小川おがわ可か進すすむ

小川おがわ 可か進すすむ（おがわ かしん、天明てんめい6年ねん（1786年ねん） - 安政あんせい2年ねん5月2日にち（1855年ねん6月15日にち））は、煎茶せんちゃ道どう小川おがわ流りゅうの創始そうし者しゃ、初代しょだい小川おがわ後楽こうらく。「可か進すすむ」「後楽こうらく」また両方りょうほうを合あわせた「可か進しん後ご楽堂がくどう」は号ごうで、諱いみなは「弘ひろし宣せん」。

略歴りゃくれき

京都きょうとの医者いしゃの家系かけいの出身しゅっしんで、自身じしんも漢方かんぽう医いで、公家くげの御ご典てん医いを務つとめていた。医者いしゃとして茶ちゃの栄養えいようへの関心かんしんから煎茶せんちゃに関心かんしんを持もつようになる。時代じだいは化か政せい文化ぶんかの最盛さいせい期きで庶民しょみんにまで異国いこく趣味しゅみとしての煎茶せんちゃへの関心かんしんが高たかまっていたが、中国ちゅうごく文物ぶんぶつコレクションを自慢じまんする当時とうじの煎茶せんちゃブームには常々つねづね疑問ぎもんを持もっていたようである。

独自どくじの煎茶せんちゃ法ほうを広ひろめるべく50歳さいの時ときに医者いしゃを廃業はいぎょう。以後いごは御ご典てん医い時代じだいに築きずかれた公家くげ人脈じんみゃくに支ささえられて煎茶せんちゃ道どう流派りゅうは「小川おがわ流りゅう」の構築こうちくにいそしむ。近衛このえ忠ただし熙、鷹司たかつかさ政まさし通どおり、一条いちじょう忠ただし香がら摂関せっかん家かの当主とうしゅが主おもなパトロンであり、他た久我くが建けん通どおり、万里小路まりこうじ正せい房ぼう、坊ぼう城じょう俊克としかつ、勧修寺かんしゅうじ顕彰けんしょう、広幡ひろはた基もと豊ゆたか、千種ちくさ有功ゆうこうらとも交流こうりゅうがあり、特とくに堀河ほりかわ康やすし親おやとは親したしく交流こうりゅうしていた。また仁阿弥にんあみ道八どうはち、青木あおき木米もくべい、頼よりゆき山陽さんよう、横山よこやま華山かざんとも交流こうりゅうがあった。可か進すすむの家いえの南隣みなみどなりに華山げさんが住すんでおり、両者りょうしゃの家いえは後のちに富岡とみおか鉄斎てっさいが引ひっ越こして、買かい潰つぶして書庫しょこなどになったという。

著書ちょしょ

• 『喫茶きっさ弁べん』
• 『煎茶せんちゃ記聞きぶん』

参考さんこう文献ぶんけん

• 『煎茶せんちゃを学まなぶ―新あたらしい茶味ちゃみの発見はっけん 煎茶せんちゃ席せきと手前てまえの基本きほん』六ろく代だい小川おがわ後楽こうらく著しる、角川書店かどかわしょてん　ISBN 978-4046513106