山口やまぐち県民けんみん歌か

山口やまぐち県民けんみん歌か（初代しょだい）
県民けんみん歌かの対象たいしょう 山口やまぐち県けん
作詞さくし	渡辺わたなべ世よ祐ゆう 高野たかの辰之たつゆき（補作ほさく）
作曲さっきょく	信しん時じ潔きよし
採用さいよう時期じき	1940年ねん2月がつ11日にち
採用さいよう終了しゅうりょう	1945年ねん（演奏えんそう禁止きんし）
言語げんご	日本語にほんご

「山口やまぐち県民けんみん歌か」（やまぐちけんみんか）は、昭和しょうわ時代じだい戦前せんぜんの日本にっぽんにおいて山口やまぐち県けんで制定せいていされていた県民けんみん歌かである。作詞さくし・渡辺わたなべ世よ祐ゆう、補作ほさく・高野たかの辰之たつゆき、作曲さっきょく・信しん時じ潔きよし。

解説かいせつ

「山口やまぐち県けん制定せいてい 山口やまぐち県民けんみん歌か」
霧島きりしま昇のぼる の シングル
リリース	1940年ねん
規格きかく	SPレコード
ジャンル	都道府県とどうふけん民みん歌か
レーベル	日本にほんコロムビア
作詞さくし・作曲さっきょく	作詞さくし：渡辺わたなべ世よ祐ゆう 補作ほさく：高野たかの辰之たつゆき 作曲さっきょく：信しん時じ潔きよし

1940年ねん（昭和しょうわ15年ねん）の皇紀こうき二に千せん六ろく百ひゃく年ねん記念きねん行事ぎょうじの一環いっかんとして歌詞かしを公募こうぼし、600点てんの応募おうぼ作さくを基もとに萩はぎ市し出身しゅっしんの歴史れきし学者がくしゃ・渡辺わたなべ世よ祐ゆうが作詞さくしを行おこない、高野たかの辰之たつゆきが歌詞かしの補作ほさく、信しん時じ潔きよしが作曲さっきょくをそれぞれ依頼いらいにより手掛てがけて2月がつ11日にちに山口やまぐち県けんと山口やまぐち市しが共同きょうどうで開催かいさいした建国けんこく祭さい式典しきてんで紀元きげん二に千せん六ろく百ひゃく年ねん歌かの奉唱ほうしょうに続つづいて初はつ演奏えんそうが執とり行おこなわれた。同年どうねんには日本にほんコロムビアより霧島きりしま昇のぼるが歌唱かしょうするSPレコードが発売はつばいされている。

戦後せんごの扱あつかい

1945年ねん（昭和しょうわ20年ねん）の太平洋戦争たいへいようせんそう終結しゅうけつ後ご、本ほん曲きょくは「奉公ほうこう」「翼賛よくさん」「尊王そんのう」「共栄きょうえい」など軍国ぐんこく主義しゅぎを想起そうきさせる単語たんごの多用たようを理由りゆうに連合れんごう国軍こくぐん最高さいこう司令しれい官かん総そう司令しれい部ぶ（GHQ/SCAP）から演奏えんそうを禁きんじられたが1951年ねん（昭和しょうわ26年ねん）には2代目だいめ「山口やまぐち県民けんみんの歌うた」が歌詞かしの一般いっぱん公募こうぼを経へて大村おおむら能のう章あきらの作曲さっきょくで2曲きょく同時どうじに制定せいていされた。しかし、2曲きょくの2代目だいめ「山口やまぐち県民けんみんの歌うた」も10年ねん余あまりしか存続そんぞくせず1962年ねん（昭和しょうわ37年ねん）には県けん成立せいりつ90周年しゅうねんを記念きねんして現行げんこうの3代目だいめ「山口やまぐち県民けんみんの歌うた」が新あらたに制定せいていされた。県けんでは3代目だいめ「山口やまぐち県民けんみんの歌うた」の制定せいてい動機どうきについて「それまで県民けんみん歌かが無なかった」としており、初代しょだい「山口やまぐち県民けんみん歌か」と2代目だいめ「山口やまぐち県民けんみんの歌うた」2曲きょくの計けい3曲きょくについては存在そんざい自体じたいが無なかったものとして扱あつかわれている。なお、3代目だいめ「山口やまぐち県民けんみんの歌うた」も初代しょだいと同おなじ信しんじ時じ潔きよしが作曲さっきょくを行おこなっている。

歌詞かし

初代しょだい「山口やまぐち県民けんみん歌か」は歌詞かし・旋律せんりつとも著作ちょさく権けんの保護ほご期間きかんを満了まんりょうし、2016年ねん（平成へいせい28年ねん）1月がつ1日にちよりパブリックドメインになっている。

一いち、

豊浦とようら（とよら）の宮みや（みや）の　故事こじ（ふるごと）しのび

藩はん祖そ（はんそ）の訓くん（おしえ）　代々だいだい（よよ）に守もり（まも）りて

百ひゃく万まん一いち心しん（ひゃくまんいっしん）　結ゆい（むす）びも固かた（かた）く

奉公ほうこう（ほうこう）の意気いき（いき）　天地てんち（てんち）に満みつる（み）てり

いざいざ仰おおせ（あお）げ　御ご遺徳いとく（おんいとく）

永久えいきゅう（とわ）にかわらぬ　御鏡おかがみ（みかがみ）ぞ

二に、

幾いく百ひゃく年ねん（いくももとせ）の　妖雲よううん払はらい（よううんはら）い

天日てんじつ（てんじつ）の光ひかり（ひかり）　四海しかい（しかい）を照あきら（てら）す

維新いしん（いしん）の偉業いぎょう（いぎょう）　翼賛よくさん（よくさん）の誉ほまれ（ほまれ）

負ふ持じ（おいも）つ我わが等ひとし（われら）ぞ　山口やまぐち県民けんみん（やまぐちけんみん）

いざいざ仰おおせ（あお）げ　指月山しづきやま（しづきやま）

焦土しょうど尊王そんのう（しょうどそんのう）の　精神せいしん（せいしん）を

三さん、

三面みづら海かい（さんめんうみ）なる　天与てんよ（てんよ）の国土こくど（こくど）

営（いとな）む農のう商しょう（のうしょう）　漁りょう塩しお（ぎょえん）の外そと（そと）に

新しん（あら）たに興きょう（おこ）れる　殷賑いんしん工業こうぎょう（いんしんこうぎょう）

雲くも（くも）なす煙けむり（けぶり）は　二に州しゅう（にしゅう）になびく

いざいざ仰おおせ（あお）げ　水陸すいりく（すいりく）の

産業さんぎょう文化ぶんか（さんぎょうぶんか）の　結ゆい（むす）ぶ実み（み）を

四よん、

西日本にしにほん（にしにっぽん）の　玄関げんかん出で（げんかんい）でて

指ゆび（さ）すは大陸たいりく（たいりく）　亜細亜あじあ（あじあ）の空そら（そら）に

共存きょうぞん共栄きょうえい（きょうそんきょうえい）　心しん（こころ）に期き（き）して

正ただし（ただし）しき力ちから（ちから）　新しん（あたら）しき生命せいめい（いのち）

いざいざ仰おおせ（あお）げ　諸共もろとも（もろとも）に

築きずけ（きず）き上うえ（あ）ぐべき　大だい殿堂でんどう（だいでんどう）

※原文げんぶんは旧きゅう字じ旧きゅう仮名遣かなづかい。

1番ばんの「百ひゃく万まん一いち心しん」は長州ちょうしゅう藩はんの藩はん祖そ・毛利もうり元就もとなりの故事こじに由来ゆらいするが、1931年ねん（昭和しょうわ6年ねん）に作つくられた「防ぼう長ちょう青年せいねん歌か」（作詞さくし・大谷おおや剛つよし、作曲さっきょく・信しんじ時じ潔きよし）の歌詞かしにも「天てん行ぎょう健けんなり 百ひゃく万まん一いち心しん」との一節いっせつがあり、しばしば初代しょだい「山口やまぐち県民けんみん歌か」と混同こんどうされる。

脚注きゃくちゅう

先代せんだい （なし）

山口やまぐち県けんの県民けんみん歌か 初代しょだい: 山口やまぐち県民けんみん歌か 1940年ねん - 1945年ねん?

次代じだい 2代だい: 山口やまぐち県民けんみんの歌うた 歌詞かしA・B （1951年ねん - 1962年ねん）