子宮 しきゅう 頸癌 (しきゅうけいがん、英 えい : cervical cancer )は、子宮 しきゅう 頸部 と呼 よ ばれる子宮 しきゅう の出口 でぐち より発生 はっせい する癌 がん 。そこに生 しょう じる悪性 あくせい の上皮 じょうひ 性 せい 病変 びょうへん (癌 がん )のこと[1] 。
発生 はっせい 頻度 ひんど は発展 はってん 途上 とじょう 国 こく ほど高 たか い。発症 はっしょう は20代 だい から40代 だい で高 たか い。主 おも な原因 げんいん に、性交 せいこう によって感染 かんせん するヒトパピローマウイルス (HPV)の感染 かんせん がある。持続 じぞく 感染 かんせん が起 お こる場合 ばあい があり、子宮 しきゅう 頸癌のリスクを上昇 じょうしょう させる。子宮 しきゅう 頸癌の人々 ひとびと の87.4%に、HPVの感染 かんせん が確認 かくにん されている。そのため、海外 かいがい ではHPVワクチン が接種 せっしゅ されている[2] 。HPVが感染 かんせん していても除染 じょせん をせずに、性交 せいこう を続 つづ けてゆくと、相手 あいて にも感染 かんせん させて仕舞 しま い、パートナーの陰茎 いんけい 癌 がん の原因 げんいん にも成 な り得 え る。
5年 ねん 生存 せいぞん 率 りつ は、日本 にっぽん 産科 さんか 婦人 ふじん 科 か 学会 がっかい 婦人 ふじん 科 か 腫瘍 しゅよう 委員 いいん 会 かい の統計 とうけい で、ステージI期 き で92.1%、Ⅱ期 き で74.2%、Ⅲ期 き で52.0%、Ⅳ期 き で29.8%となっている [3] 。
妊娠 にんしん 適齢 てきれい 期 き に子宮 しきゅう を取 と り除 のぞ く手術 しゅじゅつ もあることや若 わか い母親 ははおや 世代 せだい の死因 しいん となるため、HPVは『マザーキラー(Mother killer )』とも呼 よ ばれている。2021年 ねん 時点 じてん でHPVワクチン接種 せっしゅ 率 りつ の低 ひく い日本 にっぽん では毎年 まいとし 約 やく 3000人 にん が子宮 しきゅう 頸癌で死亡 しぼう している(2018年 ねん 診断 しんだん 数 すう 10,978例 れい 、2019年 ねん 死亡 しぼう 数 すう 2,921人 にん )[4] [5] [6] [7] [8] 。
2004年 ねん における10万 まん 人 にん 毎 ごと の子宮 しきゅう 頸癌による死亡 しぼう 者 しゃ 数 すう (年齢 ねんれい 標準 ひょうじゅん 化 か 済 ず み)[9] データなし
2.4人 にん 以下 いか
2.4人 にん から4.8人 にん
4.8人 にん から7.2人 ふたり
7.2人 ふたり から9.6人 にん
9.6人 にん から12人 にん
12人 にん から14.4人 にん
14.4人 にん から16.8人 にん
16.8人 にん から19.2人 ふたり
19.2人 ふたり から21.6人 にん
21.6人 にん から24人 にん
24人 にん から26.4人 にん
26.4人 にん 以上 いじょう
2007年 ねん の世界 せかい 保健 ほけん 機関 きかん (WHO) の報告 ほうこく では、全 ぜん 世界 せかい で年間 ねんかん 約 やく 50万 まん 人 にん に子宮 しきゅう 頸癌が発生 はっせい し、約 やく 27万 まん 人 にん が死亡 しぼう していると推定 すいてい されている。子宮 しきゅう 頸癌の発生 はっせい 頻度 ひんど は、アフリカ、南 みなみ アジア、東南 とうなん アジア、中南米 ちゅうなんべい 、カリブ海 かりぶかい 沿岸 えんがん 地域 ちいき で高 たか い[2] 。
2018年 ねん に日本 にっぽん 産科 さんか 婦人 ふじん 科 か 学会 がっかい が発表 はっぴょう した資料 しりょう によれば、日本 にっぽん の1年間 ねんかん の子宮 しきゅう 頸癌の罹患 りかん 者 しゃ 数 すう は約 やく 1万 まん 人 にん で、死亡 しぼう 者 しゃ 数 すう は約 やく 2,800人 にん である[10] 。
年齢 ねんれい 別 べつ 罹患 りかん 率 りつ
年齢 ねんれい 別 べつ にみた子宮 しきゅう 頸癌罹患 りかん 率 りつ は、20歳 さい 代 だい 後半 こうはん から40歳 さい 前後 ぜんこう まで増加 ぞうか した後 のち 、横 よこ ばいになる[11] 。近年 きんねん の日本 にっぽん の子宮 しきゅう 癌 がん 全体 ぜんたい の罹患 りかん 者 しゃ 数 すう の推移 すいい では、39歳 さい 以下 いか で罹患 りかん 者 しゃ 数 すう の増加 ぞうか が認 みと められる(39歳 さい 以下 いか の子宮 しきゅう 癌 がん のほとんどは子宮 しきゅう 頸癌で、子宮 しきゅう 体 たい 癌 がん の大 だい 部分 ぶぶん は40歳 さい 以降 いこう に発生 はっせい する)。 また39歳 さい 以下 いか では、子宮 しきゅう 頸癌は乳癌 にゅうがん の次 つぎ に罹患 りかん 率 りつ が高 たか い。
主 おも な死亡 しぼう 層 そう は高齢 こうれい 者 しゃ となる。イギリスの2010-2012年 ねん の死亡 しぼう データからは、25歳 さい 未満 みまん の子宮 しきゅう 頸癌による死亡 しぼう は年 とし 7人 にん であるが、65歳 さい 以上 いじょう では同 どう 449人 にん となり、この層 そう が全 ぜん 年齢 ねんれい 層 そう の半分 はんぶん 以上 いじょう を占 し める[12] 。日本 にっぽん のデータでは特 とく に80歳 さい 前後 ぜんこう でピークの死亡 しぼう 者 しゃ 数 すう となる[2] 。
治療 ちりょう
ほかの部位 ぶい の癌 がん よりは早期 そうき 発見 はっけん で医療 いりょう 措置 そち を受 う ければ生存 せいぞん 率 りつ が高 たか い[13] 。進行 しんこう は他 た の癌 がん より遅 おそ く、早期 そうき で子宮 しきゅう 頸癌を治療 ちりょう すれば95%の生存 せいぞん 率 りつ 、それ以前 いぜん の状態 じょうたい では生存 せいぞん 率 りつ は100%に近 ちか いとされる[14] 。
転移 てんい
2021年 ねん 1月 がつ 、国立 こくりつ 研究 けんきゅう 開発 かいはつ 法人 ほうじん 国立 こくりつ がん研究 けんきゅう センターは、出産 しゅっさん 直後 ちょくご の乳児 にゅうじ が母親 ははおや の子宮 しきゅう 頸癌の癌 がん 細胞 さいぼう が混 ま じった羊水 ようすい を肺 はい に吸 す い込 こ むことによって、母親 ははおや の子宮 しきゅう 頸癌の癌 がん 細胞 さいぼう が子 こ どもの肺 はい に移行 いこう して小児 しょうに での肺癌 はいがん を発症 はっしょう した2事例 じれい を発表 はっぴょう した[15] 。1組 くみ 目 め の男児 だんじ は免疫 めんえき 療法 りょうほう 薬 やく で治療 ちりょう できたが、2組 くみ 目 め の男児 だんじ は手術 しゅじゅつ で肺癌 はいがん を切除 せつじょ した。母親 ははおや 2人 にん は出産 しゅっさん 後 ご や出産 しゅっさん 時 じ に癌 がん と診断 しんだん され、その後 ご 死亡 しぼう したと報道 ほうどう されている[16] 。
最大 さいだい の危険 きけん 因子 いんし は一部 いちぶ の型 かた のヒトパピローマウイルス (HPV) の感染 かんせん である。続 つづ いて喫煙 きつえん であり[17] 、他 ほか にも様々 さまざま な原因 げんいん が関与 かんよ する[18] 。
ヒトパピローマウイルスの16型 がた と18型 がた が、世界 せかい の子宮 しきゅう 頸癌の原因 げんいん の75%を占 し め、31型 がた と45型 がた では10%を占 し める[19] 。
日本 にっぽん では子宮 しきゅう 頸癌の人々 ひとびと の87.4%に、あらゆる型 かた のHPVの感染 かんせん が確認 かくにん されている[2] 。信頼 しんらい 性 せい の高 たか いPCR/シークエンス法 ほう による調査 ちょうさ では、16型 がた 18型 がた は子宮 しきゅう 頸癌のほぼ50%から検出 けんしゅつ されている[2] 。好 こう 発 はつ 部位 ぶい は扁平 へんぺい 上皮 じょうひ 化 か 発生 はっせい 領域 りょういき であり扁平 へんぺい 上皮 じょうひ 化 か 癌 がん が約 やく 90%である[1] 。子宮 しきゅう 頸部扁平 へんぺい 上皮 じょうひ 癌 がん はヒトパピローマウイルスという腫瘍 しゅよう ウイルス の感染 かんせん が原因 げんいん で引 ひ き起 お こされる。
HPVには100以上 いじょう もの種類 しゅるい があり、皮膚 ひふ 感染 かんせん 型 がた と粘膜 ねんまく 感染 かんせん 型 がた の2種類 しゅるい に大別 たいべつ される。子宮 しきゅう 頸癌は、粘膜 ねんまく 感染 かんせん 型 がた HPVの中 なか でも高 こう リスク型 がた HPVと呼 よ ばれている性 せい 交渉 こうしょう によって感染 かんせん する一部 いちぶ のHPVが長期間 ちょうきかん 感染 かんせん することによって引 ひ き起 お こされる。が、性交 せいこう 経験 けいけん がなくても発症 はっしょう はある。
高 こう リスク型 がた に分類 ぶんるい されるHPVの型 かた は16, 18, 31, 33, 35, 39, 45, 51, 52, 56, 58, 59, 68, 73, 82である[20] 。
HPVに感染 かんせん しても多 おお くの場合 ばあい は、免疫 めんえき によってHPVが体内 たいない から排除 はいじょ される。HPV感染 かんせん の大半 たいはん は2年 ねん 以内 いない に自然 しぜん 消失 しょうしつ するが、免疫 めんえき が誘導 ゆうどう されにくいため、何 なん 度 ど でも感染 かんせん する。約 やく 10%の人 ひと では感染 かんせん が長期 ちょうき 化 か (持続 じぞく 感染 かんせん 化 か )する。HPVが持続 じぞく 感染 かんせん 化 か するとその一部 いちぶ で子宮 しきゅう 頸部の細胞 さいぼう に異常 いじょう (異 い 形成 けいせい )を生 しょう じ、さらに平均 へいきん で10年 ねん 以上 いじょう の歳月 さいげつ の後 のち 、ごく一部 いちぶ (感染 かんせん 者 しゃ の1%以下 いか )が異 い 形成 けいせい から子宮 しきゅう 頸癌に進行 しんこう する。
HPVによって引 ひ き起 お こされる他 ほか の疾患 しっかん としては、尖 とんが 圭 けい コンジローマ 、疣 いぼ 贅 ぜい がある。このほかHPV感染 かんせん 者 しゃ とのオーラルセックスなどに起因 きいん して口腔 こうくう 癌 がん のリスクを高 たか めるとの報告 ほうこく がある。
現行 げんこう あるいは過去 かこ の喫煙 きつえん 者 しゃ では、浸潤 しんじゅん 性 せい の子宮 しきゅう 頸癌のリスクが2倍 ばい から3倍 ばい であり、受動 じゅどう 喫煙 きつえん ではリスクの増加 ぞうか に関連 かんれん するがその度合 どあ いは低 ひく い[21] 。
経口 けいこう 避妊 ひにん 薬 やく を5年 ねん から9年間 ねんかん 使用 しよう していた場合 ばあい に、リスクの約 やく 3倍 ばい と関連 かんれん し、10年 ねん 以上 いじょう では約 やく 4倍 ばい である[21] 。
既 すで にHPVに感染 かんせん している場合 ばあい に、妊娠 にんしん したことのない女性 じょせい に比較 ひかく して、1回 かい から2回 かい の満期 まんき 妊娠 にんしん を経験 けいけん している場合 ばあい に2倍 ばい から3倍 ばい である[21] 。
ほとんどが子宮 しきゅう 頸部 に生 しょう ずる扁平 へんぺい 上皮 じょうひ 癌 がん である。粘液 ねんえき 腺 せん 癌 がん (頸管円柱 えんちゅう 上皮 じょうひ 由来 ゆらい )扁平 へんぺい 上皮 じょうひ 癌 がん 以外 いがい で比較的 ひかくてき 多 おお い。類 るい 内 ない 膜 まく 腺 せん 癌 がん 、漿液 しょうえき 性腺 せいせん 癌 がん 、腺 せん 扁平 へんぺい 上皮 じょうひ 癌 がん 、粘 ねば 表皮 ひょうひ 癌 がん 、すりガラス様 さま 細胞 さいぼう 癌 がん 、腺 せん 様 さま 嚢胞 のうほう 癌 がん などがある。
子宮 しきゅう 頸がんの臨床 りんしょう 進行 しんこう 期 き 分類 ぶんるい (日産 にっさん 婦 ふ 2011、FIGO 2008)
進行 しんこう 期 き (ステージ)
内容 ないよう
I
癌 がん が子宮 しきゅう 頸部に限局 げんきょく するもの(体 からだ 部 ぶ 浸潤 しんじゅん の有無 うむ は考慮 こうりょ しない)
IA
組織 そしき 学 がく 的 てき にのみ診断 しんだん できる浸潤 しんじゅん 癌 がん 肉眼 にくがん 的 てき に明 あき らかな病巣 びょうそう は,たとえ表層 ひょうそう 浸潤 しんじゅん であってもIB 期 き とする。浸潤 しんじゅん は、計測 けいそく による間 あいだ 質 しつ 浸潤 しんじゅん の深 ふか さが 5mm 以内 いない で、縦 たて 軸 じく 方向 ほうこう の広 ひろ がりが 7mm をこえないものとする。浸潤 しんじゅん の深 ふか さは、浸潤 しんじゅん がみられる表層 ひょうそう 上皮 じょうひ の基底 きてい 膜 まく より計測 けいそく して 5mm をこえないものとする。脈 みゃく 管 かん (静脈 じょうみゃく またはリンパ管 りんぱかん )侵 おかせ 襲 かさね があっても進行 しんこう 期 き は変更 へんこう しない。
IA1
間 あいだ 質 しつ 浸潤 しんじゅん の深 ふか さが 3mm 以内 いない で、広 ひろ がりが 7mm をこえないもの
IA2
間 あいだ 質 しつ 浸潤 しんじゅん の深 ふか さが 3mm をこえるが 5mm 以内 いない で、広 ひろ がりが 7mm をこえないもの
IB
臨床 りんしょう 的 てき に明 あき らかな病変 びょうへん が子宮 しきゅう 頸部に限局 げんきょく するもの、または IA1 期 き をこえるもの
IB1
病変 びょうへん が 4cm 以下 いか のもの
IB2
病変 びょうへん が 4cm をこえるもの
II
癌 がん が子宮 しきゅう 頸部をこえて広 ひろ がっているが、骨盤 こつばん 壁 かべ または腟 ちつ 壁 かべ 下 か 1/3 には達 たっ していないもの
IIB
がんが膣 ちつ 壁 かべ に広 ひろ がっているが、子宮 しきゅう 傍 はた 組織 そしき 組織 そしき には広 ひろ がってないもの
IIB1
病巣 びょうそう が 4cm 以下 いか のもの
IIB2
病変 びょうへん が 4cm をこえるもの
IIB3
子宮 しきゅう 傍 はた 組織 そしき 浸潤 しんじゅん の認 みと められるもの
III
がんが骨盤 こつばん 壁 かべ に達 たっ するもので、がんと骨盤 こつばん 壁 かべ との間 あいだ にがんでない部分 ぶぶん をもたない、 または膣 ちつ 壁 かべ の浸潤 しんじゅん が下 した 1/3に達 たっ するもの
IIIA
腟 ちつ 壁 かべ 浸潤 しんじゅん は下 した 1/3 に達 たっ するが、骨盤 こつばん 壁 かべ にまでは達 たっ していないもの
IIIB
子宮 しきゅう 傍 はた 結合 けつごう 織 お 浸潤 しんじゅん が骨盤 こつばん 壁 かべ に達 たっ するか、水 みず 腎 じん 症 しょう や無 む 機能 きのう 腎 じん のあるもの
IV
癌 がん が小 しょう 骨盤 こつばん 腔をこえているか、膀胱 ぼうこう 、直腸 ちょくちょう 粘膜 ねんまく を侵 おか すもの
IVA
膀胱 ぼうこう や直腸 ちょくちょう 粘膜 ねんまく に浸潤 しんじゅん があるもの
IVB
小 しょう 骨盤 こつばん 腔をこえて広 ひろ がるもの
※〔子宮 しきゅう 頸癌取扱 とりあつか い規約 きやく 第 だい 3版 はん (2012年 ねん )〕] 日本 にっぽん 癌 がん 治療 ちりょう 学会 がっかい [22] より引用 いんよう し改変 かいへん 。
異形 いぎょう 上皮 じょうひ 、上皮 じょうひ 内 ない 癌 がん 、初期 しょき 浸潤 しんじゅん 癌 がん の段階 だんかい では多 おお くが自覚 じかく 症状 しょうじょう を欠 か く[1] 。癌 がん が進行 しんこう して浸潤 しんじゅん 癌 がん となると不正 ふせい 出血 しゅっけつ (接触 せっしょく 出血 しゅっけつ )がみられる[1] 。
子宮 しきゅう 頸癌の最大 さいだい の特徴 とくちょう は、原因 げんいん がはっきりしており予防 よぼう 可能 かのう な癌 がん であるという点 てん である。これは異 い 形成 けいせい (子宮 しきゅう 頸癌になる前 まえ の病変 びょうへん )が発見 はっけん 可能 かのう なためであり、定期 ていき 的 てき な子宮 しきゅう 頸癌検診 けんしん により、異 い 形成 けいせい の段階 だんかい で発見 はっけん ・治療 ちりょう することにより癌 がん の発症 はっしょう を未然 みぜん に防 ふせ ぐことができる。検診 けんしん により死亡 しぼう 率 りつ は最大 さいだい 80%減少 げんしょう する可能 かのう 性 せい がある[14] 。
アメリカ家庭 かてい 医 い 学会 がっかい (英語 えいご 版 ばん ) は、無駄 むだ な医療 いりょう を抑制 よくせい するための、賢 かしこ い選択 せんたく (Choosing Wisery)キャンペーンにてパップテストについて言及 げんきゅう しており、性的 せいてき に活発 かっぱつ でも21歳 さい までは検査 けんさ の必要 ひつよう なく、検査 けんさ が必要 ひつよう となるのは21-65歳 さい で、30歳 さい までは3年 ねん ごと、それ以上 いじょう では5年 ねん ごととしている[23] 。
国 くに 別 べつ の子宮 しきゅう 頸がん検診 けんしん 受診 じゅしん 率 りつ (2010年 ねん )[24]
国 くに
検診 けんしん 受診 じゅしん 率 りつ
米国 べいこく
85.0%
ドイツ
78.7%
フランス
71.1%
韓国 かんこく
68.7%
イギリス
68.5%
オーストラリア
56.8%
日本 にっぽん
37.7%
日本 にっぽん 国内 こくない で実施 じっし されている子宮 しきゅう 頸癌検診 けんしん の検査 けんさ 法 ほう は細胞 さいぼう 診 み とHPV検査 けんさ である。いずれもWHO で子宮 しきゅう 頸癌の検診 けんしん 検査 けんさ として有効 ゆうこう 性 せい が認 みと められた検査 けんさ 法 ほう である。しかし2019年 ねん 現在 げんざい 、日本 にっぽん で子宮 しきゅう 頸がん検診 けんしん として推奨 すいしょう できる検診 けんしん 方法 ほうほう は「細胞 さいぼう 診 み 」のみで、HPV検査 けんさ を含 ふく む方法 ほうほう は、対策 たいさく 型 がた 検診 けんしん (住民 じゅうみん 検診 けんしん )として実施 じっし することは勧 すす められていない[25] 。
細胞 さいぼう 診 み は子宮 しきゅう 頸癌を疑 うたが うような異常 いじょう 細胞 さいぼう がないか判定 はんてい する検査 けんさ 。子宮 しきゅう 頸部から採取 さいしゅ した細胞 さいぼう を色素 しきそ で染色 せんしょく し、異常 いじょう 細胞 さいぼう がないか顕微鏡 けんびきょう で観察 かんさつ する検査 けんさ 法 ほう 。検査 けんさ 結果 けっか は日 にち 母 はは 分類 ぶんるい (日本 にっぽん 母性 ぼせい 保護 ほご 医 い 協会 きょうかい 、現 げん ・日本 にっぽん 産婦人科 さんふじんか 医 い 会 かい )と呼 よ ばれるクラス分類 ぶんるい に従 したが って、以下 いか のいずれかに判定 はんてい された。
日 にち 母 はは 分類 ぶんるい
検査 けんさ 結果 けっか
クラス
説明 せつめい
判定 はんてい [26]
陰性 いんせい
I
正常 せいじょう である。
A1
陰性 いんせい
II
異常 いじょう 細胞 さいぼう を認 みと めるが良性 りょうせい である。
A1
擬陽性 ぎようせい
IIIa
軽度 けいど ~中等 ちゅうとう 度 ど 異 い 形成 けいせい を想定 そうてい する。
C1
擬陽性 ぎようせい
IIIb
高度 こうど 異 い 形成 けいせい を想定 そうてい する。
C1
陽性 ようせい
IV
上皮 じょうひ 内 ない 癌 がん を想定 そうてい する。
C1
陽性 ようせい
V
浸潤 しんじゅん 癌 がん (微小 びしょう 浸潤 しんじゅん 癌 がん )を想定 そうてい する。
C1
クラス IIIa以上 いじょう (日本 にっぽん 予防 よぼう 医学 いがく 協会 きょうかい の判定 はんてい でC1)の場合 ばあい は精密 せいみつ 検査 けんさ を実施 じっし 。細胞 さいぼう 診 み による癌 がん または前 ぜん 癌 がん 病変 びょうへん の発見 はっけん 率 りつ は約 やく 70%とされている。細胞 さいぼう 診 み 結果 けっか の記述 きじゅつ 法 ほう としてこの他 ほか に、Papanicolaou (Class) 分類 ぶんるい 、WHO分類 ぶんるい 、CIN分類 ぶんるい などが知 し られている。
平成 へいせい 25(2013)年度 ねんど より、日本 にっぽん 産婦人科 さんふじんか 医 い 会 かい では、国際 こくさい 標準 ひょうじゅん である「ベセスダシステム2001準拠 じゅんきょ 子宮 しきゅう 頸部細胞 さいぼう 診 み 報告 ほうこく 様式 ようしき 」(ベセスダシステム、医 い 会 かい 分類 ぶんるい )に報告 ほうこく を統一 とういつ した[26] 。
HPV検査 けんさ は子宮 しきゅう 頸癌の原因 げんいん である高 こう リスク型 がた HPV感染 かんせん の有無 うむ を判定 はんてい する検査 けんさ 。細胞 さいぼう 診 み と同様 どうよう に子宮 しきゅう 頸部から採取 さいしゅ した細胞 さいぼう を用 もち い、HPV感染 かんせん を判定 はんてい する検査 けんさ 法 ほう 。30歳 さい 以上 いじょう では10%弱 じゃく がHPV陽性 ようせい と判定 はんてい される。HPV検査 けんさ による癌 がん または前 ぜん 癌 がん 病変 びょうへん の発見 はっけん 率 りつ は約 やく 95%とされている。細胞 さいぼう 診 み とHPV検査 けんさ を併用 へいよう した場合 ばあい 、癌 がん または前 ぜん 癌 がん 病変 びょうへん の発見 はっけん 率 りつ はほぼ100%とされている。
ヒトパピローマウイルス (HPV)感染 かんせん は、全 すべ ての子宮 しきゅう 頸癌の原因 げんいん である[27] 。ほとんどの女性 じょせい は感染 かんせん しても18ヶ月 かげつ 以内 いない に体内 たいない から排除 はいじょ され陰性 いんせい となる。高 こう リスクのタイプ[28] (例 たと えば、16,18,31,45型 がた )の感染 かんせん が長期間 ちょうきかん 続 つづ く人 ひと は、HPVがDNAに影響 えいきょう を及 およ ぼすので、子宮 しきゅう 頸部上皮 じょうひ 内 ない 腫瘍 しゅよう (英語 えいご 版 ばん ) を発症 はっしょう する可能 かのう 性 せい がより高 たか い。
英国 えいこく 国民 こくみん 保健 ほけん サービス (NHS)は、スクリーニングプログラムに「HPV triage」を追加 ついか した。これは、最初 さいしょ のスクリーニング検査 けんさ が境界 きょうかい 線 せん の結果 けっか または低 てい 悪性 あくせい 度 ど の異常 いじょう 細胞 さいぼう を示 しめ す場合 ばあい 、HPVのさらなる検査 けんさ が追加 ついか で行 おこな われることを意味 いみ する。HPVが存在 そんざい することが示 しめ されている場合 ばあい 、再 さい 検査 けんさ に呼 よ ばれるが、HPVが存在 そんざい しない場合 ばあい は、異常 いじょう がないかのように通常 つうじょう のスクリーニングスケジュールを再開 さいかい する[29] 。
HPV検査 けんさ 報告 ほうこく の正確 せいかく 性 せい に関 かん する研究 けんきゅう :
感度 かんど 88%?91%(CIN3以上 いじょう を検出 けんしゅつ する場合 ばあい )[30] 、〜97%(CIN2 +を検出 けんしゅつ する場合 ばあい )[31]
特異 とくい 度 ど 73 - 79%(CIN3以上 いじょう 検出 けんしゅつ )[30] 、〜93%(CIN2 +検出 けんしゅつ )[31]
より高 こう 感度 かんど なHPV検査 けんさ を加 くわ えることにより、特異 とくい 性 せい が低下 ていか する可能 かのう 性 せい がある[32] 。特異 とくい 性 せい が低下 ていか すると、結果 けっか は偽 にせ 陽性 ようせい の検査 けんさ の数 かず が増 ふ え、病気 びょうき を持 も たない多 おお くの女性 じょせい で、コルポスコピー のリスクが増加 ぞうか し、侵 おかせ 襲 かさね 的 てき な処置 しょち [33] および不要 ふよう な処置 しょち が増加 ぞうか する。価値 かち のあるスクリーニング 検査 けんさ は、疾患 しっかん を有 ゆう する者 もの が正 ただ しく識別 しきべつ されるために、感度 かんど と特異 とくい 性 せい との間 あいだ のバランスを必要 ひつよう とする。
HPV検査 けんさ の役割 やくわり に関 かん して、ランダム化 か 比較 ひかく 試験 しけん で、HPVをコルポスコピーと比較 ひかく した。HPV検査 けんさ は、直接 ちょくせつ コルポスコピーほど感度 かんど が高 たか く、同時 どうじ に必要 ひつよう な膣 ちつ 鏡 きょう の数 かず を減 へ らす[34] 。ランダム化 か 比較 ひかく 試験 しけん では、HPV検査 けんさ が異常 いじょう な細胞 さいぼう 診 み の後 のち に行 おこな われるか、または子宮 しきゅう 頸部細胞 さいぼう 検査 けんさ の前 まえ に行 おこな われる可能 かのう 性 せい が示唆 しさ されている[31] 。
2007年 ねん に発表 はっぴょう された研究 けんきゅう では、パップテスト を行 おこな うことで炎症 えんしょう 性 せい サイトカイン 応答 おうとう を引 ひ き起 お こし、HPVの免疫 めんえき 学 がく 的 てき クリアランスを開始 かいし し、子宮 しきゅう 頸癌のリスクを低下 ていか させる可能 かのう 性 せい があることを示唆 しさ している。パップテストを一 いち 度 ど でもしたことのある女性 じょせい でも、がんの発生 はっせい 率 りつ は低 ひく かった。HPV陽性 ようせい 率 りつ の統計 とうけい 的 てき に有意 ゆうい な低下 ていか は、生涯 しょうがい にパップテストを受診 じゅしん した回数 かいすう と相関 そうかん していた[35] 。
HPV検査 けんさ では、32-38歳 さい の女性 じょせい のランダム化 か 比較 ひかく 試験 しけん で、その後 ご のスクリーニング検査 けんさ で検出 けんしゅつ された子宮 しきゅう 頸部上皮 じょうひ 内 ない 新 しん 形成 けいせい または子宮 しきゅう 頸がんの発生 はっせい 率 りつ を低下 ていか させることができた。相対 そうたい 的 てき なリスク削減 さくげん は41.3%であった。この研究 けんきゅう の患者 かんじゃ と同様 どうよう のリスクを有 ゆう する患者 かんじゃ (63%がCIN2-3または癌 がん であった)について、絶対 ぜったい リスクを26%低下 ていか させる。3.8人 にん の患者 かんじゃ は、1人 ひとり が利益 りえき を得 え るために治療 ちりょう されなければならない(治療 ちりょう に要 よう する数 かず = 3.8)。CIN 2-3のリスクの高 たか い方 ほう または低 ひく い方 ほう の結果 けっか を調整 ちょうせい するには、ここをクリック 。
HPV検査 けんさ とPap検査 けんさ の結果 けっか と所見 しょけん [36]
HPV検査 けんさ
Pap検査 けんさ (ベセスダシステム)
細胞 さいぼう 診 み 結果 けっか の説明 せつめい [37]
判定 はんてい
陰性 いんせい
陰性 いんせい
正常 せいじょう または正常 せいじょう 範囲 はんい 内 ない の所見 しょけん
5年 ねん 以内 いない に再 さい 検査 けんさ
すべて
陰性 いんせい
正常 せいじょう または正常 せいじょう 範囲 はんい 内 ない の所見 しょけん
3年 ねん 以内 いない に再 さい 検査 けんさ
陰性 いんせい
軽度 けいど の 異 こと 型 がた 扁平 へんぺい 上皮 じょうひ 細胞 さいぼう (英語 えいご 版 ばん ) (ASC-US)
扁平 へんぺい 上皮 じょうひ 細胞 さいぼう に変化 へんか がある。良性 りょうせい 悪性 あくせい の区別 くべつ はできない
陰性 いんせい
軽度 けいど の 扁平 へんぺい 上皮 じょうひ 病変 びょうへん (英語 えいご 版 ばん ) (LSIL)(HPV感染 かんせん 、軽度 けいど 異 い 形成 けいせい )
扁平 へんぺい 上皮 じょうひ 細胞 さいぼう に軽度 けいど の異常 いじょう がみられる
6-12か月 げつ 以内 いない に再 さい 検査 けんさ
検査 けんさ せず
ASC-US
扁平 へんぺい 上皮 じょうひ 細胞 さいぼう に変化 へんか がある。良性 りょうせい 悪性 あくせい の区別 くべつ はできない
陽性 ようせい
陰性 いんせい
正常 せいじょう または正常 せいじょう 範囲 はんい 内 ない の所見 しょけん
検査 けんさ せず
LSIL
扁平 へんぺい 上皮 じょうひ 細胞 さいぼう に軽度 けいど の異常 いじょう がみられる
すぐにコルポスコピー
陽性 ようせい
LSIL
扁平 へんぺい 上皮 じょうひ 細胞 さいぼう に軽度 けいど の異常 いじょう がみられる
すべて
高度 こうど の異 こと 型 がた 扁平 へんぺい 上皮 じょうひ 細胞 さいぼう (英語 えいご 版 ばん ) (ASC-H)
扁平 へんぺい 上皮 じょうひ 細胞 さいぼう に変化 へんか があり、悪性 あくせい の可能 かのう 性 せい が疑 うたが われる
陽性 ようせい
ASC-US
扁平 へんぺい 上皮 じょうひ 細胞 さいぼう に変化 へんか がある。良性 りょうせい 悪性 あくせい の区別 くべつ はできない
すべて
高度 こうど 異 い 形成 けいせい (英語 えいご 版 ばん ) 病変 びょうへん (HSIL)
扁平 へんぺい 上皮 じょうひ 細胞 さいぼう に高度 こうど の異常 いじょう がみられ、早急 そうきゅう に受診 じゅしん が必要 ひつよう
すべて
扁平 へんぺい 上皮 じょうひ 癌 がん 疑 うたが い(SCC)
扁平 へんぺい 上皮 じょうひ 癌 がん が疑 うたが われ、早急 そうきゅう に受診 じゅしん が必要 ひつよう
すべて
異 い 型 かた 腺 せん 細胞 さいぼう (英語 えいご 版 ばん ) (AGC)
腺 せん 細胞 さいぼう に変化 へんか が見 み られ、悪性 あくせい 変化 へんか の可能 かのう 性 せい が疑 うたが われ、早急 そうきゅう に受診 じゅしん が必要 ひつよう
2019年 ねん 2月 がつ 、イングランドの子宮 しきゅう 頸がんの1次 じ 検査 けんさ として、液状 えきじょう 化 か 検体 けんたい 細胞 さいぼう 診 み (LBC法 ほう )と比較 ひかく し、高 こう リスク型 がた ヒトパピローマウイルス(hrHPV)検査 けんさ では、子宮 しきゅう 頸部上皮 じょうひ 内 ない 病変 びょうへん (CIN)のグレード3以上 いじょう (CIN3)の検出 けんしゅつ 率 りつ が約 やく 40%、子宮 しきゅう 頸がんの検出 けんしゅつ 率 りつ は約 やく 30%上昇 じょうしょう するなどhrHPV検査 けんさ の優越 ゆうえつ 性 せい が示 しめ されたことから、イングランドでは、2019年 ねん 末 まつ までの全国 ぜんこく 導入 どうにゅう を目指 めざ していると報 ほう じられた[38] [39] 。
検診 けんしん の結果 けっか 、細胞 さいぼう 診 み クラスIIIa以上 いじょう であったり、HPVに持続 じぞく 感染 かんせん しているなど、精密 せいみつ 検査 けんさ の必要 ひつよう 性 せい があると判断 はんだん された場合 ばあい は精密 せいみつ 検査 けんさ を実施 じっし し、最終 さいしゅう 的 てき な診断 しんだん を行 おこな う。
精密 せいみつ 検査 けんさ ではコルポスコピー(コルポ診 み )が行 おこな われ、拡大鏡 かくだいきょう (コルポスコープ )を用 もち いて子宮 しきゅう 頸部粘膜 ねんまく 表面 ひょうめん を5~20倍 ばい に拡大 かくだい して観察 かんさつ する[40] 。その際 さい 、病変 びょうへん を明確 めいかく にするため3%酢酸 さくさん を子宮 しきゅう 頸部に接触 せっしょく させ(酢酸 さくさん 加工 かこう )それによる変化 へんか をも所見 しょけん とする[40] 。
コルポスコピーで異常 いじょう を疑 うたが う箇所 かしょ がみられた場合 ばあい 、その部分 ぶぶん の組織 そしき を採取 さいしゅ し、組織 そしき 診 み (いわゆる狙 ねら い組織 そしき 診 み と呼 よ ばれる診査 しんさ 組織 そしき 診 み )による病理 びょうり 学 がく 的 てき 検査 けんさ を行 おこな う。この診査 しんさ 組織 そしき 診 み により癌 がん の診断 しんだん 及 およ び臨床 りんしょう 進行 しんこう 期 き の推定 すいてい を行 おこな うが、上皮 じょうひ 内 ない 癌 がん と初期 しょき 浸潤 しんじゅん 癌 がん の確定 かくてい は困難 こんなん である[41] 。
高度 こうど 異形 いぎょう 上皮 じょうひ 、上皮 じょうひ 内 ない 癌 がん 、初期 しょき 浸潤 しんじゅん 癌 がん の確定 かくてい 診断 しんだん (及 およ び治療 ちりょう )には円錐 えんすい 切除 せつじょ 診 み が行 おこな われる[41] 。
このほか血清 けっせい 学 がく 的 てき 検査 けんさ (SCC)も行 おこな われることがある[41] 。
HPVワクチンは、子宮 しきゅう 頸癌、膣 ちつ 癌 がん 、外 そと 陰 かげ 癌 がん の多 おお くの原因 げんいん となる型 かた のHPV感染 かんせん を防 ふせ ぐことができる。ワクチンは12歳 さい 頃 ごろ からの接種 せっしゅ が推奨 すいしょう されている。またワクチンの接種 せっしゅ 後 ご も定期 ていき 的 てき なパップテスト を受 う けることは重要 じゅうよう である[42] 。HPV感染 かんせん を防 ふせ ぐワクチンは公費 こうひ で自己 じこ 負担 ふたん なく打 う てる定期 ていき 接種 せっしゅ は小学校 しょうがっこう 6年生 ねんせい から高校 こうこう 1年 ねん の女子 じょし が対象 たいしょう であったが、2020年 ねん 現在 げんざい 、自己 じこ 負担 ふたん の任意 にんい 接種 せっしゅ である男子 だんし へも対象 たいしょう を拡大 かくだい を検討 けんとう することとなった[43] 。
パップテスト 、HPV検査 けんさ の2つの検査 けんさ は予防 よぼう に非常 ひじょう に有効 ゆうこう である。パップテスト (子宮 しきゅう 頸部細胞 さいぼう 診 み )は子宮 しきゅう 頸部の細胞 さいぼう を擦 こす り採 と って顕微鏡 けんびきょう 検査 けんさ を行 おこな う検査 けんさ で、癌 がん 細胞 さいぼう や前 ぜん 癌 がん 状態 じょうたい (癌 がん になる前 まえ の異 い 形成 けいせい )を見 み つけ出 だ せる。HPV検査 けんさ は子宮 しきゅう 頸癌を引 ひ き起 お こすHPVへの感染 かんせん をチェックする。これらの検査 けんさ を21~65歳 さい の間 あいだ 、定期 ていき 的 てき に受 う けることが重要 じゅうよう とされる[42] 。
アメリカなどでは腟 ちつ 鏡 きょう を使 つか って自分 じぶん で子宮 しきゅう 頚部 けいぶ をセルフチェックすることを推奨 すいしょう する動 うご きがある[44] [45] 。
その他 た 、禁煙 きんえん 、コンドーム の使用 しよう 、性 せい 交渉 こうしょう のパートナーを制限 せいげん することも、子宮 しきゅう 頸癌のリスクを下 さ げる可能 かのう 性 せい がある[42] 。
HPVは感染 かんせん 者 しゃ との性行為 せいこうい (膣 ちつ 性交 せいこう 、肛門 こうもん 性交 せいこう 、オーラルセックス 含 ふく む)で感染 かんせん する可能 かのう 性 せい が高 たか いが、性行為 せいこうい は感染 かんせん に必須 ひっす の行為 こうい ではない。HPV感染 かんせん は皮膚 ひふ と皮膚 ひふ が接触 せっしょく することでおこるため、性行為 せいこうい がなくとも(例 たと えば感染 かんせん した手 て で肛門 こうもん や陰部 いんぶ に触 ふ れても)感染 かんせん し、同一 どういつ の体 からだ でも部位 ぶい から部位 ぶい に移 うつ る。そのため、”他人 たにん と性器 せいき 同士 どうし の接触 せっしょく をしない”ことでHPV感染 かんせん のリスクを下 さ げることは可能 かのう だが、他 た の経緯 けいい で感染 かんせん する可能 かのう 性 せい はあくまで排除 はいじょ できない[46] 。
不正確 ふせいかく な認識 にんしき によって子宮 しきゅう 頸癌と性行為 せいこうい に関連 かんれん する誤 あやま った情報 じょうほう が流布 るふ している一 いち 面 めん もあり、2020年 ねん 2月 がつ には高須 たかす 克 かつ 弥 わたる が「子宮 しきゅう 頸癌はコンドームを一瞬 いっしゅん つければ防 ふせ げる」とTwitter でツイートして拡散 かくさん し、それに対 たい して多 おお くの医療 いりょう 関係 かんけい 者 しゃ がこの情報 じょうほう の誤 あやま りを指摘 してき した[47] 。
異 い 形成 けいせい は程度 ていど に応 おう じて軽度 けいど 異 い 形成 けいせい 、中等 ちゅうとう 度 ど 異 い 形成 けいせい 、高度 こうど 異 い 形成 けいせい に分類 ぶんるい される。また、上皮 じょうひ 内 ない 癌 がん も高度 こうど 異 い 形成 けいせい と同様 どうよう の取 と り扱 あつか いである。
軽度 けいど 異 い 形成 けいせい はHPVが自然 しぜん 消失 しょうしつ すると、それに伴 ともな い異 い 形成 けいせい も自然 しぜん 治癒 ちゆ する可能 かのう 性 せい が高 たか いため、通常 つうじょう は治療 ちりょう を実施 じっし しない。
中等 ちゅうとう 度 ど 異 い 形成 けいせい の日本 にっぽん 国内 こくない での取 と り扱 あつか いは一定 いってい していない。経過 けいか 観察 かんさつ ・または治療 ちりょう を行 おこな うが、日本 にっぽん 産科 さんか 婦人 ふじん 科 か 学会 がっかい の治療 ちりょう 指針 ししん では、16型 がた 、18型 がた 、31型 がた 、33型 がた 、35型 がた 、45型 がた 、52型 がた 、58型 がた は癌 がん 化 か リスクが高 たか く、治療 ちりょう を検討 けんとう する指針 ししん となっている。特 とく に16型 がた 、18型 がた 、33型 がた のリスクが高 たか い。治療 ちりょう 法 ほう は病変 びょうへん 部位 ぶい を含 ふく め、子宮 しきゅう 頸部の一部分 いちぶぶん を円錐 えんすい 状 じょう に切除 せつじょ する円錐 えんすい 切除 せつじょ 術 じゅつ [48] が一般 いっぱん 的 てき 。円錐 えんすい 切除 せつじょ 術 じゅつ では子宮 しきゅう を切除 せつじょ することなく、ほぼ完治 かんじ するが再発 さいはつ の可能 かのう 性 せい もある。子宮 しきゅう を残 のこ すことができるため、術後 じゅつご の妊娠 にんしん ・出産 しゅっさん にもほとんど影響 えいきょう はないとされている。
高度 こうど 異 い 形成 けいせい の場合 ばあい も円錐 えんすい 切除 せつじょ 術 じゅつ 等 とう により、治療 ちりょう を行 おこな う。
子宮 しきゅう 頸癌の進行 しんこう 期 き は軽度 けいど のものから順 じゅん に0期 き 、IA1期 き 、IA2期 き 、IB1期 き 、IB2期 き 、IIA期 き 、IIB期 き 、IIIA期 き 、IIIB期 き 、IVA期 き 、IVB期 き に分類 ぶんるい される。
0期 き (上皮 じょうひ 内 ない 癌 がん )は癌 がん が粘膜 ねんまく 層 そう にとどまっている段階 だんかい であり、異 い 形成 けいせい と同様 どうよう に円錐 えんすい 切除 せつじょ 術 じゅつ で完治 かんじ 可能 かのう 。しかし、挙 きょ 児 じ 希望 きぼう がなければ子宮 しきゅう 全 ぜん 摘術を行 おこな うこともある。
IA期 き は程度 ていど が軽 かる い場合 ばあい は円錐 えんすい 切除 せつじょ 術 じゅつ で子宮 しきゅう を残 のこ すことが可能 かのう であるが、円錐 えんすい 切除 せつじょ 術 じゅつ で病変 びょうへん を取 と りきれない場合 ばあい は子宮 しきゅう 全 ぜん 摘術を行 おこな う。
IB期 き 以降 いこう の進行 しんこう 癌 がん の場合 ばあい は子宮 しきゅう のほか、卵巣 らんそう や卵管 らんかん 、その周 まわ りのリンパ節 ぶし などの臓器 ぞうき も摘出 てきしゅつ する。国内 こくない ではIII期 き やIV期 き でも手術 しゅじゅつ をおこなうことがあり、III期 き では動静 どうせい 脈 みゃく を切断 せつだん して靭帯 じんたい の根 ね 部 ぶ から摘出 てきしゅつ する術 じゅつ 式 しき が、IVA期 き では膀胱 ぼうこう 、直腸 ちょくちょう なども摘出 てきしゅつ する術 じゅつ 式 しき が取 と られることもある。
IA~IVA期 き の術後 じゅつご 治療 ちりょう として、中間 なかま リスク群 ぐん には放射線 ほうしゃせん 治療 ちりょう (+化学 かがく 療法 りょうほう )、高 こう リスク群 ぐん にはシスプラチンと放射線 ほうしゃせん 治療 ちりょう の併用 へいよう 療法 りょうほう を行 おこな う。
骨盤 こつばん 内 ない 再発 さいはつ または後腹 あとばら 膜 まく リンパ節 ぶし 再発 さいはつ に対 たい しては、放射線 ほうしゃせん 治療 ちりょう を行 おこな っていなければ放射線 ほうしゃせん 治療 ちりょう を実施 じっし する。骨盤 こつばん 内 ない 再発 さいはつ で切除 せつじょ 可能 かのう であれば手術 しゅじゅつ も検討 けんとう する。
上記 じょうき 以外 いがい の再発 さいはつ 例 れい およびIVB期 き 症例 しょうれい では化学 かがく 療法 りょうほう を検討 けんとう する。シスプラチン+パクリタキセルの併用 へいよう 療法 りょうほう が標準 ひょうじゅん であり、本邦 ほんぽう ではJCOG0505試験 しけん の結果 けっか からカルボプラチン+パクリタキセルの併用 へいよう 療法 りょうほう も行 おこな われる。GOG240試験 しけん の結果 けっか をもとに、ベバシズマブの併用 へいよう も検討 けんとう される。
米国 べいこく の子宮 しきゅう 頚 けい 癌 がん ガイドラインではIA2期 き 以降 いこう では放射線 ほうしゃせん 療法 りょうほう 単独 たんどく 療法 りょうほう 、IB2期 き 以降 いこう では放射線 ほうしゃせん 療法 りょうほう 化学 かがく 療法 りょうほう 併用 へいよう 療法 りょうほう が推奨 すいしょう されている。
IIb期 き に対 たい して、広範 こうはん 子宮 しきゅう 全 ぜん 摘出 てきしゅつ 術 じゅつ +その後 ご 放射線 ほうしゃせん 治療 ちりょう を追加 ついか するといった治療 ちりょう 法 ほう を選択 せんたく しているのは日本 にっぽん だけであり、欧米 おうべい では、術後 じゅつご 照射 しょうしゃ による治療 ちりょう 後 ご 数 すう 年 ねん にわたる下肢 かし のむくみや治療 ちりょう 中 ちゅう に起 お こりうる骨盤 こつばん 内 ない リンパ浮腫 ふしゅ の悪化 あっか に配慮 はいりょ し、同等 どうとう 以上 いじょう の成績 せいせき である根治 こんじ 的 てき 放射線 ほうしゃせん 療法 りょうほう (±化学 かがく 療法 りょうほう )が選択 せんたく されている[49] 。広汎 こうはん 子宮 しきゅう 全 ぜん 摘出 てきしゅつ 術 じゅつ では術後 じゅつご に、イレウスや下肢 かし リンパ浮腫 ふしゅ 、排尿 はいにょう 障害 しょうがい といった副作用 ふくさよう が起 お こることがあるデメリットがある[50] 。日本 にっぽん における2004年 ねん から2007年 ねん に多 た 施設 しせつ 共同 きょうどう 前向 まえむ き試験 しけん では、放射線 ほうしゃせん 単独 たんどく 治療 ちりょう によって3年 ねん 生存 せいぞん 率 りつ が95%と欧米 おうべい の治療 ちりょう 成績 せいせき と同等 どうとう であり、日本 にっぽん の放射線 ほうしゃせん 単独 たんどく 治療 ちりょう の安全 あんぜん 性 せい と有効 ゆうこう 性 せい は証明 しょうめい された。[51] [52]
異形 いぎょう 性 せい の進行 しんこう 段階 だんかい を戻 もど すワクチンが開発 かいはつ 中 ちゅう であり、中 なか には乳酸菌 にゅうさんきん を用 もち いた経口 けいこう のワクチンもある[53] 。
2023年 ねん 12月13日 にち 、順天堂大学 じゅんてんどうだいがく らのグループが健康 けんこう な人 ひと から樹立 じゅりつ したiPS細胞 さいぼう にゲノム編集 へんしゅう を行 おこな うことで、そのiPS細胞 さいぼう から作製 さくせい したヒトパピローマウイルス特異 とくい 的 てき 細胞 さいぼう 傷害 しょうがい 性 せい T細胞 さいぼう (CTL)が、患者 かんじゃ の免疫 めんえき 細胞 さいぼう から拒絶 きょぜつ されずに子宮 しきゅう 頸がんを強力 きょうりょく に抑制 よくせい できることを明 あき らかになったと発表 はっぴょう した[54] 。本 ほん 論文 ろんぶん は、Cell系 けい の学術 がくじゅつ 雑誌 ざっし 「Cell Reports Medicine」のオンライン版 ばん で2023年 ねん 12月12日 にち 付 づ けで掲載 けいさい された[54] 。順天堂大学 じゅんてんどうだいがく は2024年 ねん 夏 なつ にも治験 ちけん に進 すす む方針 ほうしん としている[55] 。
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