大藪おおやぶ龍介りゅうすけ

大藪おおやぶ 龍介りゅうすけ（おおやぶ りゅうすけ、1938年ねん11月 - ）は、日本にっぽんの政治せいじ学がく者もの、運動うんどう家か。元もと福岡教育大学ふくおかきょういくだいがく教授きょうじゅ。

経歴けいれき

1938年ねん（昭和しょうわ13年ねん）11月23日にち、福岡ふくおか県けん三潴みずま郡ぐん大木おおき町まち生うまれ。1954年ねん、福岡ふくおか県立けんりつ伝習でんしゅう館かん高校こうこう入学にゅうがく、翌年よくねん久留米大学くるめだいがく附設ふせつ高校こうこうに転校てんこうし、1957年ねん同校どうこう卒業そつぎょう。

1957年ねん4月がつ九州大学きゅうしゅうだいがく法学部ほうがくぶ入学にゅうがく、教養きょうよう部ぶ学生がくせい自治じち会かいを通つうじてマルクス主義まるくすしゅぎに接せっする。同年どうねん12月がつ〜1958年ねん5月がつまで教養きょうよう部ぶ自治じち会かい委員いいん長ちょうを務つとめ、1958年ねん9月がつ〜1959年ねん3月がつまで九州大学きゅうしゅうだいがく学友がくゆう会かい委員いいん長ちょうを務つとめた。1959年ねん6月がつ〜1960年ねん9月がつ、九きゅう学がく連れん（九州きゅうしゅう地方ちほう学生がくせい自治じち会かい連合れんごう）委員いいん長ちょうとして、安保あんぽ改定かいてい反対はんたい闘争とうそうを闘たたかい、三池みいけ闘争とうそう、福ぶく教祖きょうそ勤評きんぴょう反対はんたい闘争とうそう支援しえんに取とり組くむ。1961年ねん3月がつ、九州大学きゅうしゅうだいがく卒業そつぎょう。卒業そつぎょう後ごは「職業しょくぎょう革命かくめい家か」を名乗なのり、革命かくめい活動かつどうを行おこなう。生活せいかつは県庁けんちょう職員しょくいんの妻つまが支ささえた。

1961年ねん4月がつ、九州大学きゅうしゅうだいがく大学院だいがくいんに入学にゅうがく。1970年ねん、同どう大学院だいがくいん単位たんい取得しゅとく退学たいがく、九州大学きゅうしゅうだいがく法学部ほうがくぶ助手じょしゅ。翌年よくねん助手じょしゅを退職たいしょくし、定職ていしょくなしで浪人ろうにん生活せいかつを続つづけ、永年えいねんの定説ていせつとされてきたエンゲルス国家こっか論ろんを乗のり越こえる国家こっか論ろんの創造そうぞうを課題かだいとして本格ほんかく的てきな理論りろん研究けんきゅうに取とり組くみ始はじめる。1968年ねん頃ごろにはすでに党派とうは組織そしきから離はなれていたが、内うちゲバの標的ひょうてきとなったこともあるという。

1984年ねん4月がつ、富山大学とやまだいがく教養きょうよう部ぶ助教授じょきょうじゅ、翌年よくねん10月がつ教授きょうじゅ。1993年ねん4月がつ、富山大学とやまだいがく経済学部けいざいがくぶ教授きょうじゅ。1995年ねん10月がつ福岡教育大学ふくおかきょういくだいがく教授きょうじゅ。2002年ねん3月がつ退職たいしょく。政治せいじ学がく関係かんけいの大学だいがくアカデミズム学会がっかいには所属しょぞくせず、フォーラム90'Sや社会しゃかい主義しゅぎ理論りろん学会がっかいに参加さんかする。

1990年代ねんだいに入はいって、マルクス主義まるくすしゅぎ理論りろんのパラダイム転換てんかんを掲かかげ、国家こっか論ろん・革命かくめい論ろん・社会しゃかい主義しゅぎ論ろんの定説ていせつ批判ひはん・新しん編成へんせいに傾注けいちゅうする一方いっぽう、新あらたなマルクス主義まるくすしゅぎ理論りろん研究けんきゅうへ、党派とうはや学派がくはを超こえた全国ぜんこく的てきな交流こうりゅうと協同きょうどうによる論集ろんしゅうの刊行かんこうに努つとめる。　

2017年ねん9月がつ～18年ねん2月がつ、ラオスのカムアン県けんヒンブン郡ぐんノングスエ村むらの中学校ちゅうがっこう教室きょうしつ、およびカンボジアのスベイリエン県けんのフン・セン・カンポン・ロウ高校こうこうの女子じょし寮りょうを、ＮＧＯ民みん際さいセンターの世話せわで、寄贈きぞう金きんにより建設けんせつする。

2019年ねん～2020年ねん、カンボジアのカンポン・ロウ高校こうこう女子じょし寮りょう（入寮にゅうりょう者しゃ20人にん）にベッド、机つくえと椅子いす、扇風機せんぷうきを、ラオスのノングスエ中学校ちゅうがっこう（生徒せいと数すう75人にん）に学校がっこう教材きょうざい、図書としょセット、スポーツセットを寄贈きぞうする。

人物じんぶつ

ニューレフトとして国家こっか論ろん・革命かくめい論ろん・社会しゃかい主義しゅぎ論ろんを軸じくにマルクス主義まるくすしゅぎ理論りろんのパラダイム転換てんかんに取とり組くんでいる。

著書ちょしょ

• 『マルクス、エンゲルスの国家こっか論ろん』現代げんだい思潮しちょう社しゃ 1978
• 『近代きんだい国家こっかの起源きげんと構造こうぞう』論ろん創そう社しゃ 1983
• 『現代げんだいの国家こっか論ろん レーニン,パシュカーニス,グラムシ,そして"国家こっか論ろんルネサンス"』世界せかい書院しょいん 社会しゃかい科学かがく選書せんしょ 1989
• 『国家こっかと民主みんしゅ主義しゅぎ ポスト・マルクスの政治せいじ理論りろん』社会しゃかい評論ひょうろん社しゃ 1992
• 『マルクス社会しゃかい主義しゅぎ像ぞうの転換てんかん』御茶おちゃの水みず書房しょぼう 1996
• 『マルクス派はの革命かくめい論ろん・再読さいどく』社会しゃかい評論ひょうろん社しゃ 2002
• 『明治維新めいじいしんの新しん考察こうさつ 上じょうからのブルジョア革命かくめいをめぐって』社会しゃかい評論ひょうろん社しゃ 2006
• 『明治めいじ国家こっか論ろん 近代きんだい日本にっぽん政治せいじ体制たいせいの原げん構造こうぞう』社会しゃかい評論ひょうろん社しゃ 2010
• 『国家こっかとは何なにか 議会ぎかい制せい民主みんしゅ主義しゅぎ国家こっか本質ほんしつ論ろん綱要こうよう』御茶おちゃの水みず書房しょぼう 2013 ISBN 978-4-275-01053-7
• 『日本にっぽんのファシズム　昭和しょうわ戦争せんそう期きの国家こっか体制たいせいをめぐって』社会しゃかい評論ひょうろん社しゃ 2020
• 『マルクス主義まるくすしゅぎ理論りろんのパラダイム転換てんかんへ　マルクス・エンゲルス・レーニン国家こっか論ろんの超克ちょうこく 』明石書店あかししょてん 2020

共編きょうへん

• 『社会しゃかい主義しゅぎ像ぞうの展てん相しょう』加藤かとう哲郎てつろう、松富まつとみ弘志ひろし、村岡むらおか到いた共編きょうへん 世界せかい書院しょいん 1993
• 『エンゲルスと現代げんだい』杉原すぎはら四郎しろう、降旗ふるはた節雄せつお共編きょうへん 御茶おちゃの水みず書房しょぼう、1995
• 『マルクス・カテゴリー事典じてん』石井いしい伸男のぶお、伊藤いとう誠まこと、田畑たばた稔みのる、正木まさき八郎はちろう、渡辺わたなべ憲正のりまさ共編きょうへん 青木あおき書店しょてん、1998
• 『20世紀せいき社会しゃかい主義しゅぎの意味いみを問とう』社会しゃかい主義しゅぎ理論りろん学会がっかい編へん 御茶おちゃの水みず書房しょぼう、1998
• 『新しん左翼さよく運動うんどう40年ねんの光ひかりと影かげ』渡辺わたなべ一衛かずえ、塩川しおかわ喜信よしのぶ共編きょうへん 新泉しんいずみ社しゃ 1999
• 『アソシエーション革命かくめいへ』田畑たばた稔みのる、白川しらかわ真澄ますみ、松田まつだ博ひろし共編きょうへん 社会しゃかい評論ひょうろん社しゃ、2003
• 『21世紀せいきのマルクス』伊藤いとう誠まこと、田畑たばた稔みのる共編きょうへん 新泉しんいずみ社しゃ、2019

分担ぶんたん執筆しっぴつ

• 「マルクスの政治せいじ理論りろん」　『概説がいせつ西洋せいよう政治せいじ史し』　中谷なかたに猛たけし、足立あだち幸男ゆきお編へん　ミネルみねるヴァ書房ぁしょぼう　1994
• 「マルクスは革命かくめい後ごの社会しゃかいをどう組織そしきしようと考かんがえていたか」　『AERA Mook マルクスがわかる』　朝日新聞社あさひしんぶんしゃ　1999
• 「共和きょうわ主義しゅぎ」「公民こうみん」「国家こっか」「政体せいたい」　『新しんマルクス学まなぶ事典じてん』　的場まとば昭弘あきひろ、石塚いしづか正英まさひで、内田うちだ弘ひろし、柴田しばた隆行たかゆき編へん　弘文こうぶん堂どう　2000
• 「ボリシェヴィズム」　『政治せいじ学がく事典じてん』　猪口いのぐち孝たかし、岡沢おかざわ憲けん芙、山本やまもと吉よし宣せん、大澤おおさわ真幸まさき、スティーヴン・リード編へん　弘文こうぶん堂どう　2000

参考さんこう

• ホームページ・略歴りゃくれき

外部がいぶリンク

• マルクス主義まるくすしゅぎ理論りろんのパラダイム転換てんかんを目指めざして