による陰陽 いんよう 論 ろん を交 まじ えた食事 しょくじ 法 ほう ないし思想 しそう である。長寿 ちょうじゅ 法 ほう を意味 いみ する[1] 。玄米 げんまい 、全粒粉 ぜんりゅうこ を主食 しゅしょく とし、主 おも に豆類 まめるい 、野菜 やさい 、海草類 かいそうるい 、塩 しお から組 く み立 た てられた食事 しょくじ である。身 み 土 ど 不二 ふじ 、陰陽 いんよう 調和 ちょうわ 、一物 いちもつ 全体 ぜんたい といった独自 どくじ の哲学 てつがく を持 も つ。運動 うんどう 創始 そうし 者 しゃ の桜沢 さくらざわ 如一は、石塚 いしづか 左 ひだり 玄 げん の玄米 げんまい を主食 しゅしょく とした食事 しょくじ 法 ほう のための食 しょく 養 やしなえ 会 かい に所属 しょぞく し会長 かいちょう も務 つと めた後 のち 、思想 しそう を発展 はってん させ、また民間 みんかん 運動 うんどう として世界 せかい に普及 ふきゅう させた。他 た の呼称 こしょう に玄米 げんまい 菜食 さいしょく 、穀物 こくもつ 菜食 さいしょく 、自然 しぜん 食 しょく 、食 しょく 養 やしなえ 、正 せい 食 しょく [注釈 ちゅうしゃく 1] 、マクロビ[注釈 ちゅうしゃく 2] 、マクロ 、マクロバイオティック がある。
マクロビオティックの運動 うんどう の始 はじ まりとしては、1928年 ねん に桜沢 さくらざわ 如一が行 おこな った講習 こうしゅう 会 かい であると桜沢 さくらざわ の夫人 ふじん が述 の べている[2] 。現在 げんざい ではさまざまな分派 ぶんぱ が存在 そんざい するが、桜沢 さくらざわ 如一に端 はし を発 はっ した食 しょく に関 かん する哲学 てつがく や独自 どくじ の宇宙 うちゅう 感 かん に関 かん してほぼ同 おな じ考 かんが えを保 たも っており、また各 かく 集団 しゅうだん も連携 れんけい している[2] 。2010年代 ねんだい には、マクロビオティックの健康 けんこう 効果 こうか の推定 すいてい と[3] [4] 、乳 にゅう がんや[5] 糖尿 とうにょう 病 びょう にて[6] 臨床 りんしょう 試験 しけん を実施 じっし した医学 いがく 論文 ろんぶん が出 だ されており、日本 にっぽん でも栄養 えいよう 学者 がくしゃ 等 とう を招 まね いたシンポジウムが開催 かいさい されている[7] [8] 。
マクロビオティックは、マクロ とビオティックの合成 ごうせい 語 ご である。語源 ごげん は古代 こだい ギリシャ語 ご 「マクロビオス」であり[9] 、「健康 けんこう による長寿 ちょうじゅ 」「偉大 いだい な生命 せいめい 」などといった意味 いみ である。18世紀 せいき にドイツのクリストフ・ヴィルヘルム・フーフェラント が長寿 ちょうじゅ 法 ほう という意味合 いみあ いで使 つか いはじめた[1] 。
マクロビオティックはフランス語 ふらんすご など、ラテン語 らてんご 系 けい の言語 げんご での発音 はつおん を日本語 にほんご 表記 ひょうき したものである。英語 えいご ではマクロバイオティクスに近 ちか い発音 はつおん である。
マクロビオティックを実践 じっせん している人 ひと のことを、マクロビアン、穀 こく 菜 さい 人 じん (こくさいじん)と呼 よ ぶこともある[注釈 ちゅうしゃく 3] 。
玄米 げんまい を主食 しゅしょく 、野菜 やさい や漬物 つけもの や乾物 かんぶつ などを副食 ふくしょく とすることを基本 きほん とし、独自 どくじ の陰陽 いんよう 論 ろん を元 もと に食材 しょくざい や調理 ちょうり 法 ほう のバランスを考 かんが える食事 しょくじ 法 ほう である。
おおむね以下 いか のような食事 しょくじ 法 ほう を共通 きょうつう の特徴 とくちょう とする[10] 。
玄米 げんまい
玄米 げんまい や雑穀 ざっこく 、全粒粉 ぜんりゅうこ の小麦 こむぎ 製品 せいひん などを主食 しゅしょく とする。
野菜 やさい 、穀物 こくもつ 、豆類 まめるい などの農産物 のうさんぶつ 、海草類 かいそうるい を食 た べる。有機 ゆうき 農産物 のうさんぶつ や自然 しぜん 農法 のうほう による食品 しょくひん が望 のぞ ましい。
なるべく近隣 きんりん の地域 ちいき で収穫 しゅうかく された、季 き 節 ぶし ごとの食 た べものを食 た べるのが望 のぞ ましい。
砂糖 さとう を使用 しよう しない。甘味 あまみ は米 べい 飴 あめ ・甘酒 あまざけ ・甜菜 てんさい 糖 とう ・メープルシロップ などで代用 だいよう する。
鰹節 かつおぶし や煮干 にぼし し など魚 さかな の出汁 だし 、うま味 み 調味 ちょうみ 料 りょう は使用 しよう しない。出汁 だし としては、主 おも に昆布 こぶ や椎茸 しいたけ を用 もち いる。
なるべく天然 てんねん 由来 ゆらい の食品 しょくひん 添加 てんか 物 ぶつ を用 もち いる。塩 しお はにがり を含 ふく んだ自然 しぜん 塩 しお を用 もち いる。
牛 うし 、馬 うま 、豚 ぶた 、鶏 にわとり などの肉 にく 類 るい や卵 たまご 、乳製品 にゅうせいひん は用 もち いない。ただし、卵 たまご は病気 びょうき 回復 かいふく に使用 しよう する場合 ばあい もある。
厳格 げんかく 性 せい を追求 ついきゅう しない場合 ばあい には、白身 しろみ の魚 さかな や、人 ひと の手 て で捕 と れる程度 ていど の小 しょう 魚 さかな は、少量 しょうりょう は食 た べてよいとする場合 ばあい もある。
皮 かわ や根 ね も捨 す てずに用 もち いて、一 ひと つの食品 しょくひん は丸 まる ごと摂取 せっしゅ することが望 のぞ ましい。
食品 しょくひん のアクも取 と り除 のぞ かない。
コーヒー は身体 しんたい を冷 ひ やすので避 さ ける。
「一物 いちもつ 全体 ぜんたい 」「身 み 土 ど 不二 ふじ 」「陰陽 いんよう 調和 ちょうわ 」の、三 さん 大 だい 理念 りねん を柱 はしら に持 も つ。
思想 しそう としての側面 そくめん [ 編集 へんしゅう ]
マクロビオティックは、むしろ思想 しそう に近 ちか いものであり、病状 びょうじょう などに即 そく して栄養 えいよう 学 がく 的 てき にメニューを調整 ちょうせい するといった食事 しょくじ 療法 りょうほう とは根本 こんぽん 的 てき に異 こと なり、生活 せいかつ そのものを改善 かいぜん するような平和 へいわ 運動 うんどう を伴 ともな った思想 しそう が根底 こんてい にあるとされる[11] [12] 。
さらに、陰陽 いんよう 思想 しそう を食 しょく のみならず、生活 せいかつ のあらゆる場面 ばめん で基礎 きそ とすべく、万物 ばんぶつ を陰 かげ と陽 ひ に分類 ぶんるい する無双 むそう 原理 げんり という哲学 てつがく を提唱 ていしょう した。そして、この独自 どくじ の哲学 てつがく を含 ふく む食生活 しょくせいかつ 運動 うんどう へと発展 はってん させた。
食 しょく 養 やしなえ 会 かい は、時代 じだい 背景 はいけい も反映 はんえい して「米 べい はウカノミタマ や天皇 てんのう 家 か の象徴 しょうちょう であり神聖 しんせい である」として食 しょく 養 やしなえ を奨励 しょうれい し、当時 とうじ の世論 せろん である国家 こっか 神道 しんとう や八紘 はっこう 一宇 いちう の世界 せかい 観 かん から平和 へいわ 的 てき な世界 せかい 統一 とういつ 観 かん を主張 しゅちょう していた。
宗教 しゅうきょう 学者 がくしゃ の島 しま 薗 その 進 すすむ はエコロジー運動 うんどう とよく似 に た考 かんが えや、宗教 しゅうきょう 的 てき な敬虔 けいけん さを含 ふく んだ日本 にっぽん 独自 どくじ の思想 しそう が20世紀 せいき 初頭 しょとう にも存在 そんざい していたという指摘 してき をしている[2] 。また島 しま 薗 その 進 すすむ は個々 ここ の現象 げんしょう への陰陽 いんよう の割 わ り当 あ ての方法 ほうほう が恣意 しい 的 てき であり、食物 しょくもつ の陰陽 いんよう 調和 ちょうわ や病気 びょうき に対 たい する対処 たいしょ の根拠 こんきょ について十分 じゅうぶん な根拠 こんきょ があるか疑問 ぎもん であると指摘 してき している[2] 。
石塚 いしづか 左 ひだり 玄 げん 。
思想 しそう 的 てき な基盤 きばん は、食 しょく 育 いく で著名 ちょめい な明治 めいじ 時代 じだい の薬剤 やくざい 監 かん であり医師 いし であった石塚 いしづか 左 ひだり 玄 げん の食物 しょくもつ に関 かん する陰陽 いんよう 論 ろん である[9] 。桜沢 さくらざわ は左 ひだり 玄 げん の結成 けっせい した食 しょく 養 やしなえ 会 かい で活躍 かつやく することを通 とお して食事 しょくじ 療法 りょうほう (食 しょく 養 よう )を学 まな び、独自 どくじ に研究 けんきゅう した[9] 。
左 ひだり 玄 げん の著書 ちょしょ に『化学 かがく 的 てき 食 しょく 養 やしなえ 長寿 ちょうじゅ 論 ろん 』があり「化学 かがく 的 てき 」と冠 かん しているが、左 ひだり 玄 げん は当時 とうじ の科学 かがく に敬意 けいい を持 も ち、当時 とうじ の栄養 えいよう 学 がく では重要 じゅうよう 視 し されなかった、栄養素 えいようそ のナトリウム とカリウム を陰陽 いんよう のバランスと見 み て重要 じゅうよう 視 し し、独自 どくじ の理論 りろん を提唱 ていしょう した[2] 。(中 ちゅう 医学 いがく ではないため、この分類 ぶんるい は中 ちゅう 医学 いがく の陰陽 いんよう 論 ろん に基 もと づく分類 ぶんるい とはかなり異 こと なる)。左 ひだり 玄 げん は「白 しろ い米 こめ は粕 かす である」として玄米 げんまい には栄養 えいよう が豊富 ほうふ に含 ふく まれていると主張 しゅちょう してきた[13] 。
左 ひだり 玄 げん の『化学 かがく 的 てき 食 しょく 養 やしなえ 長寿 ちょうじゅ 論 ろん 』の序 じょ には「食 しょく よく人 じん を養 やしな うも、またよく病 やまい を医 い す」とある[14] 。人間 にんげん の食物 しょくもつ は穀物 こくもつ が主体 しゅたい であり、草食 そうしょく や肉食 にくしょく にすぎることなく[14] 。ただし、禅宗 ぜんしゅう の僧侶 そうりょ 、欧米 おうべい のベジタリアンなど動物 どうぶつ 性 せい の食物 しょくもつ を食 た べなくても健康 けんこう 長寿 ちょうじゅ の楽 たの しみを得 え ることができる[13] 。身 み 土 ど 不二 ふじ として、その土地 とち にその季 き 節 ぶし にできるものを食 た べよ[14] 。明治 めいじ 時代 じだい の西洋 せいよう にかぶれたハイカラ教授 きょうじゅ は肉 にく 、バター、牛乳 ぎゅうにゅう 、卵 たまご だけが栄養 えいよう かのように言 い うが、ナトリウムが多 おお いのは動物 どうぶつ 性 せい 、カリウムが多 おお いのは植物 しょくぶつ 性 せい 、中間 ちゅうかん に玄米 げんまい があり調和 ちょうわ よく食 た べよ[14] 。一物 いちもつ 全体 ぜんたい 、生命 せいめい 体 たい は全体 ぜんたい において調和 ちょうわ しているのだから、全体 ぜんたい を食 た べよ[14] 。刺身 さしみ のような部分 ぶぶん 、皮 かわ をむくこと、白米 はくまい 、精白 せいはく 小麦粉 こむぎこ 、砂糖 さとう のように部分 ぶぶん で食 た べれば、多病 たびょう の千 せん 弱 じゃく な人間 にんげん となる[14] 。
マクロビオティックの運動 うんどう の始 はじ まりとしては、1928年 ねん に桜沢 さくらざわ 如一が行 おこな った講習 こうしゅう 会 かい であると、桜沢 さくらざわ の夫人 ふじん が述 の べている[2] 。如一は、1910年代 ねんだい には食 しょく 養 やしなえ 会 かい に入会 にゅうかい し、雑誌 ざっし 『食 しょく 養 やしなえ 雑誌 ざっし 』に投稿 とうこう をはじめ、1937年 ねん には食 しょく 養 やしなえ 会 かい の会長 かいちょう に就任 しゅうにん 、1939年 ねん 、同 どう 会 かい を脱退 だったい した。同 どう 時期 じき 1929年 ねん よりフランスのパリに渡 わた り、1931年 ねん には本 ほん を出版 しゅっぱん し、各種 かくしゅ の新聞 しんぶん や雑誌 ざっし で鍼灸 しんきゅう 、華道 かどう 、柔道 じゅうどう 、など東洋 とうよう について論 ろん じた。
1940年 ねん 9月 がつ 、無双 むそう 原理 げんり 講究 こうきゅう 所 しょ を滋賀 しが 県 けん 大津 おおつ 市 し に開設 かいせつ し、それは後 のち に日吉 ひよし にできたメゾン・イノグラムスとなる。メゾン・イノグラムスは、通称 つうしょう MIと略 りゃく され、意味 いみ は無知 むち 者 しゃ の家 いえ 、愚 おろ か者 もの の家 いえ といったところで、世界 せかい 政府 せいふ 運動 うんどう も行 おこな っていたため、世界 せかい 政府 せいふ の家 いえ とも呼 よ ばれたが、ここに門下生 もんかせい が集 つど い共 ども に生活 せいかつ した[17] 。『世界 せかい 政府 せいふ 』新聞 しんぶん や雑誌 ざっし の『コンパ』や『サーナ』を発行 はっこう し、女子 じょし はこれを売 う り歩 ある いた[17] 。後 のち にMIはCI協会 きょうかい となるが、これはセンター・イノグラムスであり、無 む 知者 ちしゃ の本部 ほんぶ といったところである[17] 。
当初 とうしょ 、桜沢 さくらざわ は左 ひだり 玄 げん の考 かんが え方 かた に従 したが い、鳥 とり ・魚 さかな ・卵 たまご を少 すこ しなら食 た べてもよいとしていたが、晩年 ばんねん にそれらも食 た べない菜食 さいしょく が正 ただ しいという見解 けんかい に到 いた っている[18] 。
現在 げんざい ではさまざまな分派 ぶんぱ が存在 そんざい するが、桜沢 さくらざわ 如一に端 はし を発 はっ した食 しょく に関 かん する哲学 てつがく や独自 どくじ の宇宙 うちゅう 感 かん に関 かん してほぼ同 おな じ考 かんが えを保 たも っており、また各 かく 集団 しゅうだん も連携 れんけい している[2] 。
初期 しょき の頃 ころ から、欧米 おうべい 風 ふう の動物 どうぶつ 性 せい 食物 しょくもつ の多 おお い食事 しょくじ とそれに起因 きいん すると考 かんが えられる疾病 しっぺい の多発 たはつ 、食肉 しょくにく を得 え るための多大 ただい なエネルギーの浪費 ろうひ や環境 かんきょう 汚染 おせん や飢餓 きが 問題 もんだい 、非 ひ 効率 こうりつ 的 てき な消費 しょうひ や病気 びょうき の増加 ぞうか による経済 けいざい 的 てき な損失 そんしつ が存在 そんざい すると批判 ひはん してきた。その後 ご の運動 うんどう の展開 てんかい としては、久 ひさし 司 つかさ 道夫 みちお 、菊池 きくち 富美雄 とみお (ポルトガル語 ご 版 ばん ) 、相原 あいはら ヘルマン らが主 おも に海外 かいがい で、松岡 まつおか 四郎 しろう 、大森 おおもり 英 えい 櫻 さくら 、岡田 おかだ 周三 しゅうぞう 、山口 やまぐち 卓三 たくぞう 、奥山 おくやま 治 おさむ らが主 おも に国内 こくない で広 ひろ めた。マクロビオティックは菜食 さいしょく 主義 しゅぎ の一種 いっしゅ と解 かい されることもある。
桜沢 さくらざわ は左 ひだり 玄 げん の陰陽 いんよう 論 ろん をヒントに、食品 しょくひん を「陰性 いんせい 」「中庸 ちゅうよう 」「陽性 ようせい 」に分類 ぶんるい することを追求 ついきゅう した。産地 さんち の寒暖 かんだん や形而上 けいじじょう の特徴 とくちょう から牛乳 ぎゅうにゅう ・ミカン類 るい ・トマト・ナス・ほうれん草 そう ・熱帯 ねったい 産 さん 果実 かじつ ・カリウムの多 おお いものなどを「陰性 いんせい 」とした。玄米 げんまい ・本 ほん 葛粉 くずこ (他 た のデンプンを混合 こんごう した物 もの は、「中庸 ちゅうよう 」ではない)は「中庸 ちゅうよう 」、塩 しお や味噌 みそ ・醤油 じょうゆ ・肉 にく などナトリウムの多 おお いものは「陽性 ようせい 」とした。桜沢 さくらざわ は当時 とうじ の科学 かがく にも結 むす び付 つ けたと主張 しゅちょう している[9] 。これは現在 げんざい の栄養 えいよう 学 がく 的 てき 、科学 かがく 的 てき な分類 ぶんるい とは異 こと なる。
また、桜沢 さくらざわ は、ルイ・ケルヴラン による生体 せいたい 内 ない で原子 げんし 転換 てんかん が起 お こるという生物 せいぶつ 学 がく 的 てき 元素 げんそ 転換 てんかん 説 せつ を支援 しえん し『生体 せいたい による原子 げんし 転換 てんかん 』や『自然 しぜん の中 なか の原子 げんし 転換 てんかん 』を日本 にっぽん とフランスで同時 どうじ に発売 はつばい した。久司 ひさし も、生体 せいたい 内 ない で日夜 にちや 元素 げんそ が別 べつ の元素 げんそ に変 か わる原子 げんし 転換 てんかん が行 おこ なわれていると主張 しゅちょう している[19] (ただし、このような現象 げんしょう は科学 かがく 的 てき には否定 ひてい されている)。
2007年 ねん の世界 せかい がん研究 けんきゅう 基金 ききん の報告 ほうこく では、以前 いぜん にマクロビオティックや菜食 さいしょく ががんの発症 はっしょう を少 すく なくさせるという報告 ほうこく もあるが、現時点 げんじてん では食事 しょくじ 法 ほう とがんのリスクの関係 かんけい には確 たし かな結論 けつろん を下 くだ すことはできないとしている[20] 。
2010年代 ねんだい には、栄養 えいよう 学 がく との接近 せっきん が見 み られている。東 ひがし アジア米 まい 機能 きのう 標準 ひょうじゅん 化 か 会議 かいぎ では、マクロビオティックの食事 しょくじ と健康 けんこう といった表題 ひょうだい で栄養 えいよう 摂取 せっしゅ 状 じょう 況 きょう の研究 けんきゅう 報告 ほうこく が行 おこな われている[21] [22] 。女子栄養大学 じょしえいようだいがく の副 ふく 学長 がくちょう である香川 かがわ 靖雄 やすお は、大学 だいがく の大学院生 だいがくいんせい がマクロビオティック実践 じっせん 者 しゃ を含 ふく めベジタリアンの研究 けんきゅう を行 おこな っていることを紹介 しょうかい して対談 たいだん し、700年 ねん から1911年 ねん までの僧侶 そうりょ 2294名 めい の平均 へいきん 寿命 じゅみょう のデータから、肉 にく を許容 きょよう している浄土真宗 じょうどしんしゅう の平均 へいきん 寿命 じゅみょう が低 ひく く、玄米 げんまい 食 しょく で菜食 さいしょく の禅宗 ぜんしゅう の平均 へいきん 寿命 じゅみょう が長 なが いなど言及 げんきゅう し、「マクロビオティックのような食事 しょくじ は非 ひ 科学 かがく 的 てき と思 おも われていたがそうではない」と述 の べている[7] 。(香川 かがわ 自身 じしん 、厳格 げんかく な菜食 さいしょく 者 しゃ を対象 たいしょう とした研究 けんきゅう を主導 しゅどう している[23] )
2015年 ねん には8回 かい 目 め の「マクロビオティック医学 いがく シンポジウム」が開催 かいさい され、香川 かがわ 靖雄 やすお や国立 こくりつ 健康 けんこう ・栄養 えいよう 研究所 けんきゅうじょ の元 もと 理事 りじ 長 ちょう である渡邊 わたなべ 昌 あきら の参加 さんか が見 み られる[8] 。
海外 かいがい での展開 てんかい と逆 ぎゃく 輸入 ゆにゅう [ 編集 へんしゅう ]
この
節 ふし の
出典 しゅってん は、
Wikipedia:信頼 しんらい できる情報 じょうほう 源 げん に合致 がっち していないおそれがあります。
そのガイドラインに合致 がっち しているか確認 かくにん し、必要 ひつよう であれば改善 かいぜん して下 くだ さい。(2012年 ねん 10月 がつ )
桜沢 さくらざわ 如一 はこれを広 ひろ めるべく1929年 ねん に渡 わたり 仏 ふつ [2] 、1960年代 ねんだい に渡米 とべい して、弟子 でし の久 ひさし 司 つかさ 道夫 みちお らとともに「禅 ぜん ・マクロビオティック」と唱 とな えて普及 ふきゅう した[24] 。アメリカの宗教 しゅうきょう 学者 がくしゃ によればニューエイジ 運動 うんどう の推進 すいしん 的 てき なものの一 ひと つに数 かぞ えられる[2] 。
1950年代 ねんだい 、久司 ひさし がアメリカでマクロビオティックを広 ひろ めようとした頃 ころ は、当時 とうじ の栄養 えいよう 学 がく と矛盾 むじゅん していることから大 おお きな反発 はんぱつ があったという[25] 。政府 せいふ によって禁止 きんし 措置 そち がとられたこともあったが、久司 ひさし が風土 ふうど を考慮 こうりょ し再 さい 構築 こうちく したマクロビオティックを広 ひろ めていったことで1970年代 ねんだい 以降 いこう に政府 せいふ や栄養 えいよう 学会 がっかい に受 う け入 い れられるようになったとされる[24] 。
当初 とうしょ アメリカでは、東洋 とうよう 思想 しそう への関心 かんしん から久司 ひさし らのもとに集 あつ まったヒッピー 達 いたる と共 とも に日本 にっぽん のマクロビオティックの食事 しょくじ を日本語 にほんご の呼 よ び名 な で広 ひろ めていった[24] 。
1977年 ねん には、従来 じゅうらい の欧米 おうべい 型 がた 食生活 しょくせいかつ が生活 せいかつ 習慣 しゅうかん 病 びょう の増加 ぞうか をもたらしているとの反省 はんせい から「アメリカの食事 しょくじ 目標 もくひょう (マクガバン・レポート )」(肉 にく や牛乳 ぎゅうにゅう の摂取 せっしゅ が癌 がん を促進 そくしん するとされる大 だい 規模 きぼ な疫学 えきがく 調査 ちょうさ 結果 けっか と実験 じっけん 結果 けっか )が打 う ち出 だ され、それを機 き に伝統 でんとう 的 てき な和食 わしょく への関心 かんしん が高 たか まり、同時 どうじ にマクロビオティックの考 かんが え方 かた も見直 みなお されるようになった[9] 。この食事 しょくじ 目標 もくひょう の作成 さくせい にあたって委員 いいん 会 かい のリーダであるジョージ・マクガヴァン や、原案 げんあん をまとめたハーバード大学 だいがく のヘグステッドも久司 ひさし らと話 はな し合 あ いを行 おこな ったとされる[24] [信頼 しんらい 性 せい 要 よう 検証 けんしょう ] 。
久司 ひさし は自著 じちょ にて、マクロビオティックが大 おお きく受 う け入 い れられた象徴 しょうちょう 的 てき なイベントとして、ハーバード大学 だいがく が主催 しゅさい しWHO(世界 せかい 保健 ほけん 機関 きかん )がバックアップした国際 こくさい 栄養 えいよう 学会 がっかい の晩餐 ばんさん に食事 しょくじ をつくることが要請 ようせい されたと記 しる している[24] [信頼 しんらい 性 せい 要 よう 検証 けんしょう ] 。こうした久 ひさし 司 つかさ 道夫 みちお を中心 ちゅうしん とする地道 じみち な活動 かつどう が徐々 じょじょ に広 ひろ がり、1999年 ねん には久 ひさし 司 つかさ 道夫 みちお が日本人 にっぽんじん として初 はじ めてアメリカ国立 こくりつ 歴史 れきし 博物館 はくぶつかん であるスミソニアン博物館 はくぶつかん に殿堂 でんどう 入 い りを果 は たす[26] [27] 。
アメリカではザ・リッツ・カールトン ホテルで採用 さいよう されたり、ベンジャミン・スポック や前 ぜん 副 ふく 大統領 だいとうりょう のアル・ゴア 、ハリウッド スターなど著名 ちょめい 人 じん にも実践 じっせん 者 しゃ がいると主張 しゅちょう される[24] 。国内 こくない では、近年 きんねん になって歌手 かしゅ のマドンナ や、トム・クルーズ らが愛好 あいこう 家 か として雑誌 ざっし 等 とう で紹介 しょうかい され、注目 ちゅうもく され始 はじ めた。そして、健康 けんこう 食 しょく ブームに伴 ともな って、カフェ ができたり、ムック などの各種 かくしゅ 出版 しゅっぱん 物 ぶつ が刊行 かんこう されたりするなど、注目 ちゅうもく が集 あつ まった。2005年 ねん には、日本経済新聞 にほんけいざいしんぶん で1947~1957年 ねん 生 う まれの女性 じょせい の1割 わり 以上 いじょう が実践 じっせん していると報道 ほうどう された[28] 。
イギリスにおいては、久司 ひさし から指導 しどう を受 う けたサイモン・ブラウンが、英国 えいこく マクロビオティック協会 きょうかい を設立 せつりつ 、会長 かいちょう を務 つと めた。マクロビオティックの他 ほか 、風水 ふうすい 、九星 きゅうせい 気 き 学 がく 、指圧 しあつ 、氣功 きこう 、漢方薬 かんぽうやく などの知識 ちしき もあるサイモンは、モダン・マクロビオティックを提唱 ていしょう している。
医学 いがく 的 てき 評価 ひょうか [ 編集 へんしゅう ]
2015年 ねん の調査 ちょうさ では、マクロビオティックの食事 しょくじ 法 ほう は、多 おお くの場合 ばあい 、ビタミンD 、ビタミンB12 、カルシウム の栄養素 えいようそ を除 のぞ いて推奨 すいしょう 栄養 えいよう 所要 しょよう 量 りょう (RDA)を満 み たし、国民 こくみん 健康 けんこう 栄養 えいよう 調査 ちょうさ のデータよりも抗 こう 炎症 えんしょう 性 せい があるとされている[3] 。一般 いっぱん 集団 しゅうだん に比較 ひかく して、血清 けっせい 脂質 ししつ や血圧 けつあつ が低 ひく いため心 こころ 血管 けっかん 疾患 しっかん の予防 よぼう に有益 ゆうえき であると考 かんが えられ、その食事 しょくじ 構成 こうせい は他 た の疫学 えきがく によるがんリスクとの関係 かんけい に照 て らして、がんの予防 よぼう に有益 ゆうえき だろうとされる[4] 。
2010年 ねん の報告 ほうこく では、既 すで にがんをわずらっている場合 ばあい には議論 ぎろん があり、注目 ちゅうもく される症例 しょうれい の報告 ほうこく はその治療 ちりょう 効果 こうか を裏付 うらづ けているが、有効 ゆうこう 性 せい を証明 しょうめい するには不十分 ふじゅうぶん であるとされている[4] 。イタリアの多 た 施設 しせつ のランダム化 か 比較 ひかく 試験 しけん の2012年 ねん の報告 ほうこく では、乳 にゅう がんの再発 さいはつ 率 りつ を低下 ていか させる可能 かのう 性 せい があることがわかった[5] 。2016年 ねん のイタリアの腫瘍 しゅよう 内科 ないか 学会 がっかい の見解 けんかい では、がんにおけるマクロビオティックや完全 かんぜん 菜食 さいしょく は栄養 えいよう 状態 じょうたい を悪化 あっか させる可能 かのう 性 せい があるため推奨 すいしょう できないとしている[29] 。
2019年 ねん のシステマティックレビュー で、6か月 げつ 以上 いじょう の糖尿 とうにょう 病 びょう 管理 かんり のランダム化 か 比較 ひかく 試験 しけん を探索 たんさく し、マクロビオティックでは血糖 けっとう 制御 せいぎょ を改善 かいぜん するという証拠 しょうこ があり、結論 けつろん としてよりよい血糖 けっとう 制御 せいぎょ のために完全 かんぜん 菜食 さいしょく 、菜食 さいしょく 、地中 ちちゅう 海食 かいしょく を導入 どうにゅう すべきという証拠 しょうこ が見 み つかり、調査 ちょうさ のためにより長期 ちょうき の試験 しけん が必要 ひつよう とされる[6] 。マクロビオティックの食事 しょくじ 法 ほう は食物 しょくもつ 繊維 せんい に富 と み、既存 きそん の研究 けんきゅう から健康 けんこう への効果 こうか が推測 すいそく できるため、Mario Pianesiが糖尿 とうにょう 病 びょう 向 む けにしたMa-Piマクロビオティックの研究 けんきゅう がある[30] 。2014年 ねん の2型 がた 糖尿 とうにょう 病 びょう 患者 かんじゃ に対 たい するランダム化 か 比較 ひかく 試験 しけん では、21日 にち 後 ご には推奨 すいしょう される標準 ひょうじゅん 食 しょく と比較 ひかく して、代謝 たいしゃ を大 おお きく改善 かいぜん する結果 けっか が得 え られた[30] 。その6か月 げつ 後 ご の追跡 ついせき 調査 ちょうさ では、変化 へんか は維持 いじ されHbA1cや体重 たいじゅう を減少 げんしょう させており血糖 けっとう 制御 せいぎょ を改善 かいぜん させていた[31] 。データは解析 かいせき され、標準 ひょうじゅん 食 しょく よりも優 すぐ れ、インスリン抵抗 ていこう 性 せい と炎症 えんしょう の指標 しひょう を低下 ていか させる安全 あんぜん な手法 しゅほう であった[32] 。食事 しょくじ 法 ほう が腸 ちょう 内 ない 細菌 さいきん 叢 くさむら を変化 へんか させるため、特 とく に急速 きゅうそく に血糖 けっとう 値 ち を改善 かいぜん する必要 ひつよう がある場合 ばあい などには、正当 せいとう な追加 ついか 治療 ちりょう であるとみなすことができる[33] 。腸 ちょう 内 ない 微生物 びせいぶつ の異常 いじょう を調節 ちょうせつ し多様 たよう 性 せい を高 たか め、特 とく に炎症 えんしょう 誘発 ゆうはつ 性 せい の細菌 さいきん の増加 ぞうか を抑止 よくし する[34] 。反応 はんのう 性 せい 低 てい 血糖 けっとう でも血糖 けっとう 制御 せいぎょ が容易 ようい となる[35] 。
1971年 ねん にはAMAの食品 しょくひん 栄養 えいよう 部会 ぶかい はマクロビオティック、特 とく に厳格 げんかく に守 まも っている人 ひと は「『非常 ひじょう に危険 きけん な』栄養失調 えいようしっちょう の危機 きき に立 た っていた」と記載 きさい している[36] 。しかし後 ご の1987年 ねん には、AMAはその「Family Medical Guide」において「全般 ぜんぱん としては、マクロビオティックは健康 けんこう 的 てき な食 しょく の方法 ほうほう である」ともしている[37] 。
マクロビオティックの手法 しゅほう 、主張 しゅちょう は個人 こじん や団体 だんたい によって異 こと なっているが、それらの中 なか には深刻 しんこく な合併症 がっぺいしょう を引 ひ き起 お こす可能 かのう 性 せい がある主張 しゅちょう が含 ふく まれているケースがあるとされる。アメリカがん協会 きょうかい は2008年 ねん に「玄米 げんまい と水 みず のみを摂取 せっしゅ するというような古典 こてん 的 てき なタイプのマクロビオティックは深刻 しんこく な栄養失調 えいようしっちょう と死 し に直結 ちょっけつ する。また、動物 どうぶつ 性 せい 食品 しょくひん を一切 いっさい 取 と らないという厳格 げんかく なマクロビオティックは、それがよほど慎重 しんちょう に計画 けいかく されたものでない限 かぎ り、栄養失調 えいようしっちょう を引 ひ き起 お こす可能 かのう 性 せい がある。癌 がん 患者 かんじゃ においては、不 ふ 必要 ひつよう な体重 たいじゅう 減少 げんしょう に対 たい して栄養素 えいようそ や必要 ひつよう カロリーの摂取 せっしゅ を増 ふ やすと言 い う形 かたち で対抗 たいこう しなければならないケースがあり、その場合 ばあい 悪影響 あくえいきょう が出 で る可能 かのう 性 せい があり危険 きけん である」と弊害 へいがい が起 お こる可能 かのう 性 せい を記載 きさい している。さらに「この手 て の方法 ほうほう を単独 たんどく で当 あ てにしたり、一般 いっぱん に行 おこな われる治療 ちりょう を避 さ けたり行 おこな うのを遅 おく らせたりすることにより健康 けんこう に深刻 しんこく な結果 けっか をもたらす恐 おそ れがある。」とも記載 きさい している。[38] これはマクロビオティックにおける七 なな 号 ごう 食 しょく と呼 よ ばれ10日間 にちかん 行 おこな うものであり[39] 、長期 ちょうき に継続 けいぞく するものではない。
また、アメリカがん協会 きょうかい は「子供 こども はマクロビオティックによる栄養失調 えいようしっちょう に特 とく になりやすい可能 かのう 性 せい がある」としている。また妊 にん 婦 ふ や授乳 じゅにゅう についても「マクロビオティックは妊娠 にんしん や授乳期 じゅにゅうき 間 あいだ 中 ちゅう の女性 じょせい についてテストを行 おこな っていない。またいくつかの方法 ほうほう について、胎児 たいじ の健全 けんぜん な発育 はついく に必要 ひつよう な栄養素 えいようそ を含 ふく んでいない可能 かのう 性 せい がある」ともしている。[38]
2000年 ねん 前後 ぜんこう に、懐疑 かいぎ 論 ろん の哲学 てつがく 者 しゃ ロバート・キャロル は、自身 じしん の一般 いっぱん 書 しょ において1993年 ねん の出典 しゅってん を根拠 こんきょ に「マクロビオティックス食事 しょくじ 法 ほう が健康 けんこう に役立 やくだ つとしても、それは偶然 ぐうぜん である。なぜなら、マクロビオティックスは食物 しょくもつ を物理 ぶつり 的 てき 品質 ひんしつ や栄養 えいよう 学 がく 的 てき 品質 ひんしつ にもとづいて選 えら んでいるのではなく、形而上学 けいじじょうがく 的 てき 特性 とくせい で選 えら んでいるのにすぎないからである。マクロビオティックスの食事 しょくじ 法 ほう は、主 おも に全 ぜん 粒 つぶ の穀物 こくもつ (whole grains、玄米 げんまい など)や野菜 やさい 、マメ類 るい からなる」とだけ述 の べており、栄養 えいよう 学 がく 的 てき 品質 ひんしつ にどのように基 もと づいていないのかといった具体 ぐたい 的 てき な説明 せつめい は欠 か いている[40] 。しかし2010年 ねん の臨床 りんしょう 栄養 えいよう 学 がく の論文 ろんぶん では、複 ふく 合 あい 炭水化物 たんすいかぶつ を選 えら び、低 てい 脂肪 しぼう で繊維 せんい に富 と む菜食 さいしょく であるマクロビオティックの食事 しょくじ では、心 こころ 血管 けっかん 疾患 しっかん の有効 ゆうこう な予防 よぼう 戦略 せんりゃく であり、証拠 しょうこ はまだ十分 じゅうぶん でないもののがん予防 よぼう に有益 ゆうえき な食事 しょくじ 構成 こうせい でもあるとされている[4] 。
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