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子宮しきゅう頸癌

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子宮しきゅう頸がんから転送てんそう

子宮しきゅう頸癌(しきゅうけいがん、えい: cervical cancer)は、子宮しきゅう頸部ばれる子宮しきゅう出口でぐちより発生はっせいするがん。そこにしょうじる悪性あくせい上皮じょうひせい病変びょうへんがん)のこと[1]

発生はっせい頻度ひんど発展はってん途上とじょうこくほどたかい。発症はっしょうは20だいから40だいたかい。おも原因げんいんに、性交せいこうによって感染かんせんするヒトパピローマウイルス (HPV)の感染かんせんがある。持続じぞく感染かんせんこる場合ばあいがあり、子宮しきゅう頸癌のリスクを上昇じょうしょうさせる。子宮しきゅう頸癌の人々ひとびとの87.4%に、HPVの感染かんせん確認かくにんされている。そのため、海外かいがいではHPVワクチン接種せっしゅされている[2]。HPVが感染かんせんしていても除染じょせんをせずに、性交せいこうつづけてゆくと、相手あいてにも感染かんせんさせて仕舞しまい、パートナーの陰茎いんけいがん原因げんいんにもる。

5ねん生存せいぞんりつは、日本にっぽん産科さんか婦人ふじん学会がっかい婦人ふじん腫瘍しゅよう委員いいんかい統計とうけいで、ステージIで92.1%、Ⅱで74.2%、Ⅲで52.0%、Ⅳで29.8%となっている [3]

妊娠にんしん適齢てきれい子宮しきゅうのぞ手術しゅじゅつもあることやわか母親ははおや世代せだい死因しいんとなるため、HPVは『マザーキラー(Mother killer)』ともばれている。2021ねん時点じてんでHPVワクチン接種せっしゅりつひく日本にっぽんでは毎年まいとしやく3000にん子宮しきゅう頸癌で死亡しぼうしている(2018ねん診断しんだんすう10,978れい、2019ねん死亡しぼうすう2,921にん[4][5][6][7][8]

概要がいよう

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2004ねんにおける10まんにんごと子宮しきゅう頸癌による死亡しぼうしゃすう年齢ねんれい標準ひょうじゅんみ)[9]
  データなし
  2.4にん以下いか
  2.4にんから4.8にん
  4.8にんから7.2人ふたり
  7.2人ふたりから9.6にん
  9.6にんから12にん
  12にんから14.4にん
  14.4にんから16.8にん
  16.8にんから19.2人ふたり
  19.2人ふたりから21.6にん
  21.6にんから24にん
  24にんから26.4にん
  26.4にん以上いじょう

2007ねん世界せかい保健ほけん機関きかん (WHO) の報告ほうこくでは、ぜん世界せかい年間ねんかんやく50まんにん子宮しきゅう頸癌が発生はっせいし、やく27まんにん死亡しぼうしていると推定すいていされている。子宮しきゅう頸癌の発生はっせい頻度ひんどは、アフリカ、みなみアジア、東南とうなんアジア、中南米ちゅうなんべいカリブ海かりぶかい沿岸えんがん地域ちいきたか[2]

2018ねん日本にっぽん産科さんか婦人ふじん学会がっかい発表はっぴょうした資料しりょうによれば、日本にっぽんの1年間ねんかん子宮しきゅう頸癌の罹患りかんしゃすうやく1まんにんで、死亡しぼうしゃすうやく2,800にんである[10]

年齢ねんれいべつ罹患りかんりつ

年齢ねんれいべつにみた子宮しきゅう頸癌罹患りかんりつは、20さいだい後半こうはんから40さい前後ぜんこうまで増加ぞうかしたのちよこばいになる[11]近年きんねん日本にっぽん子宮しきゅうがん全体ぜんたい罹患りかんしゃすう推移すいいでは、39さい以下いか罹患りかんしゃすう増加ぞうかみとめられる(39さい以下いか子宮しきゅうがんのほとんどは子宮しきゅう頸癌で、子宮しきゅうたいがんだい部分ぶぶんは40さい以降いこう発生はっせいする)。 また39さい以下いかでは、子宮しきゅう頸癌は乳癌にゅうがんつぎ罹患りかんりつたかい。

おも死亡しぼうそう高齢こうれいしゃとなる。イギリスの2010-2012ねん死亡しぼうデータからは、25さい未満みまん子宮しきゅう頸癌による死亡しぼうとし7にんであるが、65さい以上いじょうではどう449にんとなり、このそうぜん年齢ねんれいそう半分はんぶん以上いじょうめる[12]日本にっぽんのデータではとくに80さい前後ぜんこうでピークの死亡しぼうしゃすうとなる[2]。 

治療ちりょう

ほかの部位ぶいがんよりは早期そうき発見はっけん医療いりょう措置そちければ生存せいぞんりつたか[13]進行しんこうがんよりおそく、早期そうき子宮しきゅう頸癌を治療ちりょうすれば95%の生存せいぞんりつ、それ以前いぜん状態じょうたいでは生存せいぞんりつは100%にちかいとされる[14]

転移てんい

2021ねん1がつ国立こくりつ研究けんきゅう開発かいはつ法人ほうじん国立こくりつがん研究けんきゅうセンターは、出産しゅっさん直後ちょくご乳児にゅうじ母親ははおや子宮しきゅう頸癌のがん細胞さいぼうじった羊水ようすいはいむことによって、母親ははおや子宮しきゅう頸癌のがん細胞さいぼうどものはい移行いこうして小児しょうにでの肺癌はいがん発症はっしょうした2事例じれい発表はっぴょうした[15]。1くみ男児だんじ免疫めんえき療法りょうほうやく治療ちりょうできたが、2くみ男児だんじ手術しゅじゅつ肺癌はいがん切除せつじょした。母親ははおやにん出産しゅっさん出産しゅっさんがん診断しんだんされ、その死亡しぼうしたと報道ほうどうされている[16]

原因げんいん

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最大さいだい危険きけん因子いんし一部いちぶかたヒトパピローマウイルス (HPV) の感染かんせんである。つづいて喫煙きつえんであり[17]ほかにも様々さまざま原因げんいん関与かんよする[18]

ヒトパピローマウイルス

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ヒトパピローマウイルスの16がたと18がたが、世界せかい子宮しきゅう頸癌の原因げんいんの75%をめ、31がたと45がたでは10%をめる[19]

日本にっぽんでは子宮しきゅう頸癌の人々ひとびとの87.4%に、あらゆるかたのHPVの感染かんせん確認かくにんされている[2]信頼しんらいせいたかいPCR/シークエンスほうによる調査ちょうさでは、16がた18がた子宮しきゅう頸癌のほぼ50%から検出けんしゅつされている[2]こうはつ部位ぶい扁平へんぺい上皮じょうひ発生はっせい領域りょういきであり扁平へんぺい上皮じょうひがんやく90%である[1]子宮しきゅう頸部扁平へんぺい上皮じょうひがんはヒトパピローマウイルスという腫瘍しゅようウイルス感染かんせん原因げんいんこされる。

HPVには100以上いじょうもの種類しゅるいがあり、皮膚ひふ感染かんせんがた粘膜ねんまく感染かんせんがたの2種類しゅるい大別たいべつされる。子宮しきゅう頸癌は、粘膜ねんまく感染かんせんがたHPVのなかでもこうリスクがたHPVとばれているせい交渉こうしょうによって感染かんせんする一部いちぶのHPVが長期間ちょうきかん感染かんせんすることによってこされる。が、性交せいこう経験けいけんがなくても発症はっしょうはある。

こうリスクがた分類ぶんるいされるHPVのかたは16, 18, 31, 33, 35, 39, 45, 51, 52, 56, 58, 59, 68, 73, 82である[20]

HPVに感染かんせんしてもおおくの場合ばあいは、免疫めんえきによってHPVが体内たいないから排除はいじょされる。HPV感染かんせん大半たいはんは2ねん以内いない自然しぜん消失しょうしつするが、免疫めんえき誘導ゆうどうされにくいため、なんでも感染かんせんする。やく10%のひとでは感染かんせん長期ちょうき持続じぞく感染かんせん)する。HPVが持続じぞく感染かんせんするとその一部いちぶ子宮しきゅう頸部の細胞さいぼう異常いじょう形成けいせい)をしょうじ、さらに平均へいきんで10ねん以上いじょう歳月さいげつのち、ごく一部いちぶ感染かんせんしゃの1%以下いか)が形成けいせいから子宮しきゅう頸癌に進行しんこうする。

HPVによってこされるほか疾患しっかんとしては、とんがけいコンジローマいぼぜいがある。このほかHPV感染かんせんしゃとのオーラルセックスなどに起因きいんして口腔こうくうがんのリスクをたかめるとの報告ほうこくがある。

喫煙きつえん

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現行げんこうあるいは過去かこ喫煙きつえんしゃでは、浸潤しんじゅんせい子宮しきゅう頸癌のリスクが2ばいから3ばいであり、受動じゅどう喫煙きつえんではリスクの増加ぞうか関連かんれんするがその度合どあいはひく[21]

経口けいこう避妊ひにんやくを5ねんから9年間ねんかん使用しようしていた場合ばあいに、リスクのやく3ばい関連かんれんし、10ねん以上いじょうではやく4ばいである[21]

すでにHPVに感染かんせんしている場合ばあいに、妊娠にんしんしたことのない女性じょせい比較ひかくして、1かいから2かい満期まんき妊娠にんしん経験けいけんしている場合ばあいに2ばいから3ばいである[21]


組織そしきがた

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ほとんどが子宮しきゅう頸部しょうずる扁平へんぺい上皮じょうひがんである。粘液ねんえきせんがん(頸管円柱えんちゅう上皮じょうひ由来ゆらい扁平へんぺい上皮じょうひがん以外いがい比較的ひかくてきおおい。るいないまくせんがん漿液しょうえき性腺せいせんがんせん扁平へんぺい上皮じょうひがんねば表皮ひょうひがん、すりガラスさま細胞さいぼうがんせんさま嚢胞のうほうがんなどがある。

分類ぶんるい

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子宮しきゅう頸がんの臨床りんしょう進行しんこう分類ぶんるい日産にっさん2011、FIGO 2008)
進行しんこう(ステージ) 内容ないよう
I
がん子宮しきゅう頸部に限局げんきょくするもの(からだ浸潤しんじゅん有無うむ考慮こうりょしない)
IA 組織そしきがくてきにのみ診断しんだんできる浸潤しんじゅんがん
肉眼にくがんてきあきらかな病巣びょうそうは,たとえ表層ひょうそう浸潤しんじゅんであってもIBとする。浸潤しんじゅんは、計測けいそくによるあいだしつ浸潤しんじゅんふかさが 5mm 以内いないで、たてじく方向ほうこうひろがりが 7mm をこえないものとする。浸潤しんじゅんふかさは、浸潤しんじゅんがみられる表層ひょうそう上皮じょうひ基底きていまくより計測けいそくして 5mm をこえないものとする。みゃくかん静脈じょうみゃくまたはリンパ管りんぱかんおかせかさねがあっても進行しんこう変更へんこうしない。
IA1 あいだしつ浸潤しんじゅんふかさが 3mm 以内いないで、ひろがりが 7mm をこえないもの
IA2 あいだしつ浸潤しんじゅんふかさが 3mm をこえるが 5mm 以内いないで、ひろがりが 7mm をこえないもの
IB 臨床りんしょうてきあきらかな病変びょうへん子宮しきゅう頸部に限局げんきょくするもの、または IA1 をこえるもの
IB1 病変びょうへんが 4cm 以下いかのもの
IB2 病変びょうへんが 4cm をこえるもの
II
がん子宮しきゅう頸部をこえてひろがっているが、骨盤こつばんかべまたはちつかべ1/3 にはたっしていないもの
IIB がんがちつかべひろがっているが、子宮しきゅうはた組織そしき組織そしきにはひろがってないもの
IIB1 病巣びょうそうが 4cm 以下いかのもの
IIB2 病変びょうへんが 4cm をこえるもの
IIB3 子宮しきゅうはた組織そしき浸潤しんじゅんみとめられるもの
III がんが骨盤こつばんかべたっするもので、がんと骨盤こつばんかべとのあいだにがんでない部分ぶぶんをもたない、
またはちつかべ浸潤しんじゅんした1/3にたっするもの
IIIA ちつかべ浸潤しんじゅんした1/3 にたっするが、骨盤こつばんかべにまではたっしていないもの
IIIB 子宮しきゅうはた結合けつごう浸潤しんじゅん骨盤こつばんかべたっするか、みずじんしょう機能きのうじんのあるもの
IV がんしょう骨盤こつばん腔をこえているか、膀胱ぼうこう直腸ちょくちょう粘膜ねんまくおかすもの
IVA 膀胱ぼうこう直腸ちょくちょう粘膜ねんまく浸潤しんじゅんがあるもの
IVB しょう骨盤こつばん腔をこえてひろがるもの

※〔子宮しきゅう頸癌取扱とりあつか規約きやく だい3はん(2012ねん)〕] 日本にっぽんがん治療ちりょう学会がっかい[22]より引用いんよう改変かいへん

症状しょうじょう

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異形いぎょう上皮じょうひ上皮じょうひないがん初期しょき浸潤しんじゅんがん段階だんかいではおおくが自覚じかく症状しょうじょう[1]がん進行しんこうして浸潤しんじゅんがんとなると不正ふせい出血しゅっけつ接触せっしょく出血しゅっけつ)がみられる[1]

検診けんしん

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子宮しきゅう頸癌の最大さいだい特徴とくちょうは、原因げんいんがはっきりしており予防よぼう可能かのうがんであるというてんである。これは形成けいせい子宮しきゅう頸癌になるまえ病変びょうへん)が発見はっけん可能かのうなためであり、定期ていきてき子宮しきゅう頸癌検診けんしんにより、形成けいせい段階だんかい発見はっけん治療ちりょうすることによりがん発症はっしょう未然みぜんふせぐことができる。検診けんしんにより死亡しぼうりつ最大さいだい80%減少げんしょうする可能かのうせいがある[14]

アメリカ家庭かてい学会がっかい英語えいごばんは、無駄むだ医療いりょう抑制よくせいするための、かしこ選択せんたく(Choosing Wisery)キャンペーンにてパップテストについて言及げんきゅうしており、性的せいてき活発かっぱつでも21さいまでは検査けんさ必要ひつようなく、検査けんさ必要ひつようとなるのは21-65さいで、30さいまでは3ねんごと、それ以上いじょうでは5ねんごととしている[23]

くにべつ子宮しきゅう頸がん検診けんしん受診じゅしんりつ(2010ねん[24]
くに 検診けんしん受診じゅしんりつ
米国べいこく 85.0%
ドイツ 78.7%
フランス 71.1%
韓国かんこく 68.7%
イギリス 68.5%
オーストラリア 56.8%
日本にっぽん 37.7%

日本にっぽん国内こくない実施じっしされている子宮しきゅう頸癌検診けんしん検査けんさほう細胞さいぼうとHPV検査けんさである。いずれもWHO子宮しきゅう頸癌の検診けんしん検査けんさとして有効ゆうこうせいみとめられた検査けんさほうである。しかし2019ねん現在げんざい日本にっぽん子宮しきゅう頸がん検診けんしんとして推奨すいしょうできる検診けんしん方法ほうほうは「細胞さいぼう」のみで、HPV検査けんさふく方法ほうほうは、対策たいさくがた検診けんしん住民じゅうみん検診けんしん)として実施じっしすることはすすめられていない[25]

細胞さいぼう

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細胞さいぼう子宮しきゅう頸癌をうたがうような異常いじょう細胞さいぼうがないか判定はんていする検査けんさ子宮しきゅう頸部から採取さいしゅした細胞さいぼう色素しきそ染色せんしょくし、異常いじょう細胞さいぼうがないか顕微鏡けんびきょう観察かんさつする検査けんさほう検査けんさ結果けっかにちはは分類ぶんるい日本にっぽん母性ぼせい保護ほご協会きょうかいげん日本にっぽん産婦人科さんふじんかかい)とばれるクラス分類ぶんるいしたがって、以下いかのいずれかに判定はんていされた。

にちはは分類ぶんるい
検査けんさ結果けっか クラス 説明せつめい 判定はんてい[26]
陰性いんせい I 正常せいじょうである。 A1
陰性いんせい II 異常いじょう細胞さいぼうみとめるが良性りょうせいである。 A1
擬陽性ぎようせい IIIa 軽度けいど中等ちゅうとう形成けいせい想定そうていする。 C1
擬陽性ぎようせい IIIb 高度こうど形成けいせい想定そうていする。 C1
陽性ようせい IV 上皮じょうひないがん想定そうていする。 C1
陽性ようせい V 浸潤しんじゅんがん微小びしょう浸潤しんじゅんがん)を想定そうていする。 C1

クラス IIIa以上いじょう日本にっぽん予防よぼう医学いがく協会きょうかい判定はんていでC1)の場合ばあい精密せいみつ検査けんさ実施じっし細胞さいぼうによるがんまたはぜんがん病変びょうへん発見はっけんりつやく70%とされている。細胞さいぼう結果けっか記述きじゅつほうとしてこのほかに、Papanicolaou (Class) 分類ぶんるい、WHO分類ぶんるい、CIN分類ぶんるいなどがられている。

平成へいせい25(2013)年度ねんどより、日本にっぽん産婦人科さんふじんかかいでは、国際こくさい標準ひょうじゅんである「ベセスダシステム2001準拠じゅんきょ子宮しきゅう頸部細胞さいぼう報告ほうこく様式ようしき」(ベセスダシステム、かい分類ぶんるい)に報告ほうこく統一とういつした[26]

HPV 検査けんさ

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HPV検査けんさ子宮しきゅう頸癌の原因げんいんであるこうリスクがたHPV感染かんせん有無うむ判定はんていする検査けんさ細胞さいぼう同様どうよう子宮しきゅう頸部から採取さいしゅした細胞さいぼうもちい、HPV感染かんせん判定はんていする検査けんさほう。30さい以上いじょうでは10%じゃくがHPV陽性ようせい判定はんていされる。HPV検査けんさによるがんまたはぜんがん病変びょうへん発見はっけんりつやく95%とされている。細胞さいぼうとHPV検査けんさ併用へいようした場合ばあいがんまたはぜんがん病変びょうへん発見はっけんりつはほぼ100%とされている。

ヒトパピローマウイルス(HPV)感染かんせんは、すべての子宮しきゅう頸癌の原因げんいんである[27]。ほとんどの女性じょせい感染かんせんしても18ヶ月かげつ以内いない体内たいないから排除はいじょされ陰性いんせいとなる。こうリスクのタイプ[28]たとえば、16,18,31,45がた)の感染かんせん長期間ちょうきかんつづひとは、HPVがDNAに影響えいきょうおよぼすので、子宮しきゅう頸部上皮じょうひない腫瘍しゅよう英語えいごばん発症はっしょうする可能かのうせいがよりたかい。

英国えいこく国民こくみん保健ほけんサービス(NHS)は、スクリーニングプログラムに「HPV triage」を追加ついかした。これは、最初さいしょのスクリーニング検査けんさ境界きょうかいせん結果けっかまたはてい悪性あくせい異常いじょう細胞さいぼうしめ場合ばあい、HPVのさらなる検査けんさ追加ついかおこなわれることを意味いみする。HPVが存在そんざいすることがしめされている場合ばあいさい検査けんさばれるが、HPVが存在そんざいしない場合ばあいは、異常いじょうがないかのように通常つうじょうのスクリーニングスケジュールを再開さいかいする[29]

HPV検査けんさ報告ほうこく正確せいかくせいかんする研究けんきゅう

  • 感度かんど88%?91%(CIN3以上いじょう検出けんしゅつする場合ばあい[30]、〜97%(CIN2 +を検出けんしゅつする場合ばあい[31]
  • 特異とくい73 - 79%(CIN3以上いじょう検出けんしゅつ)[30]、〜93%(CIN2 +検出けんしゅつ[31]

よりこう感度かんどなHPV検査けんさくわえることにより、特異とくいせい低下ていかする可能かのうせいがある[32]特異とくいせい低下ていかすると、結果けっかにせ陽性ようせい検査けんさかずえ、病気びょうきたないおおくの女性じょせいで、コルポスコピーのリスクが増加ぞうかし、おかせかさねてき処置しょち[33] および不要ふよう処置しょち増加ぞうかする。価値かちのあるスクリーニング検査けんさは、疾患しっかんゆうするものただしく識別しきべつされるために、感度かんど特異とくいせいとのあいだのバランスを必要ひつようとする。

HPV検査けんさ役割やくわりかんして、ランダム比較ひかく試験しけんで、HPVをコルポスコピーと比較ひかくした。HPV検査けんさは、直接ちょくせつコルポスコピーほど感度かんどたかく、同時どうじ必要ひつようちつきょうかずらす[34]。ランダム比較ひかく試験しけんでは、HPV検査けんさ異常いじょう細胞さいぼうのちおこなわれるか、または子宮しきゅう頸部細胞さいぼう検査けんさまえおこなわれる可能かのうせい示唆しさされている[31]

2007ねん発表はっぴょうされた研究けんきゅうでは、パップテストおこなうことで炎症えんしょうせいサイトカイン応答おうとうこし、HPVの免疫めんえきがくてきクリアランスを開始かいしし、子宮しきゅう頸癌のリスクを低下ていかさせる可能かのうせいがあることを示唆しさしている。パップテストをいちでもしたことのある女性じょせいでも、がんの発生はっせいりつひくかった。HPV陽性ようせいりつ統計とうけいてき有意ゆうい低下ていかは、生涯しょうがいにパップテストを受診じゅしんした回数かいすう相関そうかんしていた[35]

HPV検査けんさでは、32-38さい女性じょせいのランダム比較ひかく試験しけんで、そののスクリーニング検査けんさ検出けんしゅつされた子宮しきゅう頸部上皮じょうひないしん形成けいせいまたは子宮しきゅう頸がんの発生はっせいりつ低下ていかさせることができた。相対そうたいてきなリスク削減さくげんは41.3%であった。この研究けんきゅう患者かんじゃ同様どうようのリスクをゆうする患者かんじゃ(63%がCIN2-3またはがんであった)について、絶対ぜったいリスクを26%低下ていかさせる。3.8にん患者かんじゃは、1人ひとり利益りえきるために治療ちりょうされなければならない(治療ちりょうようするかず= 3.8)。CIN 2-3のリスクのたかほうまたはひくほう結果けっか調整ちょうせいするには、ここをクリック

HPV検査けんさPap検査けんさ結果けっか所見しょけん[36]
HPV検査けんさ Pap検査けんさ(ベセスダシステム) 細胞さいぼう結果けっか説明せつめい[37] 判定はんてい
陰性いんせい 陰性いんせい 正常せいじょうまたは正常せいじょう範囲はんいない所見しょけん 5ねん以内いないさい検査けんさ
すべて 陰性いんせい 正常せいじょうまたは正常せいじょう範囲はんいない所見しょけん 3ねん以内いないさい検査けんさ
陰性いんせい 軽度けいどことがた扁平へんぺい上皮じょうひ細胞さいぼう英語えいごばん(ASC-US) 扁平へんぺい上皮じょうひ細胞さいぼう変化へんかがある。良性りょうせい悪性あくせい区別くべつはできない
陰性いんせい 軽度けいど扁平へんぺい上皮じょうひ病変びょうへん英語えいごばん (LSIL)(HPV感染かんせん軽度けいど形成けいせい 扁平へんぺい上皮じょうひ細胞さいぼう軽度けいど異常いじょうがみられる 6-12かげつ以内いないさい検査けんさ
検査けんさせず ASC-US 扁平へんぺい上皮じょうひ細胞さいぼう変化へんかがある。良性りょうせい悪性あくせい区別くべつはできない
陽性ようせい 陰性いんせい 正常せいじょうまたは正常せいじょう範囲はんいない所見しょけん
検査けんさせず LSIL 扁平へんぺい上皮じょうひ細胞さいぼう軽度けいど異常いじょうがみられる すぐにコルポスコピー
陽性ようせい LSIL 扁平へんぺい上皮じょうひ細胞さいぼう軽度けいど異常いじょうがみられる
すべて 高度こうどことがた扁平へんぺい上皮じょうひ細胞さいぼう英語えいごばん (ASC-H) 扁平へんぺい上皮じょうひ細胞さいぼう変化へんかがあり、悪性あくせい可能かのうせいうたがわれる
陽性ようせい ASC-US 扁平へんぺい上皮じょうひ細胞さいぼう変化へんかがある。良性りょうせい悪性あくせい区別くべつはできない
すべて 高度こうど形成けいせい英語えいごばん 病変びょうへん(HSIL) 扁平へんぺい上皮じょうひ細胞さいぼう高度こうど異常いじょうがみられ、早急そうきゅう受診じゅしん必要ひつよう
すべて 扁平へんぺい上皮じょうひがん うたがい(SCC) 扁平へんぺい上皮じょうひがんうたがわれ、早急そうきゅう受診じゅしん必要ひつよう
すべて かたせん細胞さいぼう英語えいごばん (AGC) せん細胞さいぼう変化へんかられ、悪性あくせい変化へんか可能かのうせいうたがわれ、早急そうきゅう受診じゅしん必要ひつよう

2019ねん2がつ、イングランドの子宮しきゅう頸がんの1検査けんさとして、液状えきじょう検体けんたい細胞さいぼう(LBCほう)と比較ひかくし、こうリスクがたヒトパピローマウイルス(hrHPV)検査けんさでは、子宮しきゅう頸部上皮じょうひない病変びょうへん(CIN)のグレード3以上いじょう(CIN3)の検出けんしゅつりつやく40%、子宮しきゅう頸がんの検出けんしゅつりつやく30%上昇じょうしょうするなどhrHPV検査けんさ優越ゆうえつせいしめされたことから、イングランドでは、2019ねんまつまでの全国ぜんこく導入どうにゅう目指めざしているとほうじられた[38][39]

診断しんだん

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検診けんしん結果けっか細胞さいぼうクラスIIIa以上いじょうであったり、HPVに持続じぞく感染かんせんしているなど、精密せいみつ検査けんさ必要ひつようせいがあると判断はんだんされた場合ばあい精密せいみつ検査けんさ実施じっしし、最終さいしゅうてき診断しんだんおこなう。

精密せいみつ検査けんさではコルポスコピー(コルポ)がおこなわれ、拡大鏡かくだいきょうコルポスコープ)をもちいて子宮しきゅう頸部粘膜ねんまく表面ひょうめんを5~20ばい拡大かくだいして観察かんさつする[40]。そのさい病変びょうへん明確めいかくにするため3%酢酸さくさん子宮しきゅう頸部に接触せっしょくさせ(酢酸さくさん加工かこう)それによる変化へんかをも所見しょけんとする[40]

コルポスコピーで異常いじょううたが箇所かしょがみられた場合ばあい、その部分ぶぶん組織そしき採取さいしゅし、組織そしき(いわゆるねら組織そしきばれる診査しんさ組織そしき)による病理びょうりがくてき検査けんさおこなう。この診査しんさ組織そしきによりがん診断しんだんおよ臨床りんしょう進行しんこう推定すいていおこなうが、上皮じょうひないがん初期しょき浸潤しんじゅんがん確定かくてい困難こんなんである[41]

高度こうど異形いぎょう上皮じょうひ上皮じょうひないがん初期しょき浸潤しんじゅんがん確定かくてい診断しんだんおよ治療ちりょう)には円錐えんすい切除せつじょおこなわれる[41]

このほか血清けっせいがくてき検査けんさ(SCC)もおこなわれることがある[41]

予防よぼう

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HPVワクチン

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HPVワクチンは、子宮しきゅう頸癌、ちつがんそとかげがんおおくの原因げんいんとなるかたのHPV感染かんせんふせぐことができる。ワクチンは12さいごろからの接種せっしゅ推奨すいしょうされている。またワクチンの接種せっしゅ定期ていきてきパップテストけることは重要じゅうようである[42]。HPV感染かんせんふせぐワクチンは公費こうひ自己じこ負担ふたんなくてる定期ていき接種せっしゅ小学校しょうがっこう6年生ねんせいから高校こうこう1ねん女子じょし対象たいしょうであったが、2020ねん現在げんざい自己じこ負担ふたん任意にんい接種せっしゅである男子だんしへも対象たいしょう拡大かくだい検討けんとうすることとなった[43]

定期ていき検査けんさ

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パップテスト、HPV検査けんさの2つの検査けんさ予防よぼう非常ひじょう有効ゆうこうである。パップテスト子宮しきゅう頸部細胞さいぼう)は子宮しきゅう頸部の細胞さいぼうこすって顕微鏡けんびきょう検査けんさおこな検査けんさで、がん細胞さいぼうぜんがん状態じょうたい(がんになるまえ形成けいせい)をつけせる。HPV検査けんさ子宮しきゅう頸癌をこすHPVへの感染かんせんをチェックする。これらの検査けんさを21~65さいあいだ定期ていきてきけることが重要じゅうようとされる[42]

アメリカなどではちつきょう使つかって自分じぶん子宮しきゅう頚部けいぶをセルフチェックすることを推奨すいしょうするうごきがある[44][45]

その禁煙きんえんコンドーム使用しようせい交渉こうしょうのパートナーを制限せいげんすることも、子宮しきゅう頸癌のリスクをげる可能かのうせいがある[42]

HPVと性行為せいこうい

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HPVは感染かんせんしゃとの性行為せいこういちつ性交せいこう肛門こうもん性交せいこうオーラルセックスふくむ)で感染かんせんする可能かのうせいたかいが、性行為せいこうい感染かんせん必須ひっす行為こういではない。HPV感染かんせん皮膚ひふ皮膚ひふ接触せっしょくすることでおこるため、性行為せいこういがなくとも(たとえば感染かんせんした肛門こうもん陰部いんぶれても)感染かんせんし、同一どういつからだでも部位ぶいから部位ぶいうつる。そのため、”他人たにん性器せいき同士どうし接触せっしょくをしない”ことでHPV感染かんせんのリスクをげることは可能かのうだが、経緯けいい感染かんせんする可能かのうせいはあくまで排除はいじょできない[46]

不正確ふせいかく認識にんしきによって子宮しきゅう頸癌と性行為せいこうい関連かんれんするあやまった情報じょうほう流布るふしているいちめんもあり、2020ねん2がつには高須たかすかつわたるが「子宮しきゅう頸癌はコンドームを一瞬いっしゅんつければふせげる」とTwitterでツイートして拡散かくさんし、それにたいしておおくの医療いりょう関係かんけいしゃがこの情報じょうほうあやまりを指摘してきした[47]

治療ちりょう

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形成けいせい治療ちりょうほう

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形成けいせい程度ていどおうじて軽度けいど形成けいせい中等ちゅうとう形成けいせい高度こうど形成けいせい分類ぶんるいされる。また、上皮じょうひないがん高度こうど形成けいせい同様どうようあつかいである。

軽度けいど形成けいせいはHPVが自然しぜん消失しょうしつすると、それにともな形成けいせい自然しぜん治癒ちゆする可能かのうせいたかいため、通常つうじょう治療ちりょう実施じっししない。

中等ちゅうとう形成けいせい日本にっぽん国内こくないでのあつかいは一定いっていしていない。経過けいか観察かんさつ・または治療ちりょうおこなうが、日本にっぽん産科さんか婦人ふじん学会がっかい治療ちりょう指針ししんでは、16がた、18がた、31がた、33がた、35がた、45がた、52がた、58がたがんリスクがたかく、治療ちりょう検討けんとうする指針ししんとなっている。とくに16がた、18がた、33がたのリスクがたかい。治療ちりょうほう病変びょうへん部位ぶいふくめ、子宮しきゅう頸部の一部分いちぶぶん円錐えんすいじょう切除せつじょする円錐えんすい切除せつじょじゅつ[48]一般いっぱんてき円錐えんすい切除せつじょじゅつでは子宮しきゅう切除せつじょすることなく、ほぼ完治かんじするが再発さいはつ可能かのうせいもある。子宮しきゅうのこすことができるため、術後じゅつご妊娠にんしん出産しゅっさんにもほとんど影響えいきょうはないとされている。

高度こうど形成けいせい場合ばあい円錐えんすい切除せつじょじゅつとうにより、治療ちりょうおこなう。

子宮しきゅう頸癌の治療ちりょうほう

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子宮しきゅう頸癌の進行しんこう軽度けいどのものからじゅんに0、IA1、IA2、IB1、IB2、IIA、IIB、IIIA、IIIB、IVA、IVB分類ぶんるいされる。

0上皮じょうひないがん)はがん粘膜ねんまくそうにとどまっている段階だんかいであり、形成けいせい同様どうよう円錐えんすい切除せつじょじゅつ完治かんじ可能かのう。しかし、きょ希望きぼうがなければ子宮しきゅうぜん摘術をおこなうこともある。

IA程度ていどかる場合ばあい円錐えんすい切除せつじょじゅつ子宮しきゅうのこすことが可能かのうであるが、円錐えんすい切除せつじょじゅつ病変びょうへんりきれない場合ばあい子宮しきゅうぜん摘術をおこなう。

IB以降いこう進行しんこうがん場合ばあい子宮しきゅうのほか、卵巣らんそう卵管らんかん、そのまわりのリンパぶしなどの臓器ぞうき摘出てきしゅつする。国内こくないではIIIやIVでも手術しゅじゅつをおこなうことがあり、IIIでは動静どうせいみゃく切断せつだんして靭帯じんたいから摘出てきしゅつするじゅつしきが、IVAでは膀胱ぼうこう直腸ちょくちょうなども摘出てきしゅつするじゅつしきられることもある。

IA~IVA術後じゅつご治療ちりょうとして、中間なかまリスクぐんには放射線ほうしゃせん治療ちりょう(+化学かがく療法りょうほう)、こうリスクぐんにはシスプラチンと放射線ほうしゃせん治療ちりょう併用へいよう療法りょうほうおこなう。

骨盤こつばんない再発さいはつまたは後腹あとばらまくリンパぶし再発さいはつたいしては、放射線ほうしゃせん治療ちりょうおこなっていなければ放射線ほうしゃせん治療ちりょう実施じっしする。骨盤こつばんない再発さいはつ切除せつじょ可能かのうであれば手術しゅじゅつ検討けんとうする。

上記じょうき以外いがい再発さいはつれいおよびIVB症例しょうれいでは化学かがく療法りょうほう検討けんとうする。シスプラチン+パクリタキセルの併用へいよう療法りょうほう標準ひょうじゅんであり、本邦ほんぽうではJCOG0505試験しけん結果けっかからカルボプラチン+パクリタキセルの併用へいよう療法りょうほうおこなわれる。GOG240試験しけん結果けっかをもとに、ベバシズマブの併用へいよう検討けんとうされる。

米国べいこく子宮しきゅうけいがんガイドラインではIA2以降いこうでは放射線ほうしゃせん療法りょうほう単独たんどく療法りょうほう、IB2以降いこうでは放射線ほうしゃせん療法りょうほう化学かがく療法りょうほう併用へいよう療法りょうほう推奨すいしょうされている。

IIbたいして、広範こうはん子宮しきゅうぜん摘出てきしゅつじゅつ+その放射線ほうしゃせん治療ちりょう追加ついかするといった治療ちりょうほう選択せんたくしているのは日本にっぽんだけであり、欧米おうべいでは、術後じゅつご照射しょうしゃによる治療ちりょうすうねんにわたる下肢かしのむくみや治療ちりょうちゅうこりうる骨盤こつばんないリンパ浮腫ふしゅ悪化あっか配慮はいりょし、同等どうとう以上いじょう成績せいせきである根治こんじてき放射線ほうしゃせん療法りょうほう(±化学かがく療法りょうほう)が選択せんたくされている[49]広汎こうはん子宮しきゅうぜん摘出てきしゅつじゅつでは術後じゅつごに、イレウスや下肢かしリンパ浮腫ふしゅ排尿はいにょう障害しょうがいといった副作用ふくさようこることがあるデメリットがある[50]日本にっぽんにおける2004ねんから2007ねん施設しせつ共同きょうどう前向まえむ試験しけんでは、放射線ほうしゃせん単独たんどく治療ちりょうによって3ねん生存せいぞんりつが95%と欧米おうべい治療ちりょう成績せいせき同等どうとうであり、日本にっぽん放射線ほうしゃせん単独たんどく治療ちりょう安全あんぜんせい有効ゆうこうせい証明しょうめいされた。[51][52]

研究けんきゅう事例じれい

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HPV治療ちりょうワクチン 

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異形いぎょうせい進行しんこう段階だんかいもどすワクチンが開発かいはつちゅうであり、なかには乳酸菌にゅうさんきんもちいた経口けいこうのワクチンもある[53]

iPS細胞さいぼうによる治療ちりょう 

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2023ねん12月13にち順天堂大学じゅんてんどうだいがくらのグループが健康けんこうひとから樹立じゅりつしたiPS細胞さいぼうにゲノム編集へんしゅうおこなうことで、そのiPS細胞さいぼうから作製さくせいしたヒトパピローマウイルス特異とくいてき細胞さいぼう傷害しょうがいせいT細胞さいぼう(CTL)が、患者かんじゃ免疫めんえき細胞さいぼうから拒絶きょぜつされずに子宮しきゅう頸がんを強力きょうりょく抑制よくせいできることをあきらかになったと発表はっぴょうした[54]ほん論文ろんぶんは、Cellけい学術がくじゅつ雑誌ざっし「Cell Reports Medicine」のオンラインばんで2023ねん12月12にちけで掲載けいさいされた[54]順天堂大学じゅんてんどうだいがくは2024ねんなつにも治験ちけんすす方針ほうしんとしている[55]

脚注きゃくちゅう

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出典しゅってん

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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