小牧こまき近江おうみ

小牧こまき 近江おうみ （こまき おうみ）
黄土おうど社しゃ『ふらんす大だい革命かくめい』（1949）より
誕生たんじょう	近江谷おうみや駧 (1894-05-11) 1894年ねん5月11日にち 秋田あきた県けん土崎つちざき港こう（現げん:秋田あきた市し土崎つちざき港こう）
死没しぼつ	(1978-10-29) 1978年ねん10月29日にち（84歳さい没ぼつ）
職業しょくぎょう	フランス文学ぶんがく者もの、翻訳ほんやく家か、社会しゃかい科学かがく者もの・社会しゃかい運動うんどう家いえ
言語げんご	日本語にほんご
国籍こくせき	日本にっぽん
最終さいしゅう学歴がくれき	パリ大学だいがく法学部ほうがくぶ
活動かつどう期間きかん	） 1919年ねん -） 1978年ねん
ジャンル	翻訳ほんやく、随筆ずいひつ
文学ぶんがく活動かつどう	無産むさん階級かいきゅう文化ぶんか運動うんどう
代表だいひょう作さく	『種たね蒔まく人ひと』
親族しんぞく	近江谷おうみや栄次えいじ（父ちち） 島田しまだ晋作しんさく（弟おとうと）

小牧こまき 近江おうみ（こまき おうみ、1894年ねん（明治めいじ27年ねん）5月11日にち - 1978年ねん（昭和しょうわ53年ねん）10月29日にち）は、日本にっぽんのフランス文学ぶんがく者もの、翻訳ほんやく家か、社会しゃかい科学かがく者もの・社会しゃかい運動うんどう家いえ。法政大学ほうせいだいがく教授きょうじゅ。本名ほんみょう、近江谷おうみや 駧（おうみや こまき）。

略歴りゃくれき

秋田あきた県けんの土崎つちざき港こう（つちざきみなと、現在げんざいの秋田あきた市し土崎つちざき港こう）生うまれ。

東京とうきょうの暁星ぎょうせい中学ちゅうがく中退ちゅうたい後ご、1910年ねん、第だい1回かい万国ばんこく議員ぎいん会議かいぎに出席しゅっせきする父ちち近江谷おうみや栄次えいじに連つれられてフランスに渡わたり、パリ大学だいがく法学部ほうがくぶ入学にゅうがく。苦学くがくの末すえ、1918年ねん（大正たいしょう7年ねん）卒業そつぎょう。この間あいだ、ロマン・ロランに傾倒けいとう。同地どうちで小説しょうせつ家かアンリ・バルビュスの「クラルテ運動うんどう」に共鳴きょうめいし、反戦はんせん運動うんどうに参加さんか。また、日本にっぽん大使館たいしかんに勤務きんむした。帰国きこくは1919年ねん。

帰国きこく後ご、革命かくめい歌か「インターナショナル」を日本語にほんごに訳詞やくし（岡本おかもとけにちによる初はつ訳やくに次つぐ）。佐々木ささき孝丸たかまる訳わけの先駆さきがけとなった。小学校しょうがっこう時代じだいの旧友きゅうゆうである金子かねこ洋文ひろふみ、今野こんの賢三けんぞうと『種たね蒔まく人ひと』を創刊そうかん。無産むさん階級かいきゅう文化ぶんか運動うんどうに従事じゅうじしたが、戦時せんじ中ちゅうはフランス領りょうインドシナで民族みんぞく解放かいほう運動うんどうに関かかわった。

戦後せんごは文筆ぶんぴつを主おもとし、鎌倉かまくら市しに居住きょじゅうし、平和へいわ運動うんどうに参加さんかした。1949年ねん中央ちゅうおう労働ろうどう学園がくえん大学だいがく教授きょうじゅ、1951年ねん法政大学ほうせいだいがく社会学部しゃかいがくぶ教授きょうじゅ（労働ろうどう史し、外国がいこく書しょ講読こうどく［仏語ふつご］、演習えんしゅう担当たんとう、1965年ねん定年ていねん退職たいしょく）、中央ちゅうおう労働ろうどう学院がくいん院長いんちょう。シャルル・フィリップ全集ぜんしゅうやバルビュスの翻訳ほんやくを残のこし、回想かいそう記きを執筆しっぴつした。

親族しんぞく

• 父ちち 近江谷おうみや栄次えいじ - 秋田港あきたこう築港ちっこう・秋田あきた県けん初はつの火力かりょく発電はつでんなどで地元じもとの経済けいざい基盤きばん作づくりに貢献こうけんした実業じつぎょう家か・衆議院しゅうぎいん議員ぎいん。
• 長男ちょうなん 近江谷おうみや左ひだり馬ば之の介かい - 元もと九州大学きゅうしゅうだいがく教授きょうじゅ、マルクス経済けいざい学者がくしゃ。
• 弟おとうと 島田しまだ晋作しんさく - 評論ひょうろん家か、衆議院しゅうぎいん議員ぎいん。

著書ちょしょ

• 『詩し数すう編へん』（ラ・ベル・エディソン社しゃ） 1919 - 挿画そうがは藤田ふじた嗣治つぐじ
• 『アンリ・バルビュスの芸術げいじゅつと思想しそう 附ふ・アレクセイ・トルストイの公開こうかい状じょう』（世界せかい思潮しちょう研究けんきゅう会かい、世界せかいパンフレット通信つうしん） 1922
• 『プロレタリア文学ぶんがく手引てびき』（至上しじょう社しゃ、新しん学芸がくげい叢書そうしょ） 1925
• 『異国いこくの戦争せんそう』（日本にっぽん評論ひょうろん社しゃ） 1930
• 『ロベスピエール フランス革命かくめいの父ちち』（北斗ほくと書院しょいん） 1947
• 『ふらんす大だい革命かくめい』（黄土おうど社しゃ） 1949
• 『ふらんす革命かくめい夜話やわ』（時事通信社じじつうしんしゃ） 1950
• 『ある現代げんだい史し "種しゅ蒔まく人ひと"前後ぜんこう』（法政大学ほうせいだいがく出版しゅっぱん局きょく） 1965
• 『近江おうみ谷井たにい堂どう』（編へん、近江谷おうみや小牧こまき） 1971
• 『イソップ三さん代目だいめ』（第だい三さん文明ぶんめい社しゃ） 1973
• 『種たね蒔まくひとびと』（かまくら春秋しゅんじゅう社しゃ） 1978.4
• 『ジャコバンの精神せいしん』（鹿砦ろくさい社しゃ） 1979.1

翻訳ほんやく

• 『クラルテ』（バルビユス、叢くさむら文ぶん閣かく） 1924
• 『小ちいさな町まち』（シヤルル・ルイ・フイリツプ、新潮社しんちょうしゃ、海外かいがい文学ぶんがく新選しんせん） 1925
• 『カザノヴァ情じょう史し』（カザノヴァ、国際こくさい文献ぶんけん刊行かんこう会かい） 1926
• 『シャルル・ルイ・フィリップ』（アンドレ・ジイド、叢くさむら文ぶん閣かく） 1926
• 『シャルル・ブランシャアル』（ 叢くさむら文ぶん閣かく、フィリップ全集ぜんしゅう 第だい1輯） 1926
• 『地獄じごく』（アンリ・バルピュス、新潮社しんちょうしゃ、世界せかい文学ぶんがく全集ぜんしゅう） 1929、のち文庫ぶんこ
• 『ペルドリイ爺じいさん』（フイリツプ、平凡社へいぼんしゃ、新興しんこう文学ぶんがく全集ぜんしゅう） 1929
• 『昆虫こんちゅうの生活せいかつ』（アルス、ファブル科学かがく知識ちしき全集ぜんしゅう） 1930
• 『昆虫こんちゅう記き 第だい9』（アンリ・フアブル、叢くさむら文ぶん閣かく） 1931
• 『ビュビュ・ド・モンパルナス』（フィリップ、新潮社しんちょうしゃ、新潮しんちょう文庫ぶんこ） 1934
• 『肉体にくたいの悪魔あくま』（レエモン・ラデイゲ、土井どい逸雄いつお共とも訳やく、改造かいぞう文庫ぶんこ） 937
• 『自然しぜんの法典ほうてん』（モレリイ、桐山きりやま隆彦たかひこ共とも訳やく、日本にっぽん評論ひょうろん社しゃ、世界せかい古典こてん文庫ぶんこ） 1949
• 『カザノヷ情じょう史し』（安倍あべ牟礼むれ夫おっと共とも訳やく、河出かわで書房しょぼう、市民しみん文庫ぶんこ） 1951
• 『知識ちしき人じんに与あずかう』（バルビュス、後藤ごとう達雄たつお共とも訳やく、ダヴィッド社しゃ） 1952
• 『かも猟りょう』（ユゴー・クラウス、澁澤しぶさわ龍彦たつひこ共とも訳やく、村山むらやま書店しょてん） 1957

関連かんれん項目こうもく

• 種たね蒔まく人ひと
• 北条ほうじょう常久つねひさ - 研究けんきゅう者しゃ

外部がいぶリンク

• 小牧こまき近江おうみ（秋田あきた県立けんりつ博物館はくぶつかん） - ウェイバックマシン（2012年ねん1月がつ21日にちアーカイブ分ぶん）
• 鎌倉かまくら文人もんと録ろく 小牧こまき近江おうみ（鎌倉かまくら市し）
• 新しん社会党しゃかいとう 2011年ねん1月がつ1日にち