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幾何きかアルベド

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

幾何きかアルベド(きかアルベド、Geometric albedo)は、位相いそうかく0°の実際じっさいあかるさと、おな直径ちょっけい理想りそうてき平面へいめん円盤えんばんでの完全かんぜん拡散かくさん反射はんしゃランバート反射はんしゃ)とのである。

拡散かくさん反射はんしゃは、光源こうげん位置いちかかわらず、ひとしかたてき反射はんしゃすることを意味いみする。位相いそうかく0°は、光源こうげん方向ほうこう沿って観測かんそくすることに相当そうとうする。地上ちじょう観測かんそくしゃからは、観測かんそく対象たいしょう天体てんたいまたは黄道こうどうにあるときにこの状況じょうきょうしょうじる。

可視かし幾何きかアルベドは、可視かしこう領域りょういきのみの幾何きかアルベドである。

大気たいきのない天体てんたい

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大気たいきのない天体てんたい表面ひょうめん物質ぶっしつレゴリス)は、ランバートめんとはおおきくことなって効果こうかしめし、ひかりとう方向ほうこう拡散かくさんするよりは、光源こうげん方向ほうこうぐに反射はんしゃする傾向けいこうつよい。

このような天体てんたい幾何きかアルベドは、双方向そうほうこう反射はんしゃりつ分布ぶんぷ関数かんすうつよいピークが位相いそうかく0°にちかちいさな範囲はんいにあるため、決定けっていむずかしい。このピークのつよさは天体てんたいによってかなりことなり、十分じゅうぶんちいさな位相いそうかくでの観測かんそくによってのみしか決定けっていできない。このような測定そくていは、観測かんそくしゃ入射にゅうしゃこう非常ひじょうちか正確せいかく位置いちらないといけないため、通常つうじょうむずかしい。たとえば、つき正確せいかく位相いそうかく0°の位置いちにあるとしょくしょうじてしまうため、地球ちきゅうからはえない。太陽系たいようけい天体てんたいは、衝のときであっても、同時どうじのぼり交点こうてんにあるときでなければ、正確せいかく位相いそうかく0°になることはない。実際じっさいには、天体てんたい方向ほうこう反射はんしゃりつパラメータをもとめるのに、0°ではない非常ひじょうちいさな角度かくど使つかわれている。これらにより記述きじゅつされる反射はんしゃりつ関数かんすうを、位相いそうかく0°にそとすることで、幾何きかアルベドの評価ひょうかられる。

土星どせい衛星えいせいエンケラドゥステティスのように、非常ひじょうあかるく、地表ちひょう固体こたいで、大気たいきのない天体てんたいでは、合計ごうけい反射はんしゃ(ボンドアルベド)は1にちかく、つよい衝効果こうかはたらいて、幾何きかアルベドは1をえる(エンケラドゥスの場合ばあいは1.4)。つまり、天体てんたいえんのような入射にゅうしゃかくちいさい場合ばあいであっても、ひかり光源こうげん方向ほうこうかって反射はんしゃしやすい。1をえる幾何きかアルベドは、光源こうげん方向ほうこう散乱さんらんするひかりつよさがあらゆるランバートめんよりもたかいことを意味いみする。

幾何きかアルベドは、天体てんたい表面ひょうめん大気たいき性質せいしつによって、ボンドアルベドよりもおおきくなったりちいさくなったりする。

れい[1]

名前なまえ ボンドアルベド 可視かし幾何きかアルベド
水星すいせい 0.119 0.138
金星かなぼし 0.90 0.67
地球ちきゅう 0.306 0.367
火星かせい 0.25 0.15
木星もくせい 0.343 0.52
土星どせい 0.342 0.47
エンケラドゥス 0.99 1.4
天王星てんのうせい 0.300 0.51
海王星かいおうせい 0.290 0.41
冥王星めいおうせい 0.4 0.44-0.61
エリス 0.96

関連かんれん項目こうもく

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出典しゅってん

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  • NASA JPL glossary
  • K.P. Seidelmann, Ed. (1992) Explanatory Supplement to the Astronomical Almanac, University Science Books, Mill Valley, California.
  1. ^ Albedo of the Earth